ドアの向こう側...

「どういうこと??」
久我、ううん、広海って呼んでいいっていってたよね?彼の(うわっ、いっちゃった!)胸の中で激しく詰め寄った。
「お前さ、あの日先輩達にやたらベタベタされてたろ?」
「ひ、広海だってやたら女の先輩に言い寄られてたじゃないか!」
「お前、逃げなかっただろ?なんか見てたら腹たってきてな、思いっきり悪酔いした。」
「あれは男同士のスキンシップだよ?彼らはあたしの事、女だなんて思ってなかったよ?」
「馬鹿、そう思ってるのはお前だけだって!やつらイヤらしい顔してた。だからかな?あの夜めちゃくちゃヤラしい夢みちゃったんだよなぁ。お前に良く似た女を抱いてるんだけど、実にリアルでなぁ、けどお前のはずがないだろ?なのにお前みたいに俺の事『久我っ』って呼ぶんだよ。それが途中で逃げられちまって、目覚めたら残り香がしてたりして、もうまいったよなぁ、あん時は...」
それあたし...
「えっ?」
「それあたしだってば!」
「なんで、竜姫俺をマンションの前で降ろしたって言ってたじゃないか?」
「ほんとは部屋まで送っていったんだよ。そしたら広海が急に襲い掛かってきて...」
「嘘、おれが?でもお前香水なんてつけてたか?」
「あの時初めてつけてたんだよ...今日もつけてたよ?雨で取れたかも知れないけど...」
いきなりあたしの首筋に顔を埋めてくんくんしてるよ?
「そう、この香りなんだ!あの時の香り...竜姫だったのか?ほんとに?」
あたしは顔を彼の胸に埋めたまんま大きく頷いた。
「ずっとつけてくれてたらもっと早く判ったのに!!あの時以来、俺、竜姫のこと意識してたんだろなぁ。俺もあん時逃げられたのがおっきくってな、夢だと思ってたその分、後で反動来ちまって...」
「一時期とっかえひっかえ女の子と付き合ってたの、それもあたしのせいなんて言わないよね?」
「あ...そういうことになるかな?」
「うそ、もう信じられない!あたしの悩んでた原因全部、あたしが原因?」
「ははは...。いや、俺が鈍感すぎたからだろうな?竜姫はずっと側にいてくれたのに..ごめんな?会えない間辛かった。秀と仲良くしてるとか、もういろいろ妄想しまくって...」
「それで久々に出会ったのにすぐ押し倒した?」
「ごめん...竜姫?」
「いいよ、怖かったし、痛かったけど、愛がなかったわけじゃないよね?」
あたしはぎゅって彼に抱きついた。
「竜姫...あんま引っ付くなよ、胸、当たってるぞ?やばいよ、俺さっき途中で我慢したから...」
「へ?あっ...」
広海、お元気そうで...硬く興奮した彼のものが内腿に当たって熱い。
「いいよ...続き、しよっか?痛いまんま終わるよりは...ね?そのかわり、今度は優しくしてね?」
「竜姫!!!」
嬉しそうな顔した彼ががばっと覆いかぶさってくる。何度もあたしの名を呼んできつく抱きしめられて。
それから...


「やぁん、だめぇ、あんあんあん....はあん」
「竜姫ぃ、めっちゃ可愛い声だして、たまんねぇ!」
「広海ぃ、ああぁ...いいんっ!」
さっきからずっと繋がってるそこは、痛かったのは最初だけで、あとは...
「竜姫、おまえすっごく感じやすいのか?」
「わかんないっんん!はじめてだもん...はあっん!」
「わわっ、そんなに締めるなよ!俺ゴム持ってないし...やべえよ。」
「たしか、んっ、石原君が...はん...前に部室でばら撒いて、なかったぁんっ!」
「ちょっとまって...」
彼があたしから抜け出て、石原君のロッカーのあたりでがさごそしてる。
置いてかれたあたしはなんだか自分のものじゃない気がする身体を持て余していた。
彼に愛撫されて、どんどん女になっていく。自分が一番信じられない。
「竜姫?そんな色っぽい顔して待ってるなよ。」
彼の顔が近づいてくる。あたしは手を伸ばして彼の首に腕を絡めて抱きつく。
「だって、ずっとこうしたかったから...」
もう一度彼のモノがゆっくり入ってくる。
「こんどはもうちょっと余裕あると思うけど...俺、きっとこのままお前に夢中になるんだろなぁ。」
「あん、広海...」
「わぁ、やっぱだめ、お前のそんな顔、声と同時に見せられたら、俺っ!」
激しくゆすぶられ始める。あたしの口からはどんどん甘い嬌声が漏れていく。
「はああん、あん、いっ....いいんっ!」
「竜姫、竜姫、俺の竜姫!」
「あぁ...やっと...」
「くっ!もう...」


(やっと、あなたの側にこれた。ドアなんてなかったのにそれぞれが勝手にドアを作ってただけ...今あなたの側に入ってこれた。)


「ここにいてもいいのよね?」
「ん?」
「ここ...」
「あぁ」
あなたの腕の中。
「目覚ましたら車でおくるよ...」
「ん、広海の部屋でもいいよ?」
「ほんとに?あ、でもまた悪さしちまうかもしれないよ?」
「泊まってもいいなら...」
「じゃあ、帰さない...」
二人毛布の中で隙間のないほどぴったりと寄添って...
今夜は同じ部屋で、寄添って眠ろう。

Fin