月がほほえむから
〜番外編〜

君は僕のお日様だから


「宗佑さん、あの...」
押さえ込まれた時点で、焦りはじめる彼女。真っ赤になって可愛い...
「ん?覚悟出来てるんですよね?」
「はい、で、でも、あの...今から...ここで?」
「そうですよ。この間のホテルみたいに防音効いてませんからね、残念ですがあの可愛らしい声は我慢してくださいね。」
「は、はぁ...」
判ってないだろうけど、男って声にも反応してしまうモノなんだよね。その声を聞きたいのは山々だけど、壁の薄い日本家屋じゃヤバいことこの上ない。
ましてや日向子さんは初めてで...痛くないようになんて、無理だろうからやめればいいんだけれども、やめられないのが男の事情で...
証明しなきゃいけないから、彼女が僕のモノで、いつでもここに彼女の帰ってくる場所があるってことを...彼女の身体に、判らせるために。

「あっ...ん」
パジャマの前を開いた首筋にキスを落としただけで声が漏れる。
「大きな声は駄目ですよ?」
そう言うと、彼女は手の甲を自分の口に押し当てた。しばらくはそうして貰わないと、彼女の身体にキスできないから。
「だけど我慢できなかったら、僕にしがみつけばいいから...」
パジャマはすべて脱がせて、下着一枚だけになった彼女をぎゅっと抱きしめた後、その素肌にゆっくりと触れる。大きくない胸の先は冷気に触れすぐに敏感に尖り、指で摘むと小さな声を押し殺した。
前にホテルで執拗に攻めてしまった所...まだ下腹部は彼女が怖がるので、最後に触れる以外はずっと胸の先を攻めていた。輪郭をなめ回し、とがりを口に含み舌で転がした。何をされるか、覚えている分彼女の反応は以前よりも敏感で、待ちかまえてるようにさえ見えた。泣きそうに目元を潤ませた彼女は必死で声を殺し、嗚咽のように喉を鳴らして堪えていた。その手を滑らせ下着の上から彼女のスリットに指を這わせる。微かな湿りけが、以前の快感を思い出していることを示している。
「日向子さん、ここをこうされるのはいやですか?」
「い、嫌じゃないです...」
下着の上から何度も往復させる。湿り気が広がった後、彼女の敏感な蕾を軽く押さえると、身体を反らして軽く跳ねた。
下着をさっと抜き取り、脚をゆっくり押し広げると途端に緊張で膝をすり寄せる。
「大丈夫、怖くないから...」
「で、でも...やだ、そんなとこ...ひゃんっ」
少しだけ濡れはじめたそこにキスを送る。そしてゆっくりと舐めてほぐしていく。
「そ、宗佑さん...き、汚いです、そんなとこ...」
「ん?すごくキレイですけど、日向子さんのココ。」
舌と一緒に滑らせてた指をゆっくりと埋め込んでいく。
「ひゃあっ...そ、それ...」
「駄目ですよ、声が大きくなってますから...」
急いで口元を押さえる彼女が可愛くて、本当はもっと声が聞きたくて...
十分に彼女を濡らした後、そこから離れて背を向けて日向子さんの見えないところで自分の準備を済ませる。再び彼女に覆い被さり、耳元ので囁きながら、指で彼女の秘部を愛撫する。
「こうされると、気持ちよくないですか?」
耳元で囁くと、彼女は頭を振り両手を広げて僕にしがみついてきた。
「あっ...はぁ...いい、です...変な感じですけど...そ、宗佑さん...」
甘く掠れた声が僕の耳元に届く。その表情をのぞき込むと、声を押し殺していたために息が上がってしまったらしく、苦しげに肩で息をしながら、ぼうっとした表情で僕を見つめている。
いつもの子どものような表情の彼女ではない。
圭太と一緒に笑ってる彼女でもない。
自分の腕の中で花開こうとしている女性がいた。
僕は指をそっと引き抜き、彼女の頭を抱え込み、その髪を優しく梳きながらその額にまぶたに頬にキスを落とす。
「日向子さん...あなたが好きです。誰にも渡さない。僕だけの日向子さん...その可愛らしく掠れた声を誰にも聞かせたくない。その潤んだ目も誰にも見せたくない。もう僕から逃げられなくしてあげます。必ず、あなたが帰ってくる場所はここです。もう...あなたが嫌だといっても離しませんから...」
囁きと、キスを何度も繰り返す。唇を啄み、口中に攻め入り、彼女の身体を押し開く。
そうして、キスで彼女の悲鳴を飲み込みながら、僕は彼女の中に、身体の一部をゆっくりと埋め込んでいく。震える彼女に何度も好きと愛してるを繰り返し、体中を優しく撫でて、強く抱きしめ、一番奥まで、身体を押し進めた。
最後の引っかかりを打ち破ったあと、彼女が落ち着くまではひたすらゆっくりと待った。久々で初めての日向子さんの中はきつく締め付けてきて、さすがに耐えるのが辛かったけれども、涙をぼろぼろコボして痛みを堪える彼女を思えば、いつまででも待ってあげようと思った。
が...身体は言うことを聞いてはくれない。
「痛いですか?」
「は、はい...すっごく...」
「まだ、すごく痛い?」
「少し、楽に...なったと思います...」
まだ辛そうに眉を寄せてるくせに、必死で笑おうとしてる姿がいじらしかった。
僕は見かけ無表情で、あまり感情を表に出さない方なので、わかりにくいかもしれないが、今もすごく我慢はしている。優しくしてあげたいのに、それとは裏腹に攻め立てて泣かせてしまいたい衝動が込み上げてきて爆発しそうになる。
「ゆっくり、動くから...」
そっと身体を動かしはじめる。キツイ結合部の擦れに、快感が腰から脳天までこみ上げてくるのが判る。
「日向子...」
名を呼ぶと、彼女がきつく閉じた目を薄く開く。
「日向子...」
「そ、宗佑さん...っあ...」
僕にしがみつく以外に出来ないで居た彼女からそっと離れながら、繋がってる部分の上にある蕾に軽く触れる。
「ひゃっ...」
「イッテ、いいから...痛いだけじゃないこと、判るよね?」
擦るたびに締め付けがきつくなって辛いけど、間違いなく彼女は快感を覚えていた。男にとって最高の締め付けが始まる。
「やぁっ、んっっ...」
声が上がるので思わず左の手で塞ぐ。唇で塞いでやりたいけれども、そうすると右手が使えなくなるからね。右の手はそのまま愛撫をやめず、腰は...もう止まらなかった。
「うっ...くっ...ひ、日向子っ!」
「んぐっ...ひっ...ひっくっ...!!」
身体を反らし、僕自身を締め付け、身体を震わせて達する彼女に、イカされる...
もう、我慢なんて出来るものか!
のしかかり、今度は唇で彼女の悲鳴にも似た声を塞ぐと激しく腰を打ち付けた。
「あぁあ...っく」
彼女の中に、絶頂と共に想いのすべてを薄いゴム越しに注ぎ込む。

最後にぐったりと意識を手放そうとする彼女に、愛しているとキスで伝えた。


    

         

日向子の初体験、日向子側が無いのも何なんですが...男性の方々、このようなものでしょうか?(汗)
地下室の申し込みも男性が増えてきたような気がします。(笑)その場合、このような想像で書いてる心情がありえないとか思われないかどうかが心配です。
次回大大円最終話です。