ずっと一緒に...

「遼哉、あの...あたし...」
「言ったろ?我慢するつもりだったって。けどここまで来たらもう逃げられないよ?こんなところで何もせずにいられるほど、俺は大人じゃないから。」
そういってあたしの方へ近づいてくる。
そうだね、昨日17歳の遼哉らしいとこ見せてもらったもんね。けど...
あたしの正面に立つ彼の顔が恥ずかしくて見れなくて、足元の彼のリーガルの靴と、さっき買ったばかりの淡い色のあたしの靴とを見つめていた。
見かけだけでも、遼哉に呆れられない様になれるかな?
「まだ靴見てるの?俺は紗弓がスニーカーはいてようがサンダルはいてようが構わないけどな?今にも脱げそうな高いヒールのミュール履いて腰曲げて歩いてるのより、真っ直ぐ歩く紗弓が好きだよ。すぐに駆け出す元気のいい紗弓が好きだよ。無理に大人っぽくしなくってもいい。そのうち...こういうコトしてれば自然と色っぽくなるってば。」
「や、もう!なんで...」
くすくすと笑って、あたしの顎を持ち上げて唇が塞がれる
何で判ったのかな?あたしが悩んでるの。あの先輩方の似合いそうなミュールはあたしには似合いそうにないものね。それで、いいのかな?
考える思考の先が、深くなるキスでぼやけていく。
何も考えられなくさせられていく遼哉のキス。
あたしの中に入り込んだ舌が優しくうごめきはじめる。唇から順番にしびれていく。
「ん、んっ」
時々息継のように離れていく唇から遼哉の舌先が覗いている。
「遼哉ぁ...」
着ていたGジャンを肩から落とされ、遼哉もジャケットを脱いで足元に落とした。
彼の両腕はあたしの腰と背中に回されてまさぐりながらも力を込めてくる。身体はこれ以上がないほどぴったりと密着している。
目を開けると遼哉が少し苦しそうな顔でじっとあたしの顔を見てた。
「諦めてた分すっごっくうれしいよ。けどその分なんも考えてなかったから、やばいぐらい興奮しちまってる。」
赤らめた顔でそういう。
うん、判るよ。あたってるもん、あたしのお腹のとこに熱くて固いものが当たってる...
「一昨日迄は、次に紗弓抱く時はがっつかずに優しくしようとか、出来るだけ紗弓を感じさせてからとか、色々考えてたんだぜ?でもだめだ...頭と下半身に血が昇っちまって、今にもお前の事めちゃめちゃにしてしまいそうだよ。」
あたしの肩の上に顔を埋めてため息つきながらそう嘆く。
「いいよ、もう覚悟はしてるから...遼哉の好きにして、いいよ?」
あたしも彼の背中に両手を回してぎゆって抱きつく。
「馬鹿、そんなこと言ったらお前今日は返してもらえないぞ、お泊りはだめだろ?」
「え、泊まるって...そんなぁ!」
「だから、そんくらい溜まってるの!たっく、抜いてないんだからな...
「なに、遼哉?」
「いいから、そんな可愛い顔して挑発するなよ!なんも用意してないから、ここの2、3個しかないだろ、足りねえよなぁ。」
「???」
何を言ってるの?遼哉、またキャラが違ってきてるよ?
「いいか、このあいだは紗弓が初めてだったから一回で我慢したけど、あれじゃ済まないからな。覚悟した?」
「え、え、ど、どう云うこと??」
返事は出来なかった。耳の後ろを這い回り始めた遼哉の舌の動きにいきなり腰が砕けてそのままソファの上に押し倒される。
「あぁん、やぁっ...」
首筋を余すとこなく刺激されて、あたしの身体の自由は奪われていく。
遼哉の手が背中に回ってワンピースのファスナーを下ろしていく。あたしも身体を浮かせてそれを手伝う。肩から引きずり降ろされた後に残ったブラのホックも器用にはずされてる。
(やっぱり慣れてる...)
何度もそう思ってしまう。あたしには他の人と比べられて恥ずかしくないものがあるんだろうか?自信がない。あの綺麗な人たちに比べれば...
「あっ、うう...、はあん、だめぇ...」
胸の蕾を口に含まれて軽く噛まれたとたん、また身体は跳ね上がる。そこから電流が流れるように足の指先まで突っ張ってしまう。
「綺麗な色だね、ほんとにピンク色だ。紗弓は色素薄いから凄く綺麗な色してる。それが、ほら、こうするとピンとたって苺色になるんだ。」
指の腹で何度もこねられ、最後にぴんと弾かれる。
「きゃうん!や、やぁ、遼哉...」
「ほんとお前って、胸も感じやすいのな。可愛い声が聞けて嬉しいけど、『や』じゃなくって『いい』でしょ?言えないかな。」
「やだっ、そんなの言えないよぉ!...あんっ」
身体への愛撫は休みなく続けられている。遼哉の顔つきがいたずらっ子のそれに変わったのに気がつく。
「ふうん、じゃあ、今日は紗弓に『いいっ』て言わせるまで頑張るとしますか。」
「そんなぁ、ひどい!...ひんっ」
「帰れなくなるよ、いいの?」
「あぁん、やん...もう許して...」
胸の頂ばかりを刺激されておかしくなりそうな体を早くどうにかして欲しかった。
「紗弓の言ってるのは反対の言葉ばっかりだな。」
そう言ってまたその先を舌で舐め始める。いつの間にか別の手があたしの腰のあたりをさわさわと撫ぜている。上半身をずり下ろされた形のワンピースの裾から侵入したその手は下着の上からあたしの中心に触れ始める。
「紗弓、もしかして、ここも感じてる?湿ってるよ、ほら。」
「やだっ、あっ...」
下着の脇から遼哉の指が侵入してくる。縦のラインをさらっとなぞられ、その快感に腰が逃げるのを押さえ込まれて、くちゅりと音を立てて遼哉の指があたしの中に入り込む。
「あ、あ、ふっん...ひゃっ!」
敏感な芽に掠りながら、彼の指が濡れた指で外側までも濡らしていく。
「このままじゃ、紗弓のワンピースしみとしわだらけになるぞ。」
意地悪く耳元でそんなことを言ってくる。あたしはもう恥ずかしいのと、濡れてしまったそこが気になって、泣きそうになってった。
「ごめん、可愛いんだ、紗弓の何もかもが。俺をおかしくさせるんだ。わかる?誤解してるだろうけど、俺今までセックスの最中にこんなにしゃべったことなんかないよ。」
あたしのワンピースを引き抜いて、ついでにブラも持っていかれる。遼哉もシャツやデニムのパンツを脱ぎ始める。前は余裕なかったからわからなかったけれど、遼哉はビキニのパンツだった。和兄はトランクス派だからなんか恥ずかしい?
出来るだけ下半身から目をそらして遼哉の顔を見つめる。長めの前髪がさらさら流れて綺麗...そこから覗く目はドキッとするほど色っぽいっていうのかな、こう引き寄せられてく気がする。
『あの目がいいのよね〜、ぞくっとしちゃうの。なんでもして、って感じよね。』
同級生のファンの子が言ってたせりふ。今考えると怖いな。誰もがそう思うんだったら...あたしなんて。
遼哉の頬に手を伸ばす。あたしの手のひらで包み込んで引き寄せる。
「ね、ほんとに、あたしにだけ?あたし、遼哉にとって少しでも魅力あるの?」
「魅力?ありすぎて困ってんだろ?自信もてよ、俺をこんなにさせるのは紗弓だけだから。けど、そう思うのは俺だけじゃないだろうから焦ってるんだろ。その目なんか潤んじまって男を誘惑してるとしか思えないし、唇はキスを待ってるとしか思えない。気が狂いそうになるほど紗弓が好きだ。好きで、好きで、全部自分の物にしたい!誰にも見せたくないし、触れさせたくない、俺だけの物にしたいんだ。言葉じゃ言い表せないから、こうやって抱いてるんだろ?自分だけ良くなりたくないから、紗弓も感じさせたい、俺で一杯にして、俺の事しか考えられないほど、夢中にさせてやりたいって...。ま、その前に俺がおぼれてるけどな。」
照れくさそうにあたしの真上で凄いこと言ってる。
それ、全部信じていいんだよね。
一番欲しかった言葉。それ以上は身体で判らせてくれるの?
「...して、遼哉で一杯にして、夢中にさせて!」
「紗弓...そんなこといってもう知らないからな!」
遼哉の声が掠れる。下着に手がかかりくるっと抜き取られる。
『紗弓ので濡れちゃってるよ、この下着。』
耳元で楽しそうに囁いて、おまけにソファの背のあたしの見えるとこにその下着を置いてどうするの?もしかして遼哉って、意地悪?変態さん?
「やだ、何でそんなことするの!んっっ...」
深い口付けと、あたしの中に入り込んだ指と舌が激しく動き始めるともう逆らう言葉が出せなくなる。どんどんと身体のあちこちが快感を逃せなくて引きつっていく。なのに力は入らない。
身体をよじり始めるあたしに遼哉が耳元で何度も囁く。何を言われてるかだんだん理解できなくなっていく。
「あうっ、ん...はんっ!いっ...いん!」
「いい?ほんとに?」
「はぁ、はぁ、り、りょ...うやぁ...」
声が掠れる。気持いい快感が下半身に集まる。でも、なにか足りないの...遼哉が、足りない。
苦しげな表情のまま、あたしから離れていく。
「りょ...や?どこ...」
ベッドの方で何かを探してすぐに戻ってくる。
「りょうやぁ」
「待ってて、すぐだから...」
口に咥えた四角いものを破って中のものを取り出し自分の下半身に装着してる。
(やっぱり、慣れてる...でもだからかな?あたしの身体がこんなにされちゃうのは...)
こんなになっちゃうのはきっと遼哉が慣れてるからだと思っていた。後で激しく否定されたけど。
「紗弓」
かすれた声であたしの名前を呼ぶ。あたしが不安にならないように体をぴったりとつけて、あたしの間に身体を入れると両足を持ち上げられた。
「りょ、りょうや...」
その中心の濡れきったそこに、ゆっくりと入ってくるのがわかる。その存在感の大きさは、やっぱり壊れちゃうかと思うぐらい。
「あぁっ!遼哉ぁ...」
最初のときほど痛くないけれど、それでも中々奥まで入りきらないみたい...
だから、出来るだけ深呼吸して力を抜こうとしてみる。
「そう、力んじゃだめだよ、力抜いて...うっ、入ったよ、全部...きつぅ...」
「はぁあ、ほんとに、遼哉が入ってきてる...んっっ」
「判る?痛くないか?」
「ん...大丈夫、だよ。」
「悪いけど最初は持ちそうにない、ごめん、紗弓!」
「きゃっ、り、りょ、お、やぁ、っ!」
激しく揺さぶられ始める。ソファがぎしぎしと床との摩擦で音がたつほどの勢いで、ソファが動いてる?
「やぁっん、こ、壊れちゃう、よぉ...あんっ、えっ?」
ひょいっと持ち上げられた。
「ソファがもたないからな。」
「ええっ?!あっ...っん」
やだっ、あたし遼哉の上に乗っちゃってるよぉ...すごく、深くなってる?何、これ...
「あっ、あっん」
「動いてなんて言わないから...紗弓、キスして。」
腰に置かれた手が激しい揺さぶりから逃がしてはくれない。でも、高さがあるからあたしからじゃないと遼哉にキスできない...
「ふっ、うんっ...はっ、りょうやぁ、好き、大好き!」
あたしからのキス。受け止める遼哉の腰の動きが大きくなる。キスで声は出せない。なのにぴちゃぴちゃと卑猥な音が響く。色んなところにこすれていく。
なんか、変、だよ...なんか、だめっ!
「や、い、いいっ!ひっいん...あぁっ!」
「あぁっ、くっ、紗弓っ!」
限界まで来てたそれが、ビクンとあたしの中で跳ねた。あたしもそのまま一緒に昇り詰めたみたいだった。