「あぁぁ...」
「どうした、紗弓?」
「だめ...なんか、変なままなの...」
「いったんじゃないんだ...まだ、途中なんだ、だからだよ。ちょっとまってて。」
「ひゃん、はふっ...」
そういって遼哉はまだきつくひくつくそこから、すでにまた大きくなりかけたものを取り出した。あたしはその瞬間、知らずに声が出てしまう。もう、恥ずかしいよ。
でもって、遼哉、とっても嬉しそうな顔してない?
後ろ向いてごそごそした後、ひょいと抱き上げられて、まだしわ一つないベッドへそっと降ろされる。ひんやりとした感触が火照った肌に心地よかった。けれど言うことを聞きそうにない身体が振るえはじめる。
「遼哉、あたし...」
「すぐに楽になるよ。紗弓の身体が欲しいって言ってる証拠だからね。」
「うそ、そんなことないよ...」
「こうすれば判るから、ね。」
「え?...あああぁっ、ん!遼哉っ!」
新しく付け直したそれが、再びあたしを一気に貫いた。あたしはその瞬間背中を逸らして達していた。
それから、何度もいかされて、遼哉は3回目付け直して、もうくたくたで逃げるあたしをあろうことか、後ろからよ、するんだもん、遼哉の馬鹿!!
「もう許して!遼哉ぁ...」
「だめだよ、又当分出来ないのわかってるだろ?」
もう何かに捕まってないと力も入らないあたしは、後ろから激しく揺すぶられた後、気絶するように眠っていたらしい。
「紗弓、そろそろ起きて帰らなきゃ、10時回るよ?」
「ん、もうだめ、許して...」
「もうしないよ、さぁ、起きて。シャワー浴びる?お湯張ってるから浸かってもいいしね。」
寝ぼけるあたしを揺り動かす遼哉は、すっかり身支度を済ましてるらしかった。
なんか妙にすっきりしてる彼に対して疲労困憊のあたしの表情は対照的すぎた。
「ね、何時?」
「8時、回ってる...」
「嘘!そんな時間?」
あたしはあたふたと立ち上がる。速攻でお風呂に入って着替える。
「紗弓...」
「なぁに?」
「さすが鍛えてるだけあるなって、思ってね。」
「どうして?」
「あれだけやってもまだ元気だろ?ちょっと心配してたけど、大丈夫みたいだね。これで次から安心してやれるよ。」
「へっ?なっ!」
何を言ってるのかようやく理解して血の気が下がっていく気がした。
あいだ3週間で、2回目がこれだったら...次が怖くなったあたしは、期間をあけるのは危険なんだって身体で理解させられた。
帰りの電車の中ではしっかりと眠り込んでいた二人だったが、なんとか10時までに帰宅して事なきを得た。
家の玄関まで送られて、又離れるのが寂しくなる。
あれだけ一緒にいたのに...
『また1日を二人で過ごそうな。』
『うん、ずっと一緒にいようね。』
おやすみのキスを交わしながら...
Fin
―後日談―
「遼哉?お前どうしたんだ、今日は。ちょっと技に切れがないぞ!」
「そっかな?おかしいな...」
染谷に言われて気がつく。以前は3回ぐらいやってもなんともなかったのに...やはり相手が紗弓だからやりすぎたんだろうか?最後まで激しかったからなぁ。
「何考え込んでるんだ?ほれ、打ち込み30本だ!」
「おっしゃ!」
俺も試合前だけは控えるかな?
「紗弓?どうしたの、やっぱまだ調子悪い?」
「え、大丈夫だよ。ごめんね、今日は暴投多かったから。」
やっぱりピッチングには出てしまう。力が思うように入らないみたい。
今日はすっぽ抜けやワンバンのボールが多かった。キャッチャーのよっしーに迷惑が掛かってしまうの。でも芳恵ちゃんは原因はあの夜のことでまさか日曜日に遼哉としすぎてなんていえない...。なのに申し訳ないほど気を遣ってくれてる。
ごめんね、芳恵ちゃん!心配かけて。これも全部遼哉のせいなのよ!
自分がそうさせたことにまったく気付いてない紗弓だった。
二人の悩みは尽きない。
以後、紗弓は試合前には決して遼哉と二人で逢おうとしなくなったのは言うまでもない。