〜900万ニアピンキリリク・わたまるさんへ〜

たぶんそう思う...
16

まーくんが頑張って免許を取ったからドライブに行こうと言って誘ってきた。
一応わたしも免許は持ってるけどペーパードライバーだし、通勤に電車使ってて定期もあるから車がなくても全然不自由はしなかった。
でも、デートとなると車があるとどこでも行けるし、二人の空間もすぐに作れるしで、いいなぁとは思っていた。実際、大学時代なんかも車持ちのカレシと付き合ってたこともあるし、車の中で……なんていうのも経験済みだし?
そのあたりまーくんはすっごくこだわってて、やたらとやりたがったのよね、車えっち。
車はおじさんが転勤先にもっていけなくて置いたままの車があったから、免許さえ取ればいつでも乗れるって感じだったんだけど、車に乗ってもいい代わりに、自動車学校の授業料は自分で稼げと言われたらしく、すぐには取れなかったらしい。
まーくんて意外と自立してるんだよね。公団住宅の家賃は安いけど、まーくんは引き落とされる生活費以外は自分で稼いでるっぽかった。まあ、食事は二人で一緒が多いし、作ってもらってる分わたしが出してるから、かなり安くはついてると思うけどね。
で、車ね。おじさんの車は普通のセダンで、学生が乗るにはちょっと高級車っぽいかもしれない。だからどこかに行く時はちょっとおしゃれして乗りたいなって思ってた。
「槇乃さん、すげえ、今日の格好色っぽいね」
車で行くって事は、電車に乗ったり人前にでることも少ないから、上着は手に持って肩と胸が大胆に空いたキャミソールドレス。そう言うまーくんもジャケットなんか出してきて、なんか大人のデートって感じになった。
「すごい、これ全部変えたの?」
おじさんの車にはクッションやらカバーが新しくされていて、中はまるで別の車みたいだった。
「うん、だって前のままじゃおっさんぽかっただろ?」
おじさんが聞いたら怒るよ?たぶん……



そしてドライブの定番は海。洒落た海辺のレストランでシーフードのイタリアンを楽しんで、その後夕焼けに赤く染まる海原を見つめながら、二人車の中で肩寄せあって音楽聴いたりしてた。日が沈む頃にはまーくんが覆いかぶさってきて……

「だめだよ、まーくん……こんなとこじゃ、誰かに見られちゃう」
「何言ってるの?周りには誰も居ないよ?ほらおれたちだけだからさ?」
そういってキスは深くなり、シートを倒されたあと下着を引き抜かれて、そのまま激しく車を揺らすはめになってしまった。
「俺さ、免許取ったら、絶対これやりたかったんだ。本当は団地の駐車場で……」
「え?なんで……あっん」
「昔、見たんだ。槇乃さんが、他の男とこうしてるの」
「えっ?」
思わずびくりと身体が震えた。わたしの中でまーくんが元気さを主張している。
「おれがまだ中坊の頃だよ。昔のことだから仕方ないけど、やっぱ上塗りしておきたくってさ、だから……」
「まーくん、十分されてるよ?もう……まーくんしか見えないもん、まーくんでいっぱいで、こんなに激しくされたらいっちゃうよ、もう……」
「イッてよ、槇乃さん、おれでイケよ!」
激しく突き上げられて、狭い車の中だってことも忘れてわたしは大きな声で喘ぎながら絶頂をむかえた。


「槇乃さん、起きて」
「ん……?」
あの後、まーくんのジャケットをかけられたまま車が動き出し、わたしはいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「ここは?」
どうみても駐車場?
「ちょっと遅くなりすぎたし……おれも長時間の運転疲れたから、ここ入っていい?」
回りを見渡してすぐにわかった。ラブホだ……今までのカレシとは散々行き倒したというか、まだ親がいたし、向こうも実家暮らしのときはよく利用した。まーくんとはどっちの家でも出来るもんだから数えるほどしか入ったことがない。その時も歩いて入ったぐらいで、こうやって車でっていうのはなかったはず。

ちょっぴりぎくしゃくしながらも慣れてる風を装うまーくんが可愛かった。
適当に部屋を選ぶ。
ほんと、ラブホなんて久しぶりだし、今日は遠慮無く声がだせるかなぁなんて……きっとまーくんったら際限なく求めてくるに決まってる。さっきだってわたしは何度かイッてしまったけど、まーくんは一回だけだったから。若い彼がそれで済むはず無いもん。

「ね、槇乃さん、これみて」
入った後取りあえずベッドに座ったまーくんが枕元のメニュー表を見ながらわたしを呼んだ。
「なに?」
「こんなのあるんだって。ねえ、槇乃さんが着てるとこ見たいなぁ……」
可愛く笑って指さしてるのは、コスプレ「ナース服」の貸し出しor販売セット??
「なっ、まーくん?」
「ダメ?見たいんだ……槇乃さんのナーススタイル。すげえスタイルいいしさ、こんな短いスカート履いてるの見せたこと無いでしょ?それとも……他の人にある、とか?」
きゅるんって可愛い甘え顔から最後はすっごくキツイ視線でわたしを上目遣いで睨んでくる。
ヤバッ!バレちゃダメだわ……昔のカレがコスプレ好きで何度か変な衣装着せられた事があるなんて……でもナース服はまだ未体験だ。
「わ、わかったわ。やってあげる。その代わりまーくんもまたコスプレやってよね?ここは男性用はないみたいだからまた今度でいいけれども」
「いいよ、じゃあ、注文しちゃうね。せっかくだから買い取りにしようっと。誰が着たかわかんないのはヤダもんね」
「ちょっ、まーくん??」
るんるんで注文をはじめてしまった。
ま、いっか。たまにだし、今夜はナース服でまーくんにご奉仕してあげちゃおうw
なんて考えてたのは、甘かった。



〜将志〜

「ああぁっ!まーくん、もう、だめ……もう、あっ……ああぁん、いっちゃう!」

派手に声を上げて槇乃さんがおれの上で身体をビクビクと震わせてイッてしまう。
最初の予定じゃ槇乃さんにご奉仕して貰うはずだったんだ。
だから、届いたピンクのナース服を着込んだ槇乃さんが挑発的に脚を組んで検温する所まではよかったのに……
『あら、ここは元気なんだ?どうしたいの?ボク』
『あっ、やめて……そんなにされたら、でちゃうよ』
『ダメよ、そう簡単に出させてあげないわ』
なんて言って口と手で奉仕しながら俺を焦らすもんだから、
『我慢出来なくなっちゃうよ、おねーさんのボクにも触らせて?』
と甘え言葉で69に持ち込んだ。
『あっん、もう、上手すぎるわよ、誰に教わったの?』
『近所のおねーさんにね。じゃああなたは誰に教わったの?ナース役も上手だよね?』
『そりゃ昔の男がコスプレ好きで……あっ』
しまったという顔をしてたけどもう遅い。
『へえ、昔ね……コスプレやってたんだ?その男にはどんな恰好でサービスしたの?こんな風にいやらしい恰好で舐めさせたの?ねえ!』
おれのジェラシーに火がついてしまった。嫉妬心は下半身に集まり猛り狂う暴れん坊と化し、ピンクのナース服を引き裂き、ガータースタイルの槇乃さんのお尻を掴み上げて、まるで犯すかのような体制で貫き、下半身だけで彼女を責め上げた。

「いくっ、いっちゃう!」
「いけば?何度でも……でも、まだ離してあげない。槇乃さんが他の男のことなんて全部忘れるまでね」
「あんっ、まーくんしか、いらないのっ!こんなの、まーくんしか……やぁあっ!だめ、ソコ、擦んないでっ!やっ、やぁあっ、お願い、もう……許して!まーくんも、イッってよぉ、お願い、またイクから、一緒に、イッてよぉ!」
泣き喚いてぐしゃぐしゃになった顔で、子供みたいに強請る槇乃さんを見てようやく安心したんだ。
「わかった、一緒にいくよ、槇乃さん、好きだよ、愛してる。誰よりも……」
「あたしも、まーくんっ!!ああぁ!!!!」
二人とも相当デカイ声で叫んでたと思う。槇乃さんもやたら濡らしまくってシーツの下はべとべと、おれも槇乃さんの中で出した後ゴム外して思わず槇乃さんに残りをかけてしまった。
どろどろぐちゃぐちゃのおれたちは、お風呂でさっぱりしたあと、シーツを外して朝まで眠った。もちろん朝も鳴かせたら、槇乃さん怒っちゃったけどね。


「まーくん、約束したよね?」
「え?」
「はい、これ着て毎晩わたしにご奉仕してね」
奉仕なら言われなくても毎晩やるけど、ヤケにデカイ箱を目の前にしてちょっと戸惑う。
「槇乃さん、これって?」
「そ、バトラー、執事服よw」
「これ着るの?毎晩?」
暑いだろ?もう夏前だぞ??
「そうよ〜それ着てお給仕して、跪いてちゃんとしてね。『お嬢様』ってね」
「ま、槇乃さん?」
「もちろん、脱いじゃダメだからね」

前回のコスプレの件で攻めまくって、『もうヤメテ』をきかなかったことをえらく根に持ってるらしい。だって仕方ないだろ?つい、前の男に嫉妬しちゃったんだからさ。

「とにかく着て見せてね、執事さん」
にっこり笑う槇乃さんが怖かった。今回のお仕置きは一体どのぐらい我慢させられるんだろう?いかにして向こうから欲しいと言っておねだりさせるか、執事モードで頑張ってみるかな?

          

900万は申告がなかったのでニアピンのわたまるさんからのキリリク「コスプレ」でした。将志までコスプレさせられないかなと思いましたが、何とか希望通り最後に執事服を…(笑)久々の二人、楽しかったですw おまけ編へnextからどうぞ〜