鈴音 |
「広瀬さん、ちょっといいかしら?」 |
尊晃 |
(あれは…僕の親衛隊の子じゃなかったか?廊下で何してるんだ?もしかして、聖那に何か余計なことを言うんじゃないだろうな?) |
聖那 |
「えっと、あなたは?」 |
鈴音 |
「三輪鈴音、2−Cよ。あなた、一条さんと付き合ってらっしゃるってほんとうなの?」 |
聖那 |
「えっと、まあ…そうなるのかな…」 |
鈴音 |
「一条さんからあたしたちにも説明がありましたけれどもね、あたし、納得できないわ!だって、あなたが本当に一条さんのこと好きにみえないんですもの!あたしのほうが…あたしのほうがずっと、ずっと、カレのことが好きだわ!だから、あなたのいやそうにしてるのが許せない…一条さんの気持ちを全然わかってないあなたが許せないのよ!」 |
聖那 |
「………三輪さん。」 |
尊晃 |
(まさか、聖那のヤツあっさりと認めたりしないだろうな?) |
聖那 |
「あの、ほ、ほんとはね…」 |
尊晃 |
「聖那!!そんなとこにいたの?探したんだよ…」 |
鈴音 |
「い、一条さんっ?!あの…」 |
聖那 |
「た、尊晃…さん、」 |
尊晃 |
「三輪さん、悪いけど僕の聖那をいじめないでやってくれる?」 |
聖那 |
「僕のって…あのさ、三輪さん…」 |
尊晃 |
「ごめんね、三輪さん。キミの気持ちは嬉しいけれども、聖那に対する気持ちは本気なんだ…」 |
鈴音 |
「わかってます…でも、この人が…」 |
尊晃 |
「それは僕たちの問題で、君には関係ない。」 |
鈴音 |
「すみません、あ、あたし…うっ!」 |
★ 走り去る音 |
尊晃 |
「聖那…今ばらそうとしてなかった?それって約束が違うよね?」 |
聖那 |
「だって!三輪さん本気で尊晃のこと好きなんだよ?あたしいいかえせなかった…だって、あたし…」 |
尊晃 |
「じゃあ、僕の気持ちはどうでもいいっていうの?まだ僕が、振りでこんなことしてると思ってるのかい?いくら僕だって好きでもない女に、演技でもキスしたりはしないよ。」 |
聖那 |
「え?……!!(ドン!)きゃっ…んっ」 |
尊晃 |
(僕は、廊下の壁に聖那を押し付けて、また…キスをした。) |
★ ばしっ!(効果音) |
尊晃 |
「僕が、君を嫌いだと、思ってた?」 |