2014バレンタイン企画

2013クリスマスシリーズ番外編

 バレンタイン2014〜大地&麻衣〜

「大地、温泉にでも行かないか? ちょっと息抜きというか、リフレッシュしろ」
 年末、親父がいきなり家族で温泉へ行こうって言い出した。この年で家族旅行? それも温泉って……オレ、受験生なのに?? だけどこれってたぶん落ち込んでるオレを気分転換させるつもりなんだろうなって、気がついたから素直に付いて行くことにした。そうすると本宮さんとこの家族も一緒だったのには驚いた。本宮さんって親父の同期で仲がよくって、昔からよくうちに遊びにも来ていたらしい。あの社長さんもそうだけど、結構可愛がってもらったらしいのに小さい時のことは、あんまり覚えてなかったりするんだよな。だけど本宮さんは、子供ながらにもカッコイイ男の人だなって思った記憶がある。オレが幼いころに一度結婚してたらしいんだけど、そっちの方はあまり覚えてない。それまではよく遊びに来ていたのに急に来なくなって、また来始めたってことぐらい。今思えばあのあたりで離婚してたんだよな。再婚してからはまた見なくなっていたけど、一昨年のクリスマスパーティーぐらいからまた頻繁に顔を合わすようになっていた。
 本宮さん家族が来るってことは、奥さんの朱音さんも子どもの聖貴と愛音ちゃんも一緒だ。それで喜んだのはおふくろだろうな。うちは男ばっかりだから、こういうとこに来ても女一人で可愛そうだから。せっかくの温泉でも女湯でひとりだと淋しいと思う。ほんとは社長さんの奥さんの楓さんのほうが、おふくろも同期で仲がいいけど、あそこはまだ子供が小さいから温泉は無理だったんだろうな。
 やっぱ温泉って赤ちゃんが来るイメージはないよな。中には落ち着いて過ごしてもらえるためにって、お子様お断りの老舗の旅館もあるらしい。最もオレも子供の時はそういうところよりもテーマパークだとかの近くで、プールがあるようなところがよかった。社長さんとこはまだまだ当分それも無理そうな年齢だけど。それでもこの宿は社長の口利きで抑えてもらったらしい。なんか、すげえ落ち着ける温泉宿だった。
 そういえば、あの人のことは結構覚えてるんだよなぁ。大阪から帰ってくるお姉さんって感じで。とにかくこっちに帰ってくる度にいろんなおみやげを持ってきてくれるのが楽しみで楽しみでしょうがなかった。551の豚まんとか肉焼売、冷凍のたこ焼きは美味しかった。
 というわけで、男湯には俺たち家族3人と本宮さんと聖貴くんが並んで浸かっていた。
「聖貴、のぼせないように気をつけるんだぞ」
「うん! げんたにいちゃん、ぼくおみずがのみたい」
「しょうがないなぁ、じゃあ一緒に行ってやるよ。滑らないよう気をつけるんだぞ」
 弟のいない源太がお兄ちゃんぶって面倒みるのなんのって。まだ下の毛の生え揃わない同士で仲良くやってる。そりゃあいつもうっすらと生えてはいるけど、源太はちょっと成長が遅いからな。オレがあの年にはもうぼうぼう……っと。まあ、今日は大人組に入れてもらってオレもすこしは気分転換できてるかなと思う。受験の話とか、学生時代の話を親父と本宮さんが話しているのを聞くのはおもしろかった。本宮さんはW大の経済学部で、かなり頭がよかったらしい。大学時代は塾の講師やってたんだといってオレの勉強も合間に見てくれたんだよな。出題傾向の話もすげえわかりやすくって、なんか得した気分だった。
「ふう、温泉もいいもんだな。源太くんのおかげでゆっくり浸かれるし」
「これで雪でも降ってれば雪見酒と洒落込むのになぁ」
 親父はすぐに酒か? それにしても……親父は少々下っ腹もでてきてるけど、本宮さんの身体はなんかすげえな。筋肉質で肩幅広いけどムキムキじゃない。細マッチョよりもう少しがっしりしてる感じ。それになにより……ちらっと見たんだけどあっちのほうがすごいんだ。いや、男なら見ちまうって! そんでもって自信なくすよ。オレもそんなに小さくいほうじゃないと思うけど、なんかすっげえ長くて大きく感じた。通常でアレってことは……うわぁ、奥さん可愛そうっていうか、すげえんじゃないの?
「なんだ? こいつので吃驚してたら亮輔のなんて目向くぞ、なぁ?」
 社長さんはかなりのビッグマグナムらしい。うわぁ、リアル……でもってそんな話息子にするかな?
「なに照れてるんだよ。おまえも女知らないわけじゃないんだろ? カノジョいたじゃないか」
 って、バレてる? まあ、初めてはカノジョって言うより逆ナンしてきたお姉さんだったけど。付き合ったカノジョともヤッてたけどさ……なんか、そんなに好きでもないのに、エッチするために付き合ってるみたいで後ろめたかったのを覚えてる。オレの方も、もっと好きだったらそんなこともなかっただろうけど。だから誘われるままにナンパしたり合コン行ったりしていた。自分からはいあんまりいかないけど向こうから誘われたりすると、取り敢えず戴いてたって感じだ。
「なんで、わかるんだよ……」
 なんかそういうのを親に知られてるのって、居心地が悪い。
「おまえはオレに似すぎてるから……かな?」
「結構やんちゃしてたよな、羽山も」
 本宮さんにも言われてる。もしかしたら親父がオレぐらいの頃に悩んでたことって同じだったりするのかな? 恋愛とか、失恋とか……
「その代わり、瞳と出会ってからは一筋になっただろ? そういうおまえだって。それなのに見合いで惚れてもいない相手と結婚して……結局続かなかったけどな」
「おい、それを言うか? なんなら私の知ってる愚行を全部息子にばらしてもいいのか?」
「そ、それはやめてくれ。いくら昔の若気のいたりだとしても、息子の前では立派な父親でいたいんだからな」
 焦る親父がおかしくて……なんだかいつもより身近っていうかオレの親父なんだなって気がした。おふくろと出会う前は適当に遊んでたんだ。まあ、わからなくもないけど。
「大地くん、こうみえて君のお父さんはモテてたんだよ」
「へえ、ほんとうなの?」
 それは初耳だ。おふくろの話じゃすっげえアタックされたって聞いてる。入社したてで、指導担当だったらしいけど、あまりの強引さに有無を言わせてもらえなかったって。
「物腰が優しいから、いつのまにか私のまわりにいる女性をだね」
「本宮ぁ……おまえだって密かにモテてたくせに。社内だと後腐れるからって相手にしてなかっただけだろ? まあ、おまえも結婚する数年前から変わってたよな。それまでは適当に遊んでたくせに……あれって付き合うかなり前からだったよな?」
「ああ、その前から惚れてたからな」
 すこしだけ奥さんとの馴れ初めの話を聞いてしまった。他に好きな人がいるのを知っててずっと見守っていたんだって。自分はバツイチだからって遠慮して。そのことをあまり公表してなかったせいで、最初不倫だと勘違いした朱音さんが身を引こうとしてたって話。
 どこの夫婦にもロマンスがあるんだろうな。うちの両親にも……仲良すぎるのも見てて呆れるけど、やっぱ悪いよりイイ方がいいに決まってる。
「ふう、あっちぃ」
 大浴場から部屋に戻るまでに中庭があったので、すこし涼んでいくことにした。ガラス張りなのでそんなに寒くなかったから、ちょっと湯ざまし。かなりのぼせたし……なんか頭をスッキリさせたかった。親父と源太は聖貴くんつれて先に部屋へと戻っていったから、本宮さんとふたりだった。
「大地くん、飲むかい?」
 そう言って本宮さんが差し出してきたのはビールとコーラ。あの、オレまだ未成年なんですけど? 一応大人扱いしてくれてるのかな? それが少し嬉しかった。
「未成年なんで、一応コーラを」
 口にすると炭酸の喉ごしが気持ちいい。そのうち湯上がりのビールが美味しいって思うようになるんだろうな、親父みたいに。隣を見ると、本宮さんが美味しそうに喉を鳴らしてビールを飲んでいた。そんなとこまで様になるなんて、マジでカッコイイよなこの人。
「どう、少しは気分転換できたか? 元気がないって、お父さんが心配してたぞ」
 それじゃバレてるのかな、麻衣さんにフラれたこと。
「まあいろいろありまして……受験もあったけど、好きな子にフラれちゃって」
「彼女、可愛い子だったね」
 やっぱりね。バレバレですか……そりゃ1年間付き合ってなくても家族ぐるみで何度も出かけたりしてたからな。本宮家と一緒の時はこの人が運転手だったし、送り迎えだけしてもらって麻衣さんとオレのふたりで富野さんとこの美奈ちゃんと聖貴くんを連れて遊びに行ったこともあった。
「マジで惚れてたんですけどね……やっぱ相手にしてもらえませんでした。彼女に相応しい相手になりたくって、受験勉強もかなり頑張ったんですけど」
「へえ、きみは彼女のためだけに勉強してたのか?」
「そんなこと……無いです」
 うん、それは違う。確かに最初のきっかけはそうだった。やる気のスイッチが入ったのは彼女のおかげだ。だけどやればやるほど勉強する楽しみもわかってきて、成績もすごく伸びてうれしかった。やりがいがあるっていうか、オレでもやればこれだけ出来るんだって、自信ができた。
「一生懸命やって、結果がでるのって……いいですよね」
「ああそうだな。仕事でも学業も、なんでもそうだ。やった分だけ結果がでる。でなかったら思っていたほどやってなかったってことなんだ。やり方も大事だ。がむしゃらにやるのもいいけど、何をやるべきか要点を押さえることも必要だ。自分の欠点見据えて克服して長所を伸ばす。それと周りも自分も見えてないとな。今、ちょうどよく見えてるんじゃないか?」
 たしかに……やった分とやってない分、何をしなきゃいけないかやればやるほどわかってくる。落ち込んで何もしてないと余計に遅れを取るだけなんだってことも……今ココをやっとかないと本番まで間に合わない。だから、こんな旅行先にまで問題集持ってきたりしてるんだ。不安になって苛ついて周りの雰囲気を壊すほど子供でもないつもりだ。オレのために気を使ってくれてるのもわかっていたし。
「けど、もうちょい頑張らないと、オレが本当に行きたいとこには行けないんですよね」
「お父さんの母校目指してるんだってな。喜んでたぞ、受験するらしいって。オレの後輩になってくれるかもしれないって」
 なんだよ、親父。落ちたら恥ずかしいじゃんか。
「頑張るんだろ、まだまだ」
「……はい。今やらないとって思ってます」
 そうだ、失恋したからってこの1年の努力を台無しにするつもりはない。
「そのうち……もったいないことしたって思われるような男になってみせますよ。本宮さんや……親父みたいな」
 ちょっと恥ずかしくて声が小さくなる。
「喜ぶだろうな、それ聞いたら。うちの聖貴も大地くんみたに育ってくれると嬉しいよ。人の話をきちんと聞ける、自分に言い訳しない。それはとても大事なことなんだ」
「本宮さん……」
「今の君は十分イイ男だよ」
 そういってポンとオレの肩を叩くと、彼はそのまま中庭を出て行った。
 見上げると満点の星。冬の大三角が眩しいや。あれ教えてくれたのも親父だったっけ……
「受験、頑張るか」
 そう、今は頑張るしかないんだ。

 不思議なもんでそう吹っ切ると勉強への熱も戻り、再び集中できるようになってきた。時々携帯を見ては麻衣さんとのやりとりを思い出して寂しくなったけど……
<勉強頑張ってね!>
<遅くまで頑張りすぎて風邪引かないように>
 そう、あれからメールだけはくるんだ。どう返していいのかわからなかったから、一度も返信してないけれど。
 やっぱオレの受験の事すごく心配してくれてるんだ。そうだよな、この1年家族ぐるみで、友達として付き合ってきたんだ。この先彼氏として付き合わないからといっても、その関係には変わりはないって思ってるんだろうな。それじゃ、せめて受験だけでも頑張らないとカッコつかない。振られたから受験に失敗したなんて麻衣さんが知ったらきっと自分を責めるだろうし、そのために受験が終わるまでオレを傷つけないようにと気を使ってくれてるんだ。それには応えないとな。
 国公立は受けないけど、センター試験利用をするつもりだったから、該当科目だけは試験を受けた。それを皮切りに私大の受験は怒涛のごとく続く。政治経済学部や商学部狙いだ。本命はM大で試験日は2月14日、バレンタインの日だった。ま、関係ないけどな。学校にでも行ったら義理チョコとかおすそ分けでも貰えそうだけど、そんなに甘いモノが好きなわけでもない。洋酒が効いたビター系なら大歓迎だけど。
「大地、チョコ届いてるわよ」
「え? 誰から……あっ」
 受験から帰ってくると、母から手渡されたのは麻衣さんからのチョコらしき包みだった。箱の中に並べられたチョコは、明らかにコンビニで買ったやつじゃない……
「兄ちゃん、麻衣さんもチョコ作るの上手だよね。それって昨日聖貴んとこで教わって作ったんだって。こっちが聖貴ママ作で、こっちがうちの母ちゃん作だって。明らかに出来が違うよね」
 なんだ、本宮さんとこでみんなでチョコ作ってたのか……それで、麻衣さんからのも預かってきたと。義理チョコなのにぬか喜びするところだった。
「部屋で食うよ」
「えーこっちで食べ比べようよ」
「源太、馬鹿なこと言ってないで。お兄ちゃん疲れてるんだから休ませてあげなさいよ。まだしばらくは試験続くんだし。大地、夕飯で来たら呼んであげるから、それまで休んでらっしゃい」
 オレはおふくろの言葉に甘えてそうすることにした。チョコの食べ比べなんてやってられるか。いっその事忘れ去られてるほうが気が楽なのに……きちんと振らなかったのは、こうやって以前と同じように家族ぐるみで付き合いたかったんだろうな。それなら尚更断りにくかっただろう。麻衣さんに申し訳ないことしちゃったな。そう思いながら包を開ける。
「生チョコ、かな?」
 口に含むと苦味があって洋酒が効いていた。それでもって蕩けるように甘い。あーもう!!
「これじゃ嫌いになれないよ……麻衣さん」
 携帯には『試験お疲れ様。今日ぐらいゆっくり休んでね』って優しいメッセージ。返事なんて一度もしてないのに相変わらずメールだけは届いていた。
「とりあえず、あと2校。頑張らなきゃな」
 発表の前の翌日は卒業式だから、どこにも受かってないなんて格好悪いことは出来ない。そろそろ最初に受けた大学の発表もあるけど、そっちは余裕だけど本命はどうなるかわからない。

「よし、あった!」
 オレが受けた本命大学の合格発表は、インターネットでアクセスするとわかるようになっていた。もちろん明日か明後日には合格通知書と入学要項の封筒が送られてくるはずだ。
「さすが大地だな。おまえこの1年すっげえ頑張ってたもんな」
「ありがとよ、マサ」
 発表の日時を聞きつけたマサが部屋に遊びに来ていた。まあ、三軒隣のご近所さんだからメールがめんどくさくなったら突然来るんだけど。
「俺はそこまで頭よくねえから専門学校だけど。合コンやろうぜ、合コン」
 またそれか……タカもミキヤもあれ以来OLのお姉さん方と続いてるわけじゃないが、幼なじみや腐れ縁の同級生とうまくいったらしく、合コンの誘いをかけても集まらないらしい。
「俺にはもう大地しかいねえんだよ。頼んだからな!」
 結局あの麻衣さんが来てくれなかったイブの日、オレの愚痴に付き合ってくれたのはこいつだけだったしな……それ以降麻衣さんと会うこともなく、クリスマス、年末、正月、バレンタインは試験だったけど、男二人で過ごすしかなかった。それでも一人じゃないっていうのは、少しは慰めになるってもんだ。
「けどよ、見事にワンランク上のM大じゃんか! おまえほんとすごいよ! クリスマス過ぎた辺りはマジで大丈夫かってほど凹んでたけどよ」
「まあな。フラれたぐらいで道踏み外すほど馬鹿じゃねえよ」
 本当は……やばかったけど。ずっと麻衣さんの彼氏になるためとかって馬鹿な目標のために頑張ってきたから。本宮さんに面と向かって言われなかったら、切り替えられてなかったかもしれない。
 どうしよう、取り敢えず合格したってメールしておこうかな? 友人たちにはマサが張り切ってしてくれてるから、親父とそれから本宮さんと……麻衣さんにも。
<M大、合格しました。チョコ美味しかったです。ありがとう。>
 なんて書いていいか悩んだけど、色んな意味を込めてのありがとうで締めくくった。これからも家族ぐるみで顔を合わすことはあるだろうけど、もう今までのように接することは出来ない。
「なあ、早速合格祝いにでも繰り出すか?」
「バーカ。うちは夜、家族でお祝いなの。焼き肉だからおまえも食ってけって」
 同じ家の中にいたけど、おふくろにもさっきメールしたらそう返ってきてた。
「やったね! 今夜は焼肉かぁ。ラッキー!」
 マサはご近所さんなので時々こうやってうちで飯を食っていく。親が夜も遅くまで働いてて、あんまりたいしたもの食ってないっていうか、ひとりで食べることが多いと聞いたおふくろが、子供の時から食べてくように声をかけていた。だからこいつは遠慮なくうちに顔出してくるんだ。だけどオレがいない時は誘われても食べては行かない。あんまり甘えることは良くないって思ってるらしく、けじめは付けられる奴だ。だから、こうしてずっと付き合えるんだな。
「そうだ、明後日は卒業式だろ? 明日は予行演習だし、そのあと打ち上げやるって言ってたじゃないか」
 いつものメンバーで。クラスのはちょっとたるいから出る気はない。それに今、女に言い寄られてもなんか萎えるし。
「そっか、卒業式か……」
 マサがじーんと打ち震えていた。おそらく妄想に走ってるんだろうな。
「卒業式に告白とか、ないよなぁ……俺はないだろうけど、おまえとか直とかありそう」
「直は彼女持ちだろ?」
「だからさ! 『ずっと好きだったんです!』とかさ……おまえもフリーなんだから、いい子が告ってきたら喰っとけよ。そんでもって友達紹介して!」
 あいかわらずの貪欲さだ。こいつの彼女欲しいは病気だ。まあ、いまだにうちの中で童貞卒業してないのはこいつだけだしな。けど、このがっついてるのが避けられてる要因だって、本人気がついてないし。
「あ、返事来たんじゃね?」
 オレの携帯が鳴ってるのにマサがいち早く気がつく。
――――麻衣さんからだった。
<おめでとう!! よかったね!! あの、よかったら明日にでも会えませんか?>
 会うって……いまさら? 会ってどうするっていうんだ。そっか、オレが合格したから正式に引導わたしてくれるってか? まあいいや、そのほうがオレも踏ん切りが付く。
<明日は卒業式の予行演習で、明後日は卒業式です。その次の日でもいいですか?>
 約束は明々後日の午後1時、駅前で……イブにオレがドタキャンされたのと同じ場所と時間。今度は……だいじょうぶだよな?

「大地くん!」
 ああ、これもう幻じゃないだろうか? 少し早めに着いたオレが待つ場所まで、笑顔で手を振りながら駆け寄ってくる彼女の姿。可愛い……オフホワイトのボアのコート、黒の膝丈のスカートにブーツ。ふわふわしてて麻衣さんらしい。
「麻衣さん……」
「合格――――おめでとう!!」
 はあはあと息を切らせて、満面の笑顔でお祝いの言葉だ。
「ああ、ありがとう」
 嬉しいけどやっぱり複雑だな。なんか今日、何の為に来たのか目的を忘れてしまいそうだ。
 いや、彼女の目的はたぶん……こうやってオレにお祝いの言葉を告げることなんだ。それだけなんだと言い聞かせる。もう、余計な期待を抱かぬように。
「それで、あの……前に言ってた返事なんだけど」
 え? 今ココでソレを言うの? 駅前で、周りの視線がやたら集まってるこの中で? 会ってすぐに?
「あのさ、どこかでお茶でも……それとも公園なんてどう? 今日は天気もいいし」
 正直言って店に入るのは遠慮したいんだけどな。なんとなくわかるじゃん? あ、あの人今からフラられるんだなって。
「えっ……あ、うん」
「スタバで珈琲でも買っていこうか? 麻衣さんカフェモカ好きだよね?」
「……好き」
 あーもう、それ別の意味で聞きたかったな。なーんて、オレも往生際が悪いな。
「よし決まり! ついでにスコーンかマフィンでも買っていく?」
 無理を言って一緒に出かけて来たのはオレの方だ。彼女が言いにくいんならオレから言ってもいい……そんでもって、これからも今までどおりって言われると、まあ困るけどさ。オレだって大学に通い始めたらどうなるかわかんないんだし。
 大学に入ったら、か……講義受けて、バイトして、サークルにでも入るか? 合コン仕込んだらマサが喜ぶだろうしな。彼女でもできようもんなら、家族同士のお出かけにオレが付いて行くことはもうないだろう。
 てなわけで公園なんだけど、ふたりベンチに座って無言のまま……寒いよ。まあ、外だから仕方が無いけど、ここを選んだのはオレだし。
 食べてる間はふたり無言だった。だけど食べ終わってもまだ何も言い出さずに、ずっとカップを両手で持ったまま下を向いてる麻衣さん。言い出しにくいんなら、ここは男としてオレから切り出したほうがいいんだろうな。
「あのさ、気を使わせちゃってごめん。返事とか言ってたけど、もういいから。オレの受験が終わるまで待っててくれただけだろ? 無事合格したし、クリスマスの時点でダメだっていうのわかってたから気にしないで」
 そう、あの時約束の場所に現れず、時間を過ぎてから届いた断りのメール。あれでもうわかってたから。
「もう、こんなふうにふたりだけで一緒に出かけることはなくなるだろうけど、メールとか友達としてこれからも……って、えっ?? ま、麻衣さん?」
 どうして――――なんで泣いてるの、麻衣さん?
 オレの方を向いて目を見開いたまま、はらはらと溢れる涙。いや、泣きたいのはこっちなんだけど? クリスマスから覚悟してきたから、こうやって麻衣さんに迷惑かけないよう、笑って友達宣言出来るようになったのに? なんで、泣いてるの??
「ごめんなさい、わたし……」
「だから謝らなくていいんだ。俺が勝手に片思いしてただけなんだから」
「違うの! わたし……大地くんが好き」
 えっ……ええっ??? それって……どういうこと??
「いやちょっと待って、麻衣さん。オレのこと……好きって、マジで?」
「……うん」
 素直に頷く麻衣さんが可愛すぎるんですけど? それも半泣きの顔で。だめだ、マジすぐにでも手を出しそう。ぎゅって抱きしめたい! だけど待て、早合点するな。好きにもいろいろあるはずだ。
「友達として、だよね。それとも弟として?」
「違う……弟じゃない。友達でもないよ。最初はそうかなって思ったの。はじめて会った時から凄く話しやすかったし、一緒にいても怖くなかった」
 怖くなかったって、あれ? それってどういうことなのかな? 男の人が苦手というか慣れてないっていうのは聞いてたけど、怖いって……?
 麻衣さんはそのあと俯いて、じっとカフェモカの入ったカップを見つめていた。告白されてる感じじゃ、ないよねこれ。だけど麻衣さんが何か言おうとしてるのはわかる。必死でなにかオレに伝えようとしてるんだ。
「ほっぺにキスされた時も大丈夫だったから……おかしいなって思ったの。ぎゅって抱きしめられても平気だったから、もしかして大地くんとなら付き合えるのかなって。でもそれ以上のことされるって考えたら怖くなって。弟としてなら大丈夫かなって思って、1年間色んな所に一緒に行ってみたの……それでも不安な時は、朱音さんにお願いして一緒に出かけてもらったりしてたの」
「まって、麻衣さん……それは、どういうこと?」
「わたし……小学6年の時、塾の先生に……イタズラ……されて、たの」
 イタズラって……? 俯いたまま話す麻衣さんの手が微かに震えていた。
「優しい先生だったから……何をされてるのか、わかってなかった。でも、だんだん気持ち悪くなって、同じ塾の友達に相談したの。そしたら、先生がそんなコトするはずないって仲間はずれにされて。言ったことをその先生にバラされて……怒った先生に、塾の帰り……」
 その顔は真っ青だった。唇を震わせ、ガタガタと震えだす……
「麻衣さん! 言わなくていいよ! 辛いんなら、もうなにも言わなくていいから……」
 抱きしめてあげたい。痛烈にそう思ったけど、そんな彼女を抱きしめていいのかどうか、オレにはわからなかった。
「ダメ……言わなきゃ、ダメなの」
 麻衣さんはゆっくりと首を振り、大きく息を吸って、こんどは空を見上げて口を開いた。
「怖かった……色んなとこ触られて。そのことを言っちゃいけないって、脅されてた。男の人の……をさわるように言われたけど……でも、それだけは出来なかった」
 まだ小学生の麻衣さんになんてことさせるんだよ! 許せねえ、そいつ!! すげえ怒りがこみ上げてくる。
「ひでぇ……そいつ、ぶっ殺してやりたい」
「ありがとう、大地くん。大丈夫、うちの父が殴り倒してたから。その人塾の講師も辞めさせられて、警察にも訴えたから」
 それでも、だ。麻衣さんがふたりきりで出かけなかったのはそのせいだったんだ。俺だって男だから、ふたりでいれば手を出したかもしれない。ビクビクして可愛いと思ってたのは本当に怯えていたからだったんだ! どうして気が付かなかったんだ、オレ! いや、おかしいと思ったことは何度かあった。麻衣さんからは必要以上に触れてこなかったのは、それが理由だったんだね。
 あれ? だけどオレとは時々手を繋いだり……してたよね? もちろん、オレが手を差し出した時とか、だけど。
「そういうことがあって……その先生いなくなった時に、ファンだったその子たちにはわたしが誘惑してたんだって噂を立てられて。田舎だったからあっという間に広まって……結局わたしは中学から寮のある私立の女子校へ通うことになって実家を出たの。付属の大学もあったけど、このままじゃダメだって思って……大学は外部を受けたの。たまたま受かった短大が、おじさまの家と近かったから、下宿させてもらうことになったの。亮輔さんも家を出てたし、あの家は警備も厳重だったから、下手な寮やマンションより安全だろうって」
 確かに、それは言える。高い塀とか梯子持って行かなきゃ登れないほどだし、登ってもすぐに警備保証会社とかが飛んできそうだ。
「ずっと男の人が怖くて……慣れるのに時間がかかったりしてたの。小さい男の子は前から大丈夫だったんだけど、大地くんは子供って年齢でもないのに、最初から平気だなって思えて。どうしてか……わたしにもわからなかった」
 そこではじめて麻衣さんがオレの方を向いてくれた。
「だから、お返事も凄く曖昧になっちゃって……ごめんなさい。はっきりさせなきゃいけないこともわかってた。大地くんがそういう関係を望んでるかってことも……だけど、わたしにはまだその勇気がなかった。それならいっそこのままの関係でもいいのかなって。イブの日、それを伝えようと思ってたの。だけど……その前の日に、大地くんが女の人と居るところを見て――――凄く嫌だった。他の人と居てほしくないって思ったの。だけどそれをあの時いた友人たちに話したら、お説教されちゃったんだ。『あんたの場合はえっちしてもいいって思える相手ができるまで下手に付き合わない方がいい』って……付き合えばしてもいいって男は思うから、それがダメだったら最初から期待させないほうがいいって。イブに逢ったりしたら、絶対に誤解されるから、イブに逢うのは止めておきなさいって」
 たしかに……お友達さん、あってます。やっぱそう思っちゃうよな? 麻衣さんの話聞いてなかったら、マジでいけるとこまでやってた。
「本当に、悩んだのよ……大地くんが他の人と一緒にいるのは嫌だけど、自分だとやっぱり怖い……逢うんなら、えっちするぐらいの覚悟って言われても、そんなの到底出来っこないし。やっぱり、今のわたしにはそういうのはまだ無理かなって……あの日、待ち合わせの場所まで行ったの。時間が来てもどうしていいかわからなくて……無理って言うのも怖かったから。そのまま大地くんが他の女の人のところに行きそうで。悩んで、どうしていいかわからなくて、時間が過ぎていくのに。大地くん寒いのにずっと待ってるんだもの。怒って帰ったりしないんだもの!」
「だって、麻衣さんは理由もなく約束を破ったりしない人だから」
「……雪まで降りだしたのに、帰ろうともしないから。受験生なのに、ダメだよって。でも、直接会うのも怖かったの。このまま今のままの関係を続けて欲しいって言えなくて、それで諦めて他の人のところに行っちゃうのも怖かったの。どうしようかって、散々迷ったんだけど結局メールして……」
「ちゃんと言ってくれればよかったのに……そりゃ、オレもこの1年期待してたよ。そんでもってダメならしょうがないって。あの日、来なかったのはやっぱりクリスマスイブって大事な日をオレとはまだ過ごせないんだろうなって。彼氏じゃなく弟としてしか付き合えないんだろうなってわかってたよ。そんな……ダメな理由なんて知らなかったから。言ってくれたら、オレ、もっと待つよ? いや……麻衣さんが受け入れてくれるよう、ゆっくり頑張る」
 ゆっくり頑張るって変な言い方だけど、怖がらせないように、でも……このまま弟としてじゃなく、やっぱ彼氏として側にいたいから。麻衣さんのペースにあわせて、一緒に乗り越えていきたい。
「ほんとにいいの? 大地くんイブに逢えるって、楽しみにしてくれてのに……あんなメールで約束やぶっちゃったのに? 返事も聞けるって、大地くん楽しみにしてくれてたのに、そんなのまだ無理で……平気になるまで待っててなんて、言えなかった。そんなのいつになるかわからないのよ?」
「でも、大丈夫そうだって思ってくれてたんだよね? 手も繋げるし、ぎゅっとしても大丈夫なときもあったよね? ほっぺとかにキスしても、大丈夫だったし……だったら、これからゆっくりと進めていこうよ。平気になるまでオレ、待つよ。そのかわり、これからは……弟としてじゃなく、彼氏として側にいさせて欲しい」
「……はい」
 やった!! 麻衣さんが頷いてくれた!!
「ほんとにいい?」
「うん」
「あのさ……取り敢えず今、ぎゅってしていい?」
「えっ?」
「ごめん、オレもう嬉しくて……泣いちゃいそう」
「だ、大地くん??」
「一応男だから、泣き顔見られたくないのと、麻衣さんが好きで、ずっと大事にしたいから……でも、今までと違う関係になるために、抱きしめさせて」
「えっと……抱きしめるだけ?」
「そりゃ、キスとかしたいけど、ゆっくりやるよ。麻衣さんが怖いなら、来年のクリスマスまで待ってもいい。それ以上は……キツイけど」
「いいよ……」
「え?」
「キス……」
 思わずごくんって喉鳴らしちゃった。そっか、抱きしめるよりもいいってこと、かな? いきなり身体の密着とかダメっぽいよね。でも以前大丈夫ってことは、ゆっくりと……進めればいいんだよね?
「麻衣さん、手」
 オレが差し出した両手に手を重ねてくれた。俺はぎゅって握りしめる。
「怖くない?」
「うん」
 少し笑顔がまだ固いけど。
「目、怖かったら開けたままでいいから」
 オレはゆっくりと……麻衣さんのおでこにキスをした。
「まずはこっからでしょ? ゆっくり、やっていこ」
「……うん!」
 ああ、久々の麻衣さんの満面の笑顔だ。もう二度とオレに向けられることはないと思ってた。
 来年のクリスマスまでにどれだけ進められるかわからないけど、こうなったらイベント事に少しずつ課題をだして……進めていくっていうのもいい手かもしれない。
「ねえ、麻衣さん。これからさ……なにかイベントがあるごとに、一つずつ試していこうか?」
「試すって?」
「キスとか触れるとか……もちろん麻衣さんが嫌がったらやめるし、何をするか必ず言ってからするようにする」
 歯医者の治療だってそうだもんな。昔通ってた歯医者がそうだったんだけど、何も言わずにいきなり麻酔とか怖いじゃん? だけど、どう治療されるか説明されれば意外と怖くないもんだし。
「麻衣さんが怖い思いした分、どうやったらいいのかわからないけど……オレ、その辛い思いも怖い思いも全部塗り消してあげたい。オレとのこれからの想い出で」
「……大地くん、ありがとう……嬉しい」
「麻衣さん?」
 いきなり泣き出さないで。あなたの涙にオレは弱いんだから。
「オレ、麻衣さんの笑顔が好きなんだ。いっぱい、笑わせてあげたい。この1年よりももっと」
 そりゃ違う意味で鳴かせたいけど、それはまだ当分先だよな。プラトニックでもいい。麻衣さんがオレを受け入れてくれる日まで……待つよ。一緒に乗り越えられたらいい。そのためには、オレ、我慢するから!!
「麻衣さん、好きだよ。初めて会った日からずっと。この1年でもっともっと好きになった」
「わたしも……大地くんが好き。何も出来ないけど、大地くんの隣にいるのはわたしがいい……我儘だってわかってるけど」
「いいんだって。オレ達にはいっぱい時間があるさ」
 春には大学生だ。勉強とバイトと、その空いた時間の全てを使ってもいい。一緒にいて麻衣さんを知りたい、もっと心の奥まで……そして、守りたい。過去からも未来からも。彼女を苦しめるすべてのものから。
 そのためにはもっともっといい男に、大人の男にならなきゃいけない。本宮さんや……おやじのよな。
「これからもよろしく、麻衣さん」
 愛しいオレの彼女。
「よろしく、大地くん」
 オレ達は暫くの間、公園のベンチで手を握りして見つめ合っていた。抱きしめたい気持ちを必死で抑えながら……


〜俊貴〜

<麻衣さんと付き合うことになりました>

「へえ、やったな」
「どうしたの? 俊貴さん」
「大地くん、麻衣ちゃんと付き合うことになったんだって」
「えっ? 本当?? でも……どうしてあなたが知ってるの?」
 わたしも知らないのにと、朱音が首をかしげる。普通なら羽山のとこから情報が流れてくるだろうからな。だけど、今回は本人からの連絡だ。もしかしたら誰よりも先だったのかもしれない。
 わたしに連絡をして来たってことは、また何か相談に乗って欲しいことでもあるのだろうか? 親には相談しにくい、友達ではスキルがない、といったところか?
「男は男同士ってことさ」
 訝しがる朱音を引き寄せてこめかみにキスをする。少し不服そうな顔をする彼女に思わず笑みが溢れる。
「ほら、聖貴と愛音が呼んでる」
 今日は家族でおでかけだ。まだ寒いので、室内のアミューズメントパーク。
「また今度、大地くんと麻衣ちゃんも一緒にどこかに出かけるか?」
 大地くんがフラれたらしいと羽山のところから情報が来ていたのだろう。もう当分一緒に出かけることはないだろうと残念がっていたからな。
「いいわね! どこがいいかしら……源太くんも誘った方がいい?」
 おいおい、それじゃまた大人数になるぞ? 富野のとこも来ると言い出しかねない。まあ、それもいいか。今まで一緒に出かけていても、想い合ってることはわかっていたが、麻衣ちゃんの態度にも首をかしげる面もあった。怖がっている……それがどういう意味のものかはわからないけれど、大地くんとの関係が進むことを恐れているようだった。だったらもっと一緒にいて、慣れればいい。共にいることがあたりまえで、安心できるものだと実感できるまで。
「来年が楽しみだな」
 そう、来年のクリスマスまでには……少しは発展しているだろうから。大地くんならそれを見事にやってのけるだろう。
「もう来年の話?」
 愛音と手を繋いでクスクスと笑う妻。聖貴はもう手を繋いだりしない。手をズボンのポッケにいれて格好付けてる。可愛いもんだ。大地くんも、あのくらいの頃そうだったなと思い出す。
「子供は成長するもんなんだよな」
 いつのまにか、だ。聖貴だって愛音だっていつか……だけどその時も妻には変わらず側にいて欲しい。
「どうしたの? 神妙な顔して」
「いや、なんでもない。愛してるよ、朱音」
「なっ……もう、何を急に」
 真っ赤な顔をする妻が愛しい。公衆の面前で耳元に囁かれればやはり驚くか。
「ないしょばなしなの?」
 愛音がきょとんとした顔で聞いてくる。
「ああ、パパとママのな」
 愛音だっていつかそういう相手を見つける日が来るのだ……いかん、それを考えると一気に気が滅入る。
「よし、次はどれに行くんだ?」
「オレはあれ!」
「わたしはあっちの!」
 こういう時は男女チームがわかれる。まあ、当分は……ないだろうけどな。
 長年家族をやってれば色々あるのだろう。あの羽山のどっしりしたところは、やはり経験がモノをいうのか? まあ、いざとなればオレも相談するか、大地くんの父親に。
「パパ、早く早く!」
 聖貴にせがまれて走りだす。そうか、羽山はこれを10年前にやってたんだものな。オレも……もう少し鍛えておかないとヤバイか?
 明日からのトレーニングを増やそうと決意する。子供のためにも、もちろん妻を可愛がるためにもだ。

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ホワイトデーまでにと思っていたバレンタイン企画が送れてしまいましたがなんとか! 麻衣と大地のお話はまだまだこれからも続きます。まあいつになるやらな関係ですが、大地大丈夫かな、とか(笑)若いから色々やらかして欲しいなって思いながら見守ります。
 それではまたクリスマスシーズンに……あ、大地と麻衣はまたイベントに出没するかもですw