〜月がほほえむから番外編〜
郁太郎のジレンマ10

「冷えてきたな、入ろうか。」
オレは繋がったまま湯をかけるとサチを抱きかかえたまま立ち上がった。
いわゆる駅弁って恰好だな?ゆさゆさと振り、突き上げるとサチは身体を反らせて「ひいっ」と声を上げた。
「でかい声あげるなよ?」
そのまま湯船に浸かっても激しく突き上げる。
「あぁあ!いいっ、お、奥まで、来てる…はぁん、もう…」
「まだ駄目だぞ?あの日、久々におまえ抱いてから、欲しくて欲しくてしょうがなかったんだ。もっと優しくしてやれば、もっと良くしてやれば良かったってずっとおもってたんだからな?」
「で、でも…こんなの、気持ちよすぎて…あたしだって、久しぶりだったのよ?あんなに、気持ちよかったなんて…」
「どうしてたんだ?別れてから。寂しかったんだろ?ここに何か入れたくて…おもちゃでも使ってたか?」
「馬鹿っ、もう…」
「図星だろ?おまえよく言ってたもんなぁ、おもちゃ入れてやると、嫌だ、オレのが欲しいって、無茶苦茶よがりながらオレのをねだって、喰わえ込んでしゃぶってたもんなぁ?」
「やっ…」
「恥ずかしがると余計にオレの締めやがる…相変わらず、可愛い反応しやがって…言えよ、おもちゃで慰めてたのか?」
「……いや…お願い、動いて…」
オレは動かずに奥を圧迫する。
「オレのを思い出して、慰めてたのか?言えよ…言ったら動いてやる。おまえの気持ちいいとこいっぱい擦ってやる。」
「そ…そうよ…いつも思い出してた…あんたってあたしのことぞんざいに扱う割には、セックスの時だけはすごくって、愛されてるって勘違いするほど、激しくって、長くって、何度でも…だからあたし勘違いしてた…でも、違う。全然違うの…本物の郁太郎は…おっきくって、硬くって……意地悪だわ…」
「今思えば…オレは、オレなりにおまえのこと……気がつかなかっただけかもしれねえな。」
「ああっ!!」
約束通り突き上げて腰を動かすとサチは悲鳴を上げる。
「先にイケよ…さすがにオレも1回目は余裕ねえ…」
サチを後ろ向きにして浴槽に捕まらせる。
「あぁぁ…」
角度が変わって、サチがまた感じる。オレはサチの奥を深くえぐるように後ろから突き刺しながら吐精感を堪えた。腰骨の当たりにまでぞくぞくと最後の快感がこみ上げてくる。右手を前に回してサチの敏感になって剥けた快感のボタンを強めに擦ってやった。
「ひゃあぁん、だめぇ!いっちゃう!!いくのぉ、ねえ、いっちゃうのぉ、あぁああんっ!!」
「サチっ!!」
我慢しきれずにオレも奥まで突き上げた後、急いで引き抜き、サチの背中に向けて手で扱いた。
大量の精液がサチの背中を濡らし、イッてる最中に引き抜いたせいか、ぴくぴくと蜜壺の入り口をヒクつかせたまま湯船に落ちていった。

しばらくは湯船で抱き合っていたが、快感を引きずったままのサチのそこを指で慰めながらぼーっとしていた。
相変わらず、すげかった…思った以上の反応をしてくれる身体。
溺れてたのはオレの方だった。
なのにタイプが違うと、認められずに居たオレは馬鹿だ…
「郁太郎?」
「なあ、サチ…オレ、おまえのこと、愛してたんだ、5年前も…気がつくの遅すぎたけど、こうやって抱いてみてよくわかる。おまえが愛しくってしょうがねえんだ。」
日向子を抱いてたとしてもオレは満足しなかっただろう。もしかしたらサチと比べてしまってたかもしれない。
「嘘…」
「オレホントに馬鹿だからなぁ…気がつくのも、認めるのも怖がって、今時分気がついて…今までおまえを抱いてきた男全部に嫉妬したい気分だ。」
「ひどい…それならあたしだって、あんたが抱いた女全部に嫉妬するわよ?」
「嫉妬してくれ。けど、どの女ともこんなにはしなかった…」
湯船から立ち上がり、サチを引き起こす。
先に浴室を出たサチはオレにバスタオルをよこす。
「サチ、おまえを先に拭いてやるよ。」
「い、いいわよ…」
嫌がるその身体をゆっくりと拭き、自分の身体をさっさと拭くと、腰に巻いて脱衣場を出て自分の財布からゴムを取り出してまた脱衣所に戻る。
「どうする?ちょっと寒いけど、ここでもう一回するか?それとも菜月の側でがいいか?」
オレは意地悪くにやりと笑う。子供の横だなんて、ちょっと興奮するけど、気付かれたらヤバイよな?
「なっ、何言ってるのよ!」
「おまえだって一回じゃまだまだ物足りないだろう?じゃあ、ここで、声出すなよ?」
バスタオルを外して、半分立ち上がったそれを目の前に出すと、サチはそれをおいしそうにぴちゃぴちゃと舐めはじめた。舌先で根本から先まで、ゆっくりと舌先で舐め、引っかかる部分をまた丁寧に舐め、先端に舌を差し込んだあと、深く喉の奥までくわえ込んだ。
「んっんっ…うぐっ…んっ」
舌と唇のすぼまりを使って丁寧に扱いてくれる。
「サチ…相変わらず、うめえなぁ…」
「んっ、郁太郎、続き、して…」
今度は側面をはむムはむとくわえながら滑らせてくる。
「ああ、判った。」
ゴムの入ったフィルムを渡すと、口に喰わえて装着してくれた。
バスタオルの上に押し倒すとサチの身体を思いっきり押し開いて、猛った己自身をゆっくりと埋めていく。
さっきのぬかるみがそのまま潤滑剤となって、すぐさま奥まで埋まる。
「はぁ…こんどは、ゆっくり、鳴かせてやるよ。」
オレは腰を回してサチの中をかき混ぜてサチのざらつきを擦り、何度も突き上げて子宮の入り口を突いた。
今度は余裕のあるオレは、何度もサチを昇らせて、しまいには、声が我慢できないサチの口にタオルを突っ込んで声を殺させて、攻め立てた。
何度も気が狂ったように涙を流しながら、サチは達していった。その度に締め付けられ、限界を我慢して、それでも2度は我慢できずに放ってしまった。
最後はもう出るかでないか、サチももう意識はなくなる寸前のようだった。
「サチ、愛してる、オレともう一度結婚してくれ。」
そう耳元で囁いても、サチはタオルを取った口でも声は出せずになんども狂ったように頷くだけだった。

ぐしゃぐしゃになった身体を濡れたタオルで拭いて、体温が下がらないうちに、菜月の隣の布団に二人して潜り込んで、そのまま泥のように眠ってしまった。

TOP BACK NEXT