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 渚 Side 2

信じられない...

このわたしが、イカされておねだりしまくって、自分から好きのバーゲンセールやっちゃうなんて!
それもアレの最中に、いいようにコントロールされてるみたいだった。
今まで何十人もの男どもを食い散らかして来たわたし。彼女としては続かないけれど、身体だけの付き合いもお願いされた事もある。だから身体にもえっちにも多少自信はあったけど、あそこまでとは...アレでも、今まで手を抜いてたっていうの??
これほどいいなりになったのは初めてだった。
キモチは、よかったわよ...セックスは嫌いじゃないし質は極上、とろけたもの。質の悪いえっちは肌に良くないからあんまりしたくないじゃない?ストレス溜まるし。

でも、好きって聞いて、ちゃんと好きって言って貰えた。その分いろいろ言わされたけどね...
こんどはどこまでの好きか気になってしまう。
同僚として好き
女として好き
身体が好き
それ以上は?
ないか...やっぱり。
深雪はさっさと婚約して花嫁修業に勤しんでるようだけれども、あれ以上お稽古事増やしてどうするんだろう?なんだけど、立派な嫁に向かって躊躇もない様子。寿退社も視野に入ってるようだし、あの沢田さんがあの深雪に仕事させ続けるはずもない。(きっと家に閉じこめて出さない気よ!)
だけどわたしは嫁になりたいわけじゃないし、仕事も続けたいし...
今まで好きって言われても、いまいちゲームしてるみたいだったのを思い出す。みんな思ってるわけよ、遊ぶんなら後腐れのない割り切った女とで、いざ結婚するときは上司や取引先の美味しい出世の為の結婚や、家庭的で尽くしてくれる、地味でも大人しくて従順で自分以外に目を向けない女の子。バージンなら泣いて喜ぶってトコよ。自分のテクの低さはカバー出来るしバレない。いくら外で好き勝ってやっても自分がいなきゃやっていけない女がいいのよね。
いっとくけど勝手にそう思ってるだけじゃないからね。さっさと本命見つけた元彼の統計取っただけだから。
だから、身体だけの関係にあんまりのめり込んで終わっちゃうのは、怖い...
好きって言わせるまでは今までと一緒で平気だったのに、こっちが言わせられるなんて思ってなかったから戸惑っている。
本気の恋愛なんて久々で、怖じ気づいてる自分がいた。


「渚」
資料室に入り込んだら名前を呼ばれた。
「室井さん...捜し物ですか?」
「ああ、前年度のこれの添付資料が欲しいんだけど...数字は残ってたんだけど他は仕舞われちゃったみたいでね。」
「前年度のは全部こっちの棚ですよ。」
私たち女子社員はこういった資料集めや事務が仕事の中心なので、そこらの男性社員よりはよく知ってるつもり。
だから出来る社員ほど優秀なサポート役の女性社員を確保してるってことになる。今までは部門も違ったので室井さんの仕事にはタッチした事はない。彼のいる部門にはお局様という肩書きの平泉さんがいるから余計ね。
「これこれ、サンキュ。で、渚は急ぐのか?」
「何部か資料コピってあとはお昼休憩です。」
「へえ...そう」
今にやって笑わなかった?
「ちょっと来いよ。」
「え?」
ぐいっと引っ張られて資料室の隅に押し込まれた。
「なっ!なに考えてるの?!」
「ん?イヤらしい事。ここで渚を弄ったらどうなるかなぁって考えたら、ついね。」
押しつける下半身はしっかりと主張してらっしゃる。
「渚は、会社の中でシタことある?」
「愚問よ。」
この会社は結構自由恋愛だし、会議室の鍵が自由に貸し出されなくなったのもそういう行為が横行しすぎたほどで...まあ、残業で遅くなった時にシタことはあった。でも、堂々と就業時間中はないわよ?
「へえ、俺はまだないんだよ、付き合ってくんない?」
「ふ、ふうん、ないんだ?」
ちょっぴり優位に立てた気がした。そんな事でも勝てるのが嬉しい。って、勝負じゃないのに!!
「ないけど、声出すなよ。おまえが出さなきゃバレないんだからな?」
威嚇するような笑顔につられてわたしもにっこりと笑い返す。
「そっちこそ、興奮しすぎて自分だけ終わらないでよね?」
「それは誰に言ってるのかな?」
あ、ヤバイ...こいつには未だにベッドの上で勝てた事ないから、つい煽っちゃった?


「んっ...くっ」
立ったまま服も脱がさずに彼はわたしを高めていく。
耳から首筋を丹念に攻められ、ブラウスの上から硬くしこった乳首を刺激されて身体を震わせる。空いた手はずっとヒップとスカートの裾辺りを行ったり来たり、潜り込んではガーターのラインを指でなぞったりしている。
そうよ、伝線したときに履き替えやすいし、片足伝線しても使えるからってスカートの時はガーター愛用者よ、わたしは!
男って好きなのよね、ガーターとか履いてるとエロチックに感じるらしいわ。それだけでヤラセル女って思いこんでる奴も居たわ。冗談じゃないけど、わたしだって相手選んでるわよ。
だけど今向き合ってるこの男は...
「渚、我慢出来るのか?」
押しつけてくる割に、肝心なところを触ってくれない。
「貴方の方こそ」
わたしは彼のスラックスのファスナーを降ろし彼のモノを引き出して軽く握った。
「大胆だな...そんなに欲しいか?」
「あら?欲しがってるかどうかなんて触ってみなければわからないでしょ?」
「決まってるだろ、渚のココはオレを欲しがって濡れ濡れだろ?」
「あっん」
後ろから...下着の横を掠めて彼の指が伸びてきた。スリットに沿って進み、その先の敏感な蕾を引っ掻いては戻っていく。
「先にいかせてやるよ」
そう口にした彼も実は辛そうで、手の中のソレはもうガチガチ。
「ひっ!」
片足を大きく持ち上げられて、無防備になった付け根に彼の指が潜り込む。
「あっ、くぅっ...」
いきなり上の壁を擦り上げられた。そう、彼の指って長いからこんな体勢でも届くのよ!憎らしい...
「ココ、渚は弱いよね?どうする、今誰かがここに入ってきたら、渚の恥ずかしい恰好見られちまうぞ?」
同時に芽を出した突起を親指で擦られた。
「あぁぁ...んもうっ、そっちこそ、入れたくてしょうがない癖に」
必死でこちらも彼のモノを扱き上げる。ガクガクする脚を必死で踏ん張ってついでに中の指を締め上げる。
本当、凄い恰好...見られたら、言い訳なんか出来ない。でも、止まらない...わたしは緩やかに腰を振った。
「なあ、爆発する前に入れさせてくれるか?」
わたしの目の前にゴムの入った袋が取り出され、ソレをくわえた彼が封を開ける。わたしは彼のモノを扱く手を休め中からゴムを取りだし、ベルトを外してスラックスを床に落とした。トランクスもずらして、再び天井向いた彼のモノにソレをゆっくりと被せる。
「お上手...ちょっと悔しいな。」
まあ、手慣れてるわよ、悪かったわね。
「さてと、ここからは口押さえてろよ、容赦してやらねぇ...おまえが、悪い。」
下着を引き抜かれてガーター姿になったわたしの下半身に熱いソレを宛われたかと思うと、間髪入れずにわたしの奥を突き上げてきた。
「あんっ!」
「はぁ...渚っ」
ため息を吐いたあと、キスで塞がれた。その後は本当に容赦なく突き上げられた。何度も、激しく...


後少しでいきそうな所で彼の動きが止まった。
「ヤバイね、先にいきそうになる...」
悔しいけどわたしも危ない。でもわたしは負け惜しみの笑みを無理矢理浮かべてみせた。
「ふふふ」
笑いながら、中途半端な所で止まってる彼のモノを締め付ける。
「オイ...」
「いいわよ、我慢出来ないなら降参しても」
本当は自分の方がヤバイくせに...ひくつくソコがもっと奥に欲しいと強請るくせに、とろりと愛液が身体の奥からこぼれて太股を落ちていくのに...それでもわたしは虚勢を張る。
「そんなに酷く鳴かされたいのか?」
上げていた脚を降ろされ、くるりと体勢を入れ替えられ、いきなり後ろ向きにされてそのまま棚に手を付かされた。
「あん、後ろからなの?」
「これ、くわえてろよ」
そういって彼が自分の首から引き抜いたネクタイが口の中に突っ込まれる。
「んんっ??うぐっ...ん!!」
「渚、エロイよな、おまえ...くっ」
凄い音が聞こえる。
パンパン、グチュグチュ
ううん、これは自分の身体から生まれてくる音だ。素肌同士がぶつかる音、濡れた自分の秘所から聞こえる卑猥な水音。
「あぅっ...」
前に回された彼の指が突起を擦る。そして空いた手が胸の先を...

も、だめ...

「ぅぐぅっ!!」

イク...
イクっ!イッてる...なのに、彼の動きはまだ容赦なく奥を堀り込んでいる。凄いピストン運動に身体が揺れて、資料室の棚も揺れるけどもう、止まらない!ヒールの中の指が開き、棚を掴んだ指先が白くなる。
「すげ...締め付け、渚、最高だよ、オレも...くっ」
余韻までもが長く感じた。
ビクビクと吐き出す彼のモノ、それを搾り取ろうとするヒクヒクとしたわたしのナカの動き。
引き潮が来るまで身体は硬直したまま、彼が引き抜いた途端わたしは支えを失って床に崩れ落ちた。
「大丈夫か?だから言ったのに、オレを煽るなって。」
そんな事言っても、たまには勝ちたいじゃない。会社ではした事ないって言うから...
「おまえと会社でヤッタ奴見つけてぶん殴りたいよ。」
「え?」
「こんないい思い、おまえの身体でしたのかと思うと、イヤだな。」
ちゅって信じられないほど優しいキスが唇に重ねられたあと、彼は避妊具を取りスラックスを引き上げた。わたしも何とか自分の後始末をしようとしても指先が痺れて思うように動かない。
こんなこと...会社の中で我を忘れるようなえっちをした事があるはずないのに...
「む、向こうは知らないけど、わたしはいけなかったから...前は」
そう伝えた途端嬉しそうな顔になる。
「へえ?今回はこんなに、いきまくって動けなくなってるのに?オレのネクタイ涎まみれにするほどよがってたのに?」
わたしのソコを拭いてる彼の手がイヤらしい動きをくわえた。
「だ、め...今、敏感で。」
「くそっ!オレも、ゴム一個しか用意してなかった...」
「室井、さん?」
子供みたいに悔しそうな彼の顔が優しく微笑んでわたしの方に向き直って抱きしめられた。
「時間だしな?」
そっと引き離され、後始末を済ませて互いに身繕いをすました。


「今夜、オレの部屋に来いよ。続き、やるからな。」
そういってわたしの手を股間に宛う。まだまだ元気な彼のムスコさんだ...
「予想を上回ってくれるよ、渚は、いつも...」
「そう?」
優しく髪を梳いて乱れを直してくれていた。わたしも少しだけ勝てた様な気がして、ご機嫌だった。

「本当に、渚はセックスの相手としても最高だよ」

それって...カラダがいいってこと?

室井さんは先にでるって資料室から立ち去った。
最後の言葉が、セフレに対する言葉のようで、わたしは一気に惨めになった気がした。
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素材:FINON