３３３３３hitキリリク作品〜あかねさんへ〜
その日俺はバイト代をもらいに店までいった。
自分の街じゃ目立つのでＫ市まで出ていた。土日に若向けのアクセサリーやＴシャツ、ジーンズなんかを置いてるショップのバイトをやってる。そこは、まあ昔の彼女っていうか、先輩のお兄さんがやってるとこで気に入られて結構詰めてきてたんだけど、最近はクラブに入ったから稼ぎも少ない。女の子が寄って来るんで重宝がられてるんで首にはならないけど。
「おう、今日も部活だったのか？お前が休みだと素通りの客が多くて困るよ。」
「ケンさん、俺見世物のパンダじゃないですから。」
「ははは、ま高校生らしくっていいけどな。柔道だって？らしくないなぁ」
そう笑われる。
「あ、リョウくん来てたんだ！待ってたかいあったなぁ。選んでくれる？」
常連の子が寄ってくる。ここのアクセサリーはケンさんとケンさんの彼女の手作りで結構評判いいんだ。
「時間いいのか、遼哉？」
「少し位ならいいよ、彼女もこの辺に来てるらしいから急に見つけて脅かしてやりたいんだけど少し時間早いから。」
まだ買い物の最中かも知れないしな。
「え、リョウくん彼女いたの？」
悲しげな目で訴えられる。この子はどちらかって言うとしつこかった方だからはっきり言う。それで仕事にならないならもういいさ。
「あぁ、いるよ。選ぶのやめる？」
「ううん、選んで！リョウくんセンスいいんだもん。」
店を出るのが少し遅くなってしまった。まあいいさ、けど捜しようがないのでとりあえず笹野にメールを入れる。この間の事があったので、いざという時連絡が取れるように携帯番号とメルアドは聞いている。
『紗弓は一緒にいる？俺も今Ｋ市に来てるんだけど、驚かせたいんだ。今からそっち行くから場所教えて。遼哉』
しばらくすると返信じゃなくて電話が掛かってきた。
『来栖か？俺、今村。悪い俺もこっちに買い物に来てて笹野たちと合流した時に一緒に来てた長野に小畠さん連れて行かれてしまって、申し訳ない。』
「で、何処にいるんだ、紗弓は！」
『メールでデザート○○にいるって返事あったけど、行くのか？俺も行こうか？』
「いや、いいよ。笹野とゆっくりしろや、めったにない時間だろ？この間言ってた事の予行演習だな。」
そういうと電話を切ってその店に走った。
店の中に紗弓と野球部の長野を見つけた。くそっ、長野の奴嬉しそうな顔して紗弓を見るなよ！それに紗弓の奴、なんなんだ？化粧してるのか？髪型だってアップにしてめちゃくちゃ色っぽい。それをそいつに見せるのか？
猛烈に怒りが込み上げてくる。その気持を押さえ込んでそっと、2人には死角になる方向からそっと寄っていく。
「紗弓ちゃん？ね、俺と付き合わない？」
名前で呼ぶなよ！あぁ、ここからじゃ紗弓の声が聞こえない。もう待ってられなくて紗弓の後ろからゆっくり近づく。サングラスかけてるから俺だって長野にはわからないだろう。
「来栖だって！やめとけよ、あいつに遊ばれてるだけだから！俺にしとけよ、俺、絶対紗弓ちゃんの事大事にするから！」
なんてこと言い出すんだ、ったく！
「ほお、俺は紗弓と遊びで付き合ってるつもりないけど？」
俺は低くすごんだ声でそういうとサングラスを外して長野を睨みつけた。
「紗弓行くぞ。」
千円札を机の上に置いて紗弓の腕をとると店を出て行く。何度も紗弓が痛いといっても立ち止まらなかった。
「ね、どこ行くの？」
紗弓が心配そうに聞いてくる。どこって．．．どこに行こう？何も考えてなかった。立ち止まって紗弓を間近で見てみる。
アップにした髪から零れ落ちる遅れ毛がやけに色っぽい。整えられた眉に明るく彩られた目元、光る口元．．．もともと可愛いと思ってたけど、こんなにも雰囲気が変わるのか？大人っぽいっていうのか今すぐにでも抱きしめたいほど頼りなげに見える。
「思いっきり紗弓とケンカできるところ！」
そう、そして思いっきり責めても抱きしめても、誰もが邪魔できないところ。この間入ったホテルにまた連れて行く。
「やだよ、あたしちゃんと彼氏がいるって言ったよ？遼哉、ね、怒ってるの？お茶したりしてたから？それは、芳恵ちゃんたちを2人っきりにさせてあげようって．．．聞いてるの、遼哉？ね．．．」
ホテルの部屋の中、不安そうな顔して、目に涙を滲ませて．．．
「悔しかったんだ。いつもよりびっくりするほどきれいな紗弓が他の男と一緒にいるのが．．．その前にいるのが俺じゃないのが悔しくて腹がたった。」
ゆっくりと紗弓に近づく。びくりと身体を震わせてる。俺が怒ってると思ってるんだろう。これはもう怒りだけじゃない。違う激しい感情が渦巻き始めてる。
「あのね、芳恵ちゃんと化粧品やさんでメークしてもらったの。そこのお姉さんがこんな風にアップにしてくれて、こういうの彼氏も喜ぶよって．．．それで、そのあとランジェリーショップに寄って、大人っぽい格好してたら大人っぽいの欲しくなって、買ったりして．．．全部遼哉喜んでくれるかなって．．．断り切れずにお茶したのはいけなかったと思うけど、ね、もう怒らないで．．．なんでも言うこと聞くからぁ．．．」
「なんでも？」
頷く紗弓を抱きしめたいのを抑えて、ちょっとまだ怒った振りをし続ける。何でも言うこと聞いてくれるって、おいしいじゃないか？
「じゃあさ、買ってきたその下着、着て見せろよ。俺のために買ったんだろ？」
さあ、と急かせると、おずおずとバスルームに入っていった。数分後、また同じように服を着て出てくる。ま、紗弓らしいんだけど。
「なんで服着てるの？脱げよ。下着姿見せてくれるんだろ？」
俺はベッドに腰掛けて興奮を隠しきれずにいる。何か凄く素直なんだ、今日の紗弓。
「そしたらもう怒らない？許してくれるの？」
もうとっくに許してるけど、頷く。
信じられないことに、いきなり自分で脱ぎ始めた。ジャケットは脱いでたから、その上のカットソーを首から脱ぐとそこには黒のブラ？ピンクの花もついてるみたいで可愛らしい感じもするが、黒だ．．．スカートもすとんと落とす。下は横をリボンのように結ぶ紐のパンツだ。おそろいのものらしい。いつもはチェックや水玉の可愛らしいものばかりなのに．．．そりゃ今までもっとえぐいぐらいいやらしい下着姿の女も見てきたけど、紗弓がそういう格好するっていうことがとてもアンバランスなのに、今日の化粧して大人っぽい彼女にはひどく似合ってしまう。
意地悪な自分が顔を出してしまう。
「こっちにおいで」
泣きそうなほど真っ赤な顔をしている彼女を側までくるように命令する。
「色っぽいね、こんなの着て誰を誘惑するつもりだったんだ？」
「いじわる、遼哉以外にいないでしょ？」
「紗弓は色が白いから黒が引き立つね。それで、見せてどうするつもりだったの？脱がせて欲しいの？」
いまにも涙が溢れそうな顔になってる。いじめるのはこの辺までかな？
「ね、紗弓キスして、それで仲直りしよっか？」
俺はベッドに座ったまま動かずに彼女を見上げたまま待っている。ゆっくりと膝を折って俺の前に顔を近づける。
「んっ．．．」
唇が合わさるとすぐに腰を抱く背中を軽く撫ぜると紗弓の唇が緩む。すぐさま舌を差し入れ口中をゆっくりと味わいお互いの舌を絡める。
「甘いな．．．ケーキ何食べたの？」
「んっ、ふぅん．．．ミ、ミルフィーユ．．．」
「食べにくかっただろ？」
「うん．．．、ね．．．遼哉、もっとキスして．．．」
とろんとした目で紗弓がおねだりしてくる。珍しいこともあるものだ。さっきのキスもいつもより積極的だった。
「膝痛いだろ？ここに座れよ。」
引き上げて自分をまたがせるようにして膝の上に置く。前にここでやった格好に似てるのを思い出したのか凄く恥ずかしそうに俯く。手は彼女の素肌の部分を彷徨い続けている。
「紗弓、めちゃくちゃ綺麗だよ。今日の紗弓は特に色ぽくって、さっきから俺をそそってるんだけど？」
首筋から順にキスを贈る。本当に綺麗で一度に味わうのは勿体ないほどだ。
「なんか、別の人になったみたいなの．．．あっ．．．すごく恥ずかしいのに．．．遼哉に見てもらいたいって思うの。キスして欲しくって、触れて欲しくって．．．んんっ！」
仰け反る彼女の身体を支えながら、左の手で黒い下着のふくらみの一つをそっと包んでゆっくりとその柔らかさを堪能する。
「はぁん、りょうやぁ．．．身体が変．．．あぁん」
右の手で腰のあたりの愛撫をしているだけなのに、紗弓の身体はさっきからびくびくと反応し続けている。
「いいの？今ベッドで抱いてしまったらせっかくのその髪がむちゃくちゃになっちゃうよ？。」
いきり立った自分自身はさっきからズボンの下から痛いほど押し上げてきている。押し倒したが最後果てるまで攻め続けてしまうだろう。
せっかくの髪を惜しそうに見つめる彼女の胸に顔を埋めて囁く。
「このままする、この間みたいに？」
ブラのヒモを落とすと彼女の胸の蕾はすでに紅く熟していた。それを口に含んで舌先で転がすと俺の首に回した手できつくしがみついてくる。身体が密着して、自身のモノが紗弓の薄い下の布越しに触れているのが判る。ゆっくりとだけれども紗弓の腰がうごめき始めている。
「ね、紗弓欲しいの？」
そういって腰を押し付ける。
「あ．．．はぅ、ん．．．」
そっと指を這わせるともうすでに熱くなったそこは俺の皮のズボンを濡らし始めてる。こんな彼女は初めてだ。思わず唾を飲み込み喉を鳴らしてしまう。こんな下着を着てしまった自分に興奮してしまったのだろう。思考の方がついていけてないようだが．．．。
「膝で立ってみて？」
ベッドの上に膝立ちになった紗弓のそこに指を送り込む。1本、2本．．．洪水を起こしかけてるそこはすぐに飲み込んだ。
「ひゃん、り、りょうやぁ、やん．．．ああん！」
「紗弓、もうこんなになってるよ？どうする？欲しい？」
がくかくと膝を落とす彼女を支えながら聞いてみる。
「お願い．．．欲しいの、遼哉が欲しいの．．．このままシテ．．．」
その言葉を合図に再びキスが深まる。俺が服を脱ぐのももどかしげに手伝い、途中からはほとんど彼女の手によって脱がされる。さすがに最後の一枚は恥ずかしそうだったので手伝ったが。
「こいよ．．．」
片一方のヒモをすっと解く。はらりと落ちたその布が覆っていた部分を露にしていく。
用意していたゴムをつけると、ゆっくりと紗弓が身体を沈めていく。紗弓のなかに埋め込まれていく自分を見ながら妙な興奮を覚える。あまりにも従順な紗弓、いつもみたいに恥ずかしがるばかりでなく大胆な振る舞いを見せる。興奮するなって言うほうが無理だ。
「あうっ．．．ふうん、ああぁぁっん！！」
奥まで埋め込んだ彼女は微かに仰け反って喘ぐ。
「好きに動いていいから、紗弓．．．」
徐々にだけれどもゆっくりと自分で動き始める。その表情はいつもより色っぽく、扇情的だった。それだけで達しそうになるほどだ。前に来た時と比べると、紗弓の身体は開発されていた。感じることを覚え、それを伝えることが出来るようになっている。これも毎日頑張った甲斐が．．．いやそれは自分のためなのだ。
「はぁん、りょうやぁ．．．好き、大好きぃ！」
「はぁ、紗弓．．．いいの？感じてるのか？」
俺もたまらなくなって腰をグラインドさせ始める。
「ああっ！！い．．．いいっ！！だめ、もう．．．あああああ！」
激しく突き上げると震えだした紗弓は何度も昇り詰め始める。
「紗弓、きつすぎ！あぁっ、俺も！！紗弓好きだよ！！」
彼女の動きにコントロールを失って無我夢中で腰を使う。そのまま俺も紗弓にいかされてしまった。
「今日の紗弓はいつもと違ってたな。」
「やぁ、もういわないでぇ．．．」
恥ずかしそうにシーツで顔を隠してしまう。
結局俺のほうが我慢できずにベッドに押し倒した。いかされたまんまっていうのも、男のプライド的に許さなかったし．．．あれで終わる俺でもないしな。
それでも紗弓は感じまくってたし、2度目も嫌がらなかった。
「紗弓俺とするのいや？」
そっと腕の中に抱え込んで聞いてみる。
「やじゃないよ．．．すき．．．遼哉だから、好き。」
小さく答える彼女を抱きしめる。
「俺ももう．．．紗弓しか見えないよ。紗弓しか欲しくなくなった。絶対離さないからな？離れていくなよ、他の男についていくな、いいな？」
「うん、もう絶対にいかない。」
「腹減らない？晩飯どうする？とりあえず時間はそんなに使ってないから食べにいけるよ？」
珍しく2時間ぐらいで済んでる。さすがに毎日やってれば、このくらいで切り上げられるさ。
「そうだね、奢ってくれるんだもんね？いこっか！」
元気に笑う紗弓はもういつもの紗弓だ。さっきみたいなのもたまにいいけど、やっぱりこっちの紗弓が一番らしい。もしかして今日俺が抱いたのは数年後のもっと成熟した紗弓だったのだろうか？けれどあれ以上綺麗になって、色っぽくなられたら困ってしまう。
「ずっと好きだからな．．．」
「え？」
「もうちょっと今のまんまでいろよな？」
紗弓のおでこにキスしてベッドを飛び出した。
俺ももっといい男になって見せるから、急いで今以上大人にならなくてもいいからな。そう心の中でつぶやいて。