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「あぁ...三谷くん、もう...」
あたしの声が切なく漏れる。
「先輩のここすごいことになってません?」
さっきから彼の触れてるあたしの中心はもうとろとろに溶けてしまっている。
「やだ、そんな...んんっ!」
あたしの中の感じるところを捕らえると容赦なく攻め立ててくる。それと同時に敏感になった突起をこすられるともう普通じゃいられなかった。
「あぁっん、いいっ、やぁっ...もう...」
キスから始まった彼の愛撫はすごく緩慢なスピードで、あたしを焦らせながらもゆっくりと感じる部分を探し当ててくる。首筋から降りてくるキスが胸の蕾にたどり着くまでどれほど狂わされたか...男の人を知ってる自分の身体が恨めしく思える。だって、はだけられた浴衣の胸元や、広げられた裾から滑り込む彼の手を期待してる自分がいるのだから。
そして期待していた以上の愛撫を与えられて狂わされていく。
ほんとに彼、私より10も下なわけ?信じられない...なんかもてあそばれてるって言うか、好きにされてない?
「すごいですね、先輩のあそこ、いっちゃう時僕の指めちゃくちゃ締め付けてますよ?こんなんじゃ僕が入ったらどうするんですか?今日は僕何にも用意してませんからね、失敗したら大変ですよ。――まさか、持ってないですよね?」
「馬鹿、持ってるわけないでしょ!」
多分ゴムの事言ってるんだろうけど、普段持ち歩いてなんかいませんてば!
「このまま先輩の中に入れないなんてちょっと辛すぎるなぁ。生殺しどころじゃないですよ、それは先輩も同じかな?どうします?」
いつもの爽やか系の笑顔で飄々と言ってのける。でも目が笑ってないよ?そりゃ、あたしもこのままじゃ辛いわよ...
すごく熱い目してじっと見てる。
返事待ってるの?
判ったわよ、もう、降参します。にらめっこで、わたしは負けた。
「生理終わったとこなの、昨日まで...だったから、多分、大丈夫...。」
「ほんと?いいの?そんな事言ったら...」
三谷くんの顔が近づいてくる。
『中にしちゃいますよ?』
耳元でそう囁く。どうしよう?ゴムなしなんて実は経験ない。する前にこんなにされたのも初めてだし、今までのあたしの男性経験って何だったんだろう?
三谷くんは自分のトランクスを脱ぐとすぐさまあたしの中心にあてがった。
「あっ...」
ダメって言えない。そんな目でじっと見ないで。
「もういい?早く先輩の中に入りたい...。」
潤んだ男の子の目ははじめてみたわ。思わず頷くあたしのなかに、そのままゆっくりと入りかけて、止まって、焦らす。
「あぁん、そんな...」
抱えられた両足を押し広げられて、彼の下で、あたしは我慢できなくなっていく。
「先輩の、ここが欲しいって、言ってるの判りますよ。そんな可愛い声出して、もう後悔しても、遅いですからね。」
言い終わらないうちに、一気に奥まで貫かれる。
「ひっ、んんっ!」
一瞬意識が飛ぶ。そして激しく動き始めたその動きで再び意識が戻る。
「あん、あん、あっ、いいっん」
「すご、先輩、きついよ、締めすぎ!くっ、こんなの、生でやったらもたないですっ!」
彼の動きが加速する。あたしはついていけずに喘いで溺れる。
「やん、はん、もう...い、いっ、いっちゃう、あぁっ!」
「くっ!せんぱい...!」
あたしの中が...彼の熱いもので満たされていった。
「先輩、大丈夫ですか?」
「だめ...もう、動けない...」
「ちょっとやりすぎたかなぁ。」
布団の中でぐったりしてるあたしを三谷くんが引き寄せる。終わったあと速攻で醒める男が多いけど、彼は違ったみたい。もっとも3回もやれば満足でしょうけど。二回目からもすごくって、長い間狂わせられた。大きな声上げないようにするのが精一杯だったし...だから今、身体中がぎしぎし言ってる気がする。
若い子ってこんなにすごいものなの?こんなの、とてもじゃないけど身体がもたないわよ...
「先輩って、エッチの時すごく可愛くなるんですね。普段からすると信じられないくらい。僕より上って忘れちゃいますよ。」
「ね、三谷くん、君年令誤魔化したりしてない?」
「何でですか?もしかして、若いから下手だととか、すぐ終わるとか思ってました?」
「そ、それは...その、上手だったと思うけど、そんなに経験あるほうじゃないから、わからないけど...あんなにされるなんておもわなかったから...」
三谷くんの腕の中は暖かくってだんだん眠くなっていく。
「僕はめちゃくちゃよかったですよ。こんなに身体の相性がいいなんて...。先輩もすごく喜んでくれちゃって、僕なんか何度でも...先輩?」
「んん?」
「ね、先輩の事、奈津美とか奈津美さんって呼んじゃダメですか?」
低めの甘い声が耳元で響くけど、エコーかかってるみたい。
「だめよ、名前は...会社にばれちゃうし...今夜だけ、なんだから...だめよ...」
『...ないですけどね。』
最後に何か耳元で言ってたけど、眠くって、あたしはもう聞いてなかったみたい。
「先輩、深沢先輩?」
「ん?三谷くん...」
すごく久しぶり。誰かに起こされるまで寝てたんだ。
「おはようございます。さっきおばちゃんがふすまの向こうから朝ごはんできてますって言ってましたけど...」
「えっ、もうそんな時間?三谷くん、返事したの!?」
「いえ、そんな出来ないですよ...どうします?」
「どうしますって...」
布団の中は二人とも何一つ身につけてない状態。
おばちゃんにばれてるのかな?昨日の雪見酒のお銚子といい、先に寝ちゃったことといい、あたしの気持、見透かされてた気がする。年齢差考えて気付かない振りしてたのに、いつの間にか彼のこと意識してたの、わかっちゃったんだろうか?
...ん?
「三谷くん...?」
「すいません、朝の生理現象ですから気にしないでください。」
そう言いながら三谷くんの手、腰のあたりさわさわしてない?股間の元気なものも私に押し付けてません?
「と、とにかくここの後始末しておきますから、三谷くん部屋へ帰って着替えて来なさいね。浴衣はあたしが持って帰って洗濯してきます。」
身体を起こしたとたんにあたしの中から何かがとろんとこぼれる。
「あっ...ん」
「そんな色っぽい声だしちゃだめですよ。」
「違うわよ、これは...」
ふわっと、彼の腕の中に抱きとめられる。さっきまでこの胸の中で眠ってたんだ。
「やっん!」
彼の指がさっき私の中から出たものを拭う。
「けっこうたくさん出しちゃいましたからね、大丈夫、起きれます?」
「馬鹿!」
彼の腕を抜け出して立ち上がろうとして腰が抜けてへなへなとまた座り込んでしまう。
(なんなの〜〜?これって!)
「だから、無理しちゃダメですってば。足腰立たないんでしょ?僕がここ片付けますから、先輩は着替えてください。それ、すっごく目の毒ですから。」
剥き出しになってるあたしの胸を指差すと、枕元にあった着替えを渡される。
(こんなのってないわよ、かっこ悪い...大人の女の威厳は?)
てきぱき動く彼を横目に、のろのろと着替えた。