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昼の月・夜のお日さま

5.雨のち晴れ時々虹〜どんなときでも元気〜

新幹線で帰ってきた3人を駅まで迎えに来たのはサチと宗佑だった。
日向子は病院で何も知らされずに眠っているそうだ。今は身体に少しでも負担をかけないことが一番だったから。

「菜月、もう馬鹿ね、あんたって子は...」
サチは菜月の頭を撲ったあと、思いっきり抱きしめた。
「圭太、淋しい思いさせていたんだな、おとうさんが悪かった。日向子も産まれてくる赤ちゃんも大事だけど、圭太も一等大事に決まってるじゃないか?日向子だって同じだぞ?」
宗佑の優しい声に、怒られるかもと帰る直前になって脅えていた圭太がほっと瞳を潤ませて宗佑に抱きついた。
「ただな、圭太は男なんだから、もしまたこんなことがあっても、女の子を守れなきゃやっちゃいけないぞ?菜月ちゃんに頼りっぱなしだったんだろう?それは恥ずべき事だ。いいな?守れないと思ったときは、途中で引き返しても戻ってくるんだぞ。」
意外な戒めに、圭太はやっと自分の不甲斐なささを実感した。
「わ、わかった...とうちゃん、オレ、もっと強くなる、愛華ちゃんや菜月ちゃんを守れるように、強くなる!」

それからしばらくして、圭太が宗佑や郁太郎が通っていた道場に通って剣道を始めたのは言うまでもない。菜月もついでだからと郁太郎に放り込まれて一緒に通う羽目になった。



翌月、日向子は自宅療養を経て無事男の子を出産した。
もうすぐ4月、愛華を連れた工藤家がこの街にやってくる。
雨上がりの空には虹が架かって、その向こうに昼間のお月さまも見えていた。お日さまは相変わらず元気だから、明日もきっといい天気です。
−FIN−
菜月が走り出してしまって、意外な展開になっちゃいました。
自分でも信じられません(笑)
この作品はK’sRoomでも読めるようにしたいですね〜えっちないですし(笑)yokoさん、思ったような展開にならなくてすみませんでした〜m(__)m

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