ずっと、そばに...
2
どうしよう?
日曜の朝、出かける準備はしたものの、のこのこ出かけて行くのは気が引けた。
なんだか期待してるみたいじゃない?そりゃ、ちょっとはね。
でも試験前だよ?明日から試験あるんだから!
和兄も朝から試合だって言って出かけてしまって、うちにはあたしだけ。一応親には友達のとこに勉強しに行くって言ってあるけど...
9時過ぎ、あたしの携帯がなる。
昨日教えあいっこしたけど、メールはめんどくさいっていってたけ。
「もしもし?」
『何やってんだよ、早く来いよ!』
「ねえ、遼哉今日はやめとこうよ。明日から試験なんだよ?」
『だからヤルんだろ?俺もう昨日から限界!勉強なんて出来ないの!あとでちゃんとヤマ張ってやるから勉強道具もってこいよな。』
そういうと電話は切れた。
何怒ってるのよ〜。遼哉キャラ違ってるよ?
仕方なく家を出た。
「やっと来たか。」
あたしのスカート姿にひとしきり喜んでいた。ほんとに、学校でのクールなイメージの彼とは程遠い。もっとも昔はこんなだったから別に不思議でもなんでもないけどね。大人になったんだって思ってたけど違うみたい。
久しぶりに来る遼哉の部屋はもう昔みたいにおもちゃやボールやバットが転がってなかった。綺麗に整頓って言うよりもほんとに物ないよ、この部屋。
「変わったね...この部屋。やっぱ彼女呼ぶため?」
座るとこないのでベッドに腰掛ける。膝丈の柔らかい色と生地のフレアスカートだからちょっと膝っ小僧が気になる。
「ば〜か、今まで付き合った女は部屋に入れたことないよ。」
そういわれるとちょっと嬉しかった。
ジュース入れて持ってあがってきた遼哉は、それ以上は聞くなって言った。まあ、今聞く話じゃないし、聞けばショックだろうし...。
「そんなに緊張するなよ。俺まであがってきちまうだろ?昨日なんてさ、寝れないんだぜ?もう目の前にお前の顔や裸がこう出てきて出てきて...」
「もう、そんなことばっかり言って!」
「ほんともう限界なんだ。」
そういって隣に座る。ギシッてベッドがなって、心臓も一緒に跳ね上がって、身体がカチンコチンになる。はあ〜もうだめ、あたしも緊張しすぎて苦しい!
「昨日から、いや5年前からずっと紗弓が欲しかったんだ。」
そっと両手で抱きしめられる。昨日と違って優しい彼の香りがする。
「昨日の、もう一回言って。俺のコト好きって言って?」
両頬を挟まれて覗き込んでる目はもう昨日のあの熱い目だ。昨日を思い出してドキドキしてくる。あたしだって眠れなかったんだよ。
「好き、遼哉が好き。ずっと、前から...」
「俺もずっと好きだった。」
キスが始まる。優しく触れるキスから、口中をまさぐる激しいキスへ。また頭がぼうっとなって力が抜けていく。あたしを抱きしめる遼哉の腕の力が強くなって、そのままそっとベッドに押し倒される。
「紗弓の全部、俺の物だよ。」
見上げる視線の先で遼哉が囁く。少し茶色い髪がハラりと落ちてそれに見え隠れする切れ長の目に見つめられるとあたしはもう逆らえない。
「じゃあ遼哉の全部、あたしの物になるの?」
「ああ、全部紗弓のものだよ。」
うなじへ降りていくキス。慣れた手つきでブラウスシャツのボタンをはずしていく彼の手、露にされた肩や胸にもキスの雨。ブラも器用にはずされていく。
「あん、やっ...」
自分じゃないような声が出てしまう。遼哉はすっごく嬉しそうだ。
「紗弓、結構胸大きく育ってくれて嬉しいよ。」
「やん、恥ずかしいでしょ!」
「なんで?こんなに綺麗なのに...ここも桜色だね。」
そういって胸の蕾にキスされた。
もう片方の胸も、遼哉の手のひらで遊ばれて、あたしの蕾は固くとっがって、さらに刺激を受けては仰け反りそうになってる。
「あん...ひゃっ、だめえぇ、んっ!」
「ホント感じやすいんだ、紗弓の胸って...攻めがいあるな。」
そう言いながらも反対の手は腰から下に下っていって、あたしのスカートの中に滑り込む。内腿をさまよった挙句あたしのからだの中心にそっと下着の上から触れてくる。びくんと跳ねるあたしの身体をそっと抱きしめるとスカートも脱がされる。彼も羽織っていたチェックのシャツとTシャツも脱いで上半身裸になる。
すごい、いい身体ってこういうのを云うのかな?マチョでもないけど引き締まって筋肉質。
「遼哉の身体って、綺麗...」
「何云ってんだ?お前の身体の方がずっと綺麗だぞ?」
俺の物の印だといって、胸の辺りに赤い花を咲かせていく。
最後の一枚も抜き取られてしまった。何も身に着けてないのはさすがに恥ずかしくって、両手で顔を隠してしまう。だってどんな顔すればいいの?
その手をそっとはずされてキスされて、唇が深く捕らえられてる間に彼の指がそっとあそこに触れてくる。
「あぁん、やん...そこは、やだぁ。」
「いくら可愛くお願いしてもダメだよ。今からもっと凄いコトするのに、こんなとこでギブアップはなし。」
「あっ..んっ」
声を上げた瞬間くちゅりと指が侵入してくるのがわかった。外までは濡れてないけど、中はすごく湿っていたんだ。あたしって、えっちだったのかな?
不意に一番敏感な突起に触れられて体が震えた。
「ああっ!やっん、ああんっ!」
「紗弓、濡れ始めてるよ。それにここ、感じるんだ。」
何度か軽く、かすかに触れてはこねられてあまりの刺激にあたしは腰をガクガクさせて遼哉にしがみつく。だめなんかもうおかしいの!身体が云う事利かない!
「やあっ、変になっちゃうよぉ!やめて、遼哉、そこだめぇ!ああぁんっ!」
やあっ、こんなの、知らない...身体のあちこちがビクビクして、もう全身の神経がむき出しにされたような感覚がまだ続いてる。
「いったの?もうすっげぇ、可愛い!お前どうしてそんな可愛い声出すの?こんな感じやすい体初めてだよ?」
私の中心部はもう熱くなってる。濡れ始めたそこに遼哉の指が入ってくるのが判る。なんか奥のほうまで入れてかき混ぜてる?やだ、またへんになっちゃう!
「あん、やっ、もう許してぇ...」
「紗弓の中めちゃきつそう...俺もつかな?」
「い、痛くしないで...」
「ん、もうちょい濡らすよ、痛くないようにね。」
そういうと足の間に顔を埋めてきた。だめ、そんなのだめ!汚いよぉ!お願いだからそんなとこ見ないで!
「紗弓のここも綺麗だよ。」
「うそ、やめてよ!そんな...ひゃっん、そんなことまでするのぉ?」
またその中心や敏感なところをを舌で嬲られて、もう...。
ぐったりしているわたしから顔を離したかと思うと、身体を割ってその入り口に彼の固くて熱いものがあてがわれてた。
「いくよ、紗弓力抜いて、深呼吸して。」
ゆっくりと彼のものが入ってくるのを痛みで感じた。それにあたし凄い格好してるよね?その途中で彼の動きも止まる。それ以上は痛くて、我慢してても涙が出てくる。
「いっ、痛い!!!遼哉ぁ...だめ、そんなの入んないよ...もう無理だよ!」
こんなに痛いとは思わなかったんだもの。怖いって思うとよけいに力が入っちゃうし...
「くっ、きつぅ。もう、ちょい、力抜いて。」
「やぁっ、痛いよぉ、んんっ」
泣き声になるあたしにキスを繰り返し、耳元で囁いては首筋にキスされる。
少しずつ抜けていく力、遼哉の好きだよって言う言葉に溶けていくあたし...
「あぁっ、ふぅんっ...ぐうっ!」
身体の裂けるような痛みと共に遼哉の全部を受け入れたみたいだった。
「紗弓、好きだよ、これで紗弓は俺の物だから...」
やっと、一つになれたんだ...。でもこれで終わりじゃないよね?
「すごっ、こんな、きついのハジメテだ...。ちょっと動くけど、大丈夫?」
やっぱり...とても大丈夫な状態じゃなかったけど、あたしが頷くと、遼哉がゆっくりと動き出す。
痛みと共に徐々に生まれてくる快感?なんかすごく切ないところに当たってるよ。
「あっ、あっん!あん、あぁん!」
もう口からは言葉じゃない声が漏れていく。だんだん早くなる遼哉の動きで激しく身体をゆすぶられ、もうどこで何をしてるのかわかんなくなっていく。
「紗弓、よすぎるよ、俺、やばいよ。」
「りょうやっぁ、あぁああ!!」
「紗弓、俺も、だめ!ごめん、止まんない、くっ!!」
最後は信じらんないくらい広げられて、死ぬかと思うくらい激しく揺さぶられて、気が遠くなりかけた時に遼哉の動きが止まって薄い壁越しにあたしの中でビクンビクンと果てたのがわかった。
そのままあたしの上にどさりと覆いかぶさってた所までは覚えてるんだけど...。
「...さゆみ、紗弓、そろそろ起きて?」
「あ、たし、寝ちゃってたの?」
「うん、よく寝てたよ。ごめんな、俺慣れてるつもりだったのに...こんなコントロール効かないのハジメテだよ。痛かったろ?最後は紗弓のこと考えずに無茶しちまったから、俺...」
そういって謝る彼の言葉にふるふると頭をふると、おでこにちゅっとキスしてくれた。どのくらい時間たったんだろう?その間にあたしの初めての印も全部彼が綺麗に後始末してくれてたみたい。とりあえず、のそのそと服を着る。
もう、じろじろ見るんだから!
ベッドに座ったあたしの後ろに回って座り込むと後ろから抱っこされるみたいに抱きしめられた。
「お前、わかんないだろうけど、すごくいいよ。はあ...こんなのやっちまったら癖になるよ。紗弓さえよかったらあと何回でもヤレそうなんだけど?」
髪に何度もキスしながらそんな恐ろしいことを言ってる。
「だめ!そんなの無理よぉ!まだ痛いんだから...!」
「ははは、ごめん、それだけよかったってこと。じゃ、また次にとっとくか。」
次?こんな痛いのにまた次があるの?そりゃ、痛いだけじゃなかったけど...。
「腹が減ってない?もう昼とっくに回っちまったんだけど、なんか食って、ちょっと休んだら勉強しよっか?」
「えっ、今何時?」
「2時過ぎかな。」
うそでしょ?あたしそんなに寝てた????
「試験勉強に来てて成績下がったらもう来れなくなっちゃうでしょ?頑張って勉強してもらうよ。身体の勉強は満点だったから、夜までには帰してあげるからね。」
にっこりと笑う遼哉がいた。
なんか、ほんとにキャラが違うんですけど?
二人でいる時の彼は、我侭で、強引で、でも優しくて...
あたしにだけ見せてくれる、あたしだけの遼哉なんだ。
「まず腹ごしらえ、ピザ取ったんだけど冷めちまったな。食おうぜ。」
「うん、お腹すいた。」
「その後は勉強。」
「ううっ。」
「相変わらずネックは数学か?まあ、俺に任しとけって、そこそことらせてやるからさ。」
そうです、遼哉は成績はめちゃいいの。あたしはいっつも数学と理科系が足引っ張ってる。
思い出す現実、明日から試験なんだ...。これじゃ身体もたないよ。
「じゃあ最後まで面倒見てね。」
「ああ、ずっと面倒見てやるよ。」
二人して冷めたピザを頬張った。
Fin
2003.04.03