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覆面カップルのバレンタイン回答編です〜

幸せ気分をあなたにも♪

秘密のバレンタイン答え&おまけカップル
その1

バレンタインの夜、世間では恋人同士たちが記念日らしいいつもと違う豪華な食事に出かけたり、それぞれの部屋で甘い時間を過ごしている。ホテルの多くの部屋も平日にも関わらず予約で一杯だったりする。

そんな中、たった一人、ホテルの部屋で待つ青年が居た。
「無理…だったかな」
急な呼び出しだった。
事情で当分の間姿を隠すしかなくなった彼は、友人のところやホテルを転々としてきた。
友人の知り合いの男に熱心に口説かれ彼の自主制作の映画に出た。その作品で脚光を浴び、監督デビューが決まった男のせいで、公開されたその映像をみたマスコミからも追いかけ回される日が続いていた。そのうち、忘れ去られると思っていたのに…
来栖遼哉は今決断を迫られていた。
誘いのまま映画に出演するか、それとも今の生活を守るか…
まだその決断はついていなかった。
だが、さすがの今日ぐらい、バレンタインぐらいはと、恋人の紗弓に連絡を取ったが、ホテルが決まるまでに時間がかかってしまった。普通の短大生の彼女が関西から関東まで出て来るのには新幹線か飛行機を使っても3、4時間はかかってしまうし、だ。




ピンポーン
ホテルの部屋のチャイムが鳴り、遼哉は急いでドアに向かった。
黒い皮のパンツと黒のシャツ姿のすらりと細長いその立ち姿が、灯りの絞られた部屋のドアに影を映す。
外にたたずむのは清楚な顔立ちの女の子、紗弓だった。その姿を確認した遼哉は急いでドアを開けた。
「ごめんなさい、遅くなって…」
「オレこそ、ごめん…こんなことになって…」
ううんと首を振った紗弓はドアの中に滑り込むと青、遼哉の首にしがみついた。遼哉はいとおしそうに柔らかな紗弓の髪をその綺麗な指先で撫でるとすぐさまドアを閉めた。

「大丈夫?ちゃんと、たべてる?」
ベッドで寄り添って座った彼の顔を覗き込んで紗弓は心配そうにその瞳を揺らす。
「ああ、それより…いい?」
遼哉は柔らかな体の彼女を、宝物のようにそっとベッドに倒し、その唇を近づける。
「ん…あたしも、」
その先、二人に言葉は要らなかった。


「あっ、ああっ…」
慣れた愛撫にすぐさま狂わされ甘い声を上げる女の姿に変わっていく。彼女を女にするのはいつも彼だ。
幼い頃から互いを知り、そして心と体を通じ合わせてからは誰にも変えがたい存在となってしまった。
「オレが、安易にあんなこと引き受けなければ…」
自責の念は強い。だがそれ以上に今は愛する彼女と繋がり、その存在を実感するまでは心の不安は治まりそうにない。
「もう、離れたくないのに…」
切なげな表情で自分を見下ろす彼のその艶のある表情。誰もが見たくて、夢中にさせるそれは今は紗弓だけのものだ。
寄せられた眉も、深いまつげも、色の浅い茶色がかった瞳も、全身から放つ色っぽさも、自分を欲しがる彼から発せられるものだと。実感させてくれる激しい行為は一度で終わらず、食事の総てをルームサービスで取りながら続いた。

「こんないいホテル、大丈夫なの?」
「ああ、あいつがお詫びにといって取ってくれたんだ」
あいつというのは、彼がこんな目にあう元凶になるものを作った男、あの映画を撮った久我広海だった。
「そうだ、これ…」
紗弓がバックの中から取り出したのは小さな紅い箱。
「チョコ?」
「そう、あんまり好きじゃないだろうけど、気持ちだけね?」
「そうだな、オレは本体があれば十分」
そう言いつつ何も着ていない紗弓の体を引き寄せる。
「どうするの?これから…」
「ああ…考えてはいる」
「逃げ続けられないよ?」
「わかってる…」
「あたしは、いいよ?」
「え?」
「いいの…したいように、してくれれば。だって、前みたいには逃げられないでしょ?」
以前、紗弓から逃げ出したことがあった。けれどもどうせ捕まるのなら早々に結論を出した方がいいに決まっている。遼哉はスッキリとした笑顔を彼女に向けた。紗弓や周りの人間だけにしか見せない子供の頃と同じ笑い方。
(自分の中にある気持ちにはうそは付けない。いつか…)
「答えは、だすよ。ちゃんと…けど、今はおまえだけでいい。」
再びシーツの波の中にうずもれていく若い二人。飽き足らないと言わんばかりに再び睦みあう。
甘いすすり泣くような女の嬌声は、しばらくは消えることはなかった。


その2

「今時分逢ってるかな?あの二人」
「そりゃそうだろ?あいつが一人でいるもんか」
「けど…普通に逢えなくしたのは、わたしたちだよ?」
「わかっている」
「でも、」
「今は俺たちもバレンタインを楽しんでる、そうじゃなかったのか?」

マスコミよけの為に生やし始めた髭に慣れない竜姫は、自分に押し付けられた唇とその感触に震える。彼の方は普段色の濃いサングラスまでしているというほど念が入っている。今はそのサングラスを外しているが、普段は決して外そうとしない。自分が注目されることを恐れている、若き映画監督久我広海の素顔は今のところSecretだ。その素性、久我物産の次男と言うことも伏せてもらっている。もちろん、名前も変えているし、父親の援助も一切受けていない。ただ、理解のある兄が陰から支えてくれているのは心強かった。

「んっ、ちくちくする…」
キスと共に与えられる刺激に竜姫は眉を寄せた。
「慣れろ、当分剃るつもりはない」
「あっ、だめ…」
身体の上を滑っていく唇とともに髭が肌を刺激していく。
スレンダーで少年のような体型の彼女も、彼の手にかかれば艶のある女性の身体に変化させられてしまう。
「んっ、はぁ…」
「嫌そうじゃ、ないな?」
反応のよさに機嫌をよくした広海は、彼女のもっとも敏感な部分に口を付けた。先ほどもらったチョコを食べた後の甘ったるさの口直しに愛液を馳走になる。
普段はクールに自分のサポートをしてくれる彼女だが、ベッドで可愛がる時は少女のように恥らう姿を見せてくれる。
自分がここまでやってこれたのは高校時代から支えてくれた竜姫と、あの不思議な魅力を持った来栖遼哉、彼のおかげだ。そのせいで今、彼は窮地に陥っているのだが…それは、彼が決めればすむことだ。
まあ、いい、今夜はあの二人もこうやって互いの存在を確かめ合っていることだろう。
バレンタインの夜ぐらいは…


その3
「遅いなぁ…」
そのかわいらしい表情を曇らせて、少年、いやもう青年の入り口まで来ているだろう彼が口にした。
目の前には仕事の忙しい彼女の為に作った夕食。
「バレンタインでも仕事あるんだよな…」
ちぇっと口を尖らせて机の上の料理を一つ掴む。

襟の伸びた長袖のTシャツに、フード付きの色あせたトレーナー、ぼろぼろのジーンズを腰履きにした彼はほおづえ付いてため息一つ。大学に入ってから明るく色を抜いた髪、ジャニーズ張りの可愛いらしい顔立ちと明るい性格でどこに行っても人気者の彼にも唯一頭の上がらない存在がある。それがこの部屋の主なのだが…

「ただいまー!」
きっちりしたスーツに身を包んだ彼女が帰宅してきた。
コタツの中に潜り込むようにうたた寝した子犬のような彼を見つけて彼女は微笑む。
「まーくん、ごめんね、遅くなって」
平日はいつも遅くなるけれども、今日ぐらいは早く帰りたかったのだが、仕事のトラブルはそれを許してくれなかった。
「わぁ、美味しそう」
料理を見ると彼がどれだけ一生懸命作ってくれたかわかる。
「愛されてるなぁ…わたし」
歳の差もあるし、時間も合わない二人がどこまで一緒にいられるか、なんて全部彼の努力のおかげだと彼女は感謝する。
「起きたらどうせ寝かせて貰えないんだろうから、今のうちに…」
さっさと食事を済ませてお風呂に入る。
眠ってる子犬の彼はもう試験も終わって春休みだ。バイト三昧だけれども、夜からのバイトなので朝はゆっくり出来るだろうが、自分は朝も早い出勤で、おまけに彼ほど若くもないし体力にも自信がない。
「若い男の子と付き合うのって、確かに体力居るわね」
盛りはじめると際限のないのが玉に瑕の自分の彼氏にため息をつく。

「槇乃さん…ずるいなぁ、自分だけご飯食べてお風呂?」
「あ、起きたんだ?」
「起こしてくれればよかったのに〜〜〜〜〜」
ざぶんと湯船に入ってくる彼は可愛い顔をしているけれども遙かに彼女よりも身体は大きい。すっぽりと包まれた彼女はどうしようかと悩む。
「ね、あったまったらさ、そこに横になってよ」
洗い場にウレタンのマットを引いてなにやらしようとはじめる将志の行動に怪訝な表情を隠せない、槇乃。
「な、なに?」
無理矢理引き上げられてそこに俯せに寝かせられると背中に何かが堕ちてきた。
「え、ちょ…」
チョコの香りがバスルームに広がる。
「通販でね、買ったんだ。こうやって、食べさせてもらおうと思ってね」
悪戯っぽい表情で片目を瞑ってみせる彼の笑顔に、槇乃はため息をつく。
「わかった…ん、けどなんか違わない?」
「なにが?」
「普通女性の方が、でしょ?」
「そっか…じゃあ、やって?」
素直に自分の元気なそれを槇乃に押しつける。将志が背中にたらしたらしいチョコ味のラブシロップを彼のモノにたらりと垂らしていく。
「ん…結構、くるね、この感触」
「我慢出来る?」
ちらと上目遣いで見る槇乃の目は既に色っぽく潤んでるようだ。彼も残りのシロップを彼女の胸に垂らしていく。
「そっちこそ、久々に勝負する?」
「い、いいわよ?じゃあ、先行ね」
手と口、胸まで使って刺激をし始めるので、将志の方は堪ったもんじゃない。ただでさえ寝起きなのだから…
「んっ、ヤバイな、この感触…」
そう言いながらもその指先は彼女の敏感になった胸の先を摘んでいる。
「体勢変えるよ?」
俗に言う69(シックスナイン)の形で互いに快感を送り込み合うが、若い彼の方に、すぐ頂点が来てしまう。
「もう、入れさせて…」
「白旗?」
「その代わり、入れた後は負かすから!」
にやっと笑って素早く向き直って、彼の愛撫で濡れたそこにゆっくりと猛りきった彼自身を埋め込む。
「あぁぁん」
既に追い込まれていたのか軽く震えた槇乃を見てにやりと笑う将志は激しく腰を使い始めた。
「あぁっ、ん、もう、このっ」
昔のように言うことをきかなくなったやんちゃな子犬は、知り尽くしたその身体を翻弄させてしまう男になっていた。
頭が上がらないのは普段の生活だけで、セックスになると最近は俄然リードされてしまう。最初だけわざとリードを譲っているだけなのだから。
ロ−ションで敏感になった身体のあちこちをまさぐりながら追い込んでいく彼。
「自分で買ったチョコでもこうやって食べると美味しいんだよな?」
甘いチョコもいいけれども、コレの方が豪華だと思った将志。
そのせいで、槇乃が買ってきたチョコをあげない、と宣言されたのは翌朝のこと。



その4

「なあ、今日何の日かしってるよな?」
机に向かってなにやらずっと打ち込んでいる彼女の背中に向かって話しかける。
「知ってるよ」
振り向きもせずに答える彼女。
「ないの?」
「なにが?」
「チョコ」
「たべたかったのか?」
「……いや、たべたいとかじゃなくて」
「たべないならいらないだろ?わたしも好きじゃないんだ」
「あ、そ…」
沈黙が流れる。
「女の子からもらったのがあるんだろ?」
しばらくして、少し戸惑いがちな彼女の声。こんな聞き方は彼女らしくない。
「え?知ってたの?」
いくつか職場の女の子からもらったって知っているらしい。彼女の情報網はあちこちにあるらしく、あまり油断は出来ない。だが、浮気する気もないから、やましいことは何もないんだけどね?
「負けませんとか言われてもね…こっちは一緒に住んでるんだけど。」
「なあ、チョコはいらないからさ…こっちこいよ」
「今執筆中なんだ。後じゃ駄目か?」
「いいよ、待ってる…」
彼女の脚本を元にした僕の従兄弟の自主映画が受けて、ヤツが監督デビューする話が進んだとき、同時に彼女も脚本家として認められたのだ。その後幾つか他の仕事もこなしながら、そいつと組んで次の作品の脚本を書いているってわけだ。
だけど、拗ねた僕の視線を感じたのか、彼女は仕方なく立ち上がってこちらを向いた。
マイペースでクールな彼女、一緒に暮らしてる僕だけが彼女を振り向かせる事が出来る。
彼女の親友である女性を除けば、だけど…

「ふーっ、ずっとそうやって待つつもり?」
「うん、その代わりこっちに来たらもうそっちに戻れないよ?」
ゆっくりと近づいてくる彼女。
「…わかってる、だから、これでどうだ?」
彼女がセーターを脱ぐとそこにはチョコレートカラーの下着があった。
薄い胸に申し訳なさげについてるものだが、僕にはそんな事関係ない。愛しい彼女が、こんなイベントに振り回されたことのない彼女がチョコの代わりに付けてくれた下着だけで十分だった。

「美咲…それ、」
「いくらなんでも、悔しかったからな。」
「なんか言われたの?」
「眼鏡ブスって…」
どこの女だ?そんな失礼なヤツは!!
「どこが?眼鏡かけててもはずしてもこんなに可愛いのに?」
「私のことをかわいいなんていうのは秀だけだよ」
「僕だけで十分。君のそのクールな態度が崩れる瞬間とか、照れて真っ赤になってる顔とか、他の誰にも見せたくないから」
「ばかっ…」
チョコレートカラーの下着がベッドの下に落ちる。
後は甘いchocolateタイム。



バレンタインの夜はどんなカップルの元にもやってくる。


その5
「ただいま」
「お、かえりなさい…」
出迎えたのは少しだけ髪型を変えた少女だった。女子大生になった彼女は時々こうしてアパートで歳の離れた彼を待ってくれていた。
「あ、すごい…」
最近は少しだけ格好を構うようになって、厳しいだけじゃないところを披露しだした教師の彼の元に、紙袋いっぱいのチョコが届けられるようになった。
「いや、断ったんだが、知らない間に机の上とかにあってね、他の先生方にも配ってきたんだが、いかにも、なのは誰も受け取ってくれなくて…」
「しょうがないですよね」
教師の立場である彼のことも、チョコを渡そうとした女生徒たちの気持ちも彼女にはよくわかってしまう。昨年まで同じ立場にあったのだから…
「君からはないのかね?」
「ありますよ、でも先にお食事かなと思って…」
くるりと後ろを向いた彼女を背中から抱きしめる。
彼女の両親から高校卒業後すぐに交際の許可は取ったものの、大学卒業だけはきちんとさせる、卒業後結婚と言う条件付だった。
手はだしてる…ださずには居られない。
「だ、だめです…先生」
「先生?」
「あ、すみません」
「ペナルティだね?」
にっこりと彼が笑ってお約束通りベッドへと拘束された。



その6


「ただいま」
遅くに帰宅すると、妻はちょうど子供を寝かしつけた所だったようだ。
「おかえりなさい、どっちさきにする?」
「ん、じゃあビール」
スーツの上着を脱ぐとすぐにそれはハンガーに掛けられ軽くブラシで汚れを払われる。
できすぎた妻の完璧な姿に思わず口元が緩む。
これがまさか社内で一番地味で目立たなく、けれども仕事に厳しかった同僚の姿かと思うと…
よく独身男性同士で女性社員の批評をし合ったことがあった。その時、対象でもないのに必ず名前が挙がっていた。
『きっと一生会社に居座ってるぜ、嫁のもらい手なさそう〜』
『ああ、嫁さんにしたら家の中で角立てて毎日怒ってそうだもんな』
そんな馬鹿な話をしていた同僚に見せてやりたい。
眼鏡を外してちゃんと化粧すると、きつめの顔が映えてやたら綺麗になるし、昔皆に黙ってやってたホステスの仕事のせいか相手の反応見たり、話を聞いたりするのも本当に上手い。それと、年老いて寝たきり状態の両親を見ていたから、やりくりも介護も家事も完璧だ。父親はなくなり、母親は今は施設に入っている。子供が生まれて手が回らなくなるまえに話し合ってそう決めた。もう彼女の母は自分の娘の顔も時々わからなくなるのだから…。それでも、週末には迎えに行き、子供と一緒に遊ぶ義母の姿はまるで童女のようだった。もうしばらく家族3人での生活を楽しんだらオレの実家に戻るつもりだが、その時一緒に義母も連れて行くという話になっている。お節介な俺のお袋が、嫁孫込みで面倒見ると言ってくれているのだ。


「あなた、これ…」
テーブルの上にビールのおつまみのつもりか茶色い塊がいくつか…
「バレンタインでしょ?今日は」
「ああ、そうだったな」
うちの会社は義理チョコはやめようというお達しで、すでにその風習はない。本命チョコも結婚してからはもらうこともなくなった。もっとも、妻からもらったのは結婚してからはじめてだったが…
「手作り?」
「生チョコは簡単だから」
ふうんといって口に含む。洋酒の効いたBitterタイプで、あんまり甘くない。
「美味いな」
「よかった」
穏やかに微笑む妻が目の前の椅子に座る。
「なあ」
「ん?」
「今日は久しぶりに一緒に風呂に入らないか?」
子供が起きていればどちらかが入れてどちらかが上げる。一緒に入るなんて稀なことだ。
「え…いいけど…」
「それと、まさか、このチョコ俺だけにだよな?」
「あら、お義母様と母にも持っていったわよ、昼間」
「お袋達にだけ?本当にそれだけだよな?」
念を押すと少しだけ目を逸らす。
「やっぱり、持っていったのか…」
「だって、一度にたくさん作れるのよ?お店にすこし…」
店というのは以前彼女が会社にナイショで勤めていたクラブのことだろう。きっと、そこの支配人に逢って、手渡したんだと思うと気分が悪かった。世話になったのはわかる。だが、昔の男じゃないか…
「怒った?」
俺が不機嫌な顔をしたのに気が付いたらしい。
「ああ…」
自分でも拗ねた顔だとわかる。だけど、わざとそうしていた。
母となった今、彼女が女の顔に戻るのは勿論俺の腕の中だけだが、普段消極的な彼女がこういう事の後だけは、少し無理して俺に奉仕しようとしてくれる。それがまた嬉しくてつい、そうし向けてしまうんだ。
「風呂、行くぞ」
その声を合図に、片づけをすました後、妻が風呂場に入ってくる。
その後は…
「智恵子、いいよ、すごく…」
久々に奉仕されて、俺の分身ははやく妻の身体の中の温もりを求めている。
「あっ…久志さん」
我慢出来なくて、彼女の口から引き抜き、そっと浴槽の縁を掴ませて後ろ向かせる。性急に繋がると激しく腰を動かし、快感を掘り起こせば、婬らな水音と妻の嬌声がバスルームに籠もるように響いていた。

その夜、子供にも見せられないような夫婦の痴態が、アパートの狭い風呂場の中で繰り広げられていた。





きっとホワイトデーの夜も、どのカップル達の間でもお返しと言わんばかりに妻や恋人への奉仕が繰り広げられているはず…
楽しんでいただけましたか?
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