2009クリスマス企画

クリスマスは幸せ

 

2009.12.24
クリスマス・ハプニング

〜俊貴〜

 昨夜、いや今朝までしっかりと朱音の身体を堪能させてもらった。喘ぎ疲れた朱音は最後にはぐったりとしてしまって、ちょっと可哀想だったけれども。これでしばらくはこの声も聞けないとなると鳴かせずにはいられなかった。やはり子供達といると、どうしても声を殺してのセックスになってしまうので、今夜は色々と言わせたい言葉があったから。
「朱音……言うまでイカせてあげないよ?」
「やぁ……もう……ゆるしてぇ」
「だめだ、子供達がいない夜なんて滅多にないんだからな。最後まで言わせるよ?」
「んっ……ほしぃ……の、お願い……俊貴さん……」
「ナニが?言いなさい、朱音」
「あっ……んっんっ!」
 指で中の上壁を刺激すれば、飛ぶほどではないにしろ愛液を吹くのをしっている。さっきから、わたしの手首までをびっしょりと濡らしている。普段こんなことをすれば後が大変なので、軽く刺激してイカせる程度で済ませていたけれども、今夜は遠慮なくと、続けざまに刺激して、朱音の下半身はもう力なんかはいらないほどぐすぐずになっているはずだった。
「もぉ……お願い、苛めないで……俊貴さんのが欲しいの!指じゃいや……足りないの、お願い、早く……いっちゃうの……このままじゃまた……俊貴さんのがいいの、お願い!!」
 涙でぐちゃぐちゃになった顔で懇願する彼女を見てゾクゾクしてしまう。下半身の猛りも限界で、愛しい妻の涙を何度も唇ですくい取りながら優しく囁く。
「可愛よ、朱音。今すぐに全部あげたくなるよ。でも、覚悟しなさい。わたしももう……長くは我慢できそうにないからね?」
 自分を長く持たせるために、間のインターバルでかなり朱音の身体を苛めすぎたようだった。久しぶりだったので限界までと思ってやりすぎたかもしれないな。そして、可愛く鳴き啜る彼女を見ていて、結局限界まで追い込まれていたのは自分だと気付く。女は何度でもイケるし、上手くいかせてやればこうやってオーガニズムが続いたりするが、男性の射精機能なんて一晩に数回だ。自分でも長持ちさせながらでは多い方だと思うが、溜めてからのほうが気持ちいいことも知っている。本当に気持ちよすぎる時は、腰が抜けるほど射精が続き最後の一滴まで搾り取られてしまうのだ。一度目はバスルームで、二度目はベッドでまったりと……そして三度目は明け方。朱音を狂うほど求めるようにし向け、今繋がろうとしている。すぐに限界が来るだろう事もわかっていた。
「俊貴さん、早く……いやっ、焦らさないでぇ……もう、我慢できないのぉ!」
「朱音っ!」
 ずんと、奥まで一気に飲み込ませ、そこからは自分も狂ったように腰を使った。
「あぁぁっん!いっ……もっ、だめ……ひっんっ!」
 彼女の中がきゅんきゅんと吸い付いてくるような気さえする。朱音の腰は小刻みに震えているし、背中を大きく反らしてわたしの腰に絡みついた脚も震えている。
「あか……ねっ」
 最後の力を振り絞って、うねるその中をぐいぐいと突き上げた。
「やぁああ!だめ、イッてるの、これ以上無理、死んじゃう!」
「朱音、愛してる……」
「やぁああああああ!……ひっ」
 信じられないほど大きな声をあげた彼女が最後にひっと一息吸い込んだ後、ビクビクと身体を震わせたまま意識を失ってしまった。
 最高のタイミングで彼女の最後の絶頂に合わせて想いを遂げたわたしは、そのまま一緒に深い眠りに落ちてしまいそうになった。さすがにそのまま眠れないので、しばらくは彼女の余韻を楽しんだあと、ゆっくりと緩んできた彼女の身体に合わせてそっと自分自身を引き抜き、そのまま朱音を抱きしめたまま眠った。

〜朱音〜


 目が覚めると、お昼前だった。朝、俊貴さんがいってきますと言ってわたしにキスを落として出掛けたのはうっすらと記憶に残っている。自分がシャワーを浴びたついでに、わたしの身体を拭き清めて着替えさせてくれたのも……
「やだ、もうこんな時間」
 11時回っていたので急いで起きあがり、贅沢だけどお風呂を用意した。でないと切り替えられそうになかったから……身体のどこもかしこもに、彼が残した余韻が残り、敏感な部分が擦れるたびに甘い快感に再び捕らわれそうになってしまうから。
 バスルームから出ると、電話が鳴っていた。
「もしもし」
『朱音さん、おはようございます。大丈夫ですか?』
 麻里さんからだったけど、思わず大丈夫じゃないと言いそうになった。
『わかってますから無理しないでくださいね。課長からもメールで午後からにしてやってくださいって連絡もらってますから』
 もう、そんな気を回さなくてもいいのに!!
「だ、大丈夫よ」
『そうですか?それだったら車回しますから、買い物にいきませんか?子供達、近所のオバチャンズに構ってもらってご機嫌なんですよ。だからたまには女二人でクリスマスの街をショッピングーなんてどうですか?』
「そうなの?いいわね……子供抜きのショッピングなんて久しぶりだわ」
『でしょ?義母達にまかせていきましょうよ!お昼軽く済ませてまっててくださいね。こっちはお昼済ませたんで、あと30分もしたらそちらに行きますから』
「わ、わかったわ。準備して待ってます」
 そうは言ったモノの、食欲なんてあまりない。甘いカフェオレと、シュガーバタートーストを作ってなんとか食べた後、急いで化粧して着替えた。子供もいないからお洒落しようかと思ったけれども、寒そうだったのでジーンズにタートルのセーター、ブーツを履いた。ダウンコートを手にしてマンションの下に降りた頃、ちょうど麻里さんの運転する車がエントランス前の駐車場に着いたところだった。
「急がせてごめんなさいね。でも……かなりお疲れみたいだけれども、大丈夫ですか?」
「え、ええ……まあ」
「無理しないでくださいね。勝さんからメール来てましたけれども、課長さんも平気な振りしてますが、かなりお疲れみたいですよ?」
 そうだよね、俊貴さんだってまともに寝てないはず……
「今日は午後から外回りらしいですけどね」
 心配だな……大丈夫かしら?いくら元気でも、わたしよりも年上なのに……今年で、と数えるのは止めておこう。
「朱音さん、課長への誕生日プレゼントは?用意してるんですか?」
「ええ、一応」
 去年と同じで申し訳ないけれども、ちょうど去年のクリスマスプレゼントのオリジナル香水がなくなりかけていたので、同じ調合のものを再注文して、先週のうちに届いているのでそちらは心配なかった。
「麻里さんは?」
「実はまだなんですよ……選ぶの手伝ってもらっていいですか?」
 わたしと勝は長年の友達付き合いで、それこそ彼の好みならよく知ってる方だと思う。だからこそお願いしてきたのだろう。数年前、別れるつもりでいたのに、こうやってわたしたちを真似るように愛情の確認を続け始めた二人は、互いに思いやることや、大事にすることは決して大げさにしても悪いことではないと学んだようだった、不平不満を口にして、お互いの至らなさを責め合っても何も生まれてこない。相手を責めれば責めるほど、自分がどんどん愚かな存在に成り果ててしまうのだ。本当に離したくない存在だと気付いたら、素直に愛してると口に出すこと、大切だと態度で示すことは、決して無駄なことではないのだから。

「あれなら勝さん喜んでくれそうですね」
 結局麻里さんは二人で遊べるゲームソフトと、ネクタイピンを用意した。
「価値のあるモノより実質的なものを好むからね。ゲームソフトなんていい考えじゃない?この間も楽しそうだったわよ、二人」
「そうですか?すぐにムキになるからなぁ、うちは……あっ!」
 その時、麻里さんの視線が固まったので、思わず振り向いてその先を見てしまった。
「俊貴さん?」
 勝の情報によると、外回りに出ているはずの彼が、綺麗な女性に腕を引かれて、宝飾店へ入っていくのが見えた。
「ま、まさかね……」
 そうつぶやきながらも彼女の手は携帯のキーを素早く叩いている。彼女たち世代のメールを打つ速度は、わたしのそれに比べると雲泥の差で、わたしの目は、その間じっとその店の方に向けられていた。
 中ではその女性が指輪を手にしては嬉しそうに何か彼に話しかけているのがわかる。
「あ、勝さんからメール……彼女は、課長の同期の女性で、秋の人事異動で支店から本社に帰ってきたんだって。その……課長さんと昔付き合ってったって噂が……」
 伺うように告げてくる麻里さんの声には気遣いが見られる。俊貴さんには前科というか、2年前も昔付き合っていた女性の子供が熱を出したのを面倒見たりして、散々浮気したかどうかと気を持たされたことがある。また?それとも……
 ううん、もう二度とあんな想いはしたくない。そしてさせないと彼が約束してくれた。今はわたしだけだと、何度も言ってくれた。きっと何かの用事か、理由があっての事だと信じよう。俊貴さんがいくらモテたとしても、わたしだけだと、あんなに何度も何度も身体に教え込まれたのだから……
「今は違うと思う。だって俊貴さんは……わたしを裏切ったりしないから」
「でも、あれじゃ……」
「ううん、それでも信じる」
「朱音さん……」
「さ、こっちも買い物済ませて帰りましょう?子供達が待ってるから、なにかお菓子でも買って帰りましょうか?」
「そう、ですね。うん、そうだ!信じなきゃね。勝さんとは違うし?ケーキでも買って帰りましょ!わたしたちの分もね?」
 今夜は彼も勝も遅くなるって聞いてたので、富野の家で晩ご飯とお風呂をお世話になることになっていた。子供達には昨日のうちにお互いの子供にプレゼントを贈り合っているし、サンタさんのプレゼントは翌朝ツリーの下に置くことになっている。
 わたしたちは彼のいる店に背を向け、美味しいと評判のケーキ屋さんへ向かった。

 大丈夫、信じている。
 だから早く帰ってきて?
 子供達が起きている間は賑やかでも、寝静まったあとのリビングにツリーのイルミネーションは、一人で見るには寂しすぎた。
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クリスマスイブですw 今夜はみなさんどんな夜を過ごされるのでしょうか?
よく考えたら、冬休みですね〜世間は(汗)
 さて、またまた波乱?いえいえ、朱音は落ち着こうとしてますが……ちょっと寂しいラストの分、明日で挽回してもらいましょう!ではでは、皆様よいクリスマスを〜〜♪明日も引き続きお楽しみくださいませm(__)m