ずっと、離れない...

〜芳恵〜
あたし、しちゃったんだ...
目が覚めた朝の光の中、ツインのベッドの片方に二人して寄添ったままだった。いまだに竜次くんに腕枕されてて、ぎゅって抱きしめられてる格好かな?その...疲れて寝ちゃって、なんにも着てないままなんだけど?程よくクーラで冷やされた部屋の中で触れてる素肌の部分が暖かく感じてしまう。そっと見上げると竜次くんの寝顔。閉じた目、以外に長い睫、すっと通った鼻筋、日に焼けた肌。顔だけだと思ってたら、意外と体も焼けてるんだ...
男の人の寝顔って綺麗。
「ん、おはよ。」
じっと見てたら目を覚ました彼がにこっと笑って挨拶した。
「お、おはよう...」
恥ずかしくなって下を向いてしまうけど身体に回されたその腕は緩むことなくて...
「な、なんか照れるね。」
「ああ、けど...キスしたいな。」
そういって額から頬に竜次くんの唇が落ちてくる。
「お、起きる?」
「まだいいよ、っていうか俺今起きれないから...もうしばらくこのままでいたいな。」
「寝起き悪いの?大丈夫?」
心配して彼の顔を覗き込むとちょっと困った顔した。
「俺寝起きはいいよ。早起きも朝練で慣れてるし...それより芳恵はどこも痛くない?」
そういえば...体中が痛いし、あそこなんてひりひりしてるし...
「あっ!」
あたしは思いっきりよく上掛けのシーツをまくった。
「やっぱり...」
シーツの上の赤い染み。あたしのはじめての印がしっかりとある。
びっくりした顔の竜次くんは真っ赤な顔して必死で前を隠してる。
「お、おい、びっくりするだろ?!やばいんだから...」
「へ?あ、ご、ごめんなさい!でも、なんで?」
「いや、それはだな、男は朝から勃っちまうんだよ...」
「え?」
「朝からお前を抱きたくって困ってるってこと!」
「あの、えっと...」
そういうこと?それに、あ、あたしも裸だったんだ!上掛けを急いで引っ張ると竜次くんのぶんがなくなる。あたしはベッドの上に座り込んで、胸の辺りをシーツで隠してどうしたものかと彼の方をちらりと見た。
「あんまりそんな可愛い顔してると、もう一回襲うぞ。」
「きゃっ!」
「男の朝は辛いんだからな...」
そういって押さえてる上掛けの別のところからするって入り込んでくる。
「続き...治まらなくて大変だったんだぞ、これでも。」
合わさった体から彼の固くなった下半身が触れてきて驚いた。
昨日シタのに??まだ?うそ...
キスが唇を塞ぐ、胸を触られてそれから...昨日の事が一気に思い出される。おまけに彼の手は昨日のゆっくりさはなく、残った手がもうあそこに伸びていた。
「やっ、ん...いたっ」
くちゅっという音と共に彼の指が潜り込んでくる。けれど微かな痛みを覚えたあたしは思わず眉を寄せる。だってひりひりしてるし...
「ごめん、痛い?濡れてると思ったんだけど...」
そういって出された竜次くんの指先は少しだけ赤くなっていた。
「あ、血...」
「うわっ、ほんとだ!まだ止まってなかったのかな?大丈夫か?痛いのか?」
急に焦りだす竜次くんが少しかわいく思えた。だって、昨日は平気だったのに...
ちょっと拭いてみると、やっぱりまだ出てるのかな?血...どうしよう、いっちょらの下着セットに付けたくないし...そうだ、紗弓が生理になるかもって生理用品一式持ってきてたはず!
「お願い、あっち見てて、ね?」
こっちを見ないようそうお願いしてシーツを巻いたままバッグのところまで行くと携帯を取り出す。メールか、電話か...邪魔しちゃ悪いよね、やっぱり。
『紗弓〜血が止まらないよ、アレかして! よっしー』
手短にメールを送る。アレって、ナプキンのことね、わかったかな?しばらくすると返事が来た。よかった〜起きててくれたんだぁ。まだ朝の6時半、食事は8時からって聞いてる。
『ナ○○ンのこと?あたし持っていけないから、遼哉に預ける。今村君に取りに来てもらって。廊下でね。紗弓』
ええっ!アレを男たちに持たせるの??まあ、あたしも外に出れそうにないからその方がいいかもだけど...
「あのさ、紗弓に頼んだもの部屋の外の廊下に来栖が持って来るから、取りに行ってもらえるかな?」
「いいよ。」
竜次くんはもう服をちゃんと着ていた。怒ってるかなって思ったけど、すごく心配そうな顔でこっちを覗き込んでる。なんだか申し訳ない気がしてきた。
「ごめんね...」
「いいよ、それよりほんとに大丈夫?」
うんと頷くと納得して部屋を出て行った。紗弓たちの部屋は、すぐ隣は取れなかったからほんの少しだけ離れてるんだ。
数分後ポーチを持った竜次くんが帰ってきた。なんだか少し顔赤いよ?
「どうかしたの?」
「はぁ、朝食少し遅れるってさ、あいつら...」
「なんかあったの?」
「いや、その...まだ最中だったんだよ...ったく...」
その後言った言葉は聞こえなかったんだけど、え?まだって...ずっと??嘘でしょ!?
あたしは目を点にして竜次くんを見てた。さっきもそうだったように、やっぱり彼ももっとしたいんだろうか?
「もうなんにもしないから、安心しろよ。先に着替えておいでよ、シャワー浴びてもいいし、俺も後で浴びるから。」
「う、うん...」
バスルームに駆け込む。
もしかして、あの二人って、すごいの??
いらぬ妄想があたしの頭の中を駆け巡っていた。
〜紗弓〜
「んっ、やぁん、もう許して...遼哉っ」
体に回されてた彼の手が愛撫を始めて、あたしはけだるい体をよじりながら許しを請う。もうとっくに限界超えてるもの。いくら鍛えてたって、もうだめ...
「紗弓、ちょっと寝たから大丈夫だろ?時間がもっとあればいいのにな...」
これ以上どうしろって?それでも触れられれば答え始めるこの体...
「はぁん、だめぇ...朝食に間に合わなくなっちゃう。」
「俺の朝ごはんは紗弓でいいよ...」
「やぁ、ホテルの朝ごはん楽しみにしてたんだから...もう、ね、遼哉ぁっん!」
敏感な部分に何度も触れられて体が熱を持ち始める。
『ピロロン〜』
あ、メールだ!もしかして芳恵ちゃんかな?だったら早く見ないと...
「ね、遼哉、許して、きっと芳恵ちゃんからだよ、ね?」
「あっちはあっちでよろしくやってるさ。」
「もう、ほんとに離して!!ね、少しだけ待って...」
「やだね。」
「もう、待ってくれたら、その...後で、シテもいいから...」
「ほんとだな?」
遼哉の目が微かに光った気がしたけど、この際無視!緩んだ腕の隙間から抜け出して、枕もとの携帯に手を伸ばす。あぁ、身体がだるいよぉ!
「あ、やっぱり...遼哉、お願いできる?このポーチ廊下で今村君に渡してくれる?芳恵ちゃん止まらないらしいの出血が...」
「あん?そっか、お前もかなりだったもんなぁ。わかったよ、その代わり帰ってきたらきっちりさせてもらうからな。」
バックから出したナプキンの入ったポーチを手ににんまりと笑ってる。やだ、本気だ.
..さっきまでは少し寝ぼけてたのに!!
さっとジーンズを履いて、シャツを羽織るとすたすたと外へ出て行った。あたしはそっとドアからのぞいてたんだけど、今村君と何か話してるんだけどよく聞こえなかった。
それから帰ってきた遼哉に1時間たっぷりと攻められたのは言うまでもない。ふらふらで立てなくなったあたしに思いっきり文句を言われても、ずっとにやにやして、朝食に遅れていくと、今村君があたしのほうを見て真っ赤になってるし...あれ?芳恵ちゃんまで?
「ね、遼哉、今村君になにを言ったの?」
「さあね。」
さらっと逃げる遼哉はあたしを席に座らせると、バイキング形式の朝食をすべて用意してくれた。やさしいんだか、どうなのか...

〜廊下で〜

「遼哉、悪いな。」
「いいとこだったのによ、ったく...」
長めの前髪をかきあげるしぐさ、ジーンズの上はシャツの前を開けたまま羽織っているだけ。
ジーンズもボタンはめてない。男から見てもやけに色っぽい遼哉だった。
「朝からか?」
「うんにゃ、昨日からやってたの!まあ合間寝たけどさ。」
「おい...ほんとか?」
「ああ、悪いけど朝食遅れるから先に食べててくれよ。いいとこだったんだからな。お前も朝からがんばった?」
「いや...しようとしたらこれだよ、まだ痛いみたいだし...」
「だな、まあ次許してもらえるまで我慢だな。」
「お前の言ってた意味わかったよ...癖になるっていうか、サルにでもなりそ...」
「はは、よっぽど相性よかったんじゃないの?こればっかりは比べないとわかんないだろうけどな。」
「そ、そうなのか...ま、邪魔して悪かったな。」
「おう、もうちょいがんばってくるわ。」
去っていく遼哉。残されたのは真っ赤な顔をした竜次だった。

         

おまけつきです。(笑)まあちょっとやり過ぎかもですけどね〜。まあ、夏なのでってことで許してやってください。