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2006クリスマス企画

クリスマスを過ぎても
〜3度目のクリスマス〜
12月21日
〜俊貴〜

今年、俺たちは三度目のクリスマスを迎える。

あれから...
朱音は商品開発部に異動し、そこでまた持ち前の頑張りを発揮して、確実に部内の信用を手に入れていった。
今まで俺の下であれだけ仕事が出来ていたのだ。どこでだってやっていけるはず、どこにだしたって恥ずかしくない仕事を上司として俺が仕込んできた。
そう、見守るだけの数年間、結婚にも女性にも面倒だという思いから、ただ純粋に仕事を頑張る彼女に仕事だけで接してきたのだから。そのおかげで、朱音は仕事に自信をつけ、富野のお守りをやめて俺と組んで仕事をするぐらいになったのだから。

だが、それがまずかった。

「俊貴さん、あのね、今の仕事すごく楽しいの!わたしの意見でもどんどん取り入れて貰えるし、いかにそれが必要有効かをデータにしていくのもおもしろいわ。今までやって来たことが活かせてるの!でね、あたし、あの...」
「ん?なんなんだ、朱音」
少し押し黙った彼女。
「あの、しばらくは仕事に集中したいの。中途半端に妊娠出産で退社するなんて嫌なの!会社にもだけど、きっと後悔してあなたにも子供にも迷惑かけてしまうと思うの。」
「そ、そうか...」
薄々気が付いてはいた。彼女が仕事にのめり込んでいるのは。
よく頑張っているのも彼女の上司の羽山から聞いていた。『ぜひ、もうしばらくは戦力で』と暗に出産による退社を拒否してきやがった。そいつも俺と同期で、ヤツは早々と結婚して少し太ったがために社内の結婚したい男ランキングからははずれていたが、元は俺と人気を二分する出来る男だ。
だが、そろそろと思っていた俺に、朱音はさりげなく避妊を要求してくるようになった。
普段はいいんだ、普段は。危険日に近づいてきたら、『おねがい...』と泣きそうな声で哀願されれば、取りあえず中は辞めておこうと思うだろ?
無茶苦茶不満だが。
出来れば彼女のなかで気持ちよくイキたいし、朱音だってそのままの方が反応が全然違うんだ。
嫌、それはさておき、理由が仕事だというのも判っていた。そこでとうとう、正面切って拒否されたのが新婚4ヶ月目のある日、決算期を過ぎてようやく残業も減り、今から子作りだと俺が張り切っていた時だった。
「あんまり何年もっていうのは俺も我慢出来ない。だけど、朱音のやりたいだけやるといい。」
そう言うしかなかった。
ただの夫なら、何を言うかと反論するところだ。だが、俺はあいつの元上司で、仕事に関しては一番の理解者だった。そんな俺が反対する事は出来なかった。
だがな、俺のこの歳で子供がいないヤツは少ない。羽山だって中学生の子供がいるんだぞ?
それでも俺は朱音が可愛い。それに、作らないと言うことは、作るような行為は継続して出来ると言うことだ。妻の妊娠による俺の行き場のない欲求不満はなくなると言うこと。
「ありがとう!俊貴さん」
だから、嬉しそうに微笑む彼女に釘だけは刺しておく。
「子供を作らないなら、その間たっぷり、俺を満足させてくれるんだよな?」
耳元でそう囁くと、一瞬朱音の表情が固まったのは気のせいではないだろう。
さて、今夜も...
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短くてすみません、これからです。もうすぐクリスマス〜カウントダウン開始!

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