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先生とあたし

11.解放

シーツの上に落とされた。
先生の視線があたしに向けられてるのがすごく恥ずかしい。さっきまでバスルームでされてたことを思い起こすと、見られるぐらいって思うかも知れないけれども、また違う恥ずかしさで身の置き所に困る。
「綺麗だな、依里子は、本当に。」
巻いていたバスタオルはベットに降ろされる時に奪われていた。先生はまだ腰にバスタオルまいてるなんてズルイ...
「先生...あの...」
ちょっぴり不安。何も身につけずにシーツの上にいるって、すごく不安。お風呂場とはまた違う、晒されてるというか、逃げられないというか...
今まで下着まで脱いでしまったことはなかった。だけどさっきバスルームで全部見られたし、あ、あんなとこも触られたり、舐められたり...
「そんな顔をしないでくれ、嫌なのかと思ってしまうだろう?」
「い、いやじゃないです!でも...」
「ん?」
「あの、先生も一緒に気持ちよくなる方法はないんですか?」
「は?」
「だから、あたしだけ気持ちよくなるんじゃなくて、先生も...」
先生があたしに触れ始めると、すごく気持ちよくて、だんだん自分が何を言ってるかもわからなくなってしまうから、だから今のうちに聞いておきたかった。
いつもなら先生が一人でシャワー浴びて、それでお終いなんだよね?だけど、さっき一緒にお風呂に入ってた時、先生の硬いモノが何度もあたしに触れたんだよ?湯船の中で、直接あたしにあたったりして...だから、知らない振りはこれ以上出来ないもの。あたしが何も身につけてないのが恥ずかしいように、先生だって全部見せるのは恥ずかしいはず...だから、教えて欲しい。あたしがどうすればいいのかを...
「いや、私はいいんだ...」
「よくないです!だっていつもあたしだけその...気持ちよくされて...先生は?あたしも先生に気持ちよくなって欲しいんです!」
「充分気持ちいいよ。依里子が喜んでるところ、感じてるところを見てるだけで、それだけでも十分すぎるほどなんだ。」
「ほんとに?」
「ああ」
「じゃあ、先生も全部脱いでください。」
あたしは先生の腰のバスタオルを指さした。
「やめておきなさい。依里子には無理だよ、まだ...」
「どう無理なんですか?」
「じゃあ、コレを触れるか?」
そういってバスタオルの上を指さした。下から盛り上がるように押し上げられたソコは、やっぱり目を背けたくなるほど、その形を示していた。
「さ、触れます!」
あたしがそう答えると先生がちょっと目を見開いて驚いていた。
まさかそう答えるなんて思ってなかったんだと思う。予定外だったのかな?先生はいつも予定通りに事を進めようとする。大人だからなのかも知れないけど、いあたしはいつだって先生にほんろうされるばかりな気がするから、そんな先生の表情が見れたのが嬉しかった。
「本当に?」
先生があたしから身体を離すと自分のタオルに手をかけてはらりと落とした。
「ひっ!」
想像以上のその形状のグロテスクさに思わず息を呑んだ。だって見たこと無かったもの。うちは女ばかりだし、父親は単身赴任が多くって小さい頃一緒にお風呂に入った覚えもあまりない。だからほんとにはじめて見る...
「ほら、まだ無理なんだから...」
「そ、そんなことないですっ!」
あたしが手を伸ばそうとしたら、その手を先生に捕らわれた。両の手を一つ重ねにして頭の上でシーツに縫いつけられた。
「悪いね、私はされるよりスル方が好きなんだ。」
少しだけ意地悪に笑う先生の顔。やだ、どきっとした...
「そんな、あたしだって、んっん...」
唇を塞がれ、あたしの素肌に先生の肌が重なる。
男の人って体温高いんだろうか?やけに触れあった部分が暖かくって、熱くって...
先生のもう一方の手があたしの頬を優しく撫でてくれてるのがわかる。
「ん、んっ...」
ゆっくりと落ちていく手のひら。
あたしの身体を確かめるかのように這い続ける。
見つけた実を捕らえると執拗に攻め立て、あたしは泣きそうになるほど感じさせられて、触れて欲しい場所には触れてくれなくて、切なくて...
何度か、先生の手でイカされたことを身体が覚えてる。
「ふぐっ、んっ...」
既に捕らわれていた手は解放されている。だけどもう力が入らなくて、そのままされるがままだった。このまま、またイカされちゃうのかな?ひとりで...
「先生、先生も...ひとりじゃイヤ、先生...」
あたしは必死で手を伸ばした。
「依里子?」
「教えてください...どうしたらいいんですか?あたし先生と一緒がいい、先生と一つになりたい...」
先生の顔が大きく歪んだ。辛そうな、とても悲しそうな顔で...
「それは、だめだ。」
「なぜ?あたしはいいのに...こんなの寂しすぎます。あたしじゃダメなんですか?身体を重ねることを先生は教えてくれるのに、繋がることは、なぜいけないの?」
「意地、かな?」
「意地?」
「ああ、結衣子と同じに扱いたくない、もっと大切にする証だよ。どれほど辛い想いをしても、苦しくても、依里子を本当の意味で手に入れたいから。卒業するまで手を出す気もなかったんだが、最初に触れてしまったのがいけなかったんだ。あの記憶がある限り、私はおまえを欲しがってしまう。あの時、ちゃんと自分を押さえていれば、卒業するまで依里子に触れずに我慢出来たものを...こんなところに連れ込んで、私は...」
先生は脅えた表情であたしから離れようとしていた。
「イヤ!離れたくないんです、あたしは先生が...好きです。先生のモノになりたいんです。だけど、先生が卒業までと仰るなら、あたしも一緒に待ちます。でも、それまでは今まで通り、いいえ、もっとあたしに触れてください。不安になってあたしがどこにも行けないほど、いっぱい触れて...」
「依里子...いいのか?」
「その代わり、あたしも先生に触れたい...」
いつの間にか溢れていたあたしの涙を先生の指が拭っていく。
「わかったよ、依里子も私に触れてくれ。」
そういいながら先生はあたしを離さなかった。頬に触れるその指が唇に滑り、親指がゆっくりと輪郭をなぞり、人差し指が閉じた唇をノックする。
「まだ無理かな...」
「え?」
「いや、見なくていいから触れるか?」
ちゅっと唇に軽くキスをした後、先生はあたしの手を下の方へ導いていった。その先にあるのは先生の硬くて熱いモノ...あたしは勇気を出してそれに触れた。
「きゃっ...」
まるで生きてる見たいにぴくりと動くソレにあたしは一瞬怯んだ。急いで先生の顔を見ると少し苦笑い。
「だ、大丈夫です。」
「じゃあ、ゆっくり握ってみて...そう、それからこうやって扱いて。」
恐る恐る握ったソレに先生の手が添えられて動かし方を教えられる。ぎこちないあたしの動きにもソレは反応してるようですごく驚いてしまった。
「き、気持ちいいですか?」
「ああ、依里子にしてもらってるっていうだけでイキそうになるよ。無理ならいつやめてもいいから...」
「が、頑張りますから!」
「本当に?こうされても頑張れるかな?」
いきなり先生の指が、再びあたしの身体の奥にのびてきた。
「ひぃんっ、せ、先生、ヤダ、出来なくなっちゃう...あっ、んっ」
いきなり敏感な芽を弄られて、あたしは悲鳴に近い声を上げる。
「一緒にイクんだろう?」
優しく耳元に囁かれ、あたしは先生を握りしめながらそのまま昇りつめる。
「ああっ!!」
「うっ、依、里子...っ」
なま暖かいモノがあたしの手とお腹に伝わってくるのを薄れる意識のなかで感じた。


「先生?」
「ああ、悪いな、その、すぐキレイにするから...」
意識が薄れそうになる最後の瞬間、先生があたしの手に添えて、強く動かした。
切なげな先生の顔、声が、ゆっくりとあたしに重なって、力の抜けた表情に変わっていくのを見て、あたしはすごく嬉しいっていうか、安心したような気がした。
あんな表情の先生はじめて見たんだもの。
「先生も、その...」
「ああ、イッタよ。依里子の手でね。」
「嬉しい。」
暖かいタオルで身体を拭った後、ベッドに戻ってきた先生はあたしを優しく抱きしめてくれた。
「ありがとう、依里子。」
「そんな、あたしは...」
「卒業するまで待ってて、迎えに行くから。」
「先生?それって...」
「ああ、高校卒業まで待てても、大学卒業まで待てないのは私の方だ。身体を結びつけるだけでなく心を結びつける方がずっと難しいよ。依里子はそれを簡単にやり遂げてしまう。おまえが居ないとダメになるのはたぶん私の方だ。だから、もう放したくない。たとえこのまま一生身体を繋ぐことが出来ないとしても、それでも、もう依里子しか居ないと言えるよ。おまえには他にいろんな可能性も出会いもあるだろうけれども...すまない、私は手放すつもりはない。」
「放さないで、ずっと...」

それからしばらく眠ってしまったと思う。目が覚めると先生の腕の中で、もう夕方だから帰ろうと言われたけど離れたくなくて...
もう少し一緒に居たいとおねだりしたわたしだった。

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