250万キリリク〜GARAさん〜

親友・郁太郎の事情&ぼくのおひさま キリリクスペシャル
家族の事情
〜南国リゾート編〜

act.1

オレ、永井圭太、小学3年生。
今日から2泊3日で沖縄の石垣島、っていうところに遊びに来てるんだ。
ちょうど月曜日が小学校の創立記念日で、連休になったから、知り合いの家族と一緒に来たんだ。

うちはオレと、とーちゃんと、日向子って、かーちゃんなんだけど...ほんとのかーちゃんじゃないから、まだ呼び慣れないんだ。つい日向子って言ってしまう。オレが幼稚園の時からずっと家にいて、面倒を見てくれた大好きな日向子が、とーちゃんと結婚してかーちゃんになってからもうだいぶ立つ。とーちゃんも食堂をやめて会社員になって毎日出掛けるし、日向子も弁護士さんなんかやってって忙しそうなんだ。うちに帰っても、ばあちゃんだけで、ちょっと寂しい時もあるけれども、その分、休みの日には色んな所に連れていってくれるようになった。二人ともらぶらぶで、いまだに新婚さんみたいなんだ。だからなるべく二人っきりの時は邪魔しないように心がけてるんだ。オレももう9歳だしな、その辺は心がけてるつもりなんだ。

そして...
一緒にきてるのが、親戚のようで親戚でない、愛華ちゃんの家族。愛華ちゃんのお母さんのしいちゃんは、日向子の前にオレの家にいたおねえさんで、愛華ちゃんのおとうさんは、しいちゃんの親友さんの圭司さん。悔しいけど、かっこよくってさ、女の人にモテるらしい。愛華ちゃんはおとうさんが大好きで、オレのお嫁さんになってもいいって約束してたのに、最近は『パパとけっこんするの〜』って...圭司さんはしいちゃんと結婚してるから無理だよって教えてあげるんだけど聞かないんだ。結構頑固なんだよなぁ。
愛華ちゃんはぱっと見、ふわふわの茶色い癖っ毛と、誰かをじーっと見る不思議な瞳をしてるんだ。女の子としてはスゴく可愛いと思う...まだ年長さんだけど、あんなに可愛い子はオレの通う小学校にはいないもの。
それとしいちゃんにはもう一人、赤ちゃんが出来たんだ。男の子で和伊(かずい)って言う、オレの弟分なんだ。おっきくなったらキャッチボールとかいろいろ教えてやるんだ。
愛華ちゃんは今は関西に住んでるんだけども、お盆や正月には会いに来てくれる。後何年かしたらこっちに転勤かも知れないって、圭司さんが言ってた。それを楽しみにしてるんだ。
あともう一家族一緒に来たのが、ご近所でとーちゃんの幼馴染みって言うか親友の郁太郎と、その奥さんのサチさん。それから娘の菜月ちゃんと、和伊と半年違いで生まれた葉月ちゃんがいる。何か事情があって、サチさんと菜月ちゃんが急に郁太郎の家族になったんだけど、その理由はよく知らないんだ。だけど、郁太郎っておもしろいけど、結構だらしなくて、未だに子どもみたいなとこあって、オレといい勝負かもしんない。だって、郁太郎はオレのイイ遊び仲間だから。
実は、サチさんの娘の菜月ちゃんはちょっと苦手。一つ下なんだけれども、オレよりすごくしっかりしてるんだ。いつもお姉さん風吹かしてさ、まだ2年のくせにさ...けれども妹の葉月はオレ見たら笑ってくれて、すっごく可愛いから許すことにしてる。
オレには本当の兄弟は居ないけれどもこれだけ側にいたら、すっごく賑やかなんだ。


実はここ、石垣島には雅楽(がらく)おじさんっていう人がいるんだ。郁太郎の大学時代の友人らしいんだけど、とーちゃんとも大学は違うけど、気があって3人でよく連んでたって。前にうちにも食事しに来て泊まっていったことがあるんだ。
このおじさんはもともと石垣島出身で、今では、ここで「伝統工芸」っていうのをやってるらしい。今回はそのおじさんのすすめで遊びに来たんだ。
しいちゃんも「育児休暇中」で、それが終わるまでに来たいといって、3家族、総勢11人で来たんだ。

「圭太くんと愛華と菜月ちゃんはここでどう?」
ホテルのお部屋は広くって、とーちゃんとひなこが1階のベッドで、オレら3人はロフトって言う2階にあるベッドで寝ることになった。しいちゃん達は赤ちゃんと一緒に他の部屋で、郁太郎達も別の部屋だって。赤ちゃんが居ると夜泣きしたら他の家族に迷惑かけるらしい。
着いてからすぐに泳いだり観光したりして、みんなでごちそう食べたりしてすごく楽しい!女の人たちは女の人たちでおしゃべりばっかりして楽しそうだし、とーちゃんや郁太郎や圭司さんが海で遊んでくれたりと、こんなに楽しいのは久しぶりだよ。
夜には雅楽のおじさんが合流してバーベキューしてくれたんだよ!

「けーたぁ、一緒にねるのぉ?」
本当に可愛いんだ、愛華ちゃんはw
髪はふわっふわのくせげで、少し茶色いんだ。目がぱっちりしてて、すっごく何か言いたげなんだよなぁ。今回よくわかったんっだ。それって圭司さんに似てたんだ。
圭司さんって、海辺で和伊をだっこしてるしいちゃんを見てる目がすっごく優しいんだよ。
『椎奈の腹がさ、でっかくなって、すっごく苦しそうにしながら和伊を産んでるとこ見て、初めてオヤジになった瞬間を実感したよ。前の時は圭太のおとうさんにその役取られちゃってたからなぁ。オレも、宗佑さんみたいな懐のでかいオヤジになれるよう頑張ってるんだぜ?これでも...』
飛行機の中で、和伊をだっこした圭司さんがそう言ってた。
そうなんだよなぁ、愛華ちゃんは家で生まれたんだよなぁ。その理由はよくわからなかったけれども、圭司さんが迎えに来てしいちゃんは帰っちゃったんだけど、オレは愛華ちゃんがうちの子になるもんだって思いこんでたから、その時はすっごく寂しかった。だけどそんなに欲しいなら、いつか迎えにおいでって圭司さんに言われたんだ。あの時もそうだけど、そう話す圭司さんがまたすっごくかっこよく見えて、オレは圭司さんみたいな男になって、将来は、愛華ちゃんを迎えに行きたいなぁ。
でも、愛華ちゃんって、会う度に可愛くなっていくのですごく心配だ。この間なんて『ぞうぐみさんのアキラくんがやさしいの』とか、『きりんぐみのしゅうへいくんもサッカーがじょうずで〜』ってさ。 
『でも一番好きなのはけーただよ?』って言ってくれて...照れちゃったよ。

「じゃあ、3人でちゃんと寝れるね?」
とーちゃんがロフトに顔を出したので3人でちゃんとはあいと返事した。
「おじさま、大丈夫ですので、どうぞごゆっくり。たまには夫婦水入らずですよね。うちも張り切ってましたから、郁太郎が...」
「な、菜月ちゃん?」
相変わらず大人顔負けの口調にオレのとーちゃんも日向子もたじたじだ。最初は大人しくしてた菜月ちゃんだったけど、育った環境がすごくって...その、水商売っていうんだよね、そこの託児所や、変わったお友だちとかに面倒見て貰ったらしく、やたらと大人びてるんだ。口調も、やることも...
「菜月ちゃん、郁太郎って...おとうさんだろ?」
「そうですね、そう呼ばなくっちゃ行けないんでしょうけど、もう少ししっかりしてくれないと、呼べませんね。せめて、おじさまくらい落ち着いてくれれば...」
ため息。
それもよくわかる。今日の郁太郎は...サチさんが側にいるのに、わざと綺麗なおねーさんに声かけたり、おまけに「連れだから」といってとーちゃんと圭司さん見せて、それ見たおねーさんが喜んでついてきて...サチさんに思いっきり怒られてた。
郁太郎だけはむかしっからあの調子で、ホントに参っちゃうよ。
「愛華ちゃんは?お母さんと離れてても大丈夫?」
「うん、けーたがいるもん。」
にこって笑って側にいる。
結局愛華ちゃんを挟んで3人で寝たんだけど、寝る間際に愛華ちゃんが手を繋いでねっていって、オレと菜月ちゃんの手を両手で繋いだのには驚いた。さすがに照れくさかったんだ。すっごくちっちゃくって可愛い手でさ...
「そうだ、圭太。」
取りあえず寝るモードになったとき菜月が話しかけてきた。愛華ちゃんは昼間遊び疲れてたのかすっかり寝入っちゃってるんだけど。
「どんなに喉が渇いても、トイレに行きたくなっても、下には行かない方がいいわよ。行くんなら今のうち。」
「なんで?」
「いいから、お子様はこのまま寝た方がいいってコト。」
わけわかんないんだけど?
そういわれれば、余計に、トイレに行きたくなるんだよね...


夜中、そーっとトイレに向かう。
下の寝室にはとーちゃんと日向子が寝てるはず...
『やっ...ん、だめっ...宗佑さんっ...』
『どうして?久しぶりなのに...』
『だって二階には...』
『もう寝てるよ。たぶん、今夜はどこの部屋でもみんなこうしてるよ?』
『だ、だからって...あぁん』
『日向子、可愛いよ...』
なんなんだ???なんか、変な声が...っていうか、これって、もしかして、大人のえっちってやつ??思わず興味津々でドアに近づく。さすがに開いてはないけど、声が漏れ聞こえる。
『日向子、どのぐらいあいたか判ってるの?』
『えっと、宗佑さんが出張で、旅行に来るために仕事かたづけるのに残業が続いてたから...2週間?』
『そのまえに日向子がアレだったから、3週間...そろそろ、付けづにする?和伊や葉月ちゃん見てたら、欲しくなったでしょ?赤ちゃん...』
え??赤ちゃんて...日向子ととーちゃんの間に出来たら、オレの妹か弟...?
うわぁ〜〜それってすごい!!
『で、でも...まだ仕事慣れてきたばっかりで...』
『欲しくないの?僕は欲しいなぁ...って言うか、作りたいんだけど?今夜...』
『宗佑さんって...子ども好きだけど、作るのも好きなの?』
『当たり前でしょ?こんなに若くて可愛い奥さん貰ったら、ね?もう少し若くて体力があったら朝まで離さないんだけど...聴いたんでしょ?あの二人からいろいろと。』
『...なんか、今晩は二人とも寝かせて貰えないかも知れないって...言ってましたけど、そんなの無理ですよね?』
『明日の朝は遅いプランにしてるからね?それに子ども達はこの部屋にいるから、僕たちが連れ出せば、邪魔にはならないでしょう?後は、赤ん坊が大人しくしてくれてたらやりたい放題じゃないかな?出産後はすぐには出来ないし、上の子が居たらなかなか朝までは出来ないだろうから...』
『え?そうなんですか??』
『明日の晩にでも郁太郎とこの部屋変わって貰って、朝迄って言うの体験させてあげようか?いつも日向子は通勤のために朝が早いから、コレでも遠慮してるんですよ?』
『あっ、そ、宗佑さんっ!....ひゃんっ、だめぇ...』
『ダメ、もう止まらない...日向子、朝までは無理だけど、今夜はキミの限界までしてあげるよ?』
『やぁ...無理ぃ...あっ...』
オレは息をのんでいた。
とーちゃんの声も、いつもと全然違うぞ?ちょっと意地悪に聞こえたのはオレだけ?
それにしても、日向子ってあんな甘えた声だすんだ...
「馬鹿ね、だから言ったのに。」
隣で小さく聞こえた声...えっ??菜月!いつの間に???
「なっ、なんだよ...オマエ」
「まあ、まだ宗佑おじさまなんていいほうだわよ?あの程度だもん。うちなんか、郁太郎が見境ないもんだから、困るほどなのよ。あの人ら台所でも居間でもお構いなしだから。今晩もそれ想像すると、葉月が目覚まさないかどうかが心配だわ。」
「な、菜月、それって...」
「慣れてるからいいけどね。さ、早く寝ないと、子ども達だけどこかイイトコに連れていってくれるって雅楽のおじさまが言ってたでしょう?」
「あ、うん...」
オレ菜月の後を追って二階のベッドに戻った。トイレに行くのなんてとっくに忘れていたんだけど...
なんかさ、菜月のすごさがわかった気がした。

でも、オレ、やっぱなんも知らない天使のような愛華ちゃんが、いいな...

           

なんで南国まで来てこの話題なんでしょう?(笑)
取りあえず、こんな調子でいきます。
リクのGARAさん、ごめんなさい〜〜〜