2005クリスマス企画
〜今年のクリスマスは〜
10月・俊貴
やっと、だ。
やっと朱音が引っ越してくる。
長かった。
去年のクリスマスに、それまで目をかけていた
(目を付けていた訳じゃない)
朱音と、多少誤解があったものの、思いを遂げて
(無理矢理モノにした訳じゃないからな)
5月には両親に挨拶に行き、上司にも報告を済ませ、12月の結婚式の招待状も渡した。
同僚にはまだ伝えてないのは、長くからかわれるのはイヤだと朱音が言うからで、それは10月に入ってから報告すると言うことにしている。
そして9月末で今まで朱音の住んでいた部屋を引き払い、ようやく俺が新しく用意した新居に朱音が越してくるのだ。
朱音のために用意した部屋だから、ココに越してきてから台所に立つのもほとんど朱音だし、荷物はほとんど移してあった。
けれどもちゃんと引っ越すと言うことは、朱音にとって、もう帰るところがないし、会社に知らせる連絡先も俺のところになるということだ。ついでだからちゃんとしようと籍を入れた。いや、本当はこっちが本命?逃げられないように足元から固めて、手に入れた。
朱音はずっと俺が欲しかった女だからね。
仕事も出来て優秀な部下だったがそれだけじゃない。ずっと一人の同僚を思うその一途さにも惹かれた。着飾ることもしない、色気を振りまいて誰彼構わず媚びたりもしない。周りに気を配り、先を読んで動けるその思慮の深さは一生一緒にやっていくパートナーとしても文句の言いようがない。
何より...可愛らしいのだ。俺の前だけだけれども。
男慣れしていないその身体は俺の手で女になった。まあ、初めてだと知った時は驚いたさ。朱音は28で、それまでどんな男も知らずに居たという事実には、あの富野に感謝だ。それからは、どんどん開発を進めていったさ。身体の方は随分素直で、いくらでも俺に応えてくれる朱音、今では俺の方がすっかり夢中だ。
最初、もう歳だから、そんなに出来なくなっているのではないかと思われた性欲も、今はもてあますほどだ。朱音には申し訳ないけれども...
だから毎晩手元に置いておきたいのに、なにかと理由をつけて、逃げるようにして自分の部屋に帰ってしまうのが寂しかった。
彼女はケジメだとか言うが、そんなものくそくらえだった。
朱音の居ない夜を過ごした翌日は、会社で襲いかかりたくなるほどなのに...
おまけに最近メガネをやめて、ブライダルエステだとかに通ったりしはじめて、すっかり女らしくなっていた彼女に近づく男どもが鬱陶しくなってきたところだった。
「というわけで、杉原くんと俺は先日入籍した。挙式は12月24日、まあクリスマスなので各自のプライベートを優先してくれたまえ。義務はないし、査定にも響かせたりしないから、安心して欠席してもらっていいから。」
週末に引っ越しを済ませた翌日の会社で俺は朱音との結婚と入籍を宣言し、招待状を部下に押しつけた。朱音の同僚イコール俺の部下だからね。
一部からどよめきの声が上がった。と言ってもこの課には女性が少ないので数人の女性からだったが...さすがに男性社員は声は上げなかったが、かなり驚いた顔をしていた。勿論その中に、朱音が長く思いを寄せてきた富野もいる。
結婚1周年を迎えるヤツは今は既に一児の父だ。しかし、出来ちゃったで結婚した相手は育児放棄すれすれだという噂だ。毎朝疲れ切った顔つきで会社に出てくる。仕事の能率も下がり、俺は奴の評価を堂々と下げて人事課に提出した。今までの手柄も朱音の助けがあってこそだが、もうヤツとは組まさない。
朱音には、今は俺の秘書のような仕事をさせたり、プレゼンでも俺か他の部下と組ませている。
今更...朱音の良さに気がついても遅いんだ。彼女は俺のモノだ。目を見張る朱音の変化に驚き、内心では悔しがっているのが目に見えていた。朱音の気持ちに気付きながら、気を持たせ、踏みにじったのはヤツの方だ。
はん、朱音がいつまでもおまえばかりを思っているとでも思ったのか?
空いた時間に愚痴をこぼすのを大人しく聞いてやる朱音も朱音だが、彼女の気持ちを知っていて愚痴るヤツの気が知れなかった。だが、目先の可愛いさにぐらついて手に入れた女に早くも辟易として、目の前のいい女を指くわえて見ているんだな。これからは逃がした魚はデカかったのだと地団駄を踏んでいればいい。
こうやって宣言したからには誰にも手出しさせない。
数人、朱音狙いの気配があったヤツどももこれでしばらくは大人しいだろう。たとえバツイチでも仕事は奴らよりも出来るし、何よりも彼女を幸せにしてやれるのは俺だけだと思っているから。
「朱音...」
「やっ、俊貴さん、こ、こんなところで...はぁ...」
車を降りればすぐに部屋に戻れるのに...
新しい新居の駐車スペースは角地で、今日は週末で周りの車も埋まっていた。外からは完全に死角になる車の中で、俺は朱音の身体を味わっていた。最初が車の中だったのもあって、癖になってしまったようだ。
朱音のスーツのブラウスをはだけて下着をずり上げて上半身の滑らかな肌を味わう。タイトスカートをめくればガーターベルトのうえから履いた下着は脱がせやすい形だ。昨夜から同じ部屋で生活し始めた彼女に今朝着替える前に『お願い』しておいた本日の注文だったんだ。勿論俺の好みだ。直ぐにこういうことが出来るからね。
指を這わせて濡れているのを確認するとすぐさま横の紐を解き自分のスーツのポケットにしまい込む。もう履かせる気なんてない。
潤んだ瞳はもう俺を欲しがってるのが判る。そう、最近はすぐに受け入れてくれるようになった。
なかなか仕込んだだろう?
シートを倒した後は性急に繋がる。
「はうっ...ん」
イイ声が狭い車内に響く。
(朱音、声出すんじゃないよ。)
耳元で命令するように囁く。
(で、でも、俊貴さんがいきなり...入ってくるから...あんっ)
(朱音だって欲しかったんだろう?)
きつめに押し込むと苦しげな声を漏らす。こんどは動きをゆっくりと緩慢なモノに切り替えると甘い声が止まらなくなる。次第に動きを早め、奥を狙い突き上げはじめると声が一段と高くなった。
「ああっん、あっ、やぁ...もう...」
「だめだよ、まだイカせないっ」
再び動きをゆっくりにすると、切なげに瞳を潤ませておねだりしてくる。身体で欲しいと、瞳で早くと、訴える愛しい人のおねだりが聞かずにいられようか?だけどこのままではあっけなさ過ぎる。ガキじゃないんだから、ソコは押さえて後の楽しみに取っておくんだ。
「朱音、今はナニも着けてないんだよ?最初のは受け止めきれないだろう?どうする、部屋に戻る?」
本当はこのまま果ててしまいたい。だけど、焦らしたあとの楽しみが待っている。
泣きそうになってる朱音から抜け出ると、身支度を調えて車から降りる。
朱音も何とか見た目だけ整えたが降りてこれそうにない表情だ。遠目には酔って具合が悪くなったように見えるだろうか?
「大丈夫かい?朱音。」
「だ、大丈夫じゃない...」
少し恨めしい目で見上げられるが気にしない。手を取って支える振りをして朱音の敏感になった身体のあちこちに触れる。その度にびくびくと身体を震わせる。
(部屋まで我慢しなさい)
耳元でそう命令すると、ゆっくりと歩み始める。
そう、部屋に帰らないとご褒美は貰えないよ?エレベーターの中でもゆっくりと身体を撫で回す。持ち上がるスカートの中は何も着けていない。
「いやっ...俊貴さんっ!ああんっ」
支えていないと立って居られないほど身体が快感で痺れているらしい。イケずに宙に浮いたままの快感がうねる様に身体を攻め立てて居ることだろう。勿論、自分自身もはち切れそうなほど朱音を求めている。
「ああっ、俊貴さんっ!!」
ドアの中に倒れ込むようにして新居に戻った二人は、玄関に衣服を脱ぎ散らかしていく。性急に見えても焦らすことは忘れない。
「どうして欲しいの?」
リビングの入り口で熱く滾る己を押しつけながら朱音の言葉を待つ。
「あ、お願い...さっきみたいに...」
朱音がそっと自分の手を俺自身に這わせはじめる。
「さっきみたいに?誰が見てるかわからない車の中でしたように、朱音の脚を開いて、今朱音が触れている俺のソレを、朱音の濡れたソコに入れて欲しいって言うの?」
「あっ...」
その言葉だけに反応したのか手が引っ込むのをすぐさま捕らえてその手に擦りつける。
「もう宣言しちゃったからね。俺のこれは朱音のモノで、朱音のココは俺のモノだって。」
濡れそぼる秘所に指を絡ませる。かき混ぜて濡れた指を引き出して朱音に見せつける。
「ほら?朱音のがこんなになってる...」
「もう、イジワルしないで!お願い、俊貴さん、あたし、もう...」
身体を震わせて哀願する可愛い朱音。焦らしていながらも焦らされてるのは俺の方だった。
最初にひどい目に遭わしてしまったから、後はゆっくり開発してやろうと意気込んでいたのにいつの間にか夢中になってしまう自分を制するために朱音を焦らしたりするようになったのだけれども、かえって逆効果で、最後には自制が聞かなくなって酷く彼女を攻め立てている自分が居た。
「じゃあソコのソファに座ってお願いしてごらん?」
ソファに向かう合間に急いでゴムを装着する。もしもの時のためにソファのクッションのしたに隠しておいた一つだ。こんなところで中に出してしまうって訳にもいかないし、外に出すと後始末が大変だからね。
「俊貴さん、貴方が欲しいの、お願い、もう...」
朱音が自ら脚を開いておねだりしてくる。
その瞬間深く突き立てる。そのまま朱音を押し倒し腰を持ち上げ、又突き刺す。
「あぐっうっ!!!!!」
ヒクヒクと彼女の中がわななき、一瞬にして果てたことを知らせていた。
我慢させすぎたかな?
「あっ、あっ、あっ」
まだイッタばかりで震える身体をもう一度深く突き刺す。
「ひゃぁあん、だめっ...いま...イったとこなの、ゆ、ゆるして...はぁああっん」
ソファの背から上半身をこぼして、下半身だけを俺に貫かれた彼女がソコだけで、俺のモノを搾り取ろうと締め付けてくる。
もう持たない。激しく揺さぶり腰の動きはもう止まらない。深くどこまでも突いて、突いて、己のすべてを吐き出すためにどん欲に動き続ける。薄い膜越しに朱音の締め付けが伝わる。もう彼女からは声すら漏れてこない。浅い悲鳴のような呼吸音だけだった。
「だめ、また、ああ...うぐっ、んっ、いっちゃうっ!!!
「朱音っ!!イクぞっ、くっ!!」
腰が痺れたように快感を放つ。ドクドクと脈打つ己自身とぎゅうぎゅうと搾り取ろうとする朱音の膣壁の動きが天へと誘う。
すべて放ち終わったあと、どさりとソファに崩れ落ち、急いで朱音を引き起こして胸の上に抱き留める。
「朱音...大丈夫か?」
「も...ダメ」
ぐったり掠れた声でそう言って、彼女は目を閉じた。
一回戦を終えた俺たちはその身体を引きずるように風呂場へとなだれ込む。翌朝は仕事だからゆっくりは出来ないが、食事は済ませてきたのであとは寝るだけだ。朱音ももう部屋に帰らなくてもいいし、籍はもう既に入ったんだから誰に遠慮することも無いはずなんだ。
朱音は俺だけのモノ。
そう、何度もくりかえし囁きながら腕の中に朱音を閉じこめて朝を迎えた。
結婚宣言をした二人、その夜です。