〜1000万+1 キリリク<スーツ>・彩さんへ〜

たぶんそう思う...
17

成人式の前に……

『槇ちゃん、お願いがあるんだけれども……』
いきなり彼氏の母親から電話が掛かってくると焦ってしまう。もっとも、長年のお隣さんで子供の頃から知られちゃってるんだけれども……
「お願いってなんですか?操さん」
『将志ね、来年成人式でしょ?スーツを買ってやりたいんだけど、自分で買わせるの怖くてねえ……まだあの子の年代ではどんなスーツがいいかなんてわからないでしょ?わたしが帰って一緒に選んでやればいいんだけれども、正月じゃ遅すぎるし……貞明さん年末まで忙しくて帰れそうにないし……どうせ正月帰るから新幹線代もったいなくて。だって、旅費を回せばワンランク上のスーツが買えるじゃない?』
「はあ、そうですね……」
『入学式用に買ったけど、あれはトラッド系のブレザーっぽいのだったし、出来れば今度のは結婚式とかでも着て行けそうなカッコイイのを選んでやりたいのよ。だから、槇ちゃん、おねがい!一緒に選んでやってくれない?』
「わたしがですか??」
『槇ちゃんだったら社会人だし、スーツの良さとかわかるでしょ?』
「それは、まあ……」
『槇ちゃんには今まで色々と仕込んできたつもりだし、元々いいセンスしてるじゃない?お金はカード払いにするよう言ってるから。一式よろしくね!』
と、頼まれてしまった。
まーくんのスーツをわたしが選ぶのか……なんかいいかも?
この間の執事服とか、かちっとしたスーツも似合いそうだものね。

「まーくん、操さんから電話あったんだけど、今週末でいい?ちょうどセールとか色々やってるし」
「うん、スーツでしょ?ごめんね、おふくろいきなり頼んじゃったみたいで。一人でも買えるのにさ……でも、選んで欲しいのは槇乃さんだから、ほっといてもちゃんと自分で頼むのにさ」
「親心じゃないの?」
「そうかもだけど……新幹線代ケチるなんてあの人らしいわ」
確かに操さんらしいというか……でもなんだか嬉しいような悲しいような。だってあの電話一本で、彼女としてではなく、お隣のお姉さんとして選ばなきゃいけなくなったんだもの。なんかちょっとプレッシャーだ。

週末、二人して色々回ってみた。大型店は安いけど、意外とまーくんみたいな体型にあうスーツが少ない。まーくんて細身に見えるけど意外と筋肉質だし、肩幅も広くて手足も長いから……いっそのことと、若者がよく行くブランドやショップも覗いてみた。
「あ、これいいかも……」
セレクトショップ系で、女性店員が彼ならもしかしてコレが合うかも?といって持ってきてくれたスーツ。
「このブランドって着る人選んじゃうんですよ。どっちかっていうと外人体型よりも細身なので……日本人向けの体型でもないし、外人向けの体型でもないんです、これ」
でも、似合う……ぴたっとしてて、でもラインがむちむちしてない。時々細身過ぎるパンツの新社会人とかいるけど、似合っても細すぎて頼りなく見えちゃうから。
「すごく合ってるみたい……ラインとか引きつりないし、袖も直さなくてよさそう」
「サッカーか野球されてます?太股とか結構張ってらっしゃるから。でも、このスーツはウエスト絞ってありますけど、太股とかそんなに細くないんですよ。スラックスのライン綺麗でしょ?これ、スリーピースだから、パンツとベストの時に綺麗なラインが出るようデザインされてるんです。コレが似合う人なかなかいませんよ」
そんな風に言われて悪い気はしない。
「どう?まーくん」
「なんか着てて背筋伸びる感じ?でもキツくない、楽だよ」
「身体に合ってるスーツってそうなんですよ。他よりちょっとお高いですけど、有名ブランドみたいに凄い値段なわけじゃないですから、そういう意味ではお買い得ですよ」
確かに、周りがスーツだらけだと、ほんとセンスとか、いいスーツっていうのは自ずからわかってしまう。
「これにする?まーくん」
「槇乃さんがいいって思ってくれるなら、オレはこれがいいな」
にっこり笑うまーくんにほれぼれしてしまった。って、店員さんも??
「あ、あの、じゃあ、こちらで、裾だけお直ししますね。シャツとかはこちらのプレーンなモノも合いますが、ドレスシャツも合いますよ、ただし……」
「ホストみたいになりそう?」
「はい、っと、いいえ……アイドルのようですよね、どちらかというと」
「そ、そうかな??」
まーくん、焦らない。アイドル顔なのは昔からでしょ。
「それじゃ、こっちのシャツと、ネクタイは……」
まーくんそっちのけで、店員さんと二人で選びまくってしまった。



「槇乃さん、ちょっと来て」
金曜日の会社帰り、まーくんから呼び出された。いつもはバイトなのに休んだのだそうだ。
「なに?まーくん」
玄関開けると、そこにいたのは、仕上がったばかりのスーツを着たまーくんだった。
「おふくろがさ、買ったスーツ着てシャメにして送って来いって煩いんだ。悪いけど、撮ってくれる?」
うわーうわーかっこいい!ここまですらっと着こなしてるの、うちの会社にもなかなかいないわよ?もしかして、まーくん安物スーツ着てもいいスーツに見えるんじゃない?
「と、撮るね……」
数ショット携帯カメラに納めて、送信っと!

「ねえ、槇乃さん」
「ん?」
ついでに自分のケータイに写真を赤外線で送ってると真上にまーくんの気配。
「これさ、脱がなきゃいけないんだけど……脱がしたくない?」
スーツを指さしてにやりと笑うまーくん。
ぬ、脱がしたい!!っていうか、脱がしていいの?だって成人式用だから……
「汚せないからさ、外に着ていけないけど、それはまた成人式のあとのお楽しみで。今日はスーツ選んでもらったお礼に、好きにしていいよ、オレのこと」
「そんなこと……言っていいのかな?まーくん」
わたしはにっこりと微笑んでみせる。ここのところ連敗してはいるものの、無条件でそんなこと言って、敵うと思ってるのかな?このわたしに。
「じゃあ、ゆっくりとおよばれしようかな?」


もちろん普通に脱がしたりしない。ゆっくりと乱れさせて、半脱ぎにさせたり、色んなポーズとらせての写真撮影。そこらのアイドルのグラビア写真より色っぽいんじゃないかと思うほどの出来映えよ。触れるか触れないきわどいポーズでまたがってワイシャツを脱がしていく。少し脱がしては写真に撮ってを繰り返す。
「オレだけ?ずるいなぁ……槇乃さんも一緒に脱いでよ」
せがむまーくんのリクエストに応えて、わたしも自分の衣服を乱していく。その格好でポーズ付けたり写真撮ったりは結構刺激的だったらしく……
「どうしてこんな風になってるのかなぁ?」
「意地悪だね、槇乃さん」
この間の執事姿のまーくんのほうがよっぽど意地悪だったと思うけど。下半身はしっかりその気のまーくん。
「スーツの下はこんなになっちゃってるんだ?」
「そうだよ、槇乃さんがそんな格好見せるから……」
伸ばしてくる手をポンと叩く。周りを見回して、まーくんがスーツを着る前に着ていたカーゴパンツのベルトを手にする。
「なに?槇乃さん?」
「ふふふ……」
まーくんの手を後ろ手でベルトで縛ってあげたの。その合間にスーツとか全部ちゃんとハンガーに掛けておいた。
「槇乃さん、これは酷いよ……触れないじゃない?」
「いいのよ、今日はわたしが全部してあげる」
「槇乃……」
ごくりとまーくんが生唾を飲み込む音が聞こえるようだった。わたしの煽り文句にまーくんも昂奮しちゃって、触れたそうにするまーくんの目の前にブラを付けただけの胸を見せつける。
「槇乃さんも……こうして欲しいんでしょ?」
まーくんは器用にブラの紐を口でずらしてわたしの双方の胸の頂を目の前にしてむしゃぶりついてくる。
「やぁん」
腕が自由にならないまーくんは執拗に舌と唇と歯を使って責め立ててくる。早くわたしを落として自分を自由にさせるつもりなんだろうけれども、そうは問屋が卸さない。
「だめよ、それ以上したら。ほら、ここ……触ってあげないわよ?」
ボクサーパンツを押し上げるまーくんの若い猛りにふっと息を吹きかける。
「くっ……」
そして、その声の反応を楽しみながら下着越しに舌を這わせて……
「ま、きの……さん、お願い、直接……」
半泣きの声でそう訴えさせるまで10分もかからなかった。


「あっ、槇乃さん……あぁ、なんで止めちゃうの?やだよ、お願い……いかせて」
まーくんもノリノリなのか、演技なのか本気なのかわからない調子で、可愛くおねだりしてくる。たぶん年上の男じゃこうはいかないと思う。散々子供の頃から泣かせてきたからこそ出来る技かもしれない。
「槇乃さぁ……ん」
うわぁ、ゾクゾクしちゃう。男の子泣かせるのって……イイ!
「言って、どうして欲しいの?」
「もう……イキそ……槇乃さんの中で、イキたい……入らせて?」
あん、もう可愛い!!
「そんなに入りたい?」
「決まってるだろ!焦らさないでよ……槇乃さん」
わたしも十分その気で、彼の上で腰を動かしている。滑り具合でわたしがもう我慢できないぐらい濡れてるのもわかってるはずで……
「槇乃さんも、欲しいでしょ……オレの」
「欲しいよぉ……将志……」
「槇乃……ああっ!」
そっと宛った瞬間強引にまーくんが突き上げてきた。
「ああっん!だめぇ……ひっ……ん」
凄い勢いで突き上げてくる。ダメ、こんなんじゃすぐにイカされちゃう。
「でも、止まんないよ……槇乃、さん……オレ、もう……」
「まって、我慢して……中は……ダメ」
安全日に近いけど、流されたら後が大変だから、きちんと避妊具をまーくんにかぶせる。ほんとは最初から付けなくちゃいけないんだけど、さっきのはもう、どっちも我慢できなくて……って今もだけれども。
「槇乃さん、早く……オレ、もう……ダメかも」
泣きそうな声についかわいそうになってしまう。
「お願い、外して……腕……槇乃さんのこと、ちゃんと抱きしめたいよ」
「だめ……まだ」
ゆっくりともう一度繋がる。上から見下ろす形で、身動きできないまーくんを好きにするって、結構いいかも?
「あっ……くっ、そんなに、しないで、ああっ!だめ、お願い……槇乃さん、外して、でないとオレ、ああっ!」
ドクンと、跳ね上がるまーくんの腰、ちょっと締めて擦りすぎたかな??
「もう……まーくんたら。もっと我慢しなきゃ?」
イタズラっぽく笑ってまーくんの上からおりようとするけれども……あれ?萎えてない?
「槇乃さん……はずして、腕……」
「あ、ごめん」
急いで身体を起こしてまーくんの背中に手を回してベルトを外し、腕を自由にした途端……
「きゃぁああっ!」
押し倒されて、目に入ったのは天井とまーくんのにやにや笑い。
「よくも、我慢させてくれたね?倍返しさせてもらうから……ね?」
「やっ……んんっ!!」
やだこんな凄い格好!深いの……凄く深くて……
「ごめん、このままもう一回ね?」
「やぁ!ダメって……はぁぐっ!!」
わたしの弱いところを的確に突き上げて、そして……敏感な蕾を指で潰された。
「こうされると……もうダメでしょ?槇乃さん」
息を荒らし、激しく腰を突き上げながらまーくんがそう問いかけてくるけど、もう答えられない。
「はぁぁん……だめ、また……いっちゃう!」
ビクビクと膣内が痙攣し、そして……最後の瞬間ぎゅうってまーくんに抱きしめられて、世界が終わった。


しばらくは、壁に掛かったままのスーツを見るとその夜を思い出し、将志をもう一度縛ってみたいが、報復が怖くて出来ない槇乃がいた。
成人式の後は、スーツをぐしゃぐしゃにして絡み合う二人がいたのは言うまでもない。

          

1001万のキリリクゲットされた彩さんからリク、「スーツのまーくん」でした。ちょうど去年の今時分スーツ選び大変でした……(涙)経験は何でも生かす!で、楽しく書かせていただきました。
キリリクでまーくんが続くと言うことは、意外と人気あるんですね、この二人(笑)気楽に書けるので、わたしも嬉しかったです♪