Cocktail Recipe IBUKI Version
店が終わった後、いつも通りに部屋へと戻る。
毎週金曜日は、こうして終わり、そして深里との週末を迎える。
最近では、深里の仕事に合わせて土曜日は美晴に任せ、彼女との時間を過ごせるように努力をしていた。
今週もまた、同じように週末を迎えた訳だが・・・・それにしても、あの若いのには参った。
昔の自分を見ているような錯覚にさえ陥ったのだから。
まぁ、あの年齢の時には、俺もまだ深里のような女に出会ってなかった所為で、好き勝手に遊んで過ごしていた。
女に関しても、本気になれるようなヤツには出会えず、俺の容姿に惹かれて寄ってくるような女ばかりだった。
高校のときも大学の時も、俺の後ろにある両親の肩書きや、俺の容姿、そして持っているモノのブランドで寄ってくるような女たち。
傍に来れば香水の匂いをそこら中に撒き散らして、ある意味では傍迷惑な人間達ばかりだった。
そして、それは深里に会うまで続いていたのだ。
けれど、この深里に会ってからと言うモノ、まるで世界が一転してしまった。
着けている香水は仄かに香る程度、身に着けているものも歳相応で派手なものは何一つとしてない。
それだけでなく、拘(こだわ)りを持って身に着けているのだから、彼女にしっくりと似合っていたのだ。
そして全てのモノにおいて、彼女は背伸びをしたり、身の丈に合わないようなモノを身に着けたり口にしたりもしない。
コレほどまでの女が、今まで俺の前に一度でも存在しただろうか?
答えは否。
いつだって、自分を中心にしか考えていないような女ばかりだった。
だから、深里を見つけた時、すぐに自分の手に入れたいと思ったのだ。
そして、それをあんな歳で見つけたあの男が羨ましいとさえ思える。
俺は26年も掛かって出会ったというのに、あの男は自分の欲しいと思える女に、俺よりも遥か前に出会っていたのだから。
今、彼女はシャワーを浴びるための用意をしている。
そこに俺は自分のモノが含まれているのに気付いて、内心でニンマリとしてしまう。
それもこれも、今までずっとこうしてきたからこその今があるのだ。
今日は、あの男に触発されている部分かあるのかも知れない。
今すぐにでも深里を押倒したくてウズウズしている自分に、内心で苦笑せずにはいられない。
この可愛らしくも優しい女性(ひと)。
今日、深里の連れて来た友人もまた、きっと今頃はあの男に攻められているコトだろう。
何しろ、人の店のトイレで致すくらいなんだからな。
トイレから出てきたときの女の顔は、完全に違う意味で酔っていた。
だが、深里にはそれが判らなかったらしい。
それもそうだろう。まさか、店のトイレで・・・・なんて思うはずもない。
俺にこれだけされている深里なのに、いつまで経っても純情な部分が消えるコトがないのだから。
俺もまた、いい歳をして未成年のガッツイた男のように深里を貪っているのだから、人のコトは言えないのだが―――。
「深里?」
「ん、何?」
「今日はユックリ風呂に入ろう?」
「え、え?な、何で?」
「疲れたでしょう?」
「は?や、い、いつも通りだけ、ど?」
「そう?じゃ、一緒に付き合ってくれると嬉しいんだけど?俺は凄く疲れたし」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の言葉に何が含まれているのか、彼女なら判らない筈はないだろう。
何しろ、付き合い始めて既に1年になるのだから。
すっかり俺の色に染まりつつある彼女の躰は、服を着ていたとしても、しっとりと艶(つや)やかに見える。
コレも惚れた欲目というものか。
「じゃ、一緒に入りますか」
「え、え?だ、だって、今日はお風呂のお湯、入れてないよ?」
「大丈夫。さっき戻ってきた時に調整しておいたから」
「・・・・・・は?」
「さ、早く行きましょうか」
ついつい顔が緩んでしまうのを引き締めつつ、彼女を促してバスルームへと向う。
今日は、みっちりと遊んであげよう。
あの男に少しでも気を許したお仕置きとして―――。
シャワーを出しながら、手では深里を洗うという名目で体を堪能しながら追い上げ、けれど決して直接的なトコを触らない。
先ほどから一緒に入ったバスルームで、深里の体にボディーソープの泡を着せ、その泡を使って体を洗っている。
体をくねらせながら俺の手から逃れようとする深里を、しっかりと背中から抱き込んで逃げないように固定しつつ両手を全身に這わせ、間接的な、でも積極的な愛撫を施(ほどこ)す。
深里は何も判っていないだろう。
俺がどれだけ深里を欲し、そして大事にしているのかを―――。
けれど、だからと言って、それを簡単に教えるつもりもないけれど・・・・・。
今日、深里が連れて来た友達の恋人だと宣言した男は、どこか自分に似通っているトコが窺えた。
それを深里も気付いていただろうに、あの可愛らしくも人懐こそうな笑顔に見惚れたりして・・・本当に腹立たしい。
確かに、自分よりも若く可愛らしくは見えていたけれど、あの男だって俺と同じ匂いのする男だ。
それを深里が気付かない筈もないだろうに・・・・・。
つい、そんな思念が頭に過ぎり、深里を愛撫する手に力が入ってしまう。
「うぅっ・・・・い、伊吹・・・痛い・・・・・」
「あ、悪い。痛かった?」
さすがに悪いとは思い、一応と言うように優しく声をかけてやる。
けれど、内心では嫉妬に似た感情が渦巻いていて、深里を思い遣る気持ちに少し配慮がかけてしまう。
なるべく気持ちを違う方へと持っていこうとしつつ、それでもやはりドコか治まりきらない感情が態度に出てしまうらしい。
胸の小さな実には触らずに素通りし、大きすぎない膨らみを持ち上げるように手を持っていけば、深里の体が撓(しな)っていく。
けれど、その手にはどうしても力が入ってしまっているようだ。
これは、八つ当たりだとは判っているんだが・・・・それでも、この衝動は止まりそうもない。
「深里、今日は愉しそうだったね」
「・・・え?・・・あっ・・・・や」
「や?嫌なの?おかしいな、体を洗っているだけなんだけどね、俺は」
「あっん・・・・い、伊吹っ!」
「ん?」
素知らぬ顔で深里の体を洗いつつ、それでも執拗なまでに動かしている手は、しっかりとした意思を持って愛撫をしている。
それは決して、直接的な場所を攻めない、焦(じ)れるような緩慢(かんまん)な動きで深里を昇りつめさせていく。
座っている椅子から少し体をずらしてから、臀部(でんぶ)を柔らかく揉むように手を這わせ、また内股にも手を滑らせては泡を体に擦(なす)り付けるように・・・・。
深里の体は、すっかり情欲の火照りでピンクに染まっているのが、時々泡の間から見え隠れしている。
その度に、自分の欲望もまた顔を擡げてくるのが判るが、それには知らないふりをすることにした。
立ったままだと、どうしても腰を抜かしてしまいがちな深里のために、最近では座ってこういう行為に及んでいたのだが、その所為で彼女は俺の胸に全体重を乗せてすがり付いてくるような仕種をする。
体に堪って行く熱を逃がすように、彼女の項へ熱い吐息を吹きかけてやれば、胸を突き出して背中を反る深里。
けれど、全ての行為は焦れるような動きを伴い自分だけで愉しんでいる。
ココまで意地悪くなってしまうのは『深里の所為なのだ』と勝手に決め付けて―――。
「そろそろお湯で流すよ?」
「う、うん・・・・・」
真っ赤な顔をして俺を見上げてくる深里は、どんな女よりも俺の欲望をそそってくれる。
扇情的なまでのその瞳と、プックリと膨れている可愛らしい唇。そして、何よりも熱い吐息が俺のことを狂わせていく。
俺の欲望もまた、彼女を欲しているようにすっかり頭を擡げ、いつでも彼女の中に挿る準備は出来ているのだが、今日はこのまま彼女をイかせようとは思わない。
お仕置きをしてやろうという気持ちを変える気もなく、いつもよりも執拗に、けれど焦れて自分から欲してくるまでは決して彼女に自分をくれてやるつもりはないのだ。
つい、口元が緩み、ニヤリと笑ってしまった。
それに気付いた深里の顔が、一瞬にして強張っていく。
毎回のコトだが、本当にこの深里は飽きない女だと思う。
既に1年の付き合いがあるというのに全然スれることもなく、今でも純情な女の子のイメージを醸し出し、時々見せる恥じらいすらも俺の欲望だけでなく全てを煽っていくのだ。
可愛くも、愛惜(いとお)しい存在の深里。
「ほら、ちゃんと座ってくれないと、シャワーをかけても泡が取れないよ?」
俺がそう言うと、ハッとしたような顔をして俯きながらも体を起こしていく。
今まで、すっかり俺の胸に体を預けていたので、それが恥かしかったのだろう。
本当に・・・・こんな仕種にすら煽られてしまう。
心の中で苦笑しながら、けれど顔には意地の悪い笑みを湛えて深里を覗き込んでやる。
その所為で深里の瞳がウロウロとあちこちを彷徨い、視線を合せようとはしない。
そんなこともまた、俺の嗜虐心(しぎゃくしん)を煽るだけなのだけど・・・・ね。
仕方なさそうに体を動かし、深里を抱きながらもシャワーを使い、彼女の体から泡を流していく。
徐々に現われる深里の肢体は、妙に艶(なま)めかしく、そして高揚としていた。
すっかり快感を覚えた躰。
一年という俺との付き合いで、既に体は知っているのだろう、この後の快感を。
既に自己主張をしている胸の小さな実も、そして下肢にある柔らかな茂みの中に潜む大切な場所も、全てが俺を欲情させてくれる。
タオルを巻いた腰の辺りがムズムズとするけれど、それはそれとして、深里のコトを今後どうやってイジメてやろうか?と頭の中でシミュレートしていく。
それは簡単に、彼女を懐柔させるようなモノではなく、嘶(な)き縋(すが)って、俺を求めるだけの存在にするためのモノ。
ニヤリと笑ってしまうことは、もうどうしようもないようだ。
しかしながら、自分の方がもう限界に近いのも事実。
いつもならこの後は湯船につかるのだが、今日はもう我慢できそうもないので、ココは省いてしまおう。
深里の不思議そうな顔に気付きつつも、にこりと笑ってやれば、もうそれだけで意味が判ってしまったらしい。
すっかり火照っている深里の体を大きめのバスタオルで包み、バスルームから抱き上げて寝室へと向う。
それはまるでこれからのことを予想している深里としては、怖いものでしかないだろう。
けれど、そんなことには頓着もせず、そのまま俺は大きめの体を持つ彼女を軽々と抱き、ベッドへ放り込む。
ベッドのスプリングで小さく跳ねた体の上に、まるで獲物を前にした獣のように覆い被されば、彼女もいい加減付き合いの長さから気付いているらしく、何も言わず抵抗らしい抵抗もせずに俺を迎え入れてくれる。
そんなコトは予想しているのだが・・・・最近は、この従順なトコも可愛いとさえ思っていたくせに、今日は少し物足りなさを感じていた。
確かにこうして俺を受け入れてくれる姿勢は嫌いではないし、いつもなら大歓迎なのだけれど、今日だけは違う。
やっぱり、心が狭くなっているのだろう・・・というか、深里のコトに関してはどうしてもそうなってしまいがちなのだけど・・・・。
ベッドに放り込んだ時の衝撃で、体に巻いてあったバスタオルが投げ出されていたが、それはそのまま放置することにした。
目の前にある深里の唇を掠めるように口付け薄目を開けてみれば、キレイで長い睫がふるふると小刻みに震えている。
ゆっくりと唇を滑らせていけば、小さく震えながらも唇に隙間をつくる彼女に、そっと食むようなキスをした。
頭の中ではこれからすることを順番に考えていく。
手首を縛るのは前回して痕がついたので手枷を買ってあるし、それらの道具は全てベッド脇のサイドボードの中に入れてあるからすぐに取り出せるとして、深里が少しでも油断してくれることを想定に入れながらキスをし体を解していく。
片手を彼女の体に滑らせて行きながらも唇と舌で耳元や首筋を刺激し紅い華を散らせ、その最中、気付かないように体勢を変えてやる。
仰向けだった体を徐々にうつ伏せにしていく間、脇腹や肩へも手指や唇を這わせていけば、何も判っていない深里が俺の好きなように体勢を変えていってくれる。
そんな彼女の動きにほくそ笑みながら、膝を立ててサイドボードへと手を伸ばし、そっと中から欲しいアイテムを取り出した。
フェイクファーつきの手枷は、深里の腕を傷つけたりしないように購入したものだ。
いつでも使えるように隠していたものなのだけど、まさかこんなに早く使うことになるとは思ってもみなかった。
が、今日はそういう気分でもある俺にきっちりと付き合ってもらうつもりだ。
深里の体にキスを落としながら、すっかり快楽の熱に気を取られている彼女の手を取り後ろに持ってくると体がしなやかに揺れ、その際に下半身を持ち上げるような形へと手を添えて促(うなが)していく。
両手をしっかりと奪うと、そのまま手に隠していた手枷をカチリという音を立てて留め、その音に漸く何をされたか気付いた深里の顔を覗き込んでニコリと微笑んでやった。
「い、伊吹?」
「なに?どうしたの?」
優しく問い返してやれば、深里の瞳が小さく揺れ、けれど決して許してなどもらえないことも気付いているのだろう彼女は、少し諦めの入った溜め息を吐くと、それでも抵抗を試みようとしている。
そんな彼女を見下ろしながら、俺はといえば次に欲しいものをサイドボードから取り出して深里に見せつけるようにその容器のキャップを取った。
「い、い、伊吹?! そ、それ何!?」
「さ〜って、何でしょう?」
「ってか、こういうの、好きじゃないってばっ、あたし」
「うん、知ってますよ?」
「じゃ、じゃぁ、何で?!」
「たまにはこういう趣向もいいでしょう?」
「よ、よ、良くない! 絶対に良くないと思うっ!」
慌てたように、けれどしっかりと拒否をしてくれる深里に、それでも文句を言わせたくなくて俺はニコリと笑いつつ彼女の背後へと回り、容器に入ったジェルを掌に落とし、利き手で彼女の中心部にある大事な部分へたっぷりとつけてやる。
なるべく不快感を伴わないようにと俺の掌で温めてから付けた筈なのに、深里の体がビクリと震え、そして小さな呻き声をあげた。
ついつい、そんな深里を見ながら顔が緩む。
可愛いと思うと同時に起こる嗜虐心は、どうにも止まることはない。
いつだってそう思っていても、それを実行しなかったのだから許してもらってもいいだろう。
「伊吹!一体、何をしようって・・・・ふぁ・・・・」
「んんっ、気にしないの。大丈夫。少しだけ気分良くなるようなモノが入ってるだけだし? 心配しなくてもいいよ」
そんなことを聞いているわけではないことくらい承知済みだけれど、さっきから沸き上がってくる気持ちを抑えるコトなど出来る筈も無い。
やっぱり、こういうのはノリも大事だろう。
手についていたジェルを全てティッシュで拭い、その手を今度は彼女の体へと滑らせていく。
唇は彼女の体を這わせ、けれどその一番感じるだろう直接的な場所には一切触らない。
胸の方に手を滑らせ、膨らみを愉しむように揉み上げながらも、小さく主張を始めた実には興味を示すようなコトをせず、項に舌を這わせても彼女の感じる耳元には少し遠目から息を吹きかけるだけ。
そうしておいて、徐々に彼女の体を支配していく。
熱に浮かされているような彼女の体が次第に揺れを大きくさせて、俺の体に下肢を擦り付けるような行為をし始めた。
間違いなくジェルの効果が出てきたのだろう。
顔を横に向けている彼女の口からは熱い息が吐き出され、それを感じるだけで俺の欲望がドクリを脈打つ。
「深里?どうしたの?」
「あ・・・・は・・・ぅ・・・ん」
「腰が揺れてるね。どうしてそんなに感じるてるの?」
「あぅっ・・・・」
優しく、けれど意地悪をするように彼女の躰から少しだけ離れて問い掛けると、彼女の顔が羞恥のせいで真っ赤に染まり、返事もできずに顔を強張らせている。
そんな顔を見ているだけで、俺の中心にある欲望が今まで以上に熱を持ってくるのが判った。
けれど・・・ココはもう少し我慢をして深里の言葉を待つことにしよう。
今日こそは、彼女の口から俺のコトを欲しいと言わせたい。
「深里?」
「やぁ・・・伊吹の・・・・意地悪っ!」
「そう?意地悪なの?」
そう答えながら背筋をスッと指でなぞってやれば、彼女の体が無理な体勢とはいえ弓なりに反り、その姿態を見せ付けてくれる。
「はぁ・・・んっ・・・くぅ」
「ん?どうしたの?」
「や・・・伊吹・・・た、助けてよ!」
「何を?どうやって?」
「うっ・・・・・」
「ほら、ちゃんと言ってくれないと判らないでしょう?」
にやりと笑ってしまうのを隠そうともせず、横を向いている深里に見せ付けながら体に触れそうで触れないようにし、指先を動かしていく。
それだけでも深里を煽っているのだろうことは重々承知の上のこと。
深里の体が撓るたびに俺の欲望を煽り、けれど彼女の言葉を貰うまでは・・・・と必死に我慢をする。
が、本当は限界に近いのだ、俺も・・・・。
「深里?早く言わないと、このまま放置するけれどいいの?」
「や、やだっ!・・・・あぁ・・・・い、ぶき・・・・」
「ん?なぁに?どうして欲しい?」
「・・・・・さ、さ・・・・・触って・・・・」
「どこを? どんな風に?」
「ぜ、・・・・全部・・・」
「全部?」
「・・・・・伊吹・・・の・・・・意地悪・・・・」
「ん〜、意地悪・・・ね。う〜ん、どうしようね?」
「・・・・・・・・・・・・んぁん・・・・」
そっと、知らない顔をしながら意地悪く彼女の耳元へ息を吹きかければ、それだけで背中を反って感じているコトを告げている。
そろそろ俺も限界なんだけどな・・・・。
「伊吹・・・・・」
「ん?」
「・・・・・・伊吹が・・・・・」
ニヤリ、と顔が笑ってしまったのを隠すことが出来ず、だがそれを深里に見せることはせずに彼女の言葉を待つ事にした。
可愛い、俺の、生贄。
「伊吹が・・・・・欲しいの・・・・・お願い・・・・熱いの・・・・」
「クスッ。おりこうさん。イイ子だね、深里」
漸く言った!と心の中で歓喜する。
もう既に中心で熱を持った俺の欲望は、いつでも深里の中へと挿るコトが出来る状態だ。
けれど、ココは意地悪くゆっくりとした動作で彼女を煽っていこうと思ってしまう。
サイドボードに手を伸ばすとスキンを取り出し自分の分身へ装着さ、彼女の手枷を取る事はせずに、そのまま後ろからゆっくりと彼女へと覆い被さり中へと挿っていく。
その一つ一つの動作は、それこそ緩慢にし、彼女をじっくりと堪能するかのように・・・・・。
けれど、既に潤い、熱くなっているその場所は、そういう動作をしているにも関わらず俺のモノを余計に締め付けてきた。
「んんぁ・・・・ん」
「くっ・・・・・はぁ・・・・・熱いな・・・・今日は特に」
「やぁ・・・・・はっ・・・・んぁん」
「深里、そんなに締め付けないで欲しいんだけど?」
「わ、判ん・・・・・あぁん・・・・ないってば・・・・」
ニヤリと口元が上がりながらも、彼女の中へ欲望を全て飲み込ませると、しっとりとした彼女の中が俺のコトを包み込んでしまう。
それはまるで、俺の分身を逃がさないようにしているかのように・・・・。
「んっ・・・・イイ締め付けだけど・・・・少しキツイかな」
「ああっ!ん・・・・・や・・・・」
小さく腰を動かして彼女の中をかき回せば、それに合わせて深里の体が揺れ、尚も中が蠢きながら俺のモノを締め付けてくる。
思わず声が出てしまいそうになるのを抑え、ゆっくりと深里の中を掻き回して行く。
両手で腰を固定させ、彼女の息が苦しくならないように俺の体は起こし、腰を回して中を刺激すれば、クチュリと深里の中心部が潤った音を発する。
「あぁ・・・い、ぶき・・・・」
「熱いね、深里の中・・・・ん・・・・気持ちいいよ」
「んん・・・・・はぁん・・・・」
背中を反りながらも感じているのだろう深里は、俺の腰の動きに合わせて自分も腰を振ってくる。
こんな躰にしたのは、この俺。
そして、そんな深里を煽っていいのも、この俺だけ。
そう思うとニヤニヤと笑ってしまいそうになる。
尚も締め付けてくる彼女の中に、今すぐにでも欲望の全てをぶちまけてしまいたいと思いつつ、彼女が頂点へ行くのを誘うように動きを早めて内壁を刺激した。
片手で拘束した深里の手を引き上げ、もう一方の手で肩を持つと、最奥を目指して俺のモノを突き上げる。
「はぁああぁん・・・・やぁ・・・・伊吹、ダメ・・・そんな・・・・・」
「何?いつもと同じだよ?気持ちイイでしょう?」
「やぁん・・・・はぅ・・・・・くぅん・・・・」
突き上げるのと同時に発せられる声に、思わず笑みが零れながら、それでも深里を追い込んでいくことを忘れない。
自分のモノをゆっくり引き出し、最奥へと力強く突き上げる、またその繰り返しをしながらも最奥へ辿り付いた時に中を強引なまでに掻き回す。
その度に、深里の声が高くなっていく。
「や、や、あぁあっ!・・・・伊吹・・・・ダメ・・・・イっちゃう・・・・」
「ンン・・・いいよ、イって。俺もこの辺が限界そう」
「やぁ・・・・・」
深里の言葉に煽られるように、俺は彼女の感じるだろう部分を直接的に攻め続け、また自分をも昇りつめさせてる。
腰の辺りに痺れるような感覚が何度も押し寄せてくれば、深里の中が急に収縮し始めた。
「やああぁぁあぁっ・・・・・・イく・・・イっちゃ・・・・うぁあぁぁぁあん・・・・」
「・・・クッ・・・・・・・・・・」
一気に最奥を突き上げ腰を押し付けた瞬間、深里の中が蠢き今まで以上の締め付けをしてきた。
その所為で、俺のモノが彼女の中で喜びながら欲望を吐き出していく。
ドクンドクンという脈打ちながら俺のモノが欲望を吐き出すのを、彼女の中が蠢いて受け止めてくれる。
まるでそれは、最後の一滴すらも搾り出すような締め付けで―――――。
その後、何度となく深里を攻め続け、気付けば外が白々としていたが、そんなことは気にしないでおこう。
今、俺の横で小さな寝息を立てて眠る深里を抱きかかえながら、俺はふと、昨夜のコトを振り返っていた。
あの深里の友人の男のコトを・・・・・・。
良くも悪くも、きっとあの男もまた彼女を攻め立てて、今頃は同じように思っているだろう。
この手にある女を、決して放すことなどしない。
一生、自分ナシでは生きられないようにしよう・・・・・と、きっとそう思っているコトだろう。
俺と似た匂いの男なのだ。
きっと、あぁ、間違いなく、そう思っていることだろう・・・・・・・・・・・・。
== FIN ==
Writer 輪樹
後書き
二度と書きません・・・kei さんへのお祝いじゃなけりゃ、書きませんでした・・・
えぇ、二度とこんな恐ろしいコトはしません。 ゴメンナサイ。
By 輪樹
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