5000001のちょこっとリク〜拍手より〜
「今村君と芳恵ちゃんのある晩の会話orメールのやりとり」
1

To竜次
Sub:やっほ〜
3日までしか休みがなくて残念
だったねw
もう少し逢いたかったな〜
今週、そっち行こうかな?
   芳恵



To芳恵
Sub:Re:やっほ〜
そうだね、もう少しゆっくりし
たかったね。こっち来るって嬉
しいけど、そんなことしたら月
曜の講義大変だろう?
無理するなよ。 
   竜次



正月開けてすぐに東京に戻った竜次くんとのメール。
メールの文面も真面目と言っちゃ真面目なんだよね…
まあ、カレらしいんだけど…


「よっし〜久しぶりだね。」
目の前でにこにこと微笑むのは、高校時代からの親友、紗弓。
「ほんとだね〜なかなか忙しくって会えなかったね…リーグ戦終わるまでは余裕無かったよ。」
「よっし〜の大学は強いもんね。うちは早々に負けちゃった。」
そういう紗弓とは高校時代はバッテリーを組んでいた。短大の彼女は今年卒業を控えてる。地元の企業に就職を決めた彼女は少しだけ落ち着いて見えた。もうすぐ社会人になるんだもんね。
「お正月はどうだった?今村くん帰ってきてたんでしょう?」
「うん、3が日だけね。3日目のお昼には帰ったよ。4日から練習だって。」
「そっか、大変だね…」
「大変だったのは紗弓の方でしょう?」
せっかくのお正月なのに、電話しても出ない、メールしたらようやく後から返事が返ってきて
<遼哉と居るの>
だもん。どうせあの馬鹿が電話にも出させなかったんでしょう?せっかくのお正月休み、紗弓とも遊びたかったのに〜やっと逢えたのが正月休みのラストの日。
「まあ、ね…遼哉ってあの通りだから。今日はやっと帰ってくれて…あっ」
紗弓には珍しく、つい漏れた愚痴に遼哉の横暴振りが目に浮かぶ。
まあ、あれだけ綺麗な男だから、えらそうに言っても似合う気がするけど、紗弓から見える疲労の影に同情を禁じ得ない。
「いいよ、たまには愚痴りなよ。来栖のやつは限度ってモンをしらないからね〜」
「ほんとにいい??だって酷いんだよ?遼哉ったら…」


その後の台詞はとてもじゃないけどあたしの記憶から削除したいほど、紗弓には似つかわしくない台詞だらけだった。

ちょっとまって、紗弓っていつもそんな目にあってるの?
いくら何でも、抜かずの<Pi->や朝までヤ<Pi->っぱなしや、外でいきなり<Pi->や、トイレに連れ込んで<Pi->だって??ソレは変態さんじゃないの??
「やっぱりおかしいよね?」
泣きそうな顔した紗弓にあたしは一瞬口ごもる。
「いや、それは、だね、紗弓…」
いかんせん、エッチなことに関しては紗弓の方が経験豊富なんだから、あたしにはとてもじゃないけど意見するほどのものがない…
「ねえ、今村くんって、そんなことしないよね?」
「ええ??」
そ、そんなこと聞かないでよ!!
あたしは焦った。さすがになにもないとは言わないわよ?だって、高3の時一緒にいった旅行先で初体験したのを、誰よりも紗弓が一番よく知ってるじゃない?
あれから…まあ、あたしが上京したときには必ずあたしの泊まるホテルに来てくれて、その、シテる。
盆と正月にはこっちに帰ってくるから、その時は逢って遊びに行ったりして、そのままラブホってとこに行ったこともあるよ。だってその日は今村くん家にはお姉さんとその彼氏が遊びに来ててどうにも帰り辛かったから…それ以外なら、まあカレの部屋で、だけど、そんな続けてなんてあんまり無いし、外でだなんて恥ずかしい真似したことないよ??
まあ、最近は慣れてきたからってことで、その…いろんな体勢は試されたりしてるけど。
「う、うちは、普通かな??」
「だよね、なんかいいなぁ…今村くんってすっごくよっし〜のこと大事にしてて。あたしなんか、時々遼哉はヤリたいだけなの?って思っちゃうぐらいだよ…」
「それは、ないでしょう…ヤリたいだけならいくらでも女いるじゃん。紗弓だからじゃないの?」
うう、不本意だけど来栖の肩をもってしまう。だってさ、アイツあんなんだけど、紗弓に対しては間違いなく本気だし、他の女には目もくれてない…
って、え?
じゃあ、竜次くんはどうなんだろう?
遠距離で、滅多に逢えなくて、たまに逢えても無口であたしの話ばっかり聴いてるし、逢ってすぐに、なんてことは夜じゃなきゃ滅多にないし…いつだって優しくて、まあ、最中はそれなりに激しいけど、そんな一晩に何度もなんてないし…多くても2回ぐらい?それも泊まりの時に時間空けてっていうか夜と朝、みたいな。
まさか、向こうに他にいて、間に合ってるなんてことないよね??


次へ

 Copyright(C)Kei Kuishinbo 2007 All rights reserved.