ドアを開けたら...

〜竜姫〜

「う、嘘つき!ドライブって言ったじゃないか!」
「ドライブしただろ?」
「何でこういうトコ入るの!!」
「ここ有名なんだぜ?ラブホなのに海が見える窓があるって!」
「だから、せっかくのデートなのにぃ...」
「せっかくのデートだから、今日の竜姫の味見をさせてもらわなきゃな。きっちり他の男に声かけられてたしな。」
「そ、それはあたしのせいじゃないでしょうが!いきなりこ、こんな、ラブホに連れ込むなんて!まだ外明るいのに...」
「だめ、もう何言っても無駄。濱名に何言われてきたかは大体想像つくけど、デートの最後はえっち付が当たり前って言ってなかった?」
「う...」
「マジでさ、お前に声かけてる奴に、後ろから蹴りいれてやろうかと思ったんだぜ?もうしばらくぶらぶらするつもりだったけど、一刻も早くお前を俺のもんにしたくなった。我慢するつもりはない。」
窓際に立つあたしに近づいてくる。抵抗できないようにあたしの手を先に掴んでそのまま後ろ手にしてあたしを動けなくする。
「竜姫、誰にも渡さない。ほんとに誰にも見せたくない。元の竜姫も大好きだけど、綺麗で色っぽいお前は絶対に門外不出、外に出したくない。」
逃げられないまま広海の唇が優しく触れてくる。触れるだけでくすぐったくなるほど優しいキス。
「広海...」
「ん?」
「あたし、広海だけだよ...なんでそんなにえっちばっかりしたいのかよくわかんないけど、その、身体が嫌だっていってなかったらいいんだって。」
「それも濱名がいったの?」
「うん、ただ、頭がついてこないだけで...ううっん。」
キスがきつくなる。激しく押し付けられて彼の舌先があたしの唇の辺りを這い回る。
「セックスは頭でするんじゃないの。身体で判り合うものなの。だから、言葉にして伝わらないこと、判り合えないことをこうやって、ゆっくりと感じればいいの。竜姫と俺の身体、こんなに求め合ってるのに、頭に縛り付けちゃかわいそうだ。」
「はうんっ、でもそれって理性って言うんじゃ...」
顎から耳の後ろへとのろのろと舌が這っていく。
「竜姫のは理性じゃなくて固定概念。もうこんなにお互いのこと知ってる俺らに必要なのは、早く一つに解け合っちゃうこと。」
そうでしょう?と耳の奥に囁くと両手を開放したかわりにきつく抱きしめられて、さんざんキスを浴びせられた。
口中を味わいつくしたソレは、あたしの中から出るとおいしそうに自分の唇を舐めた。
「男がさ、女を抱くのは自分の物にしたいって思うからなんだ。」
立ったまま壁に押さえつけられていた。
「好きで、惚れてて、誰かに捕られるのが怖くて不安で、抱くことで自分の物にしたって思い込んでるだけなんだけどね。こんなこと今まで考えたこともなかったから。」
広海の指があたしの着ているカットソーのボタンを外し始める。はだけられたそこにはすぐに彼の唇が落ちてきつく吸い始める。
「今までは、いいなって思ったら、抱けばいいし、嫌になったら別れればよかった...けれど竜姫は違うんだ。抱けば抱くほど自分のほうが溺れていく。俺がお前のものになって行くんだ。それがまた心地よくって、ずっと竜姫の中にいたいと思う。」
ブラも外されたあたしの胸に広海の舌が這い回っている。決して触れて欲しいその中心には触れてはくれない。もうたまらなくなってるのは見れば判るのに、焦らされて泣きそうな声が出る。
「ひ、広海ぃ...」
「竜姫の漏らす声の一つ一つが俺を狂わせるし、今まで見たこともない竜姫の喘ぐ表情や、色っぽいしぐさで俺を感じてくれてるって実感した時、誰にも渡したくないって...」
「ああん!」
やっと広海の唇に含まれて甘噛みされて体がはじける。舌先で遊ばれてその痺れがどんどんと下の方へ降りていく。反対の胸の頂は彼の指先で挟まれたりつままれたりと絶えず弄ばれている。
「やぁ...っん!」
かくんと膝が落ちる。その身体を広海がひょいと抱きかかえる。そのままベッドへそっと降ろされた。
「言って、竜姫。ほんとに俺とするの嫌?」
ここまでされて嫌って言えるはずがないのに、意地悪な質問をする。あたしは黙って頭を振って答えた。
「ね、この間みたいに言って?竜姫の口からして欲しいって言われたい。」
そう言いながらも首筋に埋めた唇はせわしなく動き、スカートの短い丈の下からはすでに彼の手が侵入して内腿をやさしくさする。
「いえないよぉ...そんなの、あぁっ、んんっ!」
拒否すると容赦なく足の付け根の敏感な部分を攻められる。
「ず、ずるいよぉ、そんなこと...なんで言わせたがるの?」
「こんなに欲しがってるの、俺だけじゃないって思いたい。だって竜姫いっつも嫌だって言うわりにめちゃくちゃ感じてるんだもんな。俺は嬉しいけど、最初がさ、あんなだったから、無理強いは絶対したくないんだ。」
「で、でも...あ、やぁ、やだ...そんな...んっ」
下着の上からのその刺激に耐えかねて体が震える。
「竜姫、可愛いよ。」
そういってあたしの服を全部剥ぎ取ると、広海も同じように着ているものを脱ぐ。
明るい光の中に彼の意外に引き締まった綺麗な身体が影を作る。あたしは隠しようのない自分の身体をさらけ出したままその手を伸ばした。
「広海ぃ...」
「竜姫、そんな目で見るなよ。すぐにでもやっちゃいたくなるだろ?今日は竜姫を感じさせたいんだ。だから...」
『入れてって言うまで何時間でも我慢するから...』
耳元でそういってにやりと笑った。
「そんなぁ...」
「俺のこと愛してたら早めに言えよな、おかしくなるからさ。」
うそ、おかしくなるのはあたしの方じゃない?いつだってたくさん広海にされて、あたしはどうしていいか判らずに、いつも昇り詰めながら気が遠くなっていくのだから。
「はあぁん、だめん...そ、そこは...んっ!」
足首をつかまれて大きく開かれた。晒されたそこはすでに湿り気を帯びてるため、空気に晒されて急に不安になる。
「竜姫のここも可愛いよ...」
臆することなくその間に顔を埋めてぴちゃぴちゃと舐め始める。
「やっ!んんっ」
時々敏感なところを掠って腰が跳ねる。舌と同時に指までがあたしのに中入ろうと入り口を擦りはじめる。
「はんっ、それは、許して...」
滲み出始めたあたしの中のぬかるみの力で、ずぶずぶと入りこんだそれは卑猥な音を鳴らして蠢く。
「ね、竜姫のここはこんなになってるよ?なのにまだ、足りない?」
あたしの足の間から顔を出した彼がそう聞いてくる。その口元はあたしのでぬらぬらと濡れている。
「こうしたらどうなる?」
今度は的確にぴんと顔を出した敏感な突起を執拗に舐め始める優しく、時に強く。
「ひっ、だめっん!や、もう、もう、いやあっん!」
腰が足が、下半身が痙攣をはじめる。
「お願い、広海っ...いれて...お願い!」
その瞬間に彼のものが入ってきたのが判る。
「ああああぁぁっ...」
「くっ、たまんないよ、竜姫のなか!」
「はふっ、ん...いぃ...」
「竜姫、動くよ?ちょっと一回目はもうもたないから!」
「あぐっう!あ、あ、あ、ああああぁっ!」
これでもかというほど広げられて一番深いところで繋がったままその奥を突かれる。
「やぁああっ!」
つい大きな声が漏れる。
「いいよ、竜姫、好きなだけ叫んで、あぁ、俺、もう、いきそう...」
「やっ、なんか変!」
広海のが大っきくなって、あたしもおかしくなる。何度も抱かれて、何度も経験したこの瞬間、あたしのものが広海のものを包んで締め付けて、お互いこすり付けあうようにして溶け合う瞬間。
「あぁっ!」
すごく切なそうな、色っぽい顔つきの広海があたしを見つめながら激しく最後の揺さぶりをかける。その顔を見てただけであたしもたまらなくなる。
「やっ、い、いいっん、いっちゃう、あああぁっ!」
あたしの身体もびくびくと揺れて、背中を逸らしながらあそこがきゅってなるのがわかった。
「ううっ!」
広海のがあたしのそれに反応するように一瞬反り返ったような気がして、熱いものが薄い壁越しに放出される。
「はぁ、ん...」
しばらくは2人動けずにいたけど、あたしのなかはまだぴくぴくと蠢いてる。いったんだと思う。でもいったあと、こんなにひくひくするものなの?
「竜姫、すげぇ、俺抜かずの2発目いけそうな位。」
「ひぇっ?な、にいってん、の、んっ?」
声が掠れる。まだ甘い響きを含む自分の声に驚く。
「竜姫のなかまだヒクヒクしちゃって、気持いいんだもん。」
「も、もんって...やだ、これ以上したらおかしくなるから、やぁ...」
ずるってあたしの中から広海が出てくる。なんかまだ大きいまんま?そんなことないよね?
「あぁん」
あるべきものの存在感が消えたその所在感のなさに声が漏れる。
「待ってろって、今付け替えるから、な?」
「ひやっ、もういいよ、ほんとに...」
「ほら、身体に正直になって?」
広海がやさしく抱きしめてキスをしてくる。
「竜姫は正直にならなきゃね、嫌じゃないだろ?」
またあたしの中を埋めなおしたそれはこんどはゆっくりと動き始めた。
「ゆっくり一つになろうな?」

何度も囁かれる声に素直に従ったあたしは、何度も広海と一つになって溶け合った。最後には何も判らなくらい狂わされて、疲労困憊のあたしは、帰り道助手席で爆睡していたのは言うまでもない。

予告書いちゃおうかな?
これで終わっちゃ面白くない?と言う分けで、2人のこれからは不定期連載とさせていただきます。
要するに毎日が竜姫の疑問符で進みますから、また何か小エピソードがあれば...BBSメールにて小エピソード募集しようかな?(作者考えろよ〜〜)