10.トレーニング開始!


 これはきっと、夢なんだ……チーフが言ってることなんて。
「おい、大丈夫か?」
「……チーフ、あれ?」
 目の前にチーフのどアップ。まだ夢?
「あれ、じゃないだろ! いきなり白目剥いたら驚くだろうが」
「って、ああっ! す、すみません!!」
 いつの間にかチーフに抱きとめられていたらしく、大急ぎでその腕の中から這い出た。
「おい、いきなり動いて平気なのか?」
「だ、大丈夫です」
 わたしは急ぎ正座して平静を装おった。
 だって、凄かった……チーフの身体。硬いっていうか逞しいっていうか、重いわたしの身体を平気で支えてた。会社で倒れた時もチーフが医務室まで運んでくれたらしいけど、あれほど筋肉質なら大丈夫だったのかな? うーん、覚えてないのがちょっと悔しいような気もする。覚えてればそれはそれで恥ずかしいんだけど。健康一筋なわたしが一日2回も倒れるなんて。今までそんな経験はまったくなかったのに……ああ、よっぽど身体が弱っていたんだね。これは反省だ。
「千夜子くん?」
「は、はいっ!」
 わたしの名前を呼ぶチーフの声が、さっき『どうする?』とわたしに聞いてきた少し甘さを含んだ声と重なって、思わず身構えてしまった。あれはきっと冗談か何かのはずなのに……チーフがどんなつもりなのか図りかねて、勘違いしてしまいそうになる。もしかして、わたしって女の子扱いされてるの? って……
「おまえは……本当に慣れてないんだな」
「えっ?」
「自信云々の前に、男にもう少し慣れたほうがいいな。いざ男と付き合うとしても、あまり緊張しすぎてると引かれるぞ?」
「そ、そんな……」
 確かに緊張しすぎてるかもしれない。今まで彼氏が出来なかったのって、それも原因してるんだろうか? 仕事を介すればまだマシだとは思うんだけど
「それと、もっと体力つけないといかんぞ」
「あ、はい……」
 いくらダイエットしてるからといっても、倒れて仕事に支障をきたしていたら意味が無いものね。イッコにはやく元気の出るお薬を分けてもらわなきゃね。あとで電話して、ううん、買いに行ったほうがいいかな?
「おまえ、いっそのことわたしと一緒にトレーニングしてみるか? そうすれば少しは男にも慣れるだろうし、俺もおまえが無茶しないかどうか見張れると思うんだが」
「はぁ?」
 チーフとトレーニングって、走ったりするわけ? まさか……さっき言ってたこと、やっぱり本気だったり、しないよね?
「仕事のペースはほぼ同じだから時間も合わせやすいだろう。俺は今でも朝走ったり週末にジムに行ってるんだが、そいつに付き合わないか?」
 一瞬、付き合わないかっていう言葉が違う意味に聞こえたのは、もう既に脳が今日の出来事に麻痺しかけてるからに違いない。そんなはずないのに……
 チーフはわたしに同情しているだけなんだ。この歳になってカレシもなく、男に慣れない上におでぶで無茶なダイエットをするわたしのことを真剣に心配して……でも、これ以上甘えられないよ。だって、今まで自分でトレーニングをやっていたのなら、人と合わせるなんてすごく面倒なはずだ。それも体力落ちまくってるわたしとじゃペース配分も違うはずだし。
「いえ、これ以上チーフにご面倒かけられません。なんとか自分で……」
「それでまた倒れるのか? おまえに休まれるほうがよっぽど迷惑だ! だったら一緒にやるほうが安心出来る」
 わたしが休んだら……それを考えるとゾッとした。皆川さんにそのカバーが出来るとは思えない。今でさえ、わたしの半分も仕事出来てないんだもの。未処理な書類が溜れば困るのは現場の皆だ。その長たるチーフがおそらく一番……
「これからは迷惑をかけないようにちゃんと気をつけます! この栄養剤もちゃんと飲みますし、運動も自分でやります。倒れたりしないよう、食事の減らし方も気をつけますから……」
「本当に大丈夫だといえるか? 無理したあげくダイエットを止めた時にはリバウンドが待ってるんだぞ? せっかくおまえがやる気を出してるんだから、俺も上司としてではなく、昔同じような体型だったものとして助けてやりたいと思ったんだ。いつも自分で何とかしようとするが、少しは甘えろ」
 甘えろって言われても……本当にいいんだろうか? わたしにとってチーフは頼りになる上司だけど、今まで仕事以外ではまったく付き合いも何もなかったというのに。申し訳ないよ。チーフにはそんなに特典があるように思えない。
「とにかく、運動やトレーニングをきちんと管理してやったほうがいい。自分一人できちんと運動出来ないならジムに通え。徐々に筋肉をつけながら脂肪の燃焼度を上げていくとダイエットも楽になるぞ? 筋肉をつけてなかったら戻りやすいしな」
「でも……」
「どうする? おまえにやる気があるなら俺も本気で手伝う。そのかわりに関わった限りは、妥協も体調を崩すのも許さない。さあ、やるかやらないか、返事はどうなんだ?」
 うう、なんでそんなに強引なの? そりゃ痩せたいよ、素敵なカレシが出来るようにとは言わないけど、少しでも見苦しくなくなったら……今度こそ本城さんに食事へ誘われたら行ってみたい。それで、断られるってわかっていても告白することが出来たら……すごいよね? 想いを口に出来るだけでもわたしにとってすごく価値のあることだもの。だって、今までのわたしはゼロの可能性を前に、告白するなんてことは選択肢にも入らなかった。倒れる前に、少しだけ本城さんに言ってもらえたんだ。『細井さん、痩せた? 無理しないようにね』って、顔色悪かったからかもしれないけど、ちゃんと気がついてくれてて、それが嬉しくて余計頑張っちゃったんだけど。
 もし、ダイエット出来て告白も出来るなら……頑張りたい!
 チーフの同情でもなんでもいい! コーチが付いたら今以上にやれるかもしれないでしょ? 運動でも勉強でも教え方次第で伸び方が違うことは、高校大学と厳しい指導者に当たったことでよくわかっている。頑張った分だけ成果を上げて、最初出来なかったことが出来るようになる。そんな奇跡を何度も見てきた……
「本当に……いいんですか?」
「ああ」
「あの、わたし死に物狂いで頑張りますから! チーフ、よろしくお願いします!」
 思わず床に手を付いて頭を下げていた。
「おいおい、死なれちゃ困るが……その意気だ」
 笑いながらわたしの腕をとって、身体を起こさせた。声上げて笑うなんて、チーフにしては珍しいかもしれない。いつも苦虫噛み締めた顔してるのに。
「それじゃさっそく、明日の昼過ぎに迎えに来るから。早めに食事済ませて運動出来る格好で待ってるように」
「えっ? あ、明日ですか?」
 いきなり早速? さすが気が早いというか、待ったなしの段取り上手なチーフらしい。
「ジムの見学に連れて行ってやるよ。俺が通っている所だが、設備もいいし程よくリーズナブルな料金設定だ」
 いやいや、チーフクラスのリーズナブルはあまり当てにならないと思うんだけど。出来れば、あまりお金をかけたくないところだ。それにジムっていったらやっぱり水着だよね? チーフの前で水着姿晒すなんて、無理! 絶対無理!
「い、いいです。あの、場所を教えてもらったらわたし自分で行きます。体験コースとかあるでしょうから」
「さっき死に物狂いで頑張ると言ったんじゃなかったのか?」
「ううっ、それは……」
「今日はもう休め。2度も倒れてるんだからな」
 チーフは優しく笑うと、わたしの頭をポンと叩いて帰っていった。

 その日の夜、イッコに電話したら思いっきり叱られた。
「あれほど言ってたのに飲んでなかったの? 油断するとそうなるから色々説明してたんだよ? 食事減らして体重減らすのは簡単なんだよ、食べなきゃいいんだから! 絶食でもなんでも出来るならやればいいの。でもね、元気を保ったまま痩せるのはすごく難しいから……だから色々飲む物や食べ方を話したんだよ? それやると最初はどうしても体力が落ちるから、トレーニングも気をつけながらやらないとだめだって。最初っから飛ばしたら倒れるに決まってるじゃない! 特に女性は月々の周期っていうのがあるんだし……」
 それを話してなかったわねと、説明してくれた。
「女性は排卵に合わせて黄体ホルモンや卵胞ホルモンっていうのが出るのよ。生理前には大量の出血に備えて溜め込もうとするから、食欲が止まらなかったり、イライラしたり……この周期をうまく使ってダイエットする方法もあるのよ。生理前の食欲のある時期を上手に過ごして、生理が始まったら、バランスの良い食事を摂ってその間に落とすの。うまくいけばそれだけで月に500g〜1kgずつ痩せられるっていうわ。でも、生理前や生理中の摂取栄養が少なければ出血のせいで貧血起こしたりするんだからね」
 それはもう、身にしみて反省しました。生理中は無理しない。生理前の食欲には気をつける。体調管理という意味では、イッコが勧めてくれた栄養剤の意味がよくわかった。食べるの減らせば摂取栄養量も間違い無く減るし、動くパワーも落ちるんだ。それなのに、同じように動いてたらどこかにしわ寄せが来る。だから、しっかりと体調、体力を維持することが大切なんだね。大抵、ここで我慢するか失敗するかだけど、家にいるだけなら動かずにいられても、仕事してたら『ダイエットしてるから動けません』なんて言えないからね。全部維持しながら痩せるためには体調維持を真っ先に考えなきゃいけなかったんだ……死ぬ気でとか、そんなの有り得なかったんだ。


「それじゃ行くか。俺が通ってるジムだけど……」
「あ、はい! よろしくお願いします」
 実は、車で迎えに来てくれたチーフを見て驚いてた。ジーンズにシャツ姿って……カジュアルな格好は社員旅行の時に何度か見たことあるけど、その時でもこんなにラフな格好しないじゃやない? 年齢もかなり若く見える。髪だっていつもは後ろに流して固めてるのに、軽く降ろしてあって……もしかしなくても、チーフってそれなりに若かった? わたしの頭の中では上司は上司で、わたしよりもずっと落ち着いてるイメージだったのに、今日はもっと歳が近いように思えてしまう。
「どうした? わたしの顔に何かついてるか?」
 あまりに何度も見るので、チーフにも気づかれてしまった。車を運転するその横顔は、サングラスをかけてても整った鼻梁やキリッと引き締まった口元が際立って、何処かの俳優かと見紛うほどの格好良さで……思わず見入ってしまったのだ。助手席に座ってるのが場違いな気すらしてしまう。車だってマジェスタってマークが入ってたけど、なんか手が加わってるよね? 車体も低く感じるのはアンダーカウルが付いてるせいかな? コータはバリバリ改造して車体下げたりしてるけど、品よく若向けって感じだ。
 こうやって一緒に乗っているのを誰かに見られたらどう思われるだろうか? 間違っても彼氏彼女には見えないだろうけど、兄と妹って感じでもないよね。正解はただの上司と部下なんだけど……
「どうだ、ここ。結構いいだろ?」
「そうですね、通いやすそうだし……」
 距離的にも自宅と会社の中間地点。ここなら自宅からだと自転車で通えるし、会社からだと電車の途中で降りれば近い。スイミングスクールに隣接した施設で、特別高級なわけでもなかった。料金も思ったほど高くなかったし、最初は回数券にして、月に何度も通えそうだったら月会員になればいいらしい。ジム器械を使うコーナーと、プールもスイミングスクールの時間帯以外は自由に使用出来るらしい。あと、エクササイズの教室も予約すればすぐに参加出来る。ただし、基礎を固めてからのほうがダンスエクササイズとかは楽しめるようだ。まずは基礎体力、ベースの筋肉づくりが必要だものね。
「最初はジョギングとプールがいいと思うぞ。それから落ちにくい箇所に合わせて器具を使ったジムトレーニング、それと全身のスタイル維持ならダンスエクササイズだな」
 チーフもダンスやるんだろうか? 踊ってるところは想像出来ないけど……
「おい、俺は踊ったりしないぞ」
「あ、はい……そ、そうですよね。あはは」
 笑ってごまかしたけど、しっかり想像してた。だけど、Tシャツに映る筋肉の盛り上がりとか見てたら、ほんとに綺麗な身体つきなのがよくわかる。そこから出ている二の腕や上腕二頭筋なんて、適度に盛り上がって……周りの女性客がチラチラと視線を寄せている。
「今日は無理出来ないだろうから、簡単にマシンの使い方の説明だけ聞いておくといいい。まあ、アレの時は無理しないことだな」
 アレって……言ってて恥ずかしくないんだろうか? それとも元奥さんも生理痛が酷かったのかな? 元既婚者だしそういうことにも慣れてるんだろうな。でも、今回は珍しく倒れちゃったけど、わたしは元々生理痛が酷い方ではない。運動してる時はそんなの全くなかったのに……やっぱり血行が悪いと酷くなりやすいのかな? これから生理の度にチーフに気を遣わせるのも悪い気がした。これからダイエットに付き合ってもらうなら、はっきり言っておいたほうがいいよね?恥ずかしがってちゃだめなんだ……コ、コーチなんだから!
「あの、大丈夫です。こんなに酷かったのは今回ぐらいで……もし受けられるなら大丈夫そうなレッスン受けてみたいです」
 レッスンのメニューの中に、ヨガとかあるみたいだから、それを試しに受けてみようかなと思っていた。
「無理するなよ、おまえに倒れられると困るからな。明日に響かないように、だ」
「はい!」
 なんか嬉しい……仕事では認めて貰えてるんだ。
 本当は、あの『自身がつくまで云々』って言葉が気になっていたけど、今はしっかりと体重を落とすことが大事で、それまではその発言について考えることを止めた。
 だって、今のわたしじゃまだ何も始まっていないと思うから。


「おはよう、それじゃ走るぞ!」
「は、はい!」
 毎朝、チーフが家の近くで待っていてくれるので、そこから一緒に走る。もちろん、チーフは自宅からここまで一人で走ってくるのだろうけど。最初は歩くから始まったんだけど、歩きだとなにか話さなきゃいけない気がして。早々に『走れます!』と言ってゆっくりだけど走りはじめた。
「ぜえぜえ……」
 それでも最初はついていけたものじゃなかった。ここまで落ちてるのかと言わんばかりに体は前に進まない。だけど、毎日根気よくゆっくりでもいいから走る、走る。
「無理しなくていい。自分のリズムで走れ」
 そういうチーフは自分のリズムどころじゃないと思うんだけど……根気よく付き合ってくれるのには本当に感謝だ。サボりたいような日も、チーフが待ってると思えば目も覚める。なにせ、遅れたら鬼より怖いんだから。とりあえず雨の日はジョギングが休みなのが嬉しいんだけど、その日は帰りにジムに寄ってマシンで走ることになった。
 そして週末のジムではプール。
 ああ、プール! 服着て入れないんだよ? やっぱり水着、だよね?? わたしは数年ぶりに水着を新調した。トレーニング用のセパレートタイプ。それも太ももをカバーするスパッツ付きの……色気はないけど、これが一番細く見えると思ったのよ。たとえチーフにでも少しでも細く見られたいじゃない? それに……チーフと並んだら、恥ずかしいしか出てこないよ!
 パーカーを着てるけど、チーフの水着は競技用っぽいのだった。前のファスナーを止めてないから、そこから見える胸の筋肉は予想以上で、腹筋は綺麗に割れていて芸術に近いものがあった。おまけに……脚! 綺麗な筋肉がついて、すらりと長くて……そっか、普段から姿勢もいいけど、この人は骨格が綺麗なんだ。それに適度に付いた筋肉、肩幅は思ったよりも広くて……スーツが似合うはずだ。それから、体毛はやっぱり普通に男性並にあったけど、処理するほどじゃないみたい。なんか、周りの女性達だけでなく、男性まで見てない??
 うう、やだな……一緒に見られるのは。
「思ったよりもバランスが取れてるじゃないか、千夜子くん」
「う、嘘です」
 慣れない水着を着てチーフの目の前。体中のラインを意識する。だって、じっと見てる……もうヤダ、恥ずかしくて思わず水の中に飛び込もうとしてダッシュした。
「何やってるんだ!!」
「ひえっ!」
 すぐさま抱え込むようにして止められた。うわぁ、チーフの素肌がっ! 腕とか腹筋とかが、直に触れるっ!! なんか眩暈しそう……だけどそう簡単に倒れられない。もう前みたいに抱えられるわけにはいかないから。
「馬鹿か? 準備体操替わりにストレッチしてからに決まってるだろう!」
 そう叫んでわたしをマットの上に連れて行く。今ので代謝上がったけど……
「うう、でも……こんな身体晒しておけないです。早くプールに入りたいです」
 思わず泣きが入る。入れば見えないよね?
「そんなに酷くはないぞ? 背筋はもう少し伸ばしてたほうがいいが、おまえは背中が反り返り過ぎだから気をつけろ。腰痛あるだろう?」
 ええ、どうしてわかるの? 確かに腰痛はバレーやってる頃からあった。
「綺麗に立つ、歩く、座る。背筋が綺麗に伸びていてこそ出来るんだ。それだけで、見た目がぐんと変わるからな。意識してやってみろ」
 イッコが言ってたバレエの立ち姿がいいんだろうな。悪い癖は直さなきゃだ……そうだ、エクササイズにそういうレッスンの基礎があったらそれをやってみよう。少しでも綺麗に見られるなら、姿勢ぐらい直してみせるよ!
 だって……思い受かべてしまう。窓に映った自分と本城さんのシルエットの違いを。
「いいか、ゆっくりでいいから。普段からもこれをやればいい」
 そう言って、関節のストレッチやスクワットの基本を教えられたけど、これは今までに色々やってきてるのでお手の物だ。ちょっと体が硬くなってるけどね。
「それじゃ、水中ウォーキングからな」
 少しは泳げるけど、まずは歩くところから始めて、少しずつ泳ぐ。わたしの場合はクロールが一番マシのようだった。平泳ぎは……いくら水を掻いてもなかなか前に進まないから、チーフにおもいっきり呆れられた。
「それでも1種目でも泳げるから大丈夫そうだな。泳ぎのレッスンからだと初級クラスのコーチについたほうがいいからな。それじゃ、無理のない程度にしておけよ。水から出ると疲労感がどっとでるからな」
「は、はい!」
 確かに、調子にのって泳いだり歩いたりしていると、水から出たあとの重力感が半端ない。
「一緒にいるときはいいけど、一人で来てる時はちゃんと時間を計るんだぞ」
 まるで保護者のようだけど……でも、何していいかわからずに来ているより、色々指導してもらえてよかったかもしれない。泳ぎのコーチもしてもらい、クロールは筋がいいと褒められたのが嬉しくて、ひたすら泳いだりもした。
 さすがに水の中では体が動きやすかった。動くことやスポーツは嫌いじゃない。だけど一人で目標もなくやるのが億劫なだけで……サボりぐせがついていたんだと自分でも思う。
 運動して、カロリー計算してきちんと食べる。一度に痩せなくていいから、目標1ヶ月に1kg。生理の周期に合わせて休むから、それまではしっかり運動する。雨の日以外のジョギング、ジムでのトレーニングやエクササイズを必死で……ううん、楽しく繰り返すことができた。

BACK   HOME   TOP   NEXT