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「お、鍵空いてる、らっきー」
ドアが開き誰かが入ってきた気配がした。
「え〜いいのぉ、入っちゃって」
「誰もいないんだし、中から鍵閉めちまえばいいんだって」
 
本を戻すだけだと思って、あたし達は電灯をつけずに窓からの明かりだけで作業していたから、誰もいないと思ったのだろうか?
シャッと、開けてあった窓のカーテンが引かれて、室内の光を閉ざさせ薄暗い空間が生まれた。
わたしは驚いて上を見上げると、最後の分を棚に戻し終えた甲斐くんがしーっと指を立てた。
 
「ほれ、ここに座れよ。オレもう我慢できねーんだって」
「やぁん、えっちぃ」
 
女の子の甘い声、まさか……??
 
「んっ、もう……」
 
いきなりキスをはじめてしまった。舌の絡まる音までこっちにしてきそうなほど、合間に女子生徒の艶っぽい声が漏れる。その合間に脱がせていくような衣擦れの音。
わたしはどうしていいか判らずに、ただただ息を詰めていた。
『委員長、』
「ひっ!」
耳元で呼ばれたその声に、思わず声が出そうになったその口元を、甲斐くんの左手がいきなり塞いだ。
緊張してるときに甲斐くんの声はダメだわ。少し低くて、甘くて、掠れてて、セクシーな声ってこんな声のこと言うんじゃないだろうか?とにかく今は一番聞きたくない声だった。
『声、出すなよ』
耳元でそう言われても、口を塞がれたことで驚いて、余計に身体は震えてるし、足もがくがくで腰が抜けそうだった。
『ゆっくり、膝突いて座って……足、震えてるぞ』
誰のせい?って言いたかったけれども、そっと肩を押されてゆっくり膝を突かされて腰を落とした。でも甲斐くんの手はわたしの口を塞いだままで、従って彼の身体はわたしの真後ろに居ることになる。
『みて?』
甲斐くんの右手の指さす方を見ると、棚の隙間からふたりが絡んで座る姿が見えた。
女子生徒のブレザーやブラウスの前が広げられて、ブラが上にずり上げられていた。男子生徒は夢中でその胸に吸い付いている。
 
「あん、そっちばっかりじゃ、やぁ」
「こっちか?うわぁ、すっげ、ぬれてる」
 
男子生徒の視線と指先は、女子生徒の下半身、スカートの中に移った。下着を引き抜いて男子生徒がポケットにねじ込んだのが見えた。
 
「だってぇ」
 
胸に顔を埋めながら、その手は女生徒の中を掻き回す。ぴちゃぴちゃという音が聞こえてくる。
『はじめて、見る?』
ぼそりと耳の奥に囁かれて、びくりと身体を揺らす。初めてじゃなかったけれども、そんなこと言えなかったから、口元を抑えられたまま頷く。
そう、初めてじゃない。何度も、母と男の交わる声や音、姿ものぞき見たことがある。
 
幼い頃から、母は男を引きずり込むとき、わたしをアパートから追い出した。昼間なら図書館で過ごした。本がたくさん読めるし、冷暖房も効いているから雨風もしのげる。さすがに夜は追い出されることがない代わりに、隣の布団で嬌声をあげる母の声を聞くまいと布団をかぶって寝たこともあるし、台所に布団を敷いて寝かされたこともある。
自慰を覚えたのはいつの頃だろうか?
いけないことだと思いながらも、身体は快感を覚え、母の娘である自分の淫乱な身体を持て余し、罪悪感に取り憑かれながらも、外ではそんなこともおくびに出さないガリ勉の仮面を被り続けていた。
そんな事は絶対口にしないけれども。その時、刺激されて思わず自分でしてしまった行為を思い出して身体が震えてしまった。
 
『したことも?』
したことが、セックスならまだ経験はない。だけど思わず自慰のことを聞かれたような気がして、一瞬びくっとしてしまったけれども、ないと言って頷くしかなかった。
それより手をどけて欲しくって口元の手を指さしたけど、甲斐くんは笑ってダメと口の形だけで言ってこっちを覗き込む。
 
もしかして、わたしの中の「女」に気がついたんだろうか?
まさか、ね……
 
わたしの身体が多少なりとも反応しても、それはそれはしょうがない。こんなの見てるだけでもおかしくなりそうになるんだから……
女生徒の喘ぎ声は、押さえながらも室内に響いてる。
それにしても、その、なんか、色っぽく見えるんだけど……覗き込んできたその顔。
さっき甲斐くんが言ってた事が判る気がするな。
こうやって向きあって、にこっと笑われたら、それだけで女の子はその気になっちゃうんだろうな。まさか相手にされないと判ってるわたしでも、こうやってドキドキしてくる。
まあ、いくらときめいたところで、わたしにその気になる男なんて居ないし、ましてやモテる甲斐くんだもの、わたしなんかあいてにしなくっても全然間に合ってるはず。
だけど、いかんせん状況が悪すぎる。
判っていても、身体が熱を帯びてくるのだ。触れられてる唇の部分や、彼の吐息がかかる頭頂部なんかを代表に、身体の神経が剥き出しになってくる感覚とは反対に、頭の芯がぼーっとして、身体を動かす命令がうまく伝わらない。
それに、さっきから口元を抑えられて、わたしはまともに息が出来ない。酸欠でもおこしかけてるのだろうか。
 
どうして手を外してくれないんだろう?
 
声を出して騒ぎ出しそうだから?わたし、そこまで馬鹿じゃないのに……
甲斐くんは本当に何ともないのだろうか?この状態。わたしの口元に触れてる手は熱いし、微かに耳元にかかる彼の吐息もわずかに熱く浅い呼吸になってるような気がするんだけど……気のせいだよね?経験豊富そうな彼だもの、こんなシーン見ても何とも思わないって。
それとも出来るんだったら相手は誰でもいい??ううん、いくらそうでも、わたし相手はないだろうって、その気になったとしても、ココを出て彼女の所にでも行くはずだ。
聞いたことあるけど、今の彼女は定番の年上の彼女じゃなくて、他校の美人で有名な女の子だって。
 
「あん、そこ弱いのぉ」
 
男子生徒がスカートの中に顔を突っ込んで音を立てる。伸ばした手の先は艶めかしく胸を潰していた。
ぐらっと足下がゆれて倒れそうになった瞬間、わたしの腰に甲斐くんの手が添えられた。
わたしは驚いて立ち上がりそうになったけれども、、身体をぎゅっと甲斐くんに捕まえられてそうせずにはすんだ。
『んっ!』
口は押さえられたままで苦しい。背中全部が甲斐くんに触れてるのが、制服越しにもわかる。顔も耳まで真っ赤になってるはずだ。わたしは、色白な分逆上せると、すぐに真っ赤になってしまうから。この状況で真っ赤になってる自分が恥ずかしい。
『ふっ』
耳に甲斐くんの息がかかっただけで、身体が震えた。恐怖と言うよりも、触れるモノ全てに反応してしまいそうなほどの敏感な感覚で、そんな反応してしまう自分に驚いた。
『へえ……』
ビクビクと震えるわたしのソレを、怖がって生じたものじゃないと彼も気づいたようだった。
 
『感じやすい?』
わたしは必死で首を振るけれども、口を押さえられているので、あまり動かせなくて意味をなさない。
確かに感じていた。体中が敏感になってしまってるし、耳がそんなに敏感な場所だなんて知らなかった。
それを知っていたのか、甲斐くんのその声と息は耳を愛撫し続けた。
ゆっくりと耳の縁を舐められ、耳たぶを甘噛みされて、びくりと震える。反応する自分が怖くて、逃げようと顔を反らした瞬間、首筋にさわりと柔らかい濡れたようなものが押しつけられ、上下に這っていった。
甲斐くんの唇だ……
その正体に気がついたわたしは、その瞬間、腰の辺りが訳のわからない電気が走ったように痺れて、ビクビクと身体を反応させて、身体に力が入ら無くなってしまった。後ろから支えてもらってなければ、その場に崩れていたと思う。
『すごいね、ここまで反応いいのはじめて見た』
わたしはもう身体の反応を止められなかった。身体の芯が疼いている。
それに、さっきから、わたしのおしりの辺りに熱い塊を感じていた。
甲斐くんの……彼も興奮してるんだって、その時わかった。
 
やっぱり、誰でもいいから、手近にある女の身体が欲しくなったのかな?
だけど今更目の前のカップルの後ろを通って、資料室の外に出る勇気もなかった。なんで最初に出て行かなかったんだろう?今更悔やんでも、もう遅いのかもしれない。
空いた甲斐くんの右手がさわさわと動きはじめた。ブレザーの下のブラウスのボタンの隙間に滑り込み、胸元のボタンを二つ素早く外した。そこから忍び込んでくる甲斐くんの指。さっきから見てた、あの綺麗な手がわたしの胸元をまさぐって、下着のうえから柔らかく包んで揺らした。
『ここ、立ってる』
『あっ……』
そういって下着の上からこりっと、胸のてっぺんを指の背で擦るその刺激に声が出てしまう。
知られてしまった……からだが、求めはじめていることを。
こんな、淫靡なシーンを見せられて、ただのクラスメイトに耳朶を嬲られ、乳首を硬く尖らせている
 
淫乱な身体……
 
母親のように、どんな男でも求める、あの見境のない、ソレと同じなのだ。
自慰の後のような後悔と、その前の疼きを同時に身体に感じていた。

『見たいな』
素早く引き出したブラウスのボタン全部を外して、現れたブラを上にずり上げてわたしの尖った胸の先の赤い蕾を確認して、指の腹を近づけた。
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