〜1600000キリリク・りょうさんへ〜

たぶんそう思う...
15


俺は運転免許取得のために教習所に通いだした。
大学の講義と、クラブと、バイトの合間...意外と時間を取ってしまう。
おまけに教習所代とうまく取れたら車でもなんて思ってるから、その車代のためにもバイトはかなり無理して入れた。
結果、帰る時間は深夜、朝も講義の前に教習所と、なんとハードな生活が始まってしまった。
おまけに槇乃さんも決算期らしく、帰りが遅い。疲れてるみたいなので遅くに部屋に行ったりせずに自分の方に帰ってきていた。

だめだ...

3日が限界?たった3日...
顔を合わせてないだけで槇乃さんが恋しい。抱きたい...槇乃さんの柔らかな白い肌が夢にまで出てきそうなほどだ。
まあ、俺も若いから、下半身の欲望に耐えきれず自己処理はしてるけど...
「ま、槇乃っ..くっ..」
槇乃さんを思って吐き出す瞬間がやたらとむなしい。
「はぁ...なにやってんだか。」
3日続けた後、空しくてやめた。よっぽど本物の槇乃さんの方がいい。
土日は俺が教習所に詰めてたし、その後にバイト入れてて、また槇乃さんとすれ違い。
さすがに最後までいたら帰りは2時3時だ。だけど詰めてくるならとバイト代はかなり弾んでもらえそうだ。
だけど...
朝、少しでも槇乃さんに会いに行こうと思っていても眠くて起きれない。
毎朝自己主張する息子に言い聞かせてはため息だ。
(俺なんのためにがんばってるんだ?)
槇乃さんと一緒に過ごすための努力だ。だからといって今まで以上に逢えないってダメだよな?毎夜夢の中では、槇乃さんがいろんなポーズで誘ってくれるのにイイトコで槇乃さんが消えたり夢から覚めたりの繰り返しだ。
「もう、限界っ!おれ明日休むからねっ!」
木曜の深夜叫んだおれに店長は慌てた。
「広野〜〜っそれだけは勘弁してくれよ、明日は花の金曜日だぞ?お前目当てのお姉さん方も山ほどいらっしゃるんだ、許さんっ!」
「店長が許さんって言ったって、もうダメなモンはだめ!休むから、明日!」

翌日の金曜は朝からるんるんで、でも槇乃さん驚かしてやろうと連絡せずに、教習も実技1時間受けただけで帰ってきた。夕方から買い物して久々に料理して、ワインなんか買い込んだりして...確か槇乃さんも決算の立て込んだ仕事は今週いっぱいだって言ってたしな。

けど、遅いなぁ...
11時を回ったけど槇乃さんはまだ帰ってこない。
ワインは開けずにビールを飲み出した。空きっ腹に結構きたけど、料理に手を付けるのもなんだから、余った分だけ少し食べて...まだ帰ってこない。
電話して、メールも入れたけど仕事中なのか電波届かないや...
「槇乃さぁ〜ん...」
いい加減酔っぱらったみたいだった。途中からやけ酒に近いな。期待してた分、待つのが辛かった。

夢を見てた。
槇乃さんが優しく囁いてくれる。
(まーくん、だめよ、こんなとこで寝ちゃ...風邪引くわよ?)
おれは夢の中で槇乃さんに手を伸ばす。
(槇乃さん、おれね、明日予定なんも入れてないんだ。槇乃さんと過ごしたくって...逢えなくて、槇乃さんに触れられなくって、槇乃さんが欲しくって、狂いそうだったよ。)
(ごめんね...)
(前に槇乃さんに無理させて怒らせちゃったから、今日は槇乃さんの好きなもん作ってワイン買って待ってたのに...)
おれ泣き出してた。まあいっか、夢なんだし...
槇乃さんがおれの服を脱がせはじめる。ああ、もうたまんない!夢なんだから、怒らせるとか関係ないよな?
(槇乃さん、槇乃...スキだよ、愛してる、こんなにも...)
おれは夢の中で槇乃さんを抱きしめて自分自身を擦りつける。ベッドで寝ころぶおれの上に槇乃さんを乗せたまま槇乃さんを求めた。甘いキス...お互いにお酒の味までしてやけにリアルだ。
夢なんだからと槇乃さんの下着を引き下ろすと槇乃さんもおれの下着に手をかけた。やっぱ夢だよなぁ、いつもよりすごく積極的なこんな彼女は。
後ろから手を滑り込ませると、そこはもう十分に濡れている。やっぱ都合いいな、夢って...おれは槇乃さんに触って貰う前から準備万端、なのに槇乃さんがいとおしそうに触れてくるその指先がたまらない。
(槇乃さん、入れたいよ、今すぐにでも...ね、きてよ、槇乃さんが自分で、ね?)
(いいよ、あたしも...まーくんが欲しかったの)
ああ、昨日の夢と同じ台詞。
(槇乃っ...)
ゆっくりと槇乃さんがおれのを包んでいく快感。焦らすような彼女の腰つきに焦れる。
(おれも、槇乃さん欲しくって...でも、ここんとこ自分でも出してないんだ。出す時は槇乃さんの中に出したくって...ださせて、槇乃さんの中に...)
焦れて、我慢できなくって突き上げる、何度も激しく...
(ああんっ、いいのぉ...まーくんの、すごいっ...あっやん、だめ、ほんとうに...だめっん!あああぁぁっ!!)
(ああ、槇乃っ!!!くっ...)
槇乃さんがイク瞬間おれを締め付けるもんだから溜めに溜めてたモノが溢れ出す。
(うわぁ...気持ちいいっ...)
好きな女の中で果てる瞬間、至福の時。最後の一滴まで吸い取られるような感覚。

おれの夢はそこで終わった。あとは真っ白...


「あれ?」
目が覚めて起きあがる。
「何で裸?」
隣の温もりに目をやる。
「槇乃さん...」
帰ってきてたんだ。おれは寝乱れた彼女の髪をそっと撫でつける。愛しい彼女...年上で、気が強いけど、おれにはいっぱい可愛いとこ見せてくれるおれのオンナ。
早速朝から元気になったモノでと思い、槇乃さんにキスをする。
「ん、んんっ...」
寝ぼけながらも反応して来る彼女。うわぁ...いい感じ。胸やあちこちいじって最後に槇乃さんの中に指を這わせる。まるでさっきまでしてたような濡れようだ。
「あれ?」
槇乃さんは服は脱いでるけどキャミソールだけの格好。普段こんな格好で寝たりしないよな?えっちの後以外...え?えっちの後??
指を引き抜いて匂いを嗅ぐ。間違いなく男のものの匂いだ...
まさか、槇乃さんが浮気?そんなことないよな?昨日遅かったのだって...
遅くに帰ってきた?おれ、寝てたんじゃなかった?え...おれ、なにした?
「まーくん...?おきたの...」
まだ寝ぼけてる槇乃さんだった。
「おはよ、槇乃さん...あのさ、昨日帰ってくるの遅かったよね?」
「うん、ごめんね、決算で無理させたからって上司が奢るって言い出して、抜け出せなかったのよ...」
「あのさ、おれ、帰ってきた槇乃さんに酷いことしなかった?」
「........」
「槇乃さん?」
しばらく黙ったままの槇乃さんが小さく『した...』って言った。
「あの、まさか、おれ...」
「まーくん、ダメって言ったのに、いっぱいあたしのなかに...」
「うそ、おれ夢だと...」
「やっぱり?寝ぼけてるのかなって思ったんだけど、あっちはしっかり...だったし、まさか最後までしちゃうとは思わなかったわよっ!」
少し怒ったような槇乃さんの表情。
「けど、夢の中の槇乃さんだってすっげえ感じてたし、しっかりイッテおれの搾り取ってたじゃないか?」
「そ、それは...まーくんあたしの腰離してくれなかったし、すごく、激しくするから、ついイッちゃって...」
「じゃあ、お互い様だよな?」
「でも...安全日じゃないよ、昨日...」
「うそっ?」
「ほんと...だからもう、気をつけてよね?」

おれはしばらく呆然としてた。あんなにき持ちよかったのは夢じゃなかったんだ...
あーっ、でも正直言って、もったいないことした!



それからはバイトもペース落として、ちゃんと一緒に過ごせる夜を作って、しっかり槇乃さんを堪能した。
だって考えたんだよ。おれ、あいだ開けたら槇乃さんのことめちゃくちゃにしちまうんだったら、毎日すればいいんだよなって...
だけど、そろそろ槇乃さんのアレが来るんじゃないかなって待ってるけど一向に来ない。
槇乃さんはアレの最初の方は結構重いらしくって、すぐにわかるし、えっち誘ったらダメっていうもんな。
あれ...?
「槇乃さん、朝ご飯出来たよ?」
「ごめん...食べたくない...ちょっと胃がむかむかするの。会社行く前に薬屋によって行くわ。」
「大丈夫?」
「昨日お昼に外でしつこいの食べたからかな?大丈夫よ、ごめんね、せっかく作ってくれたのに。」
「いや、いいよ。じゃあ、今晩おれバイトだから遅くなるけどあっさりしたもん作ってくから、ちゃんと食べてね。」
「わかったわ、いってきます。」


その夜、心配になって槇乃さんちに行くと、少しだけ食べたリゾットとスープの残りがテーブルに乗ったままで、青い顔して眠る槇乃さんお枕元には洗面器があった。
そのまま彼女の家のソファで眠った。
「まーくん、きてたの?ダメじゃない、風邪引くよ?」
「槇乃さん...槇乃さんこそ、気分悪かったの?」
「う、うん....」
「ね、槇乃さん、まだ生理来ないんだよね?」
「そうね、今月ちょっと遅れてるかも...」
「まさか...」
「だ、大丈夫よ、たぶん、ね。」
「でも...」
「普段でも遅れる時は遅れるんだから、大丈夫だって...さ、あたしもう出るね。」

大丈夫だって槇乃さんは言うけれど...
「あら、広野くん、1段階受かったんだって?いいわね、今度仮免でしょう?」
「ああ、鈴原さん、こんにちわ。仮免もうすぐだけど、学科が追いついてないんだよ。忙しくって受けてなかったから。」
槇乃さんとの時間を作るために削ってたからな。この鈴原さんて言うのは主婦で2人の子持ち、同じ日に入校して、よく出会うんで声かけてくる気さくなおねえさんって感じだった。槇乃さんよりいくつか上かな?
「あたしと逆ね。あたしは学科終わってるんだけど、実技で躓いちゃって、まだ1段階の途中なのよ。」
ため息をつく彼女はここにいる時は煙草を吸う。まあ、おれも滅多に吸わないけど、吸うって言われれば手を出す。
「ね、鈴原さん、妊娠した時って、すぐにわかるものなの?」
「なに?突然...まあアレが来ないからおかしいなって思ってたら、なんかむかむかし始めて、それで気がついたかな?あたしよく遅れる方だったから気がつかなくって...ってまさか広野くん彼女孕ませちゃった?」
「いえ、それはまだ...その時旦那さんなんて言ったんですか?」
「ああ、その時はまだ結婚してなかったから、急いで区役所に行って、婚姻届取ってきて『結婚しよう!』って言ってくれてね、嬉しかったぁ。だってね、そういう時にどんな態度取られるかでわかるじゃない?その迷いのない行動に、『ああ、愛されてるんだ』ってほだされてね、結婚しちゃった。あはは、失敗だったかも?」
とか言いながら、いつもおれに旦那さんと子供のこと惚気るくせにさ。
そっか、婚姻届...
おれは立ち上がって煙草を消した。
「おれ、取ってきますよ、婚姻届!」
「広野くん?」
「出来てるんならおれの子なんだ、それが男の責任ですよね?」
「その通り!広野くん、男だねぇ...」
鈴原さんに煽られて、おれは教習所を飛び出した。向かう先は区役所だ!


「ね、それなあに?」
時間がなかったのでそのまま大学に駆け込み講義を受けた後、学食で空き時間に遅めの昼食を取りながら、例の紙に記入しようとペンを取り出した時だった。
「見てわかんない?」
「...婚姻届に見えるんだけどぉ?」
「そうだよ。」
同じ講義取ってる子だって言うのはわかるけど名前まで知らないその子はちょっと舌っ足らずな甘えた声でしゃべる。普段はそんなしゃべり方じゃないのはよぉ〜〜〜く知っている。
「広野くん...結婚するの?」
「まだわかんないけどね、したい相手はいるよ。」
「うそっ!?広野くん狙ってる子いっぱいいるのに〜もったいないよぉ?」
そう言いながら胸寄せて近づくのはやめて欲しい。香水の匂いがキツいんだよ。
「....あのさ、席いっぱいあいてるんだから、あっち行ってくれない?気が散るんだよ。」
「な、なによっ!悪かったわね!」
ダンと彼女が机を叩いた拍子に紙コップのお茶がひっくり返った。
「うわぁ...」
「ご、ごめんなさいっ!」
謝るのはいいけど逃げるなよっ!ったく...
「ああぁ、濡れちゃったよ...」
おれは端っこが濡れた書きかけの婚姻届を持ち上げた。
「あらら、早く拭かないと、ね?」
さっとハンカチを出してその紙をテーブルの上でとんとんと丁寧に拭いてくれるのはサッカー部のマネージャの篝さんだった。
「篝さん、すみません。」
「ま、こんな大事なものここで書いてるキミにも問題有りだわよね?」
落ち着いた雰囲気の篝センパイは俺たち新入部員にとってもおねえさん的存在だった。
「そうですね、気を付けます...」
「でも今書かなきゃいけない理由でもあった?みんなが噂してる例の綺麗な彼女の為のモノでしょう?」
「はい...あの、もしかしたら出来ちゃったかなって...それでこれ用意して、申し込もうかなって思ったんだすけど...ダメですか?」
う〜んと考えながら、篝さんはじっと書きかけの婚姻届を見つめていた。
「子供が出来たのを喜んでもらえると嬉しいけど、だから責任取るって形は嫌じゃないかな?彼女年上でしょう?プライドもあるわけだろうし、女の方が歳の差気にするのよ。だから、やっぱり愛をこめて申し込むのが一番じゃないの?愛してるから一緒になりたい、そこが大事じゃないかな。」
「そっか、そうですよね?」
おれは篝さんにありがとうございましたと大きくお辞儀すると食堂を、いや大学を飛び出した。講義は...もう、自主休講だ。
おれだって夢見てたさ、いつか槇乃さんに申し込む日のことを。成人して、就職して、ちゃんと槇乃さんの指に石の付いた指輪を贈って...『愛してる』って何度も繰り返すんだ。槇乃さんがうんって言ってくれるまで何度も繰り返してキスするんだ。
花を買って帰ろう。プロポーズはなんと言ったって真っ赤なバラだろうし、白いかすみ草ははずせないさ。まだ学生だけど、休学してでも子育てがんばるから、槇乃さんに今まで通りがんばってもらえるように、おれ、がんばるから!!


すっげえ力入れて帰宅して、槇乃さんの家に着いたら鍵が開いていた...
「槇乃さん?」
「ああ、まーくん、おかえり。大学じゃなかったの?」
「槇乃さんこそ早いじゃない、ね、どうしたの?具合悪い?」
「大丈夫だって、ちょっと上司が気を利かせて半休にしてくれたのよ。こないだから残業多かった上に昨日自分が飲ませたもんだから。ね、それよりどうしたの、その花...」
おれは手に持ったバラの花束を槇乃さんに差し出した。もちろん、婚姻届も一緒に。
「槇乃さん、愛してる!だから結婚して欲しい。お腹の赤ちゃんも、全部一緒に愛してるから、だから...」
「ま、まーくん...??」
驚き顔の槇乃さんが瞬きしておれの方を困惑した顔でじっとみた。
「槇乃さん、おれと結婚なんて嫌?おれのこと愛してない?」
「そ、そんなことないわ、でも...」
「おれ、大学休学しても構わない、おれが家のことも全部するから、だから、お願い、うんっていってくれない?」
「まーくん、あのね...」
「おれ、槇乃さんじゃなきゃダメなんだ、愛してる、槇乃さんっ!」
おれは返事に困ってる槇乃さんを抱きしめてその耳元で何度も囁いた。
『愛してる、だから黙って頷いて...』
槇乃さんが下を向いて、それから小さく頷いた。
おれはもう嬉しくて、槇乃さんにキスして、何度もキスして...
「槇乃さん、オレのモノだから...槇乃さんも...それから...」
「まーくん...んっ」
すっかり潤んだ槇乃さんの瞳に煽られて、ヤリたい盛りのおれとしてはもう、すっかり盛り上がってしまって、そのまま槇乃さんを抱き上げてベッドへと連れ込む。
「やんっ、まだ昼間よ...んっ」
口ではそう言うけどちっとも嫌がってないカラダ。スーツの下のブラウスのボタンをはずして唇を落としていく。まくり上げたスカートの下に手を伸ばすとストッキングと下着を一気に引き下ろす。注意・破らないように、丁寧に。そのついでに槇乃さんの綺麗な脚にキスを送って、そのままその付け根に顔を突っ込む。熱を持ったそこはすでに潤んでる。
「だめっ、まーくん、あたし帰ってきたばっかりで...はうっん」
槇乃さんは手で押し返すけど拒否。そのまま左手を伸ばしてブラを引き上げて胸を下から持ち上げてその先の蕾をつんとはじくと槇乃さんのカラダがびくっと震えた。残った指と舌で槇乃さんを攻め立てるとそこはすぐに洪水のようになっていく。槇乃さんの口からはもう喘ぎ声しか聞こえてこない。
「槇乃さん、愛してる、これからもずっと...離さないよ、大事にするから...」
「ま...くん、ああんっ!」
ジーンズから取り出した自分自身で槇乃さんを一気に貫く。二人ほとんど服着たまま。
なんか焦ってるみたいな抱き方だなって思ったけど、うんって言って貰ったうれしさから気がはやる。そう言えば槇乃さんが気分悪がってからシテない?
「ごめん、槇乃さん、おれ嬉しくって、つい...」
「ん...いいの、あたしも、したかったし...気持ち、いいのぉ...」
槇乃さんの腰が揺れる。ああ、ヤバイ、頭に血が昇ってる分、分が悪い。
「おれも、すぐにでも出ちゃうよ...」
ゆっくりと動き出したおれをもどかしそうな腰が誘う。
「いいよ...まーくん...」
「槇乃さんっ!」
おれは一気に加速する。もう出来ちゃってるんならいいよな?いくら出しても...
おれは思う存分槇乃さんの中に思いを吐きだした。



結果何回?うれしさのあまり3,4回出したんじゃないだろうか?あんまり深く攻めたらお腹の赤ちゃんにいけないかもと、我慢せずに何度も出した。
あれ?それってよくない?
「もう...まーくんたら、限度があるでしょう?」
もうだめ、でません状態で仰向けになってると槇乃さんがそっと起きあがった。
「あっ...」
ちらっと見ると、え?
「ま、槇乃さん、どうしたの?し、出血っ!?あっ、お、おれ酷くしすぎた?ごめん、きゅ、救急車っ!」
慌ててベッドを転げるおれを槇乃さんが急いで止めた。
「ね、ちょっとまって、まーくん、絶対勘違いしてるでしょう?」
「え?」
「生理が来ただけだけど?」
「え、でも、じゃあ、赤ちゃんは?」
「...だから大丈夫って言ったでしょ?聞いてなかった?」
「だって、生理来ないし、槇乃さん気分悪いって...今日だって早く帰ってきたし...」
「だからそれも説明したでしょう?脂っこいもの食べたのと、昨日飲まされたのとでって言ったじゃない。一昨日おっきなドラッグストアで買った薬合ってなかったから、今日は早めに帰らせて貰って、ちゃんと相談できるとこで薬聞いて買ってきたから、そしたら楽になったのよ。なんで、そこで赤ちゃんって...出来たって思ったの?」
「うん...おれ、やっぱちゃんとしたくって、養ったり出来ないけど、おれ、槇乃さんと結婚して赤ちゃんの面倒見るつもりで、それで...」
「それでこの婚姻届?」
槇乃さんため息付いてる。...呆れたのかな?
「うん、おれ...」
「気持ちは嬉しかったよ、すごく。本気だって思えたから頷いたし、、違うって、途中で言えなかったもの...それほどまーくんの気持ち、うれしかったよ。」
「ほんと?槇乃さん...」
おれは素肌の彼女を引き寄せて腕の中に納める。
「ほんと...あんなに切なく言われたら何でもうんって言っちゃいそうになるわよ。でもね、危ない時はちゃんと避妊してね?まーくんにはちゃんと大学卒業して欲しいの。」
「ごめん...あれは、ほんとに寝ぼけてたから...」
「...あたしも、あんまり、その...気持ちよすぎて、逃げられない時あるから...だから...」
「うん、ちゃんとするよ。ごめんね、槇乃さん。」
まあ、今日は目一杯気持ちいい思いさせて貰ったから、これからはちゃんと気を付けようと心に誓った。



いつか、ちゃんと本当に責任取れるようになったら、毎日、毎晩、思う存分...
おれのよこしまな欲望を、槇乃さんはたぶん、知らない。

          

1600000のりょうさんのキリリクです。「槇乃さん妊娠疑惑」がテーマでした。そのためにはその理由があるわけでとまたまた暴走?これで地下室行きじゃない??
許してください〜