HOMETOPNEXTBACK

51

社会人編

〜志奈子・3〜

日高先生と付き合ってるって事は、あっという間に広まっていた。彼も否定しないし、頻繁にわたしを送ってくれたりするから。
平日は忙しいから、週末に出掛けたりした。二人で出かけるのは緊張するけれども、仕事も同じだから話すことも山ほどあって……身体を繋げなくても、こうやって男の人と一緒にいることが楽しくてしょうがなかった。
本当にいい人なんだ……当たり前のように両親の揃った家庭で育って、休日の楽しみ方も、家族という物も知っている。彼が与えてくれる暖かさにはまだ慣れないけれども、あれほど望んだ理想の家族ってものに手が届くような気がした。
「じゃあ、お先に失礼します」
仕事が一区切り着いたので、わたしは帰り支度を始して立ちあがった。
「えっ?送るよ。ちょっと待って、すぐに用意するから」
日高先生は、まだ済んでなさそうな成績表の資料を急いで片付けようとしていた。
「無理しないでください。先生、部活で時間無いんですから」
「まあ……そうだけど」
「それじゃ先に帰ります。頑張って週末までに仕事片付けておいてくださいね」
小さな声でそう言って職員室を出た。

校門を出ようとした時、その先に見覚えのある人影を見つけてしまった……
――――なぜ?
それはここには居ないはずの……
「……甲斐、くん」
足が止まる。だけど周りの女子生徒達は、相変わらずきれいな顔をした彼の方に釘付けになっていた。スーツ姿もよく似合ってる。髪型も以前みたいに流行じゃなくて、もう少し落ち着いてるのにちっともダサく見えなくて……相変わらず甲斐くんは甲斐くんに見えた。
「久しぶり……」
声が掛かっても返事も出来ない。ゆっくりと近付いて来るけど動けない。気持ちはとうに反対向いて日高先生のいる職員室に向かって逃げ出してるのに、視線は張り付いたように甲斐くんから離れない。身体が自然と前に向かって歩み出してしまいそうだった。あの胸の中に飛び込めたら……これが迎えに着てくれたのだったらどんなに良かっただろうか?だけど、わたしには日高先生がいるし、甲斐くんにも……氷室さんがいる。
「怖がらないで……」
優しい声の甲斐くんは、出張でこっちに来ているのだと言った。逢って話したかったって……何を今更話すんだろう?
「お茶でもどうかな?」
お茶?本当に話をしに来ただけなの?まさか……わざわざ氷室さんとの結婚を報告しに来たの?彼女は甲斐くんの会社の社長令嬢だものね。わたしとの関係を言わないようにって、釘差しに来たのだろうか?それとも……結婚しちゃうからその前にケジメ付けに来たとか?
違うよね、そんなのはとっくについているはずだもの。
周りの視線がわたしと甲斐くんの関係を咎めているようにみえた。生徒達からすれば、わたしはには日高先生がいるのだから、こうやって他の男性と一緒にいるところを見れば不信感を持つだろう。
急いでお茶だけならと返事したら、甲斐くんがゆっくりとわたしの前まで近付いてきた。そして周りに聞こえないように、小さい声で車があると言ってきた。わたしは、これ以上二人一緒のところを見せるわけにいかなくて、彼の後を着いていった。
「まだ乗ってたんだね……」
その車は、最後のデートの時に乗せて貰った黒い小さな車で、車種なんて判らないけれども、今でも似たような車を見かけるとついつい気が取られてしまう。
甲斐くんは何か言いかけたけれども、無言で助手席のドアを開けるとわたしを乗せた。日高先生は、そんなことしない人だったから、乗る時も降りる時も自分でドアを開けていた。
ああ、こんなところも甲斐くんらしいんだ……そう思えたけれども、それは彼が女慣れしてるということだ。
でも、甲斐くんはどうしてここが判ったんだろう?ここの住所は誰にも教えていない。実家にも男の人には教えないように言っておいた。甲斐くんは、『春菜に聞いた』と答えた。春菜さん……ああ、旧姓若尾さん、甲斐くんの事を好きだった女の子だ。確か同級生同士で結婚して、今は結婚して香川って名前で……同窓会の案内のハガキが来てたっけ?わたしは行かなかったけど。学校もあったし、何より実家にも寄りたくなかったから……
あれから、実家にも顔を出していない。今は自分の働いたお金で生活している。もう、母や義父の世話にもなっていないのだから……
甲斐くんは同窓会には行ったらしく、わたしは欠席の理由を遠いからだと嘘をついた。
「仕事は……どう?」
「うん、頑張ってるよ」
周りからみれば、どんな関係に見えるのだろう?普通を装って懐かしい友人と話すようにたあいのない会話を交わす。だけど、今までと違うのは……わたしはもう怯えたりしない。もう、終わったんだと自分に言い聞かせてある。だから、今日出逢った時だって……吃驚して胸が苦しかったけど、なんとか表情は崩さずに居られた。少し顔が引きつったけど、お愛想笑いぐらい浮かべられたかもしれない。
――――大丈夫。だから、聞いてみよう……一言だけ、彼女のことを。
ちゃんと、結婚するんだって事、子供が出来たって事を話してくれたら、『おめでとう』って言ってあげよう。隠すようだったら……聞かない、最後まで。言えば攻めることになるから。ずっと知ってたこと……二人が付き合ってたこと、子供が出来て結婚すること。だけど、言われてもないことを笑って聞くほどまだ、心は強くないから。
「氷室さんは……どうしてる?」
このぐらいは聞いてもおかしくないよね?教育実習でお世話になったし、甲斐くんも知り合いだって言ってたから。
「甲斐くん?」
だけど、強張ってるのはさっきから彼の方で……話の合間にもなんだかビクビクしてるみたいだった。なにもわたしにそんな気を使わなくてもいいのに。子供のことも結婚のことも聞いているのに。
もう……何を聞かされたって怖くない。
「え?」
「だから……氷室さんは元気?って」
なんだか考え事してたような反応で、甲斐くんらしくなかった。
「ああ、あいつは元気だよ。私立の女子校は楽だとか、言ってた……」
「そう」
それ以上は教えてくれないんだね。だったら聞かないよ……最後まで知らん顔してあげる。
「あのさ……おまえ、今付き合ってるヤツ……いるの?」
何を……聞いてくるの?それがどんな関係があるの?自分のことは何も言わない癖に!
「どうして甲斐くんがそんなこと……聞くの?」
腹立だしかった……今のわたしがどうこうより、そんなこと聞くなら自分のこと正直に答えてよ!そっちがそうならこっちだって、正直に言わなくてもいいんだよね?
「だったら……いけない?他の誰かと付き合っちゃいけないっていうの?」
日高先生と付き合ってるって事、生徒が噂してたのを丸鵜呑みしたわけ?そう……たしかに付き合い始めた。生徒達の噂の方が先で、本当に付き合い始めたのはつい最近だけど。
「おまえは……誰とも恋愛しないんじゃなかったのか?」
付き合ってると答えたらそう切り替えされた。そう……昔はそう言ってた。だけど、男の人と……一緒に居られることを教えたのは甲斐くんだ。日高先生となら穏やかな恋愛ができると思えた。平穏な家庭が……もしかしたら築けるかもと。
「結婚を前提に申し込まれたわ」
これは本当だったから。まだどうするかなんて決めてないけれども、わたしが誰とも恋愛してないって決めつけられてることが悔しくて……甲斐くんが居なくても、わたしはこんなに幸せだと、ちゃんとやってるところを見せたかった。
「まだ2年目だからもう少し仕事頑張りたいって言ったら、何年でも待つって言ってくれてるの」
優しい人なんだと……伝えると、甲斐くんは急に黙ってしまった。
「甲斐くんは……どうして急に会いに来たの?」
理由もなく会いに来るはずはない。だけど、口ごもってはっきりしないその態度に苛立ちが最上級になる。
「逢いたかった……じゃダメか?オレは、おまえのこと、忘れられなかった……あれからずっと……」
何よそれ……そんなこと聞きたくないわ!忘れられなかった?彼女に子供が出来たからビビったの?わたしなら子供が出来ないセックスが出来るから?もったいなくなったとでも言うの?もう……2年近くになるのに。他の男のモノになったこと惜しがるの?自分は、もう逃げられないはずなのに!何をのんきなこと言ってるのよ?子供の為にも、氷室さんを幸せにして上げなきゃでしょ?わたしだって……日高先生と幸せになるんだから!
震える拳を振り上げることなくわたしはその後の言葉を遮った。
「それだけなら……もうこんな風に逢うのはやめましょう?相手に悪いわ」
赤ちゃんがお腹にいる時は大事にしなきゃいけないんでしょ?不安にしちゃいけないのに、父親になる人がそんなんでどうするのよ?なのに聞かれるのはわたしのことばかり。自分の結婚は棚に上げて……一生恋愛しないって、結婚もしないって、随分前に言ったことをまだ言うの?このまま、日高先生と付き合って、やっていけると思ったらするわよ!子供を育てる自信はないけど、日高先生なら上手にお父さん役をやってくれそうだもの。
「あれは嘘だったのか?」
嘘?何も言わないのは自分の方じゃないの!!
「何……言ってるの?」
「オレとじゃ……ダメか?」
なんなの?甲斐くんは何しに来たの?寄りを戻す為?それとも、もう一度関係を続けたくて?
ああ、そういえば奥さんの妊娠中が一番浮気率が高いんだったっけ……そんなにしたいの?
――――わたしと。
馬鹿にしないで……もう、セフレなんて続けられないと言ってあの部屋を出たのよ?甲斐くんには氷室さんが居るじゃないの!
何で今更言うの?オレじゃダメかって、そんなこと聞くなら……
「だったらどうしてもっと……」
早くに来てくれなかったの?その言葉は呑み込んだ。だけど、本当は……待ってた。もしかしたら迎えに来てくれるかなって。だから日高先生のことも距離を置いていた。でも、1年経っても、2年目になっても甲斐くんは来なかったじゃない。携帯も解約して連絡取れなくしたけど、だけど、もしかしたら探してくれるかなって……
ほんの少し期待を持ってしまうほど、最後の甲斐くんは優しかったから。
でも、もうダメ……遅いのよ。お互いに社会人なんだし、それぞれに相応しい相手が出来たんだったら、もうあんな学生時代のような無責任な関係は続けられない。
「お互い、もう好き勝手出来なくなったのよ。あんな関係はもう続けられないって、別れる時にそう言ったはずよ?だから!」
わたしはそう叫んで立ちあがった。
「もう……来ないで!」
「志奈子っ!」
腕を掴まれたけれども、その手を振り払ってわたしはその店を出た。
悔しくて、涙が止まらなかった……
あの時、彼の元を去ったわたしの気持ちも、子供まで出来た氷室さんのことも、全く無視したような甲斐くんの言葉。無責任すぎる……
酷いよ、まだこんなに……わたしの心の中には甲斐くんが居る。消えてないのに……
日高先生のことは確かに好きだと思う。同じ教師としても尊敬している。だけど、違うんだ……好きの種類が。甲斐くんを見ただけでカラダが震えた。駆け寄って抱きしめて欲しかった。呑み込むようなキスでわたしの理性も何もかも奪って欲しかった。だけど……そんなこと出来ないよね?甲斐くんらしくない、怯えたような態度。探るような、口ごもる言葉の先にはキッパリといえない理由があるから。
今更だよ……結婚して家庭を持つんでしょ?子供も出来て、父親になるんでしょ?なのに何故今更あんな事言い出すの?


だけどそれからも、気が付くと甲斐くんが待ち伏せているの姿を見かける。校門から少し離れた路肩に甲斐くんの車が停まっていたり、アパートの前に停まっていたり。
わたしは徹底的に無視した。出来るだけ一人にならないようにして、日高先生に頼んで送り迎えとかして貰った。誰かといる時には決して近付いてこようとしなかったから。
「どうかした?僕は毎日志奈子と一緒に居られて嬉しいけど」
日高先生は相変わらず優しい……だけど、車の中で引き寄せられても一瞬カラダが強張る。甲斐くんが見てるんじゃないかと思うと余計に。見られた方が諦めがついていいだろうに、何を気にしてるんだろうか?諦められないのはわたしの方だ……日高先生からのお泊まりの誘いも、旅行の誘いもうやむやにしてるのは、わたし。

「ごめん、今日はN中でサッカーの顧問会議があるんだ。送っていけないけど」
「大丈夫、一人で帰るね」
校門を出るのが怖かった。今日もいるだろうか?それとももう諦めた?
「志奈子……」
いつのも場所に車を止めて、今日は男子学生と話をしていたようだったけど、わたしの姿を見つけるとすぐに駆け寄ってきた。ここで逃げ出せばちょっと問題になるだろう……だから、わたしは足を止めて、甲斐くんを睨み付けるだけでとどまった。
「逢って話すだけでもだめか?」
この間からこうだ……甲斐くんらしくない、遠慮がちな態度。そんな……泣きそうな顔して見ないでよ!
「何を話すっていうの?」
今、仕事で来てるのは本当で、こっちには今週までしか居られないのだという。
それまでは逢える……そう思ってしまう自分は浅はかだ。付き合ってる人が居るというのに、逢ってどうするの?もうカラダは繋げるつもりいはない。そんな関係はやめにしたはずなのだから。
「一緒にお茶したりご飯食べたりするだけでもいいんだ。もう一度、オレと……」
本当にそれだけでいいの?一緒に住んでいてもわたしとはどこかに食べに行くことも喫茶店でお茶することも無かったじゃない?そのくせ誰かと食事してきた痕跡をわたしに見せてたくせに……
シャツの袖についたソースの染み、上着に付いた煙草や珈琲、そして一緒にいた人の甘い香水の香り。
それらを思い出すと腹立ちが増すばかりだ。そう、もう終わった事だし、これからももうない。彼には氷室さんと一緒の未来があるんだから。それなのにもう一度、セフレに戻れなんて酷すぎるよ……もう終わった関係だから話す事なんて何もない。そう大声で叫びたかったけれども、周りには生徒達も居るし、下手なことは話せない。だから言葉を選んで小さな声だけれども強い口調で伝える。
「もう、判ってるんだから……わたしを惑わす様なこと言わないで」
氷室さんのことはぐっと言葉を呑み込んだ。甲斐くんはしばらく下を向いていたけど、ゆっくり顔を上げて懇願するように最後の日だけでもと口にした。
「オレがこの街を去る前の日までに、逢って……食事だけでも……だめか?そのあと……オレはもう、二度とこの街に来ないから」
もう二度と……逢えなくなる。そうだよね、そのつもりで2年前別れたはずなのに……
その言葉に自分の意志がぐらつくのが判る。最後……最後なら……もう二度とないのなら。
「最後に、食事だけ……なら。そのかわり学校から離れたところにして」
甲斐くんは来週から本社に戻るらしく、約束は土曜日の夕食でもいいかと聞いてきた。今週の日曜日には日高先生と遊園地に行く約束がしてあった。土曜日はサッカー部の練習試合で遅くなるって言ってたから、それならいいとわたしは誘いを受けた。最後だから、食事だけだから、そう自分に言い聞かせて……


約束の日まで、わたしはどことなく気持ちが落ち着かなかった。終わった恋なら、こんな気持ちになることはないはずなのに……幾ら期待したところで、わたしと甲斐くんの未来(さき)は変わらない。甲斐くんには氷室さん、わたしには日高先生がいるのだから。ケジメを付ける為に最後にするんだと、自分に必死で言い聞かせていた。
でも本当は気が付いていた……理由が欲しかった事に。もう一度、二人で逢う理由が……そして今度こそ、自分の気持ちに決着を付けないといけないことも。

「志奈子?」
「あ、はい」
「どうかした?ここのとこなにか考え込んでるみたいだけど……」
「ううん、大丈夫よ」
「そう……ならいいんだけど。オレに話せることならちゃんといいなよ?ちょっとは頼りになると思うんだ」
これが生徒のことや授業のことなら真っ先に相談したと思う。だけど、甲斐くんのことは絶対に言えない。前に付き合ってた人が居ると言っても、ちゃんと付き合ってなかった。その言葉をどう取ったのか分からないけれども、日高先生はわたしに手を出してこない。キスや抱きしめたりは時々あっても、それは別れる間際が多い。普段は今まで通りのスタンスで付き合ってくれるからとても気が楽だったんだけど……わたしはだれかとスキンシップしたり、甘えたりするのが下手だから、彼がおいでと両手を広げてくれていてもなかなか飛び込めない。こんな時甲斐くんなら強引に引き寄せるだろうな、とか思ってるところが自分の甘えだと思う。自分から身体を寄せれば済むことだし、そうすることを彼も待ってくれているのに……
日高先生には甲斐くんのことも、自分の育った境遇も何一つ話せていない。特に家族や両親の事は話したがらないのが判っているのか最初に少し言い澱んだ後は聞いてこなくなった。本当に気が付くし優しい人なんだ。こうやって他の男の事を考えてるわたしのことまで心配してくれているのに。
「頼りにしてますよ。でもこれは……すぐに終わるんです」
今週末約束した遊園地。学校の遠足以外で行ったことがない遊園地には憧れがある。学校から行く時は、小さい時は動物をみるだけで乗り物には乗せて貰えなかった。くるくる回るあの遊具に乗って風を切ったらどんなに気持ちいいだろうって何度も想像して、代わりにブランコや滑り台で遊んでみた。だけど、友達が話す『お弁当を持って家族で遊園地』なんて楽しい思い出はわたしには想像出来なかった。そんな話はさすがに出来ないからしてないけど、日高先生には遊園地で遊んだことがないことだけは話してあった。
明後日、目の前のこの優しい人と遊園地に遊びに行く頃にはすっぱりとケジメを付けて、憧れだったメリーゴーランドや観覧車に乗ってみよう。乗ったこと無いと言ったら、日高先生は一緒に乗ってあげるよって言ってくれたから……
きっと彼と一緒にいると、こうやって今まで手に入らなかった思い出が容易に体験出来るのだろう。そんな未来を手に入れてもいいのなら……こんなわたしでも、親にもまともに抱きしめられたことのない、淫乱な身体だけを持て余すようなわたしでも、誰かを愛することが出来る。
そのことを教えてくれたのは甲斐くんだけれど……
「日曜日、楽しみにしてますね」
「ああ、オレもお弁当楽しみにしてるよ」
日高先生が実家住まいなのでまだお互いの部屋は行き来していない。だからわたしの手作りのお弁当が食べたいと言われて、何度かドライブに出掛ける時に作っていった。彼は凄く喜んでくれたけど、いくつか苦手な食べ物があったり、味付けも母親のモノと少し違っていると少しだけ表情が変わるからよく判る。そういえば、なんだかんだ言って甲斐くんは何でも食べてくれてたな……好き嫌いしてる余裕無かったのはわたしも同じだけれども、嫌いで通してきている日高先生は、ピーマンが未だに食べられなかったり、トマトがダメだったりする。それだけは入れないでと言われていた。
こうやって、色んな事を甲斐くんと比べながらわたしはこの人とやっていくのだろうか?いつか、甲斐くんといた日々の長さを越えた頃、彼だけを見ることが出来るのだろうか……
BACK   HOME   TOP   NEXT

気に入ったら押してやってください。投票していただけると励みになります。

 
ネット小説ランキング>【年齢制限】部門>せ・ふ・れに投票

 

Photo material By