5000001のちょこっとリク〜拍手より〜
「今村君と芳恵ちゃんのある晩の会話orメールのやりとり」
その日の夜、あたしは竜次くんにメールした。

To竜次
Sub:こんばんわ!
今日ね、紗弓と逢ってたんだよー
色々相談されちゃった。
来栖とのこと…
正月間離してもらえなかったとか、
朝まで…とか、何度もで身体が持
たないとか…
あたしなんて答えればいいか悩ん
じゃったよ。
紗弓にうちはどうなのって聞かれ
たんだけど、あたしたちって、普
通だよね?



思い切って書いちゃった…ストレートな内容だけど、本題はまだ聴けない。


To芳恵
Sub:Re:こんばんわ!
そっか、俺もたまに来栖から相談
受けるよ。俺もするけど
アイツは紗弓ちゃんが可愛くてし
ょうがないらしい。離れてる間も
不安だって言ってた。だけど、そ
れは、俺もだよ?
普通って、わかんないけど、俺は
芳恵を大事にしたいから、ちゃん
と我慢してます。


え?我慢?それって、他にいないってこと??

To竜次
Sub:そうなの?
竜次くんも来栖に相談したりする
の?我慢って…その、他に相手が
いたりしないって、こと?


そう送って少ししてから携帯が鳴った。携帯っていってもPHSだけど、メールも電話も定額でただ同然。だけど、竜次くんは寮の相部屋だから、そうしょっちゅう電話が出来る訳じゃない。

『芳恵?今電話して大丈夫だった?』
「う、うん、部屋だから…どうしたの?外?」
どうやら部屋の中じゃないらしい。後ろの音で判った。
『ああ、その、気になって…他に相手ってどういう意味?』
「あ、いや、その…」
『芳恵、』
ちょっとキツイ語尾で呼ばれてしまった。
「その、あたし達の方が長い間逢えないし、だけど、竜次くん来栖みたいなことないから、その他に居るから平気、なんてことないかなーって、ちょっとだけ考えちゃって…」
『あるわけないだろっ!俺は…芳恵だけだし、我慢してるのは、久しぶり逢ってもがっついてエッチなことばっかりしないようにってことだよ!そんなに心配なら、今度から我慢しないけど?それでいいの?芳恵は、<身体がもつ>の?』
「え…?」
信じられないような言葉を聴いた気がする…竜次くんって、そんなこというの?
『俺は、何時だって芳恵が欲しいよ?おまえだけが好きだし、遼哉が紗弓ちゃんにしてるようなこと、おれだって…』
う、うそ…竜次くんが?こんなこと言うなんて…
「あ、あの、竜次くん?」
『俺も男だから、その、溜まるし、やりたいって言うのはあるよ。でも芳恵しか、今は考えられない。今度逢ったとき覚悟してて?』

そのあとも甘い言葉が続いて、あたしはもう頭がぼーっとしてしまっていた。
だけど翌日、いつもの時間にメールしても返事がなかった。
あたしは、思わず電話してしまった。



『もしもし?』
あれ?これって、竜次くんの声じゃない?
「あの…」
『ああ、今村の彼女?オレ、同室の田中っていうんだけど、ごめん、勝手に出て。実は、あいつ昨日から熱出しちゃって』
「熱??」
うそ、無茶苦茶丈夫なのが取り柄なのに…
『ああ、寒空の下、夜中に外で電話してたんだよ。相手君だろ?』
「は、はい…」
『アイツ昨日珍しくメール読みながら飲んでてさ、酔っぱらった勢いで外にでちまったから…』
あ、あれって、飲んでたからなの??あの台詞も…酔ってたから?
「ね、熱は高いんですか??」
『まあ、ちょっと…熱あるのに練習だけはちゃんと出てたから、アイツ。顔に出ないだろ?あんまり…で、オレらも騙された口。無茶するヤツだよ。』
ホントに無茶するんだから。
「そうなんですか…あの、竜次くんのコトよろしくお願いします。真面目なんだけど、そううとこ融通きかないので。」
あたしは電話口で頭を下げていた、今すぐ側には行けない、だからお願いするしか出来ない…
『ああ、わかってるよ。真面目だけど、熱いヤツだから…君の話も聴いてるよ?』
「ええ?あたしのはなし、ですか??」
な、なんだろう、一体…
『ああ(笑)すっごく大切な人を置いてまで来てるから、<いい加減なコトしたらアイツに恥ずかしいって>さ、飲んだらのろけるんだぜ?』
「…ほんとうですか?」
『ああ。あ、起きたみたいだから、変わるな?』
<ほれ、彼女からだぞ?>
<なんでおまえが話してるんだよっ!かせっ、>
受話器の向こうでちょっと言い合ってるのが聞こえる。うん、元気そう、かな?
『  あ、芳恵?悪い、田中のヤツが勝手に出たみたいで…』
「ううん、あの、熱あるんでしょう?昨日むりしたから…」
『ったく…田中が言ったのか?大丈夫だよ。帰って一眠りしたら治ったよ。』
「ほんとう?」
声にいつものハリがあって、少しだけ安心出来た。

『ああ、すぐにでも出来るくらい。』
「え?」
『今すぐ芳恵を抱けるよ?そのぐらい元気。寝かさなくてもいいんなら、俺…頑張るから』
な、なにを??あの、全然普通じゃないんだけど??
『なぁ、今週末こっち来れない?俺、芳恵に逢いたいよ…すっげえ、苦しいんだ、今…』
そう言ったあと、ばたんって音がした。


『ごめん、アイツまたのびちまった。まだ熱高いんだ。と言うわけだから、心配なら今週末きてやって。今週の日曜は練習ないから、じゃあね。』

えっと、行かなきゃダメかな?
だって、熱出して言ってることが、竜次くんの本音なら、行った方がいいんだよね?

でもね、嬉しかった…
たまに本音聴きたいなぁ?
いつも、あんまり言葉くれるほうじゃないから…そしたら、あたしも頑張れるから!!

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