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 室井1 Side

いやーおもしろい。
クールでモテる、営業腕利きNo.1の沢田勇史が女一人にわたわたしてる...
同期だった勇史は、上の覚えもよろしく、おまけに女の覚えもよろしくで営業成績を上げていく。もともと切れる男だったが、あの顔を営業に使われちゃ落ちない企業はないと言われるほどだ。
まあ、俺だってNo.2、この類い希なる処世術でチャンスを確実にモノにする。それは営業でも女でも、だ。
互いに意識してる分、勇史とは良いライバル、親友ともいえる存在だった。

その勇史が入社したばかりのお嬢さんの新人教育係になった時、初めてヤツから女を口説いてるところを見た。
そして見事撃沈。箱入り娘と名高い冴島美雪は一筋縄ではいかないお嬢様らしいという噂は程なく聞こえてきた。
そのあまりに擦れていない可愛らしさに彼氏候補が乱立した。
だが、あのNo.1の沢井勇史を振った女だ。そう易々となびかない。いや、気がついてないと言った方が確かかも知れないと思えだした。
その冴島を守るように盾になってる女、三井渚。
これまた正反対の女だった。
遊び人、男好き、色んな噂はほどよく出ていたけれども、仕事はきっちりこなすし、あの冴島の親友を名乗る女だ。
冴島に近づく男を落として楽しんでるようだが、所詮は理想が冴島とあれば遊びで終わるのが必須。しっかり三井の方から切ってるみたいだが、その手際の良さには脱帽した。
さばさばした性格、抱き心地の良さそうなボディ、体力もありそうで、なかなか楽しみだったけれども、俺は手を出さずにいた。何の繋がりもなく、いきなり誘っても身体だけの関係で終わりそうだったからな。
だけどその視線がどっち向いてるかもすぐに判った。
三井は勇史を見ていたんだ。
勝ち目ねえーよな?勇史相手じゃ俺なんか範疇外になる。だから時が来るのを待っていた。

勇史は冴島を諦めたのか、秘書課の女傑とつきあい始めた。あの女は重役の一人と関係があると噂される女で、見ていればよくわかる。たがいにカモフラージュのようだった。
それでも噂はあっという間で、その後余計に冴島の勇史に対する態度は頑なになる。
俺のターゲットは三井渚だ。
「なあ、三井。おまえスキーコンパ参加だったよな?女性陣とか参加やたら少ないんだ。誰か集めてくれないか?」
ようやく出来た接点にかこつけて呼び出して話しかける。女に壁を作らせるような真似はしたことがないのが自慢だ。すんなり懐に潜り込む算段だった。
「じゃあ冴島深雪なんてどうですか?」
しっかりと、おいしい餌を用意してくれた。それは勇史用だったけどな。
そのおかげでやつは参加を決め、俺と三井相手に冴島とふたりきりにしろと無理を言ってきた。
おもしれー本気だぞ、勇史のヤツ!
マジで落としにかかる気だ。コレで落ちなかったら、慰めの飲み会開いてやるさ。
だけど、こっちも...参戦だ。

あーすげーよかった...
俺も相当遊んできてる方だったけど、これは、またおいしい。
自分から責めに来て、墓穴掘ってやがる。黙って俺にイカされていればそれで済ませてやったのに。
ひょうきんさと、仕事が出来るのアイテムで、さほど二枚目じゃない俺がなぜココまでモテるのかは、はっきり言ってテクだ。女は奉仕される喜びで何度も昇天してくれるから俺もおもしろがるけど、最後は女が撃沈してイキそびれたり、こっちが不完全燃焼だったりする。
どっかにいないかなと思ってた。タフで、いいカラダしてて、感じやすく、責めてこれるほどの元気者。
居たじゃん、すぐ側に、ってか、予測通り。

ツアーの最中、バーで飲んだ後部屋に誘ったら素直についてきた。
遊び慣れてるから、取りあえず寝てみようと思ったんだろう。普通に寝かさないつもりだったけど、ここまでとは...
完全遊びでしか寝ないタイプの女を演じてるんだ。
本当は、結構純情で、冴島みたいにただ一人の人を待ってる癖に。自分が本気になられるタイプじゃないと思いこんで、遊びで済ませる振りして傷つかないよう自己防衛している。
可愛いヤツだ。
ちょっと俺に似てるか?そういうとこ...けど、俺だってそろそろ本気の相手を手に入れたい。
負けん気を出すつもりじゃないが、勇史だけにイイ思いさせるのはいやだったからな。

だから一応俺から告ったぞ?
まあ、やった後からだけど...
「俺はおまえ見てたから」
ってな。
「おまえの方が結構脆いだろ?男に対してはやたら自信持ってる癖に本気にされてるだとか思ってないし、女友達も意外と少ないしな。」
そう言うと、ドンぴしゃだったらしく、一気に顔を真っ青にして慌てふためいていた。
「冴島と沢田のことで一生懸命になってるおまえが可愛かったよ。」
俺の本音。可愛かったんだ。突っ張ってるコイツが。
「本気だから、さっきもかなり頑張ったんですけどねぇ?渚をいかせるのに必死になりすぎて、こっちがまだ満足してなくて。」
煙草をもみ消してもう一度覆い被さる。
「はい??」
お、焦った顔がまた、そそるね。自分のペースじゃなきゃ落ち着かないんだろうな。さっきも散々喘がせたし、イカセ捲ったし。
「今度は俺が満足するやり方でいい?」
そう、俺のペースをもうちょっと味わってもらおう。っていうか、すでにはまってるよ、このカラダに。
「いや!無理だから、室井さん。わたし、既にバテてますし、」
「まあ、もうちょっと持つでしょ?」
「だから、む...んっ」
唇を塞いで、いきなり中に入り込む。
「すぐで申し訳ないけど、」
「んっあっあぁぁ...」
んーいいキツさ。ヒクヒクさせちゃって、感じてるのがモロ判り。
「ちょっと、鳴いてもらうね?少々じゃ壊れないでしょ、探してたんだよね、俺で壊れない丈夫な彼女。」
もう何を言ってるのか判らない状態の彼女に耳打ちする。
「俺を彼氏にするんなら、すぐにへたってもらっちゃ困るんだよねぇ」
そう言った後、彼女が笑いかけてくる。
「な...んっ、じゃあ、こっちも...」
根本から順番に締められちゃタマラナイ。思わず暴発しそうになるのを堪えて奥にぶち込んでやった。
「さ、すが...じゃあ、遠慮無く?」
「きゃぁあ!!!」
その後は、容赦なんかしてやるもんか、悲鳴あげ続ける渚を壊しにかかったから。

二度とオレ様に逆らえないように、な?


それからつきあい始めたと思っているが、どうもいまいち距離感を感じる。
なんかありゃすぐにカラダを重ねちまうふたりだから、肝心な台詞を忘れていたみたいだった。
あっという間に親へ挨拶に言って婚約まで取り付けた勇史に比べるとのんびりした俺たちだ。

俺ペースだったのに。
なのに、あいつの方から責めて来やがった。

「ねえ、あたしのこと好きなの?」

起き抜けにそう聞かれて、違うなんて応えられるか?

「え?」
「どうなの?」
おい、鼻を摘むな、鼻を!!
「そう言うおまえはどうなんだよ?」
「うっ...」
逃げるな馬鹿、俺は...とっくに本気だ。
「俺は惚れてるぞ?このおいしいカラダも、にくたらしい性格も、ひっくるめて渚に惚れてる。これから先、渚を抱いていたい。」
「...へっ?」
まさか俺がこんなに素直に告るとは思わなかったらしい。
「で、おまえは?」
「わ、わたしは...」
「ん?どうした、応えられるまでこうしてやろうか?」
俺は渚の濡れそぼった入り口に宛い、中途半端な形で挿入する。
「やぁ...っん」
「どうしてほしい?」
「い、挿れて...根本まで、室井さんの...」
「そんなに欲しいのか?じゃあ答えは、おまえの...」
「んっ...好、き...室井さんのが、好きなの!」
おいおい、俺のこれだけかよ?
「コレさえあればいいのか?ん?」
「や、室井さん...修造さんが...イイノ」
根本まで差し込むと、ヒクヒクと締め付ける。
それが答えか?
「好きだ、渚。おまえは一生オレのもんだ!」

その後、散々泣かせすぎて、一生って言ったオレのなけなしの告白が快感のために忘却の彼方に押しやられたのは言うまでもない。

しょうがない、今度食事に誘って、そこで給料何ヶ月分の指輪でも渡すとするか。
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素材:FINON