ハウスメイド
番外編 〜調教・2〜
〜澄華〜
「出かけようか、澄華」
「え?」
まるで、今すぐにでも車の鍵を取り出して出かけそうな落ち着いた明るい声で彼は言う。
「着替えて、準備をしておいで」
「そ、そんな……」
優しくそういわれても、そう簡単に身体は動かない。
昨夜から……欲しいものも与えられず、甚振り続けられたこの身体は完全に開ききり、愛液を撒き散らして欲しかったモノを与えられるのを今か今かと待ち続けていたのに……
もう、もらえないのだと、諦めようとしても体は震えてひくつく。内襞は勝手に蠢き、せめて彼の指でもいいから最後まで快感を与えてほしかったのに……
彼はわたしの夫。そしてご主人様でもある。
彼をただの優しい従兄妹だと信じていたわたしは、夫として安心して側に置いたつもりだった。心も身体も、一度は手にしたもう一人の従姉弟に囚われていた。激しく求めてくる彼の行為に溺れたのもつかの間、結ばれてはいけない相手だと知らされ、諦めたはずだった。
彼もわたしのことをずっと思い続けていたはずで、その視線を感じるのはとても興奮した。身体の奥底がゾクゾクと震え、夫に抱かれるたびに、それを想像して一人果てる彼を思い浮かべて楽しんでいた。自分に恋焦がれる相手がいながら他の男に抱かれることは酷く自分を興奮させた。だけど、その彼が他の女に取られるのが悔しくて、誘惑しようとした。夫の真面目なセックスにも飽きていたし、義弟となった彼との関係は酷く禁断的で、わたしを煽り立てた。思い出しても身体が疼くようなセックスを期待させるセクシャルな彼。彼となら、禁断も全て超えて愛し合える相手だと信じていたのに……
だけど、失敗した。彼は、メイドと恋に堕ちて結ばれてしまった。
女好きの父まで煽ったというのに、出てきた真実はわたしと彼とはただの従姉弟だったということだけ……
全てを夫に知られたけれども、きっと優しい夫は最後には笑って許してくれると信じていた。
でもそれは違っていた。
わたしは、本当の夫の姿を知らなかっただけなのだ……
「ど、どこに行く気なの?」
「そうだね、父のところにでも行こうか?今日は確かみんな家にいるはずだから」
彼はさっさと着替えを済ませると、今度はわたしのクローゼットの中から下着や衣服を嬉しそうにチョイスすると、それを手に再びベッドに歩み寄ってくる。
「さあ、着替えさせてあげるよ」
優しい笑顔としぐさでわたしの腕を取る。そして、わたしが感じてしまうことを知っていてその肌に指を這わせ、乳首を爪先で引っかいていくのだ。
「くっ……ぅん」
「可愛い声だしておねだりしてもダメだよ」
揃いの総レースの下着に裏地布は付いていない。白い下着に透けて自分の素肌が見えるとともに、感じやすい突起がレースに刺激されてしまう。
「とても綺麗だよ、澄華。このまま連れて歩きたいほどだ」
下着にガーターベルトにストッキング。そんな姿で何処へつれていくというのだ。
「だけど、他の男にこんないやらしい格好の奥さんを見せたくはないですからね……やはり服も着せてあげようね」
そういって薄い布地のワンピースを着せてくれる。身体を締め付けるものが何もないような、それほど無防備な装いだった。
彼は、決してわたしの身体を傷つけるようなことはしない。痕形もあまりつけないし、どちらかというと精神的な苦痛をわたしに味合わせるのが好きなようだった。
最初は、媚薬を使われた。
悶え苦しむのに、身体を拘束されて何一つ快感を与えてもらえず、放置され焦らされるだけ焦らされた。
結局プライドも何もかも捨てて請い願い、淫らな道具や彼の指先で狂わされ、体中の穴という穴まで開ききり、彼を与えられた時には歓喜を極めて体中から体液を垂れ流した……
もう、彼には…いえ、ご主人様には何一つ逆らえない。逆らえばもっと酷く焦らされ、苦痛が続くだけ。そして最後にわたしから何もかも奪いつくすような最悪の行為を受け入れるしかなくなってしまうから……
「やあ、久しぶりだね、茉悠子さん」
「そうですね、澄華さんとは先週お買い物を一緒にさせていただきました」
出迎えてくれるのはお腹の大きい茉悠子さん、義弟政弥の妻だ。元メイドの彼女は気もよくまわるし家事も完璧だけど、おしゃれには疎く、よく妹と二人で買い物に連れ出したりもする。いくら倹約家だと言っても、藤澤建設の常務の妻がノーブランドのちぐはぐの服じゃ困ってしまう。一番似合うのはメイド服だなんて自分で言ってるくらいだから。
「そ、その服……この間買ったものね?よく似合ってるわよ」
「ありがとうございます。いつも素敵な服選んでいただいて……あら、澄華さん、お加減でも悪いのですか?」
「え?だ、大丈夫よ……」
いやだ、気付かれた?わたしの体内には今……
「少し車にでも酔ったのかな?つわりだとかだと嬉しいんだけれども……それよりも茉悠子さんの方こそ疲れて見えるけど?まさか、また政弥が無茶したりしてない?お腹の方は順調なの?」
図星だったらしく彼女は真っ赤な顔をして俯いてしまう。
「そ、それは……お腹はもう7ヶ月目に入ります」
「何玄関で立ち話してるんだ?早く中に入れよ。今コーヒー入れるから」
奥から顔を出したのは政弥だった。相変わらず妻には甘いというか過保護というか……
「あ、政弥さん、それはわたしが……」
「いい。ったく、おまえは座ってろ、じっとしてないんだから!」
メイド時代は何もかもやらせてたくせに、彼女のお腹が大きくなってくると、義父と競って家事をやっているらしい。もっともここには別に家政婦さんが来てるから、彼女が帰った後での話らしいけれども。
「澄華も座らせてもらいなさい。顔色よくないよ?」
誰のせいだと?車の中でも荒れ狂うほどの振動に刺激されて、イキそうになると振動を止められ、この家に入る前にそれを体内に押し込まれたというのに……
「はい、そうさせてもらいます」
ゆっくりと振動を伝えないように歩くその背をぐいぐいと抱えて進めようとする夫の優しい笑顔に思わず目で訴えるけれども優しい額へのキスでごまかされてしまう。
『嬉しいよ、君が僕しか見てないなんて……そんな目で見たら、今ここでイカせてあげたくなるね』
「そ、それは……」
止めて下さいと言いかけたその時
「ひっ!」
不意に振動がマックスになって、義弟夫婦が廊下の角を曲がった瞬間、夫の指が薄いワンピースの生地の上からクリトリスをグリリと擦りあげた。
その瞬間レースが擦れて、敏感になりきっていたそれは絶頂を向かえ、わたしは夫に背中を抱えられたまま声を殺してイっていた。
「可愛いね、澄華。よそ様の家の玄関先でイッてしまうなんて……」
噛み締めた唇を解くように唇が吸い付き、舌先でねじ込まれて声を飲み込まされる。
「うぐっ……ん」
彼の指がスカートの中に入り込み、クリトリスに擦り付けられる。何度も、エクスタシーが終わらないように……
「すごいね、こんなに濡らして。いやらしい体だね?どう、早く欲しい?」
「ほ、欲しい……です、雄弥さんの、ご主人様のを……お願いです」
「こんな場所で?」
どんな場所でもよかった、早く欲しくて……
「しょうがないですね」
そういうと彼はわたしを抱き上げた。
「政弥、澄華がちょっとふらついてるみたいだから、二階の客間構わないかな?」
そういいながら居間を抜けて階段を上がっていく。
「大丈夫ですか?」
「少し休めばすぐ治るよ。おめでただといいんだけどね」
茉悠子さんの問いかけもさらりと流して、彼は2階へと上がっていく。
わたしの身体は期待に満ちて、蠢くものを締め付けながら彼の腕にすがりつく。
早く……
お願い、わたしを満たして……
欲しいの、あなたのモノが
ご主人様
〜雄弥〜
「兄貴、無茶しすぎじゃないのか」
「おまえほどじゃないと思うが?」
互いの妻は部屋で休んでいる。
もちろん、休んでいないといられないようなことをしてきたのだ。お互い……
客間と政弥達の寝室のベッドには夫に攻められた妻がそれぞれ眠ってるはずだ。
澄華をつれて上がった後、ちょっと可愛がるつもりがつい本気になってしまい、止まらなくなってしまっていた。それほど彼女が僕だけを求めるのが愛しくて、我慢できなかったのだ。
どうやらそれを、心配して見に来た茉悠子さんに聞かれたらしく、あとからきた政弥が真っ赤になった彼女を見て……妊婦に盛ったということだろう。
「兄貴が怖いよ。顔は親父にそっくりなのに……」
「中身は自分と変わらないってか?」
「いや、俺以上じゃないの?」
あの狂ったような澄華の声を聞けば、どんなことをしてるのか大体想像は付くらしい。
「おかげさまで、従順になったよ、もう君達に迷惑かけるようなことはないと思うよ」
「さすがだね……もう教育済みってこと?」
「いや、調教済みだ」
「え……」
傍らで固まる弟。
まあ、あの茉悠子さん相手に調教もなにもないだろう。素直で、従順なのだから。
「あの、女王様がね……」
そう、あの気位の高い彼女が可愛い声で鳴きながら強請る姿は最高だ。焦らした後の彼女の中は名器で、蠢き搾り取ろうと凄い動きをしてくれる。腰の動きもハンパないほど大胆で淫らだ。
それももう、僕だけのものだ……
「さて、茉悠子さんも夕飯は作れそうにないみたいだし、澄華をつれて帰るよ。おまえも無理させるなよ?妊婦なんだから」
「兄貴はいいのかよ?」
「え?」
「マジで出来てるんじゃない?」
まさか……そりゃ避妊はしていない。早く欲しいのは山々だ。
「出来てるかな?」
「茉悠子がそういってたから」
「帰ったら調べてみるよ」
帰りのドラッグストアで検査薬を買い、山道で車を止め、助手席を倒して散々甚振った後、イカせながら排尿させて調べた。
陽性
彼女の子宮の中には僕の子供が着床した。
これで彼女の身体のすべてが僕のものになったんだね。
「いい子だね、早く育って出ておいで。僕が君のお母さんを壊す前に……」
「はぁ……ん、やぁ、もう……」
「大きな声を出すと、誰かに聞こえちゃうよ?ここは、道路から少ししか入ってないんだからね」
「やっ、そんな……」
嬉しくて、あまりいじめずに繋がり、その中を堪能する。
今夜からは激しく突き上げたり、子宮口をこじ開けたりも出来ないな……バイブやローターも使えない。
優しく、昔に戻ったような規則正しいセックスに戻すか?
「ご主人さまぁ……もっと、ください……いっぱい、注いでぇ」
それはもう、無理かな?彼女が許してくれそうにないな。
そう、僕は夫でありながらご主人様なのだから。
彼女が満足するよう、じっくりと甚振ってあげなくては……
子供に支障をきたさない程度にね。
今年の調教は澄華視点も入れてみました。もう調教されつくしてますが…(笑)でもやっぱり内容は期待ほどじゃなくてごめんなさい〜
2009.4.18
素材/C.B.PHOTO