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Flexible

こちらはフリーではありません。
所有権は柊花さん、著作権はkeiにあります。          by kei

続編「After Time

柊花さんへいつもお世話になっています(笑)
1周年記念にどうぞお納めくださいませw

「ね、こんないい部屋大丈夫なの?」
いい部屋といってもセミスイートだ。ベッドはダブル。すべてのお膳立ては今目の前で瞳を潤ませて不安な影を作ってる気の強いうちの社長をこの腕に抱くためだというのに。
何を遠慮するんだ?いつもならこれ以上ないぐらい強気で攻めの一手の癖に。
そんなところがたまらなくて、わざわざ部屋を取ったりするんだ。わかってないだろうけど。


普段は彼女の部屋に半ば押しかけるような形で夜を共にしている。彼女がオレの部屋に来ることはまずない。もともとホスト時代に買ってもらった部屋だし、いずれは出ようとは思ってる。いっそのこと一緒に暮らしたいなんて言ったら彼女は笑うだろうか?それとも怒鳴って即追い出されるだろうか?今のとこ後者がパターンだと思う。
オレの本気、いまいちわかってもらえてないから。だからこうして、機会があれば身体を堕とし、愛の言葉を囁くのに、なかなか頑固な女なんだ。
遊び上手に振舞ってみたり、仕事が出来る分高飛車に出てみたり。そのくせなれない仕草でオレを誘うんだ。拒んでも、拒みきれないほどオレを求めるそのからだ。
そう教え込んだ。短い期間の間に...


「はっあ、あん、やぁあ...許してぇ...」
「許さないって言ってるだろ?今夜、アイツのこと思い出したんだろう?7年も付き合ってたんならその分...」
(くそっ)
嫉妬が先走りそうになる。どれだけこの身体を与えたんだ?思い出せないほど抱いてやる。オレの愛撫しか思い出せないよう、オレのモノしか思い出せないくらいその身体に分からせてやる。激情がいつもよりサディスティックに彼女を求めさせていた。
もっと、もっと彼女から聞きたい
オレが欲しいと、その唇で、身体で狂うほど欲しがらせたい。
オレを...オレだけを。

部屋に入って一通り部屋を見回した彼女を抱え上げて窓際に連れて行った。かなり上の階であるこの部屋は周りから見られることはない。バルコニーに出るドアを開けて外に連れだした。
「お願い、やめて...こんな酷いことっ!」
「しっ、隣に人がいたら聞こえるよ?覗かれたら見られたらイヤだろう?こんな恰好してるとこ。」
「いやっ、やめっ...んっ」
唇を塞ぐ。今の彼女はドレスの肩ひもを外され、胸を外気に晒されその蕾を硬く咲かせている。両手はオレのネクタイで縛って万歳するかのように頭の上に回してバルコニーーの手すりに縛り付けてあるからコチラを向いたまま逃げられない。
「泣きそうな顔してる...」
「当たり前でしょっ!こ、こんな恰好...」
キスの熱情で赤みをましてうるんだ目元、だけどその表情とは裏腹に強気な言葉。
「オレが贈ったドレスをどう脱がそうと自由でしょう?」
「そのために??ねえ、凌っ、お願い、外してよ、手が痛いわ。」
「だめだ、今オレは必死で自分押さえてるの。無茶苦茶に襲いかかってアナタを傷つけないように。ベランダじゃ無茶苦茶なこと出来ないし、アナタが暴れなかったら、オレだって無理矢理なことはしないよ。」
「なんで、そんな...凌だって今までたくさん居たでしょう?女の人が...なのになんであたしだけにそんな、」
「だってオレのは本気じゃなかったもの。遊びもあったし、単なる性欲処理もあった。中には寝たくない相手でもお客だから、無理して寝たときもあった。愛のある行為でもないし、キモチイイだけのモノでもなかったんだ。だけど、アナタとあの男は違うでしょう?香澄の全部、アイツが7年もの間、心も、身体も、アイツのモノだった時期があるんでしょう?くそっ、見なきゃよかった、あんな男...」
「それは、あたしも一緒よ?7年間、幸せな時期もあったわ。お互い忙しくて、ずっと一緒に居たわけじゃないけど、互いを励まし合って、愚痴いいあったりして頑張ってきたわ。あたしも寄りかかったりしてた。でも、その全部をアイツは捨てていったの。今更何言われたって、あたしはもう振り返らないわ。傷ついたけど、その分強くなれたともうし、もう既に吹っ切ってた部分もあるし...今だって、仕事で負けてるつもりないし、それに...凌が、居たし。」
「オレ?」
「うん、凌があたしにくれたの。女としての自信も、愛される喜びも、愛する喜びも...ね。だから、凌が怒るなら酷くしてもいいわよ?だって、凌が今嫉妬してくれてるの、すごく嬉しいから。」
「本当に?いいの?酷くシテも...」
嬉しくて別の部分がはち切れそうだった。
オレはちゃんと認められていた?彼女にとって必要な存在になれていた?
「ん、出来ればこれ外して、ベッドに連れていってくれれば一番いいけど。」
「それはだめ、今無性にその恰好で『シテ』って言ったアナタを抱きたい。」
ドレスはバルコニーの床に落とした。付けてる下着はストラップレスのレースのブラにガーターベルトとレースのショーツ。どこでも出来るようにひも付きにしたのはオレ。
そそってくれちゃって。
レースの上から舌を這わせて欲しがるまで攻めるつもりだったけど、紐を解いたそのしたの繁みは既に泥濘でいるし、我慢は出来なかった。
素早くゴムを付けて準備すると片足を持ち上げて貫いた。
「あっ!!くっぅ...!!」
何度か社長室で立ったまましたけれども後ろからが多かった。こうやって目の前に全てを晒した状態で、それも外で、声を殺して繋がり貪る。
たまんねぇ...
「ふううん、んっ」
ぐちゅぐちゅと蜜を掻き回す音が婬らに響く。
「凌...凌だけ、だから、たとえ騙されていても、あたし、構わない...凌だから、もう、裕人のなんか忘れちゃったわよ。忘れるぐらいするくせに...あっ、んんっいい...」
晒け出した胸に吸い付きこね回し、その尖りをかるく歯で挟み甘噛みすると彼女は身体を反らしてオレを締め付けて欲しがる。
「あん、も...っと、ね、凌、もっ...と」
「もっと欲しい?わかった、あげるよ?」
両足を抱え上げ、深く突き立ててそのまま獣のように腰を突き上げる。立ったままだからバルコニーの壁に向かって前後運動を加えての激しい動きに彼女が悲鳴を上げはじめた。ネクタイを解くとオレの首にしがみついてキスを求めてくる。
「ひっ!!」
そのまま突き上げて...ああ、結局壊すんじゃないか、オレ。
「香澄っ!!オレも、もう、...」
「ひっ、く、いく、いっちゃう!!」
最後キスで塞がなかったらお互い獣の様な声を上げていたと思う。



「香澄、ごめん。」
「ん、いいよ、謝らなくて...」
大きめのバスルームに二人で重なって、オレはまだ余韻の残る彼女の身体のあちこちに触れていた。まだまだ余力はあるけれど、あんな無茶な抱き方は初めてした。
「痛くない?」
少し赤くなった手首をさすりながらキスをする。
「大丈夫だってば...そのかわり、しばらくはこんなの無しよ?もう少し、優しいのが、いい...」
「ほんとう?」
「ゆっくり確かめ合うようなのがいいわ。あたしそんなに若くないんだから。」
「じゃあ、どんなのがいいか、香澄が教えて?」
「え?どんなのって...」
向かい合ってキスがいいとコチラを振り向いた彼女と肌を密着させてキスを続ける。次第に反応してくる下半身に気付いた彼女はゆっくりとその上にのって腰を落とした。
「ふうん...」
「このままゆっくりがいいの?」
ゆっくりと、互いに腰を回しながら、互いの存在を確認し合った。
「凌に顔みられるのは恥ずかしいけど、こうやって見てるのもいいかも...ドキドキして、苦しいんだけど...」
「ほんとだ、締め付けてくるね?出もダメだよ?それ以上刺激したら...付けてないんだからね。」
そう言うと余計に腰を動かす天の邪鬼な彼女。
さっきだって付けてたから多少はもったけれども、今回はそうはいかない。生の彼女の膣の感触はざわざわと締め付けて、タマラナイ。
「か、香澄?」
「だって、キモチイイ...凌を見てたら切なくなるし、止まらないの、身体が。」
『凌、綺麗』って...オレの髪を掻き上げる。そして自分からキスを重ねる。
なんで?アナタの方がずっと綺麗なのに...仰け反る白い首筋、胸、いっぱい俺のモノだって印を刻みたいほど...
「オレもヤバいんだけど?香澄がそんなに素直に、オレの顔見ながらそんなこと言ってくれると、嬉しくて、出そうになる...」
「だす?そのまま...」
艶っぽい表情で俺の目を覗き込んで聞いてくる。頼むからそんな顔しながら絞めないでくれるかな?
「いいの?だめなくせに...オレにそんなの許可したら、即孕まされるぞ?」
「そ、それはだめ!会社が...」
「ん、まだだめだな。けど、いつか...」
いつか、産休ぐらいさせてやる。そのあとの育休はオレがとればいいし、その間ぐらい、オレが何とか出来るようにしたいと思っていた。佐野さんは協力するって言ってくれてるんだけどって、あっ!
「ん、ああぁぁん」
何か想像しただけでオレのが跳ね上がったみたいで、その拍子に彼女の中もきゅうっと絞まって...
「ごめんっ!」
同時に思わぬ射精感に襲われた。急いで引き抜いて立ち上がったオレは自分で何度か拭くと白い体液を吐き出した。
あのままだして、香澄に子供を産ませる。そんなことを考えた瞬間暴発していたなんて彼女には言えない。信じられないけど、身体は生殖行為を望んでいたんだ。快楽よりも生殖の方を...
彼女の顔や胸に盛大に飛んでしまったそれを湯で洗い流そうとすると、彼女の手がそっと俺のモノにのびてきた。
「なっ、いいって、あっ...んっ」
思わず女のような声を出してしまった。射精感が残ったまま、残ったモノを吸い出そうとされた瞬間、腰が浮くような快感が走った。そのあとは舌と唇で綺麗にそれを舐めとって、彼女が俺の物を口に含んでぴちゃぴちゃと音を立てて拭きはじめる。最初は強要した行為だけど、自分からはしたことなかったのに?
「凌、いつか、ってあんまり歳とっちゃうと無理だけど、あ、赤ちゃん欲しくなったら凌の、もらっても、いい??その、認知とか籍とか、いいから...あたし、諦めてたけど、もしかしたら産めるのかなぁって思ったら、さっききゅうってなっちゃって...」
真っ赤なのは逆上せたからだけじゃないよね?
「オレもだよ...でも認知も籍もいらないって、オレじゃ役不足なわけ?」
「だって、凌はまだ若いし、縛っちゃいけないし…」
「オレ、ちゃんとあんたの年齢分かってるつもりだよ?どっちかって言うとそっちに近づきたいのに...」
ゆっくりと、3度目の頭をもたげるオレの。
「ベッドにいこう、今度こそゆっくり、話をしながら朝まで居よう?身体と言葉と両方で話して?香澄の本音が聞きたいから。」


ベッドに運んだ後、ゆっくりと何度も繋がりなおしながら、互いのこと、将来のこと、いろんな言葉を交わした。
いつも以上に素直な香澄が、疲れ果てて、赤ん坊のような寝顔で眠りにつくまで互いのどこかに触れあいながら、話した。
一回目が嘘のように穏やかで優しいセックス。
何度も囁く『君が許してくれるなら、いつでも、そのまま繋がろう』と...

「愛してる」
素直になった素肌の彼女に愛を伝えながら、眠ろう、今夜は...
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