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 美雪 Side 5

 
結局その日も泊まってしまって、おまけにスキーも出来なかった。
あちこち痛くて…ナイターで少しだけ滑って、また泊まって…
31日はゆっくり過ごしてからホテルをでた。
ゆっくりと、休みながらのドライブ。
そのまま沢田さん、勇史さんの部屋に連れて行かれて…
 
初めて親に嘘をついて外泊しました。
雪で帰れなくなったから、って…
 
年の明けた元旦、彼に送られて、そのままうちの家族に挨拶までして、そのままうちで過ごした。
両親は驚いていたけど、彼はすごく話を持って行くのが上手くて、すっかり両親を安心させていた。
渚とは正月明けに逢った。
謝っていたけど、「よかったでしょ?」って言われてしまった。気が付いてたんだね、渚は…
「騙したようで悪かったけど、あんたは最初に言ってたら絶対に来なかったでしょ?普通に申し込んでも、どうせ尻込みしてうごきゃしないんだからね。これでよかったのよ。もう離れられないでしょ?」
「そ、それは…」
確かに、そうだとおもう。もう離れられないほど、沢田さんはあたしの中に居る。不安に思う前に、もう絡め取られてしまった。
「奥手のあんたに片思いしてたっていう沢田さんもどうかと思うけど、『無理矢理でもその気にさせてしまえ』って言ったのはあたしなんだよね。見てて焦れったかったからさ。あたしも見てたから、沢田さんを…」
「渚、」
「いいのよ、そのおかげで気が付いたんだから。あたしの隣にいるあんたを見てることにね。まあ上手い具合にずれてたんだけどね。」
「ごめんね、渚…」
「謝らないでお礼いって欲しいわね。大丈夫、こっちはこっちで室井さんと…えへへ、うまくいったから。彼もね、気が付いてたんだって、二人に。あたしと同じくだったってわけ。」
「……え?」
「もう、いいから、あんたはそのまんまで居てね?ただし、沢田さんから離れないようにね。他は危険だから。」
「う、うん。」
「じゃあ、そろそろ行こうか。沢田さん来るんでしょ?あたしも室井さんとこにいくし。また4人ででもいいしね。」
「じゃあ、今日は?」
「だめだめ、当分二人っきりがいいって沢田さんに釘刺されてるから。」
「な、なんで?」
「それは、美雪が一番よくわかってるでしょ?」
小さな声で(沢田さん、離してくれないんでしょ?ベッドの中でも…)
言われて真っ赤になってしまった。
そうなの、お付き合い初心者なのに、一足飛びでその、ずっと、で、恥ずかしいんだけど、離してもらえなくて…今日もこれから彼の部屋に行く予定で…
「可愛いなぁ、美雪は。なんにも気が付いてなかったんだから参るわね。」
「はあ?」
「いいの、そのままで居てね。ああ、来た来た。」
わたしたちのテーブルに歩み寄ってくる二人の男性。
「美雪、行こうか?」
「はい。」
恋愛ってよくわからなかったけれども、結局身体に教え込まれたようで、わたしはもう、生真面目で浮いた話のない娘ではなくなってしまった。
 
 
それで幸せだからいいんです。
 
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素材:FINON