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「目、あけて」
 
耳元で甲斐くんの声。また彼の指が潜ってかき回している。
びちゃびちゃと音を立てて、言い訳できないソコをゆっくりとなぞっているその指を引き抜いて、わたしにみせた。
 
「ほら、委員長のココ、もうぐちょぐちょ」
 
見せられても、そんなもの恥ずかしくて直視出来ない。
 
「怖い?けど、ココはオレが欲しいって言ってる。なあ、欲しいって思ってろよ。そしたら、痛いのは最初だけで、あとは気持ちよくなるから」
 
欲しい?……よく判らないけど、確かに身体は欲しがってるみたい。
本能?……それとも、わたしの女の性なのだろうか?わたしからは嫌悪感のカケラも溢れてこない。
目の前の彼は酷く魅力的な顔立ちで、はっきり言って好みのタイプだろう。普通に付き合う相手とかには絶対になりそうにもない相手で、一生こういうタイプの人とは接点があるとはおもえなかった。なのに……優れた遺伝子を持った彼をわたしの子宮が欲しがってるのかな?それとも、こんなわたしでも抱こうとしてくれてることが嬉しいんだろうか?誰にも必要とされたことがない自分なのに……
宛われた異物感に腰が引ける。だけど逃げられないように足腰を固定されて、彼のモノがゆっくり入り込もうとしてくる。途中まではするっと入った気がしたけれども、その先は……
 
「んぐぅ!!やっ、痛っ!!」
 
激痛だった。どんな痛みか今まで想像できなかったけど、引き裂かれるような痛みって、コレ?やだ、生理痛の痛みとは全然違うじゃない!!
 
「息しろ、力抜いて、」
「やっ、痛いっ、痛いの!」
「っあ、悪いな、オレも処女はじめてなんだ……加減はするけど、ごめん、ちょっと、オレのデカいし……ごめんな」
 
そんな……慣れてるんじゃなかったの??暴れるのをやめたけど、裂けそうなほどそこはひきつれて痛い。
だけど、その手は優しくわたしの頬や首筋をなでて、胸を揉んだりその先をつまんだり、快感を与えようとさまよう。
 
「ここまで来てやめられない。そうだろ?委員長だって……」
 
痛みを忘れさせるように、優しいキスが降りてきて、また口中を犯し始めた。それに応えるわたしの舌。
そうだ、ここでやめられない。わたしにたぶん次はない。
コレだけの痛みを味わっておいて、ここで終わってしまったらわたしの経験悲しすぎる。だって、本当に次なんてわたしにはありえないから、こうなったら思い切るしかなかった。
ココまで許したわたしに、もはや後悔なんてものは許されない。
 
「な、委員長……船橋、名前なんて言うんだっけ?下の名前」
 
何でそんなこと聞くんだろう?
 
「し、志奈子……っあ」
「志奈子、か……」
「ひっ!!」
 
オウム返しにそう呼んだ後、甲斐くんの唇がわたしの悲鳴を飲み込んだ。
ズン!
一気に奥まで入ってきた気がした。
 
「いっ……んっ!!」
 
わたしは呼吸出来なくて、体中に力を入れてしまっていた。
 
「志奈子、きつい、緩めて……」
 
何を?わかんなくてわたしは喘ぐ。
 
「やっ、はっ」
「志奈子、息吐いて、そう、キツイのも気持ちいいけど、こっちが持たなくなる」
「あっ、あっ……」
 
ゆっくり動き出す甲斐くんの腰。さっきの男子生徒みたいにいきなり激しく攻めない、本当にゆっくりした動きだった。でもそれすら今は大きな刺激になって感じるほど、自分の中が甲斐くんのモノを実感していた。
彼は腰をゆっくり回したり、奥をずんって突いてみたりを繰り返しながら、だんだんと動きを激しくしていった。
 
「あっ、あん……ひっ」
 
なんか声が出てしまうところがあって、ソコをえぐられると、勝手に変な声が出てしまう。
 
「くっ……イイ、志奈子の中、すげ、いい……」
 
甲斐くんの腰の動きはどんどん速くなる。さっきの子なんて比じゃない。激しい動きになると、さっきの子はすぐに「うっ」て言って止まってしまったのに、甲斐くんは全然止まらない。
 
「やぁあ、壊れ、る……やだ……っ」
「まだ……痛い、志奈子?」
「い、痛いけど……やぁ、変、変……」
 
さっきの子はなんていってたっけ?
 
「イキそう?」
「ん……わかんない、わかんない、けど……やぁっ!」
 
手を伸ばすと掴んでくれた。
 
「オレは、もうイキそ……っ、くう……」
 
涙で滲んだ目をうっすら開けると、切なげな甲斐くんの顔が見えた。色っぽくて綺麗で、胸が痛くなるほど、たまらなく切なく思えた。
今このときだけでも、こんなに求められている幸せ……快感だけでも幸せに感じてしまうなんて、わたしは馬鹿だ。
愚かで淫乱な女……
 
「あっ、やぁぁあ!!」
「志奈子、も……っぁあぁぁ!!」
「あぁ……っん!!」
 
甲斐くんの吐き出す律動を感じて、わたしの身体はまた喜んで、声をあげてその快感に震えていた。
 
 
「大丈夫か?」
「ん、ご、め……動け、ない……」
 
手も足も痺れている。いつの間にか後の処理を済ませた甲斐くんはわたしに服を着せて、わたしの身体を引き起こして腕の中に納めた。動けないわたしはされるがまま。
 
「委員長、おまえ脱いだらすごいんですじゃなくて、抱いたらすごい、だな」
 
んー意味がわからない。って言うか、頭働かない。
 
「まだ余韻でだめか?」
「んー」
 
そっと腕に包まれたまま身体をさすられる。しばらくすると感覚が戻ってくるのがわかる。
えっちのあとって、こんな風になっちゃうんだ……気持ちいいけど、身体がもたない。
 
「も、大丈夫だから……」
 
無理して自分で座ろうと、甲斐くんの身体から抜け出る。下着を着けて、制服を整える。それから棚の眼鏡の横に、ご丁寧に置いてあった三つ編みのゴムを手にとって、わたしは自分の髪を手で梳いた後、ゆるく三つ編みにしてまとめた。それから眼鏡を顔に戻すと、委員長船橋志奈子のできあがりだ。


「あのさ、今日のことなんだけど……」
 
来た。
話しつけたいんだよね?わかってる。
一度抱いただけで彼女気取りなんてしないし、そんな自信もあり得ない。早く消したいだろうわたしとの関係を、即刻忘れて黙っててくれていたらそれでいいって思えた。
まあ、こんなゲテモノ好きともいえるような相手を抱いたことは、多分誰にも言わないだろうし、そんな人じゃないだろうって、不思議とそう思えてた。
 
「気にしないで。お互いえらいもの見ちゃったわよね」
「委員長?」
「たまたま、だったんだから……気にすることないわ」
「いいのか、それで?」
「だって、女にも性欲はあるのよ。えっちしたくなったからしただけだし、それがたまたま初めてで、相手が甲斐くんだっただけだから……気にしないで。甲斐くんもそうでしょう?あんなの見て、したくなったから目の前のわたしを抱いただけでしょ?カノジョいるだろうに申し訳ないコトしたわね。」
「それは……」
 
当たってることだから反論出来ないのはわかってる。わかってて抱かれたんだから。
 
「受験勉強のいいストレス発散になったわ。一生こんなことするつもりもなかったけど、いい経験になったわ」
 
他にいい言葉が浮かんでこなかったから、まあいいか。一生の思い出なんていうと重いしね。
 
「ふうん、委員長は、そうなんだ。ま、オレも気持ちよかったから、いいけど……」
 
「わたしは他に経験がなかったから比べようがないけど、わたしも気持ちよかったわ。抱かれるのは……好きみたい。最初だから痛かったけど、後は気持ちよかったし……でも、最初がコレじゃまるで淫乱みたいだねわたし。多分甲斐くんにはばれてると思うけど」
 
そう自分で言って泣きそうになる。一番認めたくなかった自分だった。だけど、もう認めるしかないから、あとは黙って貰えることが全てだった。
 
「でも、早めに捨てられて良かったと思う。バージンなんて……邪魔なだけだから、ほんとありがとね」
 
ありがとうに、思いを込めてみた。わたしみたいなのを、あんなに優しく抱いてくれて、ありがとう。一生、あり得ない思い出になったと思う。
お礼を言われるとは思っていなかったのか、甲斐くんはなにかじっと考えているようだった。
 
「後、今日のことはさっさと忘れて。わたしも忘れるから、誰にも言わないでね。甲斐くんも困るだろうけど、お互い受験の時に内申落としたくないでしょ?」
「コレで終わりってこと?」
「そうよ」
「ふーん、バレたら困るんだ?」
「え?」
 
今度はわたしが驚く番だった。
 
「また、いいか?オレとこんな関係になったって、バラされたくなかったら……」
 
その言葉が信じられなかった。バレるって?反対じゃないの??甲斐くんがバレたら困るんでしょう??人の弱みにつけ込んでどうこうする人には見えなかったのに。
 
「なに……わたし脅したってしょうがないわよ。それこそ、甲斐くんの評判落ちるわよ、カノジョだっているんでしょ?」
 
わたしは笑って見せたけど、少しだけ怖くなった。
 
「んーなんかな、身体も相性いいみたいだし、これっきりってもったいないなって。委員長だったら面倒くさいのなしでいいんだろ?」
 
うそ、ちょっと待って、コレっきりじゃないの??待って、落ち着いて、そんなことあり得ないから。きっと一回きりでポイしたらなにか恨みそうに見えるんだろうか?
 
「もう、ほかにいい女いくらでもいるでしょう?」
「おまえ抱くの、好きみたいだから」
 
わたしを、抱くの、好き?
えっちがいいとか言われるより、その言葉がやけに嬉しかった。
だけどソコで喜んでいられない。こんな関係続くわけがないし、続けられても困る。今平気な顔してるので精一杯なのだから……。
でも、ま、すぐ飽きるかな?誰とも長続きしないって聞くし、身体だけの関係の女の人もたくさんいるだろうし。
 
「そりゃ、わたしも、気持ちよかったけど……やめておいた方がいいわ」
「そんなこと言っていいの?その感じやすくて、処女なのにイッちゃうような淫乱な身体、持て余すんじゃない?一生恋も結婚もしないなら余計にさ」
「そ、そんなこと……ない……」
 
彼の口から出た<淫乱>という言葉に一瞬脅えてしまった。
一番嫌なわたし……嫌いな身体。
 
「その気になったら、言ってよ。いつでも相手するからさ」
 
そんな扱いされるとは思ってなかったけれども、当たり前かも知れない。
ただのクラスメイトと、他人のエッチシーン見て興奮してやっちゃったんだから、淫乱と言われても言い逃れは出来ない。だけど、これっきりだって、思ってたから、出来たのに……
 
「そうね、その時はお願いするわ。身体だけの関係ってことで」
 
無理矢理笑顔を作って笑ってみた。どんなつもりかは知らないけど、わたしみたいなのに再び手を出すなんてあり得ないだろうと思ったら、笑えた。
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