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キリリク600万記念!〜リアさんへ〜part2

サンプルストーりー3
〜etcVERSION〜1はこちら
「恋は合コンから降ってくる・2」男性VERSION

使用台詞セットE-13 E-21

久しぶりの合コン参加だった。
いまさらな気もしたが同僚に強引に連れ出された。無理な仕事を手伝ってもらった交換条件だったから仕方ない。
別にわざわざそんなとこに顔出さなくても、それなりのバーにでも行って視線送ると女なんかいくらでも付いてくる。それこそ後腐れのないその場限りのアバンチュールが楽しめるってわけだ。
正直言って今はマジな恋愛はしんどかった。それほど仕事にのめり込んでるわけだし、仕事にのめり込めばのめり込むほど女は煩くなる。
『仕事と私のどっちが大切なの?』
『全然逢えないじゃない!メールも返事ないし、私のこと嫌いになったの?』
思う通りにいかないと泣きわめく数回寝ただけの女、誕生日にはプレゼントをせがみ、記念日を覚えろと煩い恋人気取りの女達には辟易していた。
そんなものを望まない、大人の女の方がずっと楽だ。だから最近の相手は本気じゃなくてもOKな年上の女性、既婚者であろうが彼氏持ちであろうが互いに了承していれば構わない。
本気じゃないから...
だから恋愛に全力投球せずに、その分仕事に力が入れられた。


(なんだ?この女…)
第一印象はガキか?ってほど食べるのに一生懸命になってるその姿だった。
人数あわせで同僚に引っ張ってこられた相手の中には、いかにも俺狙いで愁波を送ってくる女もいたが、不機嫌そうな顔を作っていれば自然と離れていった。それぞれ話す相手と隣同士になり、嫌でも張り付いてる女がうっとおしかったが、睨まれてまで話続ける女も居なかった。
そこで見かけたのがテーブルの端っこで必死に喰ってる小さいヤツ。
子リスかなんかが必死でがっついてる様にも見えた。喰っては幸せそうな顔をしてる。他の男達も何度か話しかけてるが、喰うのに精一杯で中途半端な返事しかしない女に見切りをつけて離れていく。
一次会が終わって、さっさと帰ろうとしたが、あの子が気になっていた。帰り道でも強引に話しかけてやろうか?
いや、今でも構わないんじゃないか?なにせ反応が面白そうだ。
『どうするんだ?このあと帰らないのか?俺たち二人ぐらいだろ、楽しんでないのは…』
ちょうど前にいた彼女にそう聞いたが、身長差のせいか聞き取れなかったのか首をかしげてそのまま隣にいた友人の陰に隠れる…
オイ、それは小動物の反応だろう?
結局、そのまま参加するらしい彼女に付き合って、俺も二次会のカラオケにまで付き合うことにした。


煩い女どもをどうしようかと悩んでいた。
隣の席をどうとか言ってるが、俺の狙いはすでに決まっている、あの子だ。名前は、たしか理子。花井理子と言っていたな。
隣の席で飲んでる俺をモノともせず平然とチューハイを飲んでいた。意外と強いのか?さっきも喰いながらしっかりと飲んでた気がするが?ニコニコと笑ってるのが自然で、誰にも気を使わせず使っても居ない風情。
側にいてもモーションや視線すら送ってこないこの子に俺は興味を引かれていた。しかしいつまでも此処にいてもらちがあかない。俺は、騒がしく響くカラオケボックスの中、耳元で出ようと彼女に囁いて、その理由を問いただす彼女にイロイロと強引に言い含めて、あっけにとられている隙に、その腕を引いて強引に連れだした。


いきなりホテルやバーに連れて行くわけにはいかなかった。男慣れしていない彼女を、他の女と同じようには扱えないだろうと思っていた。たぶん、男と女の駆け引きなんて全く通じないだろうし、知らないんだろう。
連れてきたのは海辺の公園。今日は比較的暖かいし潮風も心地よいほどだ。どうするんだろうと見ていたら、馬鹿みたいに夜空見上げてるだけ。
口説くつもりが、俺もつられて空なんか見上げちまった。
仕方なしに意識させるような聞き方をする。たぶん持って回った言い方じゃ一生気付きそうにないから。
「男と女が公園に来てすることと言えば?」
「えっと…天体観測?」
「馬鹿か?」
思わずその頭を叩いていた。普通女にそんなことはしない。せいぜい仲のいい友人ぐらいだ。どうやらそのぐらい気を許してるらしい。それほど、この子は気を使わせない。
「じゃあ、散歩?」
呆れる。いい年した男と女が夜の公園でそれだけですむのか?嫌、コイツならすませそうだが…
「もう、いい…オマエさ、」
どんな手管も通用しない。真っ白まっさらな目の前のこの子を、大事にしたい気もするけれども、俺みたいなヤツに攫われるかも知れないと焦る。早いとこ自分のモノにして安心したい。そんな独占欲と衝動が沸き上がってくる。
「ん?」
夜空を見上げたまんまの恰好で俺の方に振り向く。それがやけに可愛くて、無防備で…喰ってくれと言って肉食動物の前で立ち止まる哀れな小動物の如く、だ。
「俺、本気で行くわ。覚悟してて」
思わずその唇に軽くキスをした。
「…誘ったお前が悪い。」
「さ、誘ってないっ!!」
いきなりのキスに驚いたのか目を剥いて突っかかってくる。余計煽るって気付いてるんだろうか?
「誘った。その目が悪い。」
「んんっ」
今度は深い、大人のキスのキツいヤツをお見舞いしてやった。


案の定、何度も角度を変え、舌を啜り、口内を舐め尽くした頃には半分酸欠で呆然と腰を抜かした彼女のいっちょあがりってわけだ。
ベンチで惚ける彼女をよそ目に、勝手に鞄をまさぐり携帯電話に俺のナンバーとメルアドを登録してやる。
「電話したら必ず出るんだぞ?いいな?」
「は、はいっ?」
「じゃあ今夜は送るから…」
初心者状態の彼女に合わせて、その日は送るだけですました。
ついでにその時、部屋もチェック済みだ。一人暮らしのアパートだから、いつだって夜這いに来れそうだ。強引に部屋の中に上がり込んでしまえば嫌と言えないだろう。
ほんとに、良く今まで無事だったなと思うよ、まったく。


それからしばらくは忙しくて逢いにもいけなかった。企画のプレゼンが迫っていたし、チーフの俺が残業返上するわけにもいかなかったから。
ただ、俺としては非常に珍しいんだけれども、定期的にメールを送り続けていた。
今までの女が知ったら驚くだろう。短いながらも、俺からのメールで返ってきたらもう一度送る。その後当分来ないメールをひたすら待って、いい加減諦めてまたこちらからメールする、を繰り返しているなんて。
そんな中、だんだん不安になってくる。メールの返信内容を見ていても嬉しそうじゃないよな?事務的だし、まさか…俺の本気が疑われてる?
そう、どうやら俺は本気らしかった。あんな、子供みたいで色気のない子に、他の男がちょっかい出してないかなど、真剣に心配するほどに…

ようやくプレゼンを終え、打ち上げから帰ってきたとき、その勢いでメールを送った。
<明日、逢おう。7時半に会社の前で>
だが、その後返事が来る事はなかった。
寝てて気がつかないとか?時間は0時を回っていたけれども、俺は構うことなく携帯を鳴らした。
だが…繋がるのは『お客様のおかけになった電話番号は現在電源を切られているか電波の繋がらないところに…』という案内音声だけだった。
どうして電源を切っているのかわからない。病気だろうか?それとも誰かと飲みに行ってる?
まだあいつのことは何一つ知っていない。何もかも今からなんだ。お互いに知り合うのも、愛し合うのも、全部…
さすがにこっちも飲んでるのであいつの部屋に押しかけるわけにも行かず、もんもんと考え込んでいた。
まさか、朝の七時と勘違いしたりしないだろうな?会社の前ってどこの会社の前とか悩んだりしないか?
あり得ないけど、あいつにはあり得そうなその疑問を胸に、俺は朝一であいつの会社の前で待ち伏せた。

8時を回ってあいつは姿を見せた。
俺は彼女の腕を掴むと近くのビルの影に引きずり込んだ。ここなら、コイツの会社のヤツらに見られない死角だろう。
そして続く、俺の情けないほどの告白。
「8時か…時間勘違いした訳じゃなかったんだな?」
「はい?」
「メールだよっ!!返事ないし、電話しても電源切ってるし…7時半ってオマエのことだから勘違いしてちゃいけないと思って。あの夜からオマエの顔ばっかりちらつくんだよ。思い出したらムカつくぐらい鈍感で、どうしようもないほどお子様なのによ…オレの好みとは180度違うって言うのに…」
こんな恰好の悪い告白はしたこと無かった。どう返事していいのか迷うその目で俺を見上げてくる。それだけで俺は煽られてるんだ…全く、俺としたことが、僅かの間に骨抜きか?こんなに思うように行かない女は初めてだった。
「そんな目で見るなよ...今夜行く。空けとけよ」
もう離す気はない。逃げられないように勝負をかける。俺の勘がいってるんだ、コイツだって。コイツしか居ないって…
「今夜?」
「ああ、残業入ったら何時になるかわからねえけど、オマエのアパートに行くから、鍵開けとけ…」
「えっと、それは危険じゃないでしょうか?」
よくわかってるじゃないか?
「このぐらい危険だな。」
俺は時間も場所もわきまえず理子にキスをした。ちょっとだけ濃厚なヤツ。あんまりやるとまた腰抜かすからな。
「あ…」
唇を離した時、目の前の潤んだ瞳が俺の唇を凝視していた。そっと彼女の手が伸びてきて、その指で俺の唇についた自分のグロスを拭いとる。それだけは大人の女の仕草だった。
無意識にやってくれるよ、この子は…俺はすかさずその手を取って引き寄せた。
「待てよ、絶対目逸らすな」
彼女の親指のグロスをゆっくり舐めとる。見る見る間に真っ赤に茹だっていく彼女の顔が可愛くて、意識しまくってくれていることが嬉しくて、俺の作戦が間違ってなかったことを確信する。
待ってても逃げるこの子には、速攻勝負で良かったんだと。
「こっち向けよ、もう逃げられないんだから…オレも、オマエも」
頷く彼女の表情もかなり色っぽい。身体で理解してるはずだ、俺が言おうとしてることも、全部…
「今夜、の意味わかってるよな?ゆっくり進めてもいいけど、オマエぜってー逃げ出しそうだから、今夜即行オレのにするから、にげんなよ。」
じっと見つめて…いや睨み付けて、頷くまで俺は彼女を解放しなかった。


定時で終われそうだったのでメールを送っておいた。今朝のキスの時にも感じた、意外と感度の良さそうな身体…
今夜はゆっくり自分のモノに出来るのだと想像するだけで興奮してくる。だがそこは大人だから、社会人の俺はひたすらクールな顔で仕事をこなす。だけど、就業後の俺はまるで子供みたいに車まで駆けて行き、タイヤを鳴らして駐車場から車を出していた。運転中はマナーモード、だから彼女が後から送ってきたメールを確認したのは車を降りてからだった。
まさか逃げないだろうけれども、一応危惧して会社の前に車を停めて待ちかまえようとしていた。彼女のメールの意味がわかったのは、それを確認している最中のオレの前に数人の女性が立ちはだかったからだ。
「新堂さん?こんにちは、この間の合コンでご一緒してた橋本です。」
誰だろうと思い悩んでいると名乗ってくれたので助かった。そう、確か居たな…もっと派手な化粧していたと思うけれども。
「ああ、どうも…」
「どなたかを待ってらっしゃるんですか?たしか、今朝もいらしてませんでした?」
見られてたのか?まあ、いいけれども。
「花井さん、まだ?」
「え?」
怪訝そうな声が返ってくる。なんだ見てたんじゃなかったのか?
「あの、彼女と約束でも?」
「ああ」
ん?まずかったのか?思いっきり表情を噛みしめるのが目に見えた。
「だって、彼女は…新堂さんとは関係ないって、ねえ?」
後ろを振り向き自分の友人達に同意を求めていた。
なるほど、理子はこの女に見られるのを怖がったんだな?後で苛めそうだもんな、こういうタイプは…
「そんなことを言ったんですか?しょうがないヤツだな、後でお仕置きしておきますよ。」
にやっと笑うとまたその女性の表情が軋む。
「ああ、そうだ。俺の友人が合コン相手探してるんですよ。高校の友人なんだけれども…ご存じですか○○高校って、弁護士やら医者やら、イロイロ居るんですがヤツらもなかなか仕事が忙しくて出会いがないとほざいてましてね、よかったら一度逢って貰えませんか?」
母校の名前を出すといつも一発だ。卒業者全員が高学歴の進学校だからね。
「まあ、是非!」
彼女は早速名刺を差し出し、此処に連絡をくれと満面の笑みで俺に受け取らせた。
そのあとは先輩らしく理子の攻略法を伝授してくれる。
「あの子、子供でしょう?食べ物を与えておけば大人しいんですけれども、苦労しますよ、新堂さん。」
社内の男性がいくらコナかけても気づきもしない、天然もいいところなその性格は憎めないらしく、目の前の女性達も苦笑しながら『ほっとけなくて、可愛いのよね〜』と言葉を重ねていた。

やがて、会社から出てきて俺たちを見つけて目を剥く理子がいた。
「よお、遅かったな。」
そう声かけたのにいかにも俺との約束を無視して『お疲れ様〜』と声かけて立ち去ろうとしていた。
俺は急いで呼び止めてその腕を掴んで逃げられないように確保する。まったく、脱兎の如く逃げ出すなんて、気を緩めてなんていられないな。コイツを手に入れるまでは…
「あ、じゃあ、コレもらって帰ります。」
「ええ…じゃあ、よろしくね、新堂さん。」
期待を含んだ彼女の声に取りあえず一回は約束を果たさないとまずいなと肝に念じておく。


さて、どう喰ってやろうかと算段していると、急に助手席で押し黙る。
「そんな顔するな。人さらいになった気分になるだろが。」
やる気満々発言は初めてだろう彼女には少し酷だったか?
仕方なく車を近くの公園へ向けて、降りるように彼女に言った。
「オレが怖いか?」
それが返事なのか俯いたまま動かない。しょうがないか、俺のやり方は強引だったし、あんまり自分から動くのは慣れてない。逢ったのだって今日が2度目なんだしな。
だけど逃がす気はない。
「今日はかなり無理したんだ。仕事は定時で切り上げてきたし、明日からの土日もしっかり休み取ってるからな。」
「へ?」
間の抜けた返事をしても駄目だ。脅えたその様子が余計に俺の嗜虐心を煽るらしい。もっと苛めたい、泣きそうな顔して脅えるところを喰っちまいたいってな。
俺ってこんな性癖だったんだろうか?
「言っただろ、逃がさないって。そっこー喰っとかないと、おまえ逃げる気満々だろ?」
「うっ!?」
やっぱりな。完全逃げ腰なこの女をいかにして取り込むかだな。
さてどこでいただこうと押し問答していると、いきなりお腹が空いたから食事をしたいと言い出す始末。
ったく…飽きさせないヤツだよ。

行きつけのイタリアンの店で満足いくまで食べさせたさ。最後のデザートも彼女が好きそうなのを何種類か持ってきてもらうと満面の笑みだった。
判ってるのかね?今から俺に喰われるって言うのに。
酒にも自信があるらしく、男と居るって言うのに結構杯を空けている。俺はさりげなく度数の強い酒を混ぜさせて、店を出ようと立ち上がったときにはもう遅い。彼女の足取りはすでに不安定だった。
「ふふん、とろんとした目しちゃって。度数のきつい酒紛らせてたの気がつかなかったのか?うかつだな、理子」
「新堂、さん…あの、か、帰ります!ごちそうさまでしたー」
逃げ出すのが好きな女だ。すぐに捕まるって判ってないのか?
「逃げられるとおもってんの?俺から」
エレベータの中に押し込んで逃げられないように囲い込んで顔を近づける。脅えたその表情がまた何とも言えない。
「耳、真っ赤…喰ってください、って言ってるみたいだな。」
「やぁ、だめぇ…」
ゆっくりと唇に挟んで噛むと甘い声を上げて俺を追いつめる。そんなに俺を本気にさせたいのかと問いつめたいほどだ。
「ふん、望みどおりにしてやる」
降りていくエレベータの中で理子の耳を存分喰った。舐めて舌で突いて、甘噛みして、そのまま白く華奢な首筋に吸い付いて痕を残す。そのあと、エレベーターが動かないように閉のボタンを押したまま唇を塞ぐ。
いくら逃げても、それは未知の行為に対する恐怖感だけ。俺のことは嫌いじゃないはずだ。それは抱いてるこの手がそう感じている。彼女の身体は俺に全てを預け、溶けるように沿ってくる。
「キスだけでへたりこむなよ?そんな姿さらすのは俺の前だけにしろよ。」
「はぁ、っ…」
涙を溜めた瞳で見上げてくる。すでに足腰は立たないようで、俺にしがみつくしかないらしい。
愛しい…そんな感情が俺の中にわき起こる。今までの駆け引きだけの恋とは違う。落とす落とさないのテクニックのぶつけ合いとも違う。ただ目の前の存在が愛しくて、手放したくなくて、自分だけが苛めたくて…反応させたい。
「じゃあ、行こうか?」
もう我慢の限界と、俺はすぐ近くのシティホテルまで彼女を引っ張っていった。


シティホテルにも数室ある広めの部屋を取った。初めての彼女を抱くのにラブホもなんだしと思ったからだ。だけど、最上階に近いホテルの部屋から夜景を見る時間は、俺も彼女も持ち得なかった。俺はたっぷりと彼女を愛撫し、怖がることも忘れるほど感じさせて、挿入するまでにイカせまくってやろうと考えていた。
俺はすぐさま彼女にキスを求める。
「あっん…」
キスだけはようやく受けなれた彼女だが、息継ぎなしにキスを続けると次第にぐったりと力が抜けてきたようだった。
そのままの勢いでベッドに押し倒し、首筋に唇を這わせ、衣服を乱してその身体のラインを確かめる。意外と…しっかりと凹凸があるじゃないか?着やせするのか、さわり心地も、肌の弾力も申し分ない。反応も…いいみたいだしな?
なのに泣きそうな顔して俺を見上げてくる。肉食獣の前で怯える小動物のような瞳も、震える肩も、唇から漏れる声にならない切れ切れの息遣いも、全部俺を煽るだけなのに…
「そんな顔してもダメだ、その態度が俺を煽ってるって、わかってやってんなら褒めてやるけどな。」
「ちが…わたし、そんな」
「お前が素直じゃないことくらい知ってるよ。こういうのに慣れないのも見てればわかる。」
「え?」
「オマエさ、俺の言ってることまったく信じてなかっただろ?こっちは本気で行くって言ってんのによ。しまいには携帯の電源切りやがるし?ホント、素直じゃないねぇ」
ほんとに、よくまあこの俺を焦らしてくれるよ。恐れながらも俺に食われるのを待ってるくせに…
「な、なにいって」
「別に、スキって言わなくてもいいけどさあ。本当はバレてるのに隠したつもりでいても…いいけどね、俺は楽しくて。」
「わ、わたしは、別に、新堂さんのこと、」
ほんと、素直じゃない。だけどさすがにそれを口に出されるのは嬉しくない。俺はわずかに目を眇めて睨みつけていた。
その身体はもうすでに俺に開かれて、白いその肌も、柔らかそうな胸も、桃色の蕾も総て晒されているっていうのに。
「イヤなら、もっと本気で嫌がれよ。俺の好き勝手にできる程度でしか抵抗してないのはお前だよ?」
俺だって無理するつもりはないさ。素直じゃない彼女の心を汲み取ってるつもりなんだけどな。
「抵抗してるのか、誘ってるのか、どっちだよ。あと5分後も抵抗できるなら放してやるよ。本当は、できないってわかってんだろ。」
ぴたりと動きが止まって、じっと俺の顔を見上げてくる。黒目が大きいんだ…だから小動物か子供みたいに見えるんだ。
俺は少しだけ強引にしていた手を止めて、そっとその唇にキスを落とす。ゆっくりと懐柔するように重ねるだけのキスを繰り返し、彼女の方から唇を開いてくるのを待った。緩んだその口内を舐め尽くして堪能してから顔を離す。
潤んだ瞳に、二人の唾液で濡れた紅い唇。もう小動物なんかじゃない、女の顔をして俺を待っている。
だけどその先の展開が怖いのか、頬に手をやるとわずかにその身体をこわばらせる。
可愛い…
失いたくなくて、俺はそのままその柔らかな頬を何度も撫でた。めんどくさいのは嫌だったのに、こいつは別らしい。早く自分のモノにしたい。そして、苛めて泣かせたくて、最後には欲しがらせてみたい。
甘い吐息を吐き出す唇に指で触れ、その舌先を指で撫でる。キスしながら開いたブラウス、ずりあげたブラ、そこから覗く紅い蕾、空いた手でその先に軽く触れるとキュンと尖って見せる。
俺は思わず唾を飲み込んだ。だれも触れたことのないこの身体に、今から消えない痕を残していくのは俺なんだ。
「喰ってください、って言ってるみたいだな。望みどおりにしてやるよ」
「やっ…んっ」
胸の先に吸い付いて、舌で舐め回し、軽く歯を立ててそのまま吸い上げる。怖がるから下半身にはまだ手を出さない。
ひたすら上半身と腰のラインや腿の外側を撫で回し、徐々に攻め入る。
「あぁぁん…」
耳やその後ろを舐めあげるたびに身体を震わせて感じているその隙に、スカートの奥に手を忍ばせ、内股から徐々に上に上がっていく。キスで逃げられないのを見計らって下着の上から脚の付け根を撫で上げ、僅かに湿っているのを確認して心の中でにやり笑う。
処女だってこれだけ愛撫すれば感じるのだから…これからしばらくは未知の快楽を感じてもらおう。少しでも痛みを和らげるためにたっぷりと。
俺は時間をかけて彼女の秘所を濡らし、舐め、舌と指で割り、その突起に愛液を塗り込め、何度も昇らせて、快感で意識を失う寸前、無意識の彼女に耳元で問いかける。
『俺のこと、好きだよな?』
突起を弄りながらそう聞くと何度も首を縦に振る。
『口に出してちゃんと言えよ…』
「あ…す…」
「ん?」
「す…き…」
途切れそうなほどか細い声でようやく返事をもらった俺は、準備した己のモノを宛う。勿論、持ち込んだローションを使って痛みを抑える為の最低限の努力をしたのは言うまでもない。この行為を痛いだけの物と思われたくなかったからな。
出来れば早めに、俺の要望に応えられるほど慣れてもらわなくては困るから。休みが少ない分、逢える時間が制限される分だけ、俺の要望は強くなるだろうから。
「俺も、好きだから…」
俺は急く思いを押さえつけて、猛りきった己の欲望の主をゆっくりとその狭い彼女の中に押し込んだ。
「…ったい」
意識を戻すほどの痛みに目を見開いて、そこには瞬く間に涙が溢れだしていた。動くことも出来ない俺は、そのままじっと締め付けてくるきついほどの膣圧に耐えながら優しくキスをこめかみに落とし、その涙を吸い取った。
「大丈夫か?」
「ん…だ、いじょ…ぶ。思ったよりは…痛く、ない、かな…?」
意地っ張りな彼女は眉を寄せながらも強がって笑おうとする。自分がいっぱいいっぱいでも、逃げずに笑って俺を受け止めてくれている。俺も彼女に選ばれたんだと、今はそう思おう。
「大事にしてやるから、慣れろ、な?」
「んっ…うん…でも、もう、少しだけ…」
このままで、という彼女の要望に応えて、俺は優しいキスを何度も繰り返した。
「ん…少しだけ痛いの治まってきた、かな?」
努力の甲斐あってか、そう言ってくれたので助かった。これ以上、いくら俺でもじっとしているのは辛すぎるから。
「そうか、じゃあ、動くぞ?」
「へっ?」
ゆっくりと彼女の表情を気かけながら、腰を打ち込んでいく。あまり長引かしても痛いだろうし、悪いけど、一度で納めるつもりはないから。なんせ俺にとっても何週間ぶりかのまともな週末なんだからな。
「やっ、はっ…ん、あっくっ…ぅ」
俺の動きに合わせて、彼女の声がだんだんと女の喘ぎ声に変わっていく。中から擦られて、少しづつ覚えていくだろう、快感と、反応の仕方を…
「もうっ、イクから…理子、」
俺は、最後のスパートを遠慮なしに腰に加えて、快感を貪りながら果てを迎えると、薄い膜越しに欲望の汚濁を吐き出した。
「はぁ…っ」
すごく、気持ちいい…久しぶりというよりも、精神的に満足してる自分が居た。
はっきりいって処女はめんどくさいからあんまり相手にしたことがない。だから、こんな最後まできついのは初めてと言えば初めてだった。気持ちよくて、無意識かソコを締められたような気がして、最後の瞬間思わず仰け反りそうになった。
あとで彼女が言うには、その瞬間の俺の表情がすごく綺麗でセクシーだったというのだ。
全く余裕なさげでもしっかりと見てやがる…本当に面白いヤツだ。
面白くて、可愛くて、良くて、苛めたくなる。
余計な事を口にした彼女にお仕置きだと言って再びのし掛かったのは夜明け前だった。


彼女が目を覚ましたのは朝もかなりの時間を過ぎてから。
まあ、朝食は別に食べなくてもいいけれども、理子が文句を言うかもだな。食べられればだが、食い意地張ってるから、こいつ…

「あ、おはよう、ございます…」
目が覚めた彼女は素直に朝の挨拶を向けてくる。俺のほうが照れながらもおはようと返事を返した。
じっと見上げてくる彼女。そう、腕枕なんかして一晩中腕の中に抱いて過ごした。こんなことしたことあるもんか。
終わったらさっさとシャワー浴びてお終いだ。相性よくてやりつくしたときはベッドに沈没してたけれども、腕に抱くなんてなかった…
「ん?どうした、身体しんどいか…無理、させたからな。」
「いえ、それは…」
「まあ、おまえにはちょっとハイペースだっただろうな。こういう展開は」
「は、はい…だから、あの…」
「ん?」
「出来れば…スローペースでお願いします。」
は?どういう意味だ?ここからスローペース?訳わかんねぇ。
「駄目だな。このまま俺のペースは崩さない。その代わり、もうしばらくはおまえのペースで抱いてやるよ。だから、あと二日間身体で覚えるんだな。」
俺は再び彼女に覆いかぶさってその身体に触れる。昨日の余韻を残した体はびくびくと反応しやすげだし、昨晩二度目に繋がった時はそんなに痛そうにはしてなかったしな。


たっぷり可愛がった後、チェックアウトして美味しい朝食込みのランチを食べさせるとふくれっつらも収まった。
その後、彼女の部屋に着替えを取りに寄り、月曜の朝まで俺の部屋に閉じ込めていた。
他人行儀に『新堂さん』って呼び続けるから、俺の名前を呼ぶまではしっかりと攻め立てた。おかげで、月曜に理子の会社まで送っていく頃には名前で呼ぶようになっていた。
「じゃあな、理子」
「あ、はい。あの、行ってきます。送ってくれてありがとう、か、和樹さん」
歩いていくその後姿が哀れなほど与太っていたが、多少手加減はしたんだかなぁ…しばらくまた逢えないと思うと、ついやりすぎてしまったらしい。
まあ、いいさ。これでもう彼女は俺のものだ。ここまで身体に言うこと聞かせていたら、そう簡単に他の男になびきはしないだろう。それに…最初が俺でよかったというか可哀想というか、もうそこらの他の男じゃ満足できないだろうっていう自信もある。俺の後じゃな?これは自慢でもなんでもない。事実だから…
「さて、俺も仕事に行くか…」

こんなことがあるんだよな…滅多に参加しない合コンでたまたまであって、俺に捕まった理子。
これから先、合コンにでかけることなんてもうないだろう。だけど、こんな幸運な出会いをくれた偶然と合コンに感謝だった。
恋は思わぬところから舞い降りるもの。偶然も、出会ってしまえば必然になる。


来週末まで、俺、待てるのか??

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by kei kuishinbo

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