「Flexible」
欲しい方申し出てくださいねw
著作権は放棄してません(笑) by kei
続編「More Time」凌side
「これって、あなたの?」 「僕のじゃないですけど、あなたのために用意しました。よかった、よく似合う。」 なんでドレスが僕の物にだって思うんだ?男の僕が着るわけないのに... 昔のお得意さんの中にドレス扱ってる夫人が居たからちょっとお願いして用意してもらったんだ。うちの社長はスーツでパーティ会場に行く人だからね。もちろん、スーツでも女性は入れるし、いかにも仕事できてるっていうのがわかるからいいのだろうけれども。 たまには着飾った彼女が見てみたかったんだ。 彼女はきちんと化粧もしてるし、スーツだっていい物をちゃんと着こなしてる。だけど自信を持ってるのは<出来る女>の部類で、<いい女>であっても男の気を引くとか、女の部分で男の気を引くとは思っていない。それは事実だろう。彼女は色気を振りまくタイプでも、男がむしゃぶりつきたくなるようなタイプの女でもない。女でも男でも惚れ惚れするぐらい<男>らしいんだよな。最初の出会いもそうだった。僕を助けるために啖呵を切る姿には一目で心を奪われるほどかっこよかった。社長してる時の凛々しさももちろんだ。だけど僕は知っている。思わず弱音を吐いたあの日の彼女を...抱きしめた腕の中で子供のように泣きじゃくる内側の少女の心。負けまいと突っ張って、尖って、折れない強さは持っていても、彼女の中の少女の部分は隠れたまま。解き放って、その身体を開いて、愛撫すると震える彼女。僕を迎え入れてきつく締め付けて喜ぶ時の艶っぽい表情、それは全部僕だけの物。誰にも見せない、触れさせるつもりはない。 だけど、たまには着飾って自信を持たせてあげたいって思うんだ。社長としてでなく、女として僕の隣にいる時の彼女はすごく自信なさげだから...ベッドの中でもそうさ。自分を取り戻した後、おもしろいほど変化する。男には裏切られると思いこんでる彼女はまだ僕を信じてはくれていない。頼り切ってもたれかかってもくれない。必死で虚勢を張ってるのが、年下の僕が言うのもなんだけど、可愛くて。 「お似合いですわ、風見様は三澤様の魅了を引き出すアイテムをよく理解してらっしゃいますね。」 そりゃそうさ、探しまくったんだからな。彼女に似合うドレスと、下着(これはオレの趣味) 「ああ、風見様、社長からよろしくといいつかっております。本日はこちらに顔出し出来ないことを残念がっておられました。どんな方を連れてこられたか、後で報告しろって言われてるんですよ。」 このサロンの女性もここの社長と一緒にうちの店に来ていた顧客の一人だ。はなしを通してるから馴れ馴れしくはしてこないけど、そこで社長の話を出してくるなよ?ただでさえ元ホストって事で女にだらしないって思われがちなんだからな。女性関係に関して信用は、今のところゼロに等しい。まあ、最初が最初だったし、2度目も2度目だったから。その後も...なし崩しを狙ったし、結構卑怯な言い回しで脅すようにして彼女を抱いてるのは事実。 「香澄、なに考えてるの?」 「な、なんでも...」 仕上がった彼女の綺麗な肌を舐め回すように見つめて、耳元に囁くとぴくんと跳ねるとこが可愛い。すぐに耳まで真っ赤になるし?名前で呼ぶと彼女が弱いこと、もうとっくにわかってるんだ。でもこの人は口に出して反論してこないときの方が怖いんんだ。なに考えてるかわからないから... 「香澄?」 「裕人...」 会場の中で、彼女の名前をいきなり呼び捨てにしたこの男、何者だ?彼女も呼び捨てかよっ!くそ、知り合い?まさか...元カレ?思わず腰を引き寄せ、とっさに眼鏡を外しまとめた髪をくしゃりと崩す。だけど彼女はこの再会を喜んでる訳じゃないようだ。すぐ後に来た若い妻、要するにこの男は出世のために彼女を捨てたと... くそ、奴の目が言ってる。『その女は俺の女だったんだ。全部知ってるぞ』って。 悔しいな、僕じゃまだその頃は射程圏内の年齢に達してなかったんだから。 「ああ、妻の詩織だ。うちの会社に居た三澤さんだ。」 互いの連れを紹介し合うってか? 「はい、そちらの会社に居りました頃は大変お世話になりました。私今は起業して小さいですが会社を経営しております。」 名刺を取り出して渡す彼女の身体に緊張感がみなぎってくる。 そっか、こいつか... 彼女を恋や結婚でなく仕事に奮起させた原因を作ったのは。だから今、臨戦態勢に入ったんだね?仕事で自信を付けてきた今のあなたに目の前の夫婦が敵うはずないのにと思うけれども、僕もそれに便乗する。 「まあ、社長、さん。ではそちらの方は?」 「三澤がお世話になっております。秘書をやっております風見と申します。」 女性の方に視線を向けて微笑むと即反応して来やがった。軽いなぁ。そしてそのまま 僕は秘書としてだけ紹介されるんだろうと思っていたけれども、今日の彼女は違った。 「秘書と言っても、仕事のサポートもお願いしてるのよ。」 驚いた。この一言は僕をトクベツにしてくれてるってことだよね? 「いえ、社長の手腕に惚れて押しかけて仕事させてもらってるんです。僕の尊敬する女性なんですよ。」 嬉しくって、僕は彼女をさらに引き寄せていかにもな雰囲気を作る。それは成功だったみたいだ。元彼はすでに僕たちの仲を想像していることだろう。だけど、この人の奥さんまで?なんだよその視線...オイオイ、旦那の前で秋波出さないでもらいたいんだが。それならそれで...ちょっとこの場を離れるのは嫌だったけれども、このぐらいの男なら彼女一人でもあしらえるだろう。奥さんの居ないところで言いたいこともあるだろうしね。僕という存在があるからこそ、離れられた。てにいれてない状態だったら、マジでヤバかったかも。昔の恋に火がついてなんてよく言うし、彼女の人生変えるほど、大きな恋だったはずなんだ。だけど... 彼女を満足させてる自信はあるんだ。仕事も身体も、心もね。 「社長、飲み物でも取って参りましょうか?」 ビジネス口調で申し出てその場を後にすると、ついてくるよ、あの奥さん... 「ねえ、少しお話ししません?<Darlingのカイ>さん。」 意外だった。うちを知ってるってコトはそこそこ遊んでたってことか?まさか今もあそんでるとか? 「ああ、僕のことご存じだったのですか?でももうホストは辞めました。今は真面目な社長秘書ですよ?」 そのまま連れられて会場から少し離れたテラスに誘われる。あ、ここから会場が見える。あの二人も...くそ、近づきやがって、何話してんだよ? 「ねえ、いくらもらってるの?<Darlingのカイ>を専属で秘書なんて、すごいわね、あの社長さん。」 「正規の給与以外もらってませんよ?」 むしろ食事や贈り物なんか僕の方が一方的にしてるほど。 「あら、あの人の物じゃないのね。だったら、あたしなんかどう?ちゃんと払うわよ?お金ならいくらでも払えるわ。まだ若いし、自信があるのよ?ねえ、試してみない?」 あまり嬉しくないお誘いだなぁ。ぎらぎらむんむんってかんじだ。これは旦那じゃ満足してないって口かな?それとも旦那が満足出来ないほど見かけだけか... 「へえ、奥さんもしかして欲求不満?」 そっと指を彼女の肩から首筋を走らせる。 「ああん」 はしたない声出しやがって。そのまま指一本で背中を走らせ腰のあたりをさわさわと撫でてやった。 (いやん、もう、せっかちね。) (奥さんもしかして旦那に満足してない?) (そうよ、もう早いし回数も少ないし。時々遊ばないとやってられないの。ねえ今度どこかで逢わない?) (俺に触れられて感じてる?乳首尖っちまってるぜ?) 「ああん、もう...」 指で弾いてやるとぶるっと震わせた。 (お願い、ココ...) 早速俺の手をドレスの中に引き込みやがる。自信たっぷりなのがヤダな。やっぱ嫌がる香澄を感じさせるあの段階が楽しいし、俺を欲しいって顔させる瞬間が嬉しいんだ。こんな淫猥な表情ですり寄ってくるなんて興ざめだ。 こうなったら、ちょっとお灸据えとくか? 「ここですか?」 「ああ、そう、ソコぉ」 下着の中に指を入れると濡れてるけど、なんか萌えない。 「アレ、もう濡れて...なんか締まり悪いですね、貴女。」 「え??」 「これじゃ、旦那も満足しないでしょう?」 くいっと指を曲げて擦り上げる。ついでに前の突起も擦る。 「ひいっん、くっ」 「俺も入れる気しませんよ、パス。」 「あう、そんな...」 指を引き抜くと物足りなさそうな顔。 「だってね、俺節操のない女嫌いなんです。緩い女もイヤ。金もらってもやだね。」 濡れた指を彼女のドレスの胸で拭く。 「遊びなら金のきく店の中だけにしておきな。でないと痛い目見るよ、あんた。そんなにたいした価値のある女じゃないんだからさ。」 「な、何よ、じゃああの女にはあるっていうの?」 「ありますよ。あの人のためなら報酬無しでも、無一文になっても、ずっと側にいたいと思えるほどにね。ああ、旦那さんには黙っておいてあげますよ。あんたがすぐに男に色目使う淫乱だってことはね。」 ぐっと息を飲んだ女をそこに放置して途中飲み物を持って二人の元に戻る。 「社長、どうぞ。」 何言ってるかわからなかったけれども、邪魔するために割り込む。一応妻が気になるらしくって、置いてきた方を指さすと急いで去っていったけど。えっちな臭いぷんぷんさせた自分の妻に果たしてあの男は欲情するだろうか?それともあの女が次の見つけておっぱじめてたら修羅場だなぁ。自分の旦那で我慢しておいて欲しいものだ。 「何か言われました?すごく厭そうな顔をしてた。」 「すっごく厭なこと。」 『忘れられなかったんだって、あたしの身体が、で、あんたは金目当てだって。』ってその言葉で確信は得たけれども、おもしろくない。この身体はもう僕だけの物だから。金目当てでも断じてない! 「そ、そっちこそ、詩織さんとなにやってたの?」 その当たりは誤魔化して伝えて、はぐらかした。あ、ちゃんとあの後手は洗って消毒してきましたよ。 「それより...オレは嫉妬してるんですけど?」 そう言って目の前の極上の獲物を狙って間合いを詰める。オレって言った時点でモードが切り替わってるの、彼女だって気付いてる。 逃がすか!! 今度は反対側のテラスに追い込んで念入りに彼女を愛撫する。弱い耳から攻めてソフトにタッチしながら焦らして、震えだす頃にゆっくりと触れ始める。指を潜り込ませるとキュウキュウと吸い付いてくるようだった。ああ、この中に早く入りたい。 「上ならいい?部屋とったんだ。」 僕は手を洗ったついでにフロントで受け取ったカードキーを取り出して彼女を部屋に誘う。もちろん前もって予約しておいたに決まってるだろう? 彼女の口からは否定の言葉はなかったのでそのまま部屋に連れ込んで朝まで攻め倒したのはいうまでもない。 だってさ、せっかく贈ったドレス、脱がせたいじゃないか? たっぷりと中身も時間をかけて堪能させて頂きました。 翌日足腰立たない彼女を休ませて出社した。 佐野さんがにやにや笑ってるんだけど、しょうがないって、社長の仕事全部僕の所に持ってきた。昼前にぜいぜい言いながら出社した彼女に無茶苦茶怒られた。 しょうがないから、その口をキスで塞いだ。 |
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