400万アクセス記念キリリク〜ようこさん
不安と後悔と懺悔の日々
おまけの椎奈編
 
 
「ん...」
目が覚めたら、既にお昼を回っていた。身体はきれいにしてあったけど、意識を失う前は滅茶苦茶にされていた気がする。
身体を起こすとカレがあたしの中に注ぎ込んだ欲望の証が流れ出てくる。
夫婦だし、いつできても良いけれども、できれば仕事に復帰したしばらくは元気に働きたい。
「いやなのかな?あたしが仕事にでるのが...」
圭司は、あたしから仕事や、普通の結婚出産の機会を自分が奪ったとすごく気にしているようだった。だけどあたしは、あの時の選択を間違っているとは思ってはいない。自分で決めたことだし、愛されてなくても、愛華を産んで育てたいと思っていた。ずっと家族の温もりを知らず、飢えた子供のように女の人の温もりを求めていた圭司の子供だったから...
あたしの気持ちなんて、どうでもよかった。思って貰えるなんて、思いもしなかったし、カレの中では恋人よりも親友の方が最上級の愛情表現だったから。
それを辛いと思ってしまっただけ。
他の人に抱かれても平気だったら、あたしはずっと親友で居られたかも知れない。だけど、できなくて、切羽詰まって...その結果が妊娠だった。
圭司は悪くない。それはわかってた。あたしが発作なんか起こしたから、あたしが大丈夫って言ったら、信じる人だったから。
 
籍を入れて、夫婦として暮らすようになって、ううん、再会してからの圭司はまるで飢えや乾きを癒すかのようにあたしを抱き続ける。愛華のことも、いくら疲れて居ても面倒を見ようとする。仕事に戻りたいと言ったときも『おまえの大好きな仕事奪っちまったもんな』といって復帰を認めてくれた。愛華の事も、休みの時は面倒見るからと言ってくれている。
なのに休日はこの有様。
あたしをベットから出さない気だろうか?自分はさっさと愛華のお昼の離乳食を食べさせている。作り置きの冷凍の分を解凍させたみたいだった。
「ふう」
平日は愛華と二人、専業主婦をさせてもらっているから、土日ぐらい何をしなくても困りはしないけど、だからといって...愛華と3人で出掛けたりしてみたいのに。
「ねえ、圭司。あとで公園にでも散歩いかない?愛華も外で遊ばせてやりたいし。」
「ん?ああ、そうだな。愛華も食事終わったし、もう少ししたら...けどおまえ動けるのか?」
少しにやって笑うのが憎らしかった。そう言えばあたしが絶対に動けるって言うのがわかっていて言うのだから。
「大丈夫よ!用意するから、愛華連れてあっちいってて」
いくらなんでもこんな昼日中に素っ裸でベッドからでるところを子供や夫に見られるのは恥ずかしい。ただでさえその夫と言う物にまだ慣れてないし...
考えてみたら、あたしって愛華できるまで経験なくて、産んだ後も圭司に再会するまではまったくで、でも、こうやって籍入れてからは...すごくされてる気がする。身体も慣れては来たけど、圭司ったら最初のときもそうだけど、結構容赦ないのよね。自分が満足するまで離してくれないって言うか...思い出したら恥ずかしくなるような行為の数々を頭から振り切ってベッドから立ち上がった。
「きゃあ!」
立ち上がった瞬間、腰砕けて尻餅をついてしまった。
「だからいっただろ?動けるのかって。」
昨日の夜からかなり攻め立てたからなと笑う。
「...ひどい。動けなくなるまですること無いじゃない!」
あたしは圭司を睨み付ける。こういう時、お互い遠慮がない分はっきり物言いしてしまう。
「悪いな。先週椎奈がアレで出来なかった分させてもらっただけだ。我慢する気はなかったからな。なんなら休んでたらいいぞ。オレだけ連れて行ってくるから。」
それはだめ!!圭司ってある意味目立つんだから。他の奥さん方に妙に愛想振りまかれてもこまるし...
「近くの公園にいってくるからさ。」
「だめ、今日は車で出掛けようよ?大きな公園とか...」
「いいけど、大丈夫なのか?」
「そ、それまでには何とかする。」
 
 
来週からは休日も仕事。
仕事したいのもあるけど、ある意味、休日の圭司の魔の手から逃れるためだって言ったら、きっと怒るだろうな...
「椎奈、仕事はじめたらちゃんと俺たちの式の日取っておくんだぞ?藤枝と中上さんにも頼んでるからな。」
 
仕事はじめる条件にあたしたちの結婚式がいつの間にか組み込まれてるのに気がついたときにはもう遅かった。最初に予約していた日程は準備が出来ないという理由で断っていたのに...
仕事場にはちゃんとあたし達の結婚式の予定表が、新たに組まれていたから。
あたしに、仕事しながらその準備を、思ったようにさせようってつもりらしい。
あたしの仕事はブライダルコーディネーターだから。
 
「オレが平日有給取るからあんまり意味ないことするなよな、椎奈。」
 
それは現実になる。
 
 
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〜あとがき〜
リクエスと通りに書けたかどうか…久々の椎奈&圭司でした(汗)
椎名編を加筆して、満足して頂けたようなので、よかったです〜〜
やっぱ椎奈も書かなきゃですよね?

 

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